- ワンポイントレッスン
クレマスチンといえば、抗ヒスタミン成分だよね。
ヒスタミンは、ふだんは肥満細胞とよばれる細胞にたくさん蓄えられている。
肥満細胞がアレルゲンなどの刺激を受けるとヒスタミンを放出、受容体に結合していろんな症状を引き起こす。
抗ヒスタミン成分はヒスタミンが受容体に結合するのを妨げる働きをしている。
くしゃみや鼻水、かゆみなどに有効なので、一般用のかぜ薬、アレルギー用薬などに利用される。
クレマスチンは中でも持続性が高いのが特徴で、医療用でも、タベジールという名前で、クロルフェニラミンとならんでよく処方されているね。
抗ヒスタミン成分は、開発された時期によって第一世代、第二世代と分類されている。
クレマスチンは第一世代にあたる。(1960年代に、スイスの製薬会社によって開発された。)
クレマスチンの他にもジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリプロリジンなどが第一世代だ。(というか、ほとんどの抗ヒスタミン成分は第一世代。)
第一世代は、眠気をもたらす作用が強い。
これは、脂溶性が高いため。脂溶性が高いと、血液脳関門を通過する。そして、中枢に作用してしまうことによる。
また、第一世代には抗コリン作用もある。口がかわく、どきどきする、眼圧が上がる、尿が出にくくなるなどの副作用は、この抗コリン作用によるものだ。
そのような第一世代の弱点を改良しよう!と開発されたのが第二世代の抗ヒスタミン薬。
最近リスク区分が第一類から第二類に変更になった、ケトチフェンとか、アゼラスチンなどがそう。
第二世代は、中枢作用も抗コリン作用もはるかに少ない。
さすが新世代。
でも、まだまだデータが少なく、安全性の面で妊婦には使用しないようになっている。
また、ふつう第二世代は、抗ヒスタミン成分ではなく、抗アレルギー成分とよばれることになっている。
そういえばクレマスチンは、犬や猫のペットにもよく処方されているそう。
イブの夜、くしゃみや鼻水で苦しそうなトナカイがもしいたら、クレマスチンがぴったり。かもね。