- ワンポイントレッスン
泌尿器系の中心となる臓器といえば腎臓です。
腎臓の構造の項目では「機能単位をネフロンといいます。」という説明していますが「機能単位?」「ネフロン?」一体どういう意味だろう?
受講生からも質問を受けたことあります。
よくわかっていない場合もあるので、聞いてください。
腎臓は全体が被膜につつまれていて、そのすぐ下の6~7mmの厚さの部分を皮質、その内側が髄質とよばれます。皮質の部分に血管が入り込み、細かく枝分かれして、毛細血管が絡み合って球状になっています。この球状になった毛細血管を糸球体といいます。糸球体のまわりをボーマン嚢とよばれる袋状のものが包み込んでおり、これを腎小体といいます。
腎臓に流入した血液は、まず糸球体に入ることになります。ここで、血液中の水分や塩分、尿素、アミノ酸、糖などがろ過されてボーマン嚢の中に移行します。これが原尿だ、というのは知っているよね。
ボーマン嚢からは、尿細管という細い管が1本伸びていて、髄質に達しています。この尿細管は、ボーマン嚢に移行した原尿にふくまれる物質のうち、体にとって必要なものを再吸収し、血液の中にもどします。そして、再吸収されないで尿細管の中に残った成分が濃縮されて、尿となって体外に排出されることになります。
腎臓は、血液中から老廃物を除去することを主な機能とする器官です。血液中から老廃物を除去するには、このように①ろ過、②再吸収、③尿生成という3ステップで行われます。その作業は腎臓のどこで行われているのでしょうか。
もちろん糸球体、ボーマン嚢、尿細管だよね。これら機能全ての単位をネフロンと呼びます。びっくりするかもしれないけれど、ネフロンは片方の腎臓だけでなんと、100万個あります。
100万ものネフロンの1つ1つが、いいかい。①ろ過、②再吸収、③尿生成という作業を黙々と、整然と行っています。まるで、風の谷の樹木が大地を流れる汚れた水を浄化し続けているように。(おおげさ)そう考えると、腎臓のはたらきは、ネフロンの作業を寄せ集めたものにすぎないっていうことになります。ネフロンあっての腎臓といっても過言ではありません。
「われわれネフロンの活動によって、腎臓が成り立っているんだ!」「われわれネフロンがいなければ腎臓は何の役にもたたない!」という機能単位ネフロンの(「控えめな」主張が聞こえてきそうです。