- 登録販売者コラム
「登録販売者の資格を取っても、将来仕事がなくなるって本当?」
「合格者が増えすぎて求人が減るのでは?」
と不安に思っていませんか?
結論から言うと、登録販売者の仕事がなくなる可能性は極めて低いと考えられます。それどころか、国の政策や社会の変化に伴って、今後もさらに活躍の場が広がるといわれています。
この記事では、「登録販売者の仕事がなくなる」と不安視される理由と実情、今後の将来性について分かりやすく解説します。
目次
登録販売者とは?
登録販売者とは、2009年の薬事法改正に伴い誕生した「一般用医薬品(市販薬)の販売ができる専門資格」です。
医薬品はリスクに応じて第一類~第三類に分類されていますが、登録販売者はそのうち第二類・第三類医薬品を取り扱うことができます。
【ポイント】
実は、市販薬(OTC医薬品)の約9割以上が第二類・第三類医薬品です。そのため、登録販売者がいれば、ドラッグストアや薬局の店頭にあるほとんどの薬を販売することができます。
薬剤師が不足する医薬品販売業界において、一般用医薬品の販売を担う重要なスペシャリストとして活躍しています。

登録販売者の仕事がなくなる?不安視される3つの理由
「せっかく資格を取っても、これから先も活かせるのかな?」と不安に思う方がいる背景には、近年の法改正や環境の変化に伴ういくつかの「噂」があります。
なぜそのような心配が生まれているのか、主な3つの理由を解説します。
1. 「2分の1ルール」の廃止による配置基準の緩和
一番大きなきっかけとなったのが、2021年8月の法改正による「2分の1ルール」の廃止です。
以前は、医薬品を販売する店舗の営業時間のうち「半分(2分の1)以上」は、登録販売者などの有資格者を常駐させなければならないという厳しい決まりがありました。しかし、このルールが撤廃されたことで、企業側は「薬を販売したい時間帯だけ有資格者を置く」という柔軟なシフト管理ができるようになりました。
これが一部で「登録販売者を長い時間雇う必要がなくなった=仕事が減るのではないか」という誤解を招く原因になっています。
1/2ルールの廃止から「不要論」の噂が流れた背景
店舗の営業時間の「半分以上」は有資格者を置く義務があった
⇒ 法律によって、登録販売者の雇用時間やシフトが手厚く守られていた状態でした。
必要な時間帯(例:昼間だけなど)に置けば、その時間だけ薬を売れる
⇒ 長時間配置する義務がなくなり、コンビニやスーパーなどが手軽に医薬品販売へ参入できるようになりました。
「企業側が短い時間だけ雇えばよくなったのなら、
自分の働く枠や人件費が削られて、仕事がなくなってしまうのでは…?」
2.試験問題の統一化(エリア単位)による合格者の増加
2015年度から登録販売者試験の受験資格(実務経験など)が撤廃され、誰でもチャレンジできるようになりました。
さらに、以前は47都道府県でバラバラだった試験問題が、現在はいくつかのエリア(ブロック)ごとに統一されています。
これにより、一部の県で見られたような極端に難しい奇問が減り、厚生労働省の「試験問題作成の手引き」に沿った標準的な問題が増えたことで、テキストや過去問を使った対策の成果が出やすくなりました。
また、試験日が異なる他エリアとの併願(複数回受験)がしやすくなったことも、全国的な合格者数の増加を後押ししています。
| 実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 全国平均合格率 |
|---|---|---|---|
| 2024年(令和6年) | 54,526人 | 25,459人 | 46.7% |
| 2023年(令和5年) | 52,214人 | 22,814人 | 43.7% |
| 2022年(令和4年) | 55,606人 | 24,707人 | 44.4% |
| 2021年(令和3年) | 61,070人 | 30,082人 | 49.3% |
| 2020年(令和2年) | 52,959人 | 21,953人 | 41.5% |
| 2019年(令和元年) | 65,288人 | 28,328人 | 43.4% |
3. AIやセルフレジなどの技術革新による自動化
近年、ドラッグストアを含む小売業ではセルフレジの導入が急速に進んでいます。さらに、AIを活用した「自動のお薬相談システム」や、画面越しに専門家が案内する「オンライン接客」などの実証実験も始まっています。
これにより、「将来的に接客やレジ打ちの仕事はすべてAIやロボットに奪われ、店舗に登録販売者がいらなくなる時代が来るのではないか」というハイテク化への危機感が、噂を加速させる一因となっています。
登録販売者の仕事がなくならない!確固たる3つの根拠
制度の変化やAIの台頭を聞くと不安になりますが、結論から言えば、登録販売者の需要がなくなることはありません。それどころか、今後さらに社会から求められる重要な存在になっていきます。
なぜ仕事がなくならないと言い切れるのか、先ほどの不安を解消する3つの根拠を解説します。
1. 法改正は「活躍の場を広げるため」の緩和である
「2分の1ルールの廃止」は、一見すると資格の価値が下がったように思えるかもしれません。しかし本質は逆で、「より多くの場所に登録販売者を配置しやすくするため」の国による規制緩和です。
ドラッグストアだけでなく、コンビニ、スーパー、ホームセンター、家電量販店など、医薬品を扱いたい企業は年々増えています。
「2分の1ルール」が廃止され、販売時間を柔軟に設定できるようになったことで、さまざまな企業が医薬品販売へ参入しやすくなり、結果として登録販売者を雇用する動きが強まっているのです。
資格を活かせるフィールドは、以前よりも確実に広がっています。
2. 国が推進する「セルフメディケーション」の主役である
現在、国は増え続ける医療費を抑えるため、「軽度な不調は病院に行かず、市販薬を使って自分で手当てする」というセルフメディケーションを強く推進しています。
この政策の最前線に立ち、一般の方が安全に市販薬を選べるようサポートするのが登録販売者の義務です。国が市販薬の活用を後押ししている以上、その専門家である登録販売者のニーズが消えることは構造上あり得ません。

出典:経済産業省「商業動態統計調査」/日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)「ドラッグストア実態調査」
事実、上のグラフが示す通り、ドラッグストアの市場規模(総売上高・店舗数)は右肩上がりに成長を続けています。
高齢化に伴う健康意識の高まりやセルフメディケーションの普及によって、ドラッグストアは社会に欠かせないインフラとなっており、それに伴って専門知識を持つ登録販売者の採用枠も拡大しています。「合格者が増えても仕事がなくなるどころか、活躍の舞台そのものがそれ以上のスピードで大きくなっている」というのが、業界のリアルな現状です。
3. 「人間ならではのカウンセリング」はAIに代替できない
AIは過去のデータから薬の成分や効能を瞬時に検索することは得意です。
しかし、体調不良に悩むお客さまの「言葉にできない不安」を汲み取ったり、生活習慣を聞き出しながら最適な薬を提案したりする「感情に寄り添うカウンセリング」は、人間(登録販売者)にしかできません。
特に、高齢化社会が進む中でお店での「対面コミュニケーション」はより重要視されています。AIはあくまで業務を効率化するための便利なツールであり、アドバイザーとしての主役はこれからも人間です。














