- ワンポイントレッスン
幸恵「よく聞くけど、抗生物質って何かしら?」
三郎「どうかしたの?」
幸恵「実は…。フィットネスクラブの駐輪場で、自転車が倒れてきて、足にあたっちゃっ たの。お医者さんから、抗生物質入りの軟膏を使えばよいって。」
三郎「フィットネスクラブ?」
幸恵「何か、冷たい視線でわたしを見てない?」
三郎「そんなことないよ。試験勉強と両立させているんだ。さすがだね!」
幸恵「なんかあやしい。」
三郎「えへん。抗生物質だよね。カビや細菌などの微生物はね、自分が繁殖するために、 他の微生物がじゃまになるよね。そこで、他のカビや細菌が繁殖するのを妨げる物 質を産生して、自分がどんどん増えていくんだ。このような、細菌やカビをやっつ けるはたらきをする物質が抗生物質。分離して、同じ構造を持つものを合成して薬 として利用しているのさ。」
幸恵「へぇ。カビとか細菌が作り出したものなんだ。」
三郎「けがをしたとき、傷口から細菌が入り込むと、化膿したり悪化したりするよね。そ れを防ぐため使われている。」
幸恵「毒をもって毒を制しているってこのことなのね。サルファ剤も抗生物質の一種なの かしら。」
三郎「染料などには細菌を殺す効果があるものがあり、そこから開発されたものがサルフ ァ剤。微生物由来でないので、抗生物質とはよばれないんだよ。」
幸恵「すると、抗生物質は…。」
三郎「たくさんあるけど、まず覚えないといけないものは、バシトラシン、フラジオマイ シン、クロラムフェニコールの3つ。」
幸恵「サルファ剤には、スルフィソミジン、スルファジアジン、あと何があったっけ。」
三郎「ホモスルファミン、スルフィソキサゾール。」
幸恵「抗生物質とサルファ剤をまとめて…。」
三郎「抗菌成分という。」
幸恵「なるほど。わかった。」
三郎「次は、抗真菌成分についてわからないことないかい。けっこう得意なんだ。」
幸恵「あっ、フィットネスクラブのスタジオレッスンの時間だわ。またね。」
三郎「おいおい、試験よりフィットネスかい。」
幸恵「フィットネスをもって試験を制するよ。」