- ワンポイントレッスン
夏といえば、枝豆。塩をふりかけた枝豆をつまみに、ビールをぐいっと飲んで、これで趣味のよいミステリー小説があれば、試験のことも忘れて…。
豆といえば、昔々、裁判に使われていた豆があったそうです。事件が起こった時、捕まった容疑者にこの豆を食べさせて、死ねば有罪で、生きれば無罪という判定を下していました。
西アフリカのカラバル地方で行われていたもので、この豆をカラバル豆といいます。
カラバル豆には、神経伝達物質アセチルコリンを分解する酵素(コリンエステラーゼ)を阻害する、という作用を持つ毒物がふくまれています。
コリンエステラーゼが阻害されると、アセチルコリンは分解されず、どんどん増えていきふえていきます。
その結果自律神経系のバランスがくずれ、縮瞳、呼吸困難、筋肉麻痺などの症状が起こり、やがて致命的な経過をたどることに。
アガサ・クリスティのミステリーにもカラバル豆のエピソードが使われています。
ここで問題です。
カラバル豆の毒物から作られた成分が、今も殺虫剤として使われています。
なんという殺虫成分でしょうか。正解はコマーシャルの後で。
カラバルって、何かに似ているよね。そうそう。
カラバル豆➝カーバメイト系
そして、カーバメイト系殺虫成分といえば、プロポクスル。
正解はプロポクスルです。(プロっぽくする、って覚えよう)
有機リン系、カーバメイト系、そしてオキサジアゾール系もコリンエステラーゼを阻害することで殺虫効果をもちます。
ちがいは
有機リン系➩コリンエステラーゼを不可逆的に阻害する カーバメイト系・オキソジアゾール系➩コリンエステラーゼを可逆的に阻害する
よし。ちょっと早いけど講義はここまで。三幸学園には内緒で、さあみんな、ビールと枝豆に行くぞー。