- ワンポイントレッスン
こんにちは。
今回はベラドンナ総アルカロイドについての記事です。
ベラドンナ総アルカロイドは、副交感神経の働きを抑える作用のある抗コリン成分です。鼻汁分泌やくしゃみを抑えてくれるので、かぜ薬や鼻炎用内服薬などに配合されています。
◆ベラドンナ
ベラドンナはナス科の草本で、その葉や根に、副交感神経系から放出されるアセチルコリンの働きを抑える作用を示すアルカロイドを含みます。イタリア語で「ベラ(美しい)ドンナ(女性)」を意味します。
◆ベラドンナの名前の由来
副交感神経の働きを抑えると、結果として交感神経が優位になります。すると、目に対してどのような効果が現れるのでしょうか?
それは瞳孔散大。つまり瞳が大きく開かれます‼
それを知った中世の女性たちのあいだで、目を大きく美しく見せるためにベラドンナの果実成分が使われていました。そのような効果をもたらせる植物に対して、美しい女性、ベラドンナという名前が付けられたのです。
◆ベラドンナの毒
実は、ベラドンナは激しい毒性を持つことでも知られています。食物や飲料に果実1粒を入れるだけで確実に死を呼ぶことができることが紀元前の時代から知られていました。 果実だけでなく葉や根などにも毒を持っています。
◆アルカロイド
植物に含まれる、塩基性で、少量で激しい作用をもたらす生理活性物質を一般にアルカロイドと呼んでいます。ベラドンナにも、いろいろなアルカロイドが含まれ、まとめてベラドンナ総アルカロイドと言います。
◆使っても大丈夫なの?
ベラドンナの毒は有害ですが、用量・用法を守れば薬としての役割を持ちます。
成分の強い根茎と根はベラドンナコン(ベラドンナ根)という薬品として、ベラドンナエキス、ベラドンナ総アルカロイドとともに日本薬局方に収められています。
★「ベラドンナ総アルカロイド」覚えにくい名前ですが、名前の由来を思い出すと学習に役立ちますね。
鼻汁分泌やくしゃみを抑える作用は抗ヒスタミン成分にもありますが、ベラドンナ総アルカロイドは抗コリン成分です。間違えないようにしましょう‼
監修 長沢利枝講師