- ワンポイントレッスン
~登録販売者を目指して勉強中の2人~
幸奈さん・・・
脂質が気になっているの・・・
三田君・・・
夏も近いし、わかるよ。
ちょうど特集本があるから貸してあげようか?
幸奈さん・・・
わぁ助かる。どれどれ。
10キロ痩せたダイエット…
キュッとお腹ひきしめエクササイズ…
何これ。失礼ねぇ。
あたしが言ったのは、脂肪じゃなくてシ・シ・ツ!消化器系のところで習った、脂質のこと!
三田君・・・
ああ。そっちかぁ
幸奈さん・・・
脂質はリパーゼによって分解されて吸収される、ってところはいいのだけど。
でもそのあと、トリグリセリドとかカイロミクロンとか、よくわからない用語がでてきてうまく整理できないのよ。
☆*~*☆*☆*~*☆*~*☆*☆~*☆☆*~*☆*☆*~*☆*~*☆*☆~*☆
では今回は、脂質について。
脂質といっても脂肪酸、コレステロール、中性脂肪などいろいろある。
幸奈さんがいうトリグリセリドというのは、この中の中性脂肪のこと。
「トリ」というのは数字の3のことで、グリセロール(グリセリン)に3つの脂肪酸がくついてできたものでこう呼ばれる。
生物には中性脂肪が大量にふくまれている。だから栄養分の消化吸収のところで、脂質といういい方がでてきたら、それは中性脂肪のことだと考えてもよい。
食事から摂った中性脂肪は、小腸でリパーゼによっていったん分解される(脂肪酸とグリセロールになる)。
小腸粘膜の上皮細胞(微絨毛でおおわれている)で吸収される。
そして吸収されたあと再び中性脂肪に合成されて循環血液に入っていく。
せっかく分解したものがもとにもどるのは、エネルギーを貯蔵する役割を果たすためなんだ。
でもここで困ったことが!
血液って(血球を除いたら)ほとんどが水分からできているんだったよね。
ということは油と水で、脂質はそのままでは血液に入りこめない。
そのため脂質は、血液中のタンパク質と結合する。これをリポタンパク質という。
リポタンパク質にもいくつか種類がある。きいたことあると思うけど、あのHDL、LDL、そしてカイロミクロンだ。
コレステロールと結合したリポタンパク質がHDLとLDL。
それに対して、中性脂肪と結合したリポタンパク質がカイロミクロンとよばれる。
脂質はリポタンパク質になることで血液に溶け込むことができる。こうして体中をめぐる旅に出る。
こんなふうにそれぞれの用語を整理してみよう(板書してるところを想像してね)。
トリグリセリド
↓
脂肪酸とグリセロール
↓
トリグリセリド
↓