2017.2.1
- ワンポイントレッスン
DDTって?
衛生害虫を駆除する殺虫剤として、17世紀にはあのニコチンが使われていました。
そして19世紀になると、除虫菊にふくまれるピレスロイド系の成分が使われるようになり、いまではフェノトリン、ペルメトリン、フタルスリンなどがピレスロイド系の殺虫成分として使われています。
第二次世界大戦中に、アメリカでは日本から除虫菊が供給されなくなります。
新しい殺虫成分を開発しなければならなくなり、その結果作られたのが有機塩素系のDDT。ジクロロジフェニルトリクロロエタンの略で、農薬としても使われました。
ところが、DDTは、自然界で分解されにくく、長く環境に残留する性質があり、食物連鎖により濃縮されて人体にも取り込まれ健康を害する(発がん性も疑われる)ことがわかりました。
野生の生物への悪影響もあり、その危険性をレイチェル・カーソンは「沈黙の春」とよんでいます。
DDTなどの化学物質の影響で鳥たちの鳴き声が聞こえなくなる、という意味だよね。
現在では使用が禁止されて、有機塩素系の殺虫成分としてはオルトジクロロベンゼンが、ウジとかボウフラの除去の目的で使用されているだけです。
塩素系の成分は、名前の一部にクロロ、クロルがつくのが特徴だよ。(塩素を英語でクロラインというからなんだ。)
有機塩素系殺菌消毒成分➩ジクロルイソシアヌル、トリクロルイソシアヌル
有機塩素系殺虫成分➩オルトジクロロベンゼン
現在では、有機塩素系にかわり、毒性の低い有機リン系殺虫成分が主流です。有機リンでは、フェニトロチオンとダイアジノンを組み合わせた薬剤がゴキブリ用の殺虫剤として効果的といわれています。