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ワンポイントレッスンNO.4

佃先生
蛋白性感染性粒子?


 次の記述で、(    )に入る語句はなんだろう。

頭蓋骨と脳の間には、硬膜、クモ膜、軟膜といった髄膜があり、髄液で満たされて脳を保護している。病気や事故で脳に損傷を受けると、脳外科手術をすることになる。その際に、頭蓋骨をとり、硬膜が切除される。手術が終わり、切り取られた硬膜を元通りにしなければならないが、そのとき、補てん材料としてヒトから採取した乾燥硬膜が使われていた。ところが手術を受けた患者から、はじめ不安、健忘といった症状が現れ、やがて歩行障害、起立困難、運動異常がおこり、意識が失われ、ついには死にいたってしまう症例が多数発生した。原因は、手術に使われたヒト乾燥硬膜が、(    )に汚染されていたにもかかわらず、不活性化の処理を行っていなかったからであった。

 四大薬害のうち、クロイツフェルト・ヤコブ病に関する記述だよね。カッコの中にはその原因となった病原体の名前が入ります。できたかどうか、このコラムの最後まで読めば答え合わせができるよ。

 ヒト乾燥硬膜は、生物由来の製品だから、いろいろな病原体が潜んでいる可能性があるよね。安全対策として、滅菌をし、動物実験をして、安全かどうかを確認したうえで使用されなければならないはずなのに、そのような措置が行われないまま、手術用に流通してしまったんだね。滅菌方法としてとられた方法は「ガンマ線滅菌法」という放射線を用いるものだったんだけど、この病原体には効果はなかった。しかも効果がないことを実験で確かめもしなかった。さらに危険性の報告がありながら国は何の対応もしなかった。このような経緯って他の薬害にも共通している・・・悲しいことだね。
 通常の細菌やウイルスなら死滅するはずの加熱処理や放射線照射によっても死滅しない。しかも電子顕微鏡で調べても姿を見せない。牛に発症する狂牛病(BSE)も、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の病原体と同じであると見られていました。

 この病原体の正体は?

 病気にかかった脳はスポンジ状になっています。もはや脳としての機能を失い、認知症に似た症状を呈します。そのような脳を調べたところ、特殊な蛋白質が蓄積していることが観察されました。この異常増殖した蛋白質自体がCJDの、そしてBSEの原因ではないか、という仮説が発表されました。この蛋白質には、蛋白性感染性粒子と名付けられ、略してプリオンとよばれています。

 答えは「プリオン」でした。
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