2017.2.1
- ワンポイントレッスン
渋い講義だね、といわれたい
この収斂という意味がよくわからないという受講生も多いのでは。
収斂成分には、ビスマスやタンニン酸アルブミンがありますが、これらの共通点は味にあります。
どちらも渋い味がするのです。
お茶を飲んだとき渋味がするよね、あの味はタンニン酸からきているのですが、ビスマス製剤ももしお茶のようにして飲んだとしたら、やっぱり渋いのです。
渋みは味覚のひとつだけれど、触覚に近いともいわれます。口の中や舌の蛋白質と結合して変質させることで生まれ、「収れん味」ともよばれることがあります。
タンニン酸アルブミンやビスマス化合物は、腸の粘膜と結合して薄い膜を作ります。これによって、炎症をおこした粘膜の刺激を和らげてくれます。これが収斂作用とよばれる働きです。
収斂作用をもつ成分は、化粧品にも利用されています。皮膚の一番外側は表皮だよね。表皮の角質層はケラチン(繊維性の蛋白質)からできています。
化粧品に使われている収斂成分は、このケラチンを変質させ、バリアをはって引き締めてくれるのです。アストリンゼント効果ともいうんだけれど、きいたことあるかな。
アセンヤクという生薬があります。アカネ科のガンビール(缶ビールではない)の葉や若枝から作られます。整腸剤にも用いられ、美白・美肌用の美容液にも配合されていますが、渋くて苦い味がします。
これは、アセンヤクにふくまれるタンニンによります。
クラス担任にはなれるけど、タンニンのような渋い味を出すのがむずかしい。