- ワンポイントレッスン
1月は、いろいろな風物詩が多い。
七草がゆもそのひとつ。おなかの調子がイマイチで食欲もないというとき、とびきり合うー。(おかゆが詩だというのもへんだけど…)
おなかといえば胃だけど、胃の具合が悪く、どんな状態かを言葉で人に伝えなければならないときって、意外と難しくないですか。
胃が痛いことを考えてみても、キリキリするのか、チクチクするのか、ズキズキするのか、重い感じか、しみる感じか、しめつけられるようなのか、失恋したときみたいなのか(ってどんなの?)いろいろだ。
しかも痛むばかりでない。不快感があったり、むかついたり、もどしそうだったり、つかえたり、ふくれる感じがあったり、もたれたり、弱っていたり、げっぷがでたり、たくさんありすぎ。
そのようないろいろな症状をまとめて「機能性上部消化管症候群」という疾患名でよばれることがある。
機能性ディスペプシア(FD)といういい方も同じもの。自覚症状が強いのに、どこといって悪いところがないときにこうよばれる。
あっ、自分にもあてはまる、という人が多いと思う。だからこれからは、どう言えばよいか迷ったときは「上部消化管が機能障害を起こしているみたいなんです」とすませてしまえばよい。(それはむりか。)
機能性上部消化管症候群では、薬による治療として、健胃薬、アセチルコリン作動薬、ドパミン受容体拮抗薬(アセチルコリンをふやす働きをする)、漢方薬(半夏厚朴湯、安中散、六君子湯)などが使われる。どれも、副交感神経を活発にする作用をもつものだ。
ほとんどが医療用医薬品だけど、健胃薬についてはOTCでもなじみが深い。チョウジ、ウイキョウ、ケイヒ、チンピなどの生薬が芳香性健胃成分として、組み合わされて使われる。香辛料として料理にも利用されたりもする。チョウジはクロ―ブ、ウイキョウはフェンネル、ケイヒはシナモンだよね。
さて問題。これらの生薬のうち七草がゆに関係のあるものはどれでしょう。
正解はウイキョウ。
おかゆ研究家(そんな人いるの?)に聞いたのだけど、七草がゆにはセリが入るそう。セリとウイキョウがどういう関係にあるのかというと、ウイキョウはセリ科の植物だったのでした。