- ワンポイントレッスン
サブロウ「せきはなおったのですが、たんがからんで声が出しづらくって。いえの近くの病院で診てもらい、ビソルボンという薬を処方してもらいました。ビソルボンってどんな薬ですか」
ビソルボンの成分は、塩酸ブロムヘキシンだよ。
ユキエ「一般用医薬品でも使われる、あのブロムヘキシンですか」
サブロウ「たしか、たんを止めるはたらき…」
そうだね。
去たん成分として、総合かぜ薬に使われているよね。ただ、去たん成分のはたらきは、たんを止めることではない。たんを出しやすくしている、ということに気をつけよう。
気道は、気道液という粘液でおおわれている。ゴミやほこりなどが入ってくると、粘液がからみとり、繊毛(せんもう)のはたらきで自然に体外に排出される。
気道液は異物から体を守る防御反応の働きをしているということだよね。健康なときは排出される量も少なく、たんとして意識されることはないんだな。
ところがさ、かぜをひいて炎症がおきる。細菌やウイルスが侵入する。そうすると、粘液の分泌が活発になり、その上、繊毛の動きも鈍くなってしまう。そのため、たんがからまって排出できなくなってしまう。
サブロウ「いまの自分です」
塩酸ブロムヘキシンは、気道の分泌液を増加させて、たんを流れやすくするんだ。それに、気管支平滑筋をゆるめる作用もあるんだってさ。
ユキエ「気管支平滑筋がゆるむってことは、呼吸がらくになるってことですか」
そうだね。
呼吸もらくになるし、せきもへらす効果があるってことになるよね。
ただ、注意点として、もともとさらさらしているたんには、使わない方がいいというこ と。まったく粘りがなくなってしまい、かえって排出しにくくなってしまうからね。
サブロウ「なるほど。からまりすぎるのもよくないけど、水みたいになってしまっては、たんの役割をはたせなくなってしまう、ということですね」