- ワンポイントレッスン
ユキエ「インターフェロン製剤で治療を受けている人は、小柴胡湯を使う場合注意が必要と習いましたが、インターフェロンってどんな薬なのですか」
もともとは体の中で作られるタンパク質なんだ。
ウイルスや細菌に感染した細胞から産生され、マクロファージやリンパ球の作用を強化することにより免疫系を活性化、ウイルスや腫瘍化した細胞の増殖を抑える働きをすることが知られている。
ユキエ「体の中でもつくられているのですね。」
そう。体内ではほんの微量しか作られないけれど、バイオテクノロジーで大量に培養することができるようになり、医薬品として利用されている。
がんの治療や、抗ウイルス薬として慢性肝炎、特にC型肝炎には有効性が高い。治癒率も以前は数パーセントってこともあったけど、他の治療薬と併用することでずいぶん改善される。
ただ、この薬の副作用は、けっこうきつい。
ユキエ「そういえば、薬害C型肝炎について書かれた本で読んだことがあります。インターフェロン注射をすると、高熱、悪寒、体の痛みで、まるでインフルエンザにかかったみたいになるって。髪もシャンプーするたびにごっそり抜けることもあるとききました」
自殺企図といって重いうつ状態が現れることがあるし。それに何といっても間質性肺炎。小柴胡湯といっしょに使うと生じやすくなるってことは、登録販売受験生には必須の知識だったね。
治療を開始するとき、効果と副作用について十分に説明しなければならないことになっている。なにしろ週1回の注射を何年も続けなければならないことになるわけだから。 インターフェロンについてはこれでOK。さあ今日の講義に進もう。
サブロウ「ふぅ。すみません、仕事が長引いてしまって…。
遅刻したのに、いきなりですが、質問していいですか。インターフェロンについて詳しく教えてください」
ユキエ「…。それ、たったいま終わったところ」