- ワンポイントレッスン
光のページェント。クリスマスに向けて、街が彩られている。イブの予定は決まった?
イブといえばイブプロフェン。
いい機会だから、この際イブプロフェンの疑問を考えてみよう。
イブプロフェンは、痛みや熱を抑える解熱鎮痛薬だ。どうやって抑えるのだろう。
細胞が損傷を受けると、細胞膜からアラキドン酸が放出される。
アラキドン酸は、シクロオキシゲナーゼの作用でプロスタグランジンに変わる。
このプロスタグランジンの作用で、痛みや熱が引き起こされる。
シクロオキシゲナーゼ → 刺激 → 細胞膜 → アラキドン酸 → プロスタグランジン → 熱 → 痛み → 炎症
イブプロフェンは、この中のシクロオキシゲナーゼの作用を抑えるという働きがあります。
シクロオキシゲナーゼが働かないと、アラキドン酸からプロスタグランジンも作られない。
こうして熱や痛み、炎症の発生をおさえることができる、ってわけ。
では、プロスタグランジンはいらないものなのかな。
そう見えるかもしれないけれど、生体にとってなくてはならないものでもあるんだ。
痛みや熱は確かにつらい。
しかしプロスタグランジンの役割はそれだけではない。
プロスタグランジンには何種類もあり、その作用も多彩。血圧の調節、血管の拡張、平滑筋への作用、血小板凝集、局所ホルモン様作用、胃粘膜の保護…。
そういった働きはどれも欠かせないものだ。
しかしいったんプロスタグランジンが作られると、それが刺激となって、さらにプロスタグランジンが連鎖的に作られる、というしくみがある。
いらないのにどんどんふえていく。雪だるまがころがりながら大きくなっていくように。
こういう悪循環に入ることはくいとめた方がいい。
そういうときこそイブプロフェンの出番。
プロスタグランジンは雪に似ているかもしれない。クリスマス・イブには欠かせない。あってほしい。でも、降り過ぎると、翌日の朝…。