- ワンポイントレッスン
サブロウ「な、なんか鼻が赤い」
ユキエ「かぜか花粉かわからないけど、鼻かみすぎちゃって」
サブロウ「か、花粉って、まだ冬だよ」
ユキエ「そうよ。1月からはやくも、アレルギーのクスリ使い始めている人もいる」
サブロウ「そういえばエフェドリンなんだけど」
ユキエ「エフェドリン?花粉となんの関係が?」
サブロウ「花粉症のときの鼻炎薬に入っている」
ユキエ「プソイドエフェドリンって言いたいのね」
サブロウ「そう。そして総合かぜ薬でもエフェドリンが使われている」
ユキエ「それは、メチルエフェドリン」
サブロウ「同じエフェドリンなのに、プソイドとメチルで使い方が違うよね」
ユキエ「たしかにそうね」
サブロウ「どちらも交感神経を刺激するって作用があると思うんだけど…」
ユキエ「作用するところが違うんじゃないかしら」
サブロウ「どんなふうに?」
ユキエ「プソイドエフェドリンが鼻づまりのとき使われているのは、血管に作用して、血管を収縮させるから。でもメチルエフェドリンの方は、気管支に作用する」
サブロウ「でも、どうして作用する場所がちがうんだろう」
エフェドリンは、アドレナリン作動成分ってよばれている。
交感神経を刺激するアドレナリンと同じ働きをするからだよね。ここで、アドレナリンが作用するしくみをく・わ・し・く見てみよう。
受容体って知っているよね。アドレナリンは、この受容体に結合することでいろいろな効果を現している。ところがさ。受容体にはいくつか種類があってさ、主なものとして、アルファ受容体とベータ受容体とよばれるものがある。
そして、ここがおもしろいところなんだけど、アルファ受容体は主に血管に分布し、ベータ受容体は気管支に分布している。
同じアドレナリン作動成分でも、薬によって、アルファに結合しやすかったり、ベータに結合しやすい性質をもっていたりする。
アドレナリンは両方に結合する。だから、血管も収縮させるし、気管支も拡張させる。それに対して、プソイドエフェドリンはアルファに、メチルエフェドリンはベータに結合する。
同じエフェドリンだけど、結合する受容体の違いが、作用の違いとなって現れるんだ。