2017.2.1
- ワンポイントレッスン
百人一首とヒノキ
村雨の 露もまだひぬ まきの葉に…
さて、下の句は?
百人一首にある寂蓮法師の和歌で 霧立ち上る 秋の夕暮れ
と続きます。(そんなの常識よ?すいません)
通り雨があった。まきの葉も露でしっとり濡れている。霧が立ちのぼっている。時は秋。夕暮れ時の情景。なんか絵画(または3D映画)を見ているような感じがする~。
この歌にでてくる「まき」。
建築に使う材木のうち、特に優れているものをいにしえでは、真木という意味で、まきとよんでいたそうです。
まきというから、ストーブに使う薪だと思ったら、違うのか。燃やすどころか、仏像も作られるくらい良質の素材が真木です。
この真木とよばれていた樹木には、スギやヒノキといった、日本が誇る針葉樹があります。
スギもヒノキも今では花粉症っていうイメージで語られることが多くなってしまっているけど、それだけではない。
優れた建造物を考えるときには、なくてはならない歴史を背負った樹木でもあるのだ。
ヒノキについて、わすれてはいけないもう一つの側面。
香料や皮膚病、口内炎などに外用薬として使われている、ということも思い出そう。
ヒノキからとられる精油には、ヒノキチオ-ルが含まれている。
このヒノキチオールは、血行を促進する効果もある、ということで毛髪用薬とか歯肉炎用薬とかに入っていることもあるんだよ。あっ、あのクスリの香りがひょっとしたらヒノキだったのかも…。
ヒノキチオールの檜舞台。