- ワンポイントレッスン
脚が気になると書いて“かっけ”。考えてみれば、不思議な言葉だよね。
脚気という言葉の語源は、
『 夏の海 水着姿のキミの脚 パラソルの影 気にかかる 』
という心情を唄った短歌からできた言葉だ!と言われても、なるほど納得してしまうかもしれない、そんな言葉。
でも実は、脚気とは病気の名前なのでした。
心不全によって脚がむくみ、神経障害によって脚がしびれる、そういう症状が特徴です。
気になるのは、キミの脚ではなく、自分の脚の不調なのでーす。
脚気はビタミンB1が欠乏すると起きます。
一般の人が白米を食べることができず、麦や粟などの雑穀を食べていた時代には栄養バランスが保たれていて、脚気もありませんでした。
明治になり白米が一般にもいきわたるようになって、登場します。
鈴木梅太郎という農化学者(脳科学者ではありません)が、脚気の原因はビタミンB1欠乏によるものだと、発見したのでした。
この発見はノーベル賞に値するものだったにもかかわらず、論文の翻訳の問題があったりして、結局受賞を逃してしまったのでした。(残念)
当時は、ウイルスが原因だという説もあったのだ。
健康診断で、ひざ頭をたたいて、反応を見る検査がありますが、あれが脚気の検査です。
しかし脚気は、手足がしびれて歩けなくなる、という脚の症状に終わりません。
進行すると心臓が麻痺してしまうところまでいく病気です。手足のしびれやむくみ、吐き気や便秘(消化器障害脚気)、そして心臓機能低下による血圧の低下や呼吸困難の症状が現れ、命をおとすこともあります。
脚に目を奪われる、のもいいけど、キミの呼吸や心臓にも気にかけよう。
ひょっとしてビタミン不足かも。