- ワンポイントレッスン
薬を本来の目的以外に使用したり、本来の用量を超えて使用したりすることをさて何というかな。
「薬物乱用(第1章)」だよね。このような場面では「医薬品」とはいわないで、「薬物」といういいかたをしているところが面白いと思う。英語でいうと“Medicine”ではなく“drug”。そういえば、ドラッグストアーといういいかたも、考えてみれば不思議ないいかただよね。
「薬物の店…。」薬事法的にはドラッグストアーは「店舗販売業(第4章)」というカテゴリに入るのだけどね。
一時的な快楽を得ることができる薬物というのがあるらしく(私はどんなのかは知らないからこういういいかたになってしまう)、このような薬物を乱用した結果、やめられなくなってしまうことが、薬物依存[drug dependence]です。(さらに、薬物依存の結果、異常な行動をとったり、精神や臓器に障害を受けたりする段階まで進んだとき薬物依存症という病気になる。)
薬物依存についてWHOはこういっている。
「生体と薬の相互作用の結果生じた特定の精神的、時に精神的および身体的状態。」
この文章って意味わかりづらいよね。じゃあ、順番に考えていこう。
特定の精神的状態、つまり精神依存の状態とは、強い欲求からその薬物を使わずにはいられない状態。アルコールにたとえるなら、今日こそ早く帰らないと奥さんが鬼から悪魔に変身しそうなのに、どうしてもいつもの居酒屋に寄ってしまうといった状態…といえばわかるよね。
これに対して特定の身体的状態、つまり身体依存の状態とは、薬物が切れたことにより肉体的な異常(禁断症状)を生じること。アルコールなら、手の震えが止まらない、幻覚が見えてしまうなど、実際に肉体的な症状として禁断症状が現れる状態だ。
そして薬物依存は精神依存だけのときもあるが、時には精神依存だけで終わらずに身体依存を伴う場合もある。こういう意味なんだ。
人間はみんな弱いもの。誰かや何かに依存しながら生きています。それがわかった上で、何があってもスクッと立っていられる自分を目指したいものです。