- ワンポイントレッスン
ビタミンBのことだと気がついた人は、次に続く数字は12だってわかったはず。
でもなぜ、ビタミンB1、B2、B6、B12と数字がとびとびにつけられていたり、A,B、C、D、Eまではアルファベット順なのに、このあといきなりKになったりするのでしょうか?
その謎を探ってみよう。
ビタミンの発見は、欠乏症から始まりました。
①壊血病。毛細血管が破れやすくなって、皮膚や粘膜に出血が起こる症状です。ライムやレモンなど果物不足によって生じましたが、レモン汁の中に壊血病を防ぐ物質が含まれることが発見され、その物質にビタミンCと命名されました。
②くる病。骨が軟化して、背骨や足がまがってしまう病気で、原因はビタミンンDの欠乏です。
アトピー性皮膚炎を予防するはたらきをする物質としてビタミンンHが発見され、また細胞分裂に欠かせない物質としてビタミンMが発見されました。
③脚気。多発性神経炎のことで、全身に倦怠感、しびれ、歩行障害などを生じますが、この脚気予防因子は、ビタミンB1と命名されます。
炭水化物をエネルギーに変えるのに、酵素が使われますが、ビタミンB1は、この酵素の働きを助ける補酵素の役割をしています。
そして、栄養分を分解してエネルギーに変える際の補酵素の働きをするビタミンは、新しいアルファベットを使わないで、すべて「B群」として登録されていきました。
しかし、ビタミンとは、体内で不足すると欠乏症を起こす、生体が自分で産生できない、または産生できても不十分であるため外部から摂取する必要のある化合物のこと、だったよね。
ビタミンと同じ作用を持つけど、欠乏症がなかったり、発見されたビタミンと同じものだったりして、ビタミンの名前で呼ばれなくなってしまった結果、とびとびになってしまったのでした。
ビタミンHとビタミンMの場合もそうです。たしかにビタミンではあるけれど、新発見ではなく発見済みであったものと同じであることが分かりました。
こうしてビタミンHはビオチン、ビタミンMは葉酸とよばれることになり、H,Mは欠番になってしまいました。
これがととびとびの番号とアルファベットの理由なのです。