- ワンポイントレッスン
サブロウ「血液は、血管の中を流れているんですよね」
ユキエ「な、なに急に。あたりまえのこといわないで」
サブロウ「でも、毛細血管からは血漿がにじみ出ている。それがリンパ管に入りこんでリンパ液になる」
ユキエ「そうよ」
サブロウ「そこで、ナイジについてですけど」
ユキエ「ナイジって、外耳、中耳、内耳のあの内耳?」
サブロウ「あの内耳です。内耳はリンパ液で満たされているっていうことですが」
ユキエ「たしかにリンパ液で満たされている」
サブロウ「リンパ液がどうして耳の中にあるのかが不思議で」
ユキエ「内耳を満たしているリンパ液の謎か…」
そういうことなら、内耳のつくりについてくわしく見てみることにしよう。
まず、内耳は頭蓋骨内にある。そして骨には骨迷路とよばれる複雑な形のトンネルがある。トンネルには外リンパ液が満たされている。そこに膜でできた内耳の器官が浮かんでいる。
ユキエ「ぷかぷか浮かんでいるんですか。海に浮かんでいるヨットみたい」
内耳の器官には、蝸牛があり、蝸牛以外の部分として前庭がある。どんなはたらきをしているか覚えているかい。
サブロウ「音をとらえるのが蝸牛、からだのゆれをとらえるのが前庭」
すばらしい。登録の受験生にとって必須だよ。
ゆれにも回転によるものと、直線的な動きによるものとがある。回転による動きを感じ取っているのは、3つの半規管。がたがいに直角になるようについていて、それぞれの方向の回転を感じ取っている。そして、直線的な動きは、半規管の根もとにある耳石器官が感知している。
どのように、感知するのかというと、蝸牛も前庭も内側が内リンパ液で満たされている。音や揺れがリンパ液を波立たせる。その波の動きが脳に伝えられるというしくみになっているんだ。
もし耳にリンパ液がなかったら、音も揺れも感じることはないってこと。砂浜に埋もれたヨットのようにね。