- ワンポイントレッスン
夏はペルセウス流星群の季節。夜中まで起きて、見た人もいるかもしれないね。
星座の名前になっているペルセウスは、アンドロメダ姫を救ったギリシャの半神からとられているんだ。
ペルセウスのように星座の名前にはなっていないけれど、プロテウスってきいたことはないですか?
“第一人者”という意味のギリシャ語なんだけど、プロテインという言葉の語源になっています。
プロテインはタンパク質のこと。生命活動で最も重要な役割をする物質という意味から名付けられました。
なにしろ私たちの体の大部分、筋肉、臓器、皮膚なども、また酵素、ホルモン、抗体、ヘモグロビンなどもタンパク質でできているのだから、タンパク質は生命そのもの。
ペルセウス星にもまけないくらい重要といってもいいくらい。
タンパク質を分解すると、どんなタンパク質でもすべてアミノ酸になり、その種類は約20種類もあります。
これらのアミノ酸の組み合わせで、いろいろな機能をもっているタンパク質ができているわけです。
私たちが摂取する食物としてのタンパク質は、炭水化物、脂質とならんで3大栄養素の一つだよね。
タンパク質は消化されて分解されなければ、体に吸収されません。さてタンパク質を分解する酵素といえば?
2つ思い出そう。
まず胃液にふくまれるペプシン。
これはタンパク質をペプトン(ペプチドともいいます)にまで分解します。
ペプトンっていうのは、いくつかのアミノ酸が結合したものをいいます。
消化酵素ペプシンは、タンパク質をアミノ酸までこまかくは分解しない、まだ分解しきれていないで、つながったままのアミノ酸が残っているということです。
そして、すい液に含まれるトリプシンです。
この酵素によって、ペプトンはさらにこまかく分解されることになります。
消化管に分泌されるときは、ペプシンはペプシノーゲン、トリプシンはトリプシノーゲンという形で分泌されます。
ペプシノーゲン、トリプシノーゲンはこのままでは消化酵素としてはたらかない、不活性な形です。
胃酸や腸液により、ペプシン、トリプシンに変わり、はじめて消化酵素として働くようになります。
どうしてそんなめんどうなことをしているんだろう。
私たちの体はタンパク質でできています。
そこへいきなりタンパク質を分解する酵素がやってきたらどうなるかな。
自分自身を分解してしまうことになるよね。
不活性な形は、自分自身の分解を防ぐというたいせつな意味をもっていることになるんだ。
流れ星って不思議。人の体もそれ以上に不思議。