- ワンポイントレッスン
腸薬に配合される制酸成分に合成ヒドロタルサイトがある。
胃腸薬に配合される制酸成分に合成ヒドロタルサイトがある。
実は、ヒドロタルサイトというのは、天然に産出される粘土に含まれる鉱物の一種なんだ。
これと同じ構造のものを合成して薬として利用しているので、合成という名前がついているのでーす。
ヒドロタルサイトにマグネシウム、アルミニウムが含まれているのも、もともとは土中にあったものだからだ。
地殻にふくまれる物質で一番多いのは酸素、次にケイ素だけど、アルミニウムは3番目に多い。鉄よりもカルシウムよりも多く存在する。
でもアルミニウムは、地殻とは違い、体内にはあまり取り入れたくない物質だ。
過剰に取り込まれると、脳に蓄積して、口ごもるようになったり、吐き気やめまい、意識が乱れたりするアルミニウム脳症、また骨に蓄積して骨がやわらかくなり関節痛や、骨折をくりかえすアルミニウム骨症を引き起こすこともあるんだった。
食事から入っても、ほとんどのアルミニウムは、吸収されることなくそのまま排泄される。(ホッ)
わずか1%ほどが腸管を通って吸収されるけど、それも腎臓を通ってと尿として排出される。(へー、腎臓の役割が大きいんだ)
腎臓がうまく働かない人は、アルミニウムを含む薬を使うとき注意しないといけないのはこのため。
どんな注意が必要かを
① 透析療法を受けている人
② 腎臓病の診断を受けた人
③ 透析療法も受けてないし、腎臓病でもない人
の3つに分けて整理してみよう。
① 使用できません。
透析液中にアルミニウムが排出できないため、神経毒性症状を起こしたという報告例があるためです。
②治療を行っている医師等に、使用できるかどうかを相談しなくてはいけません。
アルミニウムが一定量以上体内に蓄積する場合があるからです。
③長期連用は避けなくてはいけません。
アルミニウムを含む成分には、合成ヒドロタルサイトの他に制酸成分として乾燥水酸化アルミニウムゲル、ジヒドロキシアルミニウムモノアセテート、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、胃粘膜保護成分としてアルジオキサ、スクラルファートがあることもあわせて整理しておこう。
以上、今回の試験頻出事項のまとめ。