- ワンポイントレッスン
夏休みも終わりに近い8月27日(2013年)、打ち上げの瞬間を目撃しようと、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所には、たくさんの人たちが集まっていた。成功すれば、惑星観察を専門に行う世界初の宇宙望遠鏡になる。 制御機器のトラブルで、打ち上げ延期になっちゃったのはほんとうに残念だったなあ。
ところで、登録試験の受験生の中には、イプシロンと聞いて、ロケットではなく、イプシロンアミノカプロン酸のこと?って思い浮かべる人もいたのでは。(いないか)
いい機会なので、おさらいしておこう。
サブロウ「目薬に使われている」
ユキエ「働きは、炎症をおさえること」
いいかんじ。
合成したアミノ酸のなかまで、一般用医薬品としては、抗炎症成分として、眼科用薬に使われている。また、医療用でも使われていたことがあるよ。内服の止血剤としてだけどね。凝固血栓をバラバラにする酵素をプラスミンというんだけど、イプシロンアミノカプロン酸は、このプラスミンを抑えるように作用するんだ。
サブロウ「こういうことですか。プラスミンを抑える…凝固血栓がバラバラにならない…血が固まったままになっている…つまり止血する」
ユキエ「いいかんじ」
サブロウ「かんじわるーい。でも、このような働きって、どっかで聞いたことがある気が」
ユキエ「ひょっとして、トラネキサム酸では」
そうなんだ。
この作用を抗プラスミンというんだけど、トラネキサム酸にも抗プラスミン作用がある。
でもそれはある意味あたりまえ。トラネキサム酸は、イプシロンアミノカプロン酸が2つ組み合わさってできている。
ユキエ「えっ、2つ組み合わさったものなんですか」
サブロウ「ってことは。トラネキサム酸が分解すると、2つのイプシロンアミノカプロン酸になる…」
ユキエ
「なんか、2段ロケットみたい。カプロン号、なんて」