第3章はここがポイント
第3章では、市販薬に使われている「有効成分やその副作用」について、問われます。
薬の専門家である登録販売者にとって、日々の業務に最も関わる内容で、出題数も登録販売者試験の全120問中40問を占める重要な分野です。
「カタカナの成分名」や「漢字の読み方が難しい漢方薬」など、暗記すべき内容が多くなりますから、試験日から逆算して習得のための学習時間をしっかり確保しておきましょう。
また、一言に医薬品の成分といってもその範囲は膨大ですから、まずは良く出る成分を確実に覚えて得点源にすることが合格への近道になります。
時間的な余裕があれば、ドラッグストアなどに陳列されている商品を手に取り、その有効成分について確認することも記憶の定着に繋がる良い勉強方法になります。
一方、漢方薬については、効能効果をそのまま覚えるのではなく、キーワードを絞り効率良く学習するのがお勧めです。
例えば「麦門冬湯」は「体力中等度以下で、痰が切れにくく、ときに強く咳こみ、又は咽頭の乾燥感があるもののから咳、気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、しわがれ声に適すとされるが、水様痰の多い人には不向きとされる」という内容を「咽頭の乾燥感、咳」のように覚えます。
第3章の難易度
十分な学習期間を確保してください。
暗記しなければならない項目は、暗記に徹することが効率的です。
第3章の試験範囲
- 精神神経に作用する薬
- かぜ薬
- 解熱鎮痛薬
- 眠気を促す薬
- 眠気を防ぐ薬
- 鎮暈薬(乗物酔い防止薬)
- 小児の疳を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)
- 呼吸器官に作用する薬
- 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)
- 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽薬)
- 胃腸に作用する薬
- 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)
- 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬)
- 胃腸鎮痛鎮痙薬
- その他の消化器官用薬
- 心臓などの器官や血液に作用する薬
- 強心薬
- 高コレステロール改善薬
- 貧血用薬(鉄製剤)
- その他の循環器用薬
- 排泄に関わる部位に作用する薬
- 痔の薬
- その他の泌尿器用薬
- 婦人薬
- 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)
- 鼻に用いる薬
- 眼科用薬
- 皮膚に用いる薬
- きず口等の殺菌消毒成分
- 痒み、腫れ、痛み等を抑える配合成分
- 肌の角質化、かさつき等を改善する配合成分
- 抗菌作用を有する配合成分
- 抗真菌作用を有する配合成分
- 頭皮・毛根に作用する配合成分
- 歯や口中に用いる薬
- 歯痛・歯槽膿漏薬
- 口内炎用薬
- 禁煙補助剤
- 滋養強壮保健薬
- 漢方処方製剤・生薬製剤
- 漢方処方製剤
- その他の生薬製剤
- 公衆衛生用薬
- 消毒薬
- 殺虫剤・忌避剤
- 一般用検査薬
- 一般用検査薬とは
- 尿糖・尿タンパク検査薬
- 妊娠検査薬
第3章で求められる力
- 一般用医薬品において用いられる主な有効成分に関して、 ●基本的な効能効果及びその特徴 ●飲み方や飲み合わせ、年齢、基礎疾患等、効き目や安全性に影響を与える要因 ●起こり得る副作用 等につき理解し、購入者への情報提供や相談対応に活用できること
- 各薬効群の医薬品に関する情報提供、相談対応における実践的な知識、理解できること
第3章の勉強方法
具体的に第3章の勉強方法を試験範囲と照らし合わせて確認していきましょう。
成分名を覚えることが合格を大きく左右しますが、「多くの成分名を丸暗記する」といった先の見えない学習方法はお勧めできません。その成分がなぜその薬に用いられるのかといった内容をしっかりと理解してから覚えれば、記憶ではなく知識として皆さんの中に定着するはずです。さらに授業中には、成分名を覚えるための「ごろ合わせ」などもご紹介しています。
- かぜ薬、解熱鎮痛薬
- 総合感冒薬は、一般用医薬品の市場で最も売上がある分野なので、登録販売者試験でも出題が多くなりまから、十分な対策が必要です。特に「解熱鎮痛薬」は、「分類・薬理作用・副作用」についてしっかりと学習します。その中でも、15歳未満に禁忌な成分と、同じ15歳未満でも特定の条件がそろわないと禁忌にならない成分があるので、注意しましょう。
- 小児鎮静薬
- 「動物性生薬」が中心で、どの動物が基原(原料の素)となっているのかを覚えましょう。動物性生薬は他の分野でも出題されるので、ここでしっかりと学習をしておきます。
- 鎮咳去痰薬
- 「鎮咳薬」と「去痰薬」の成分が見分けられないと、ひっかけ問題に苦戦します。まずは、分類がはっきりして覚えやすい去痰薬から勉強を始めるのがお勧めです。
- 胃腸に作用する薬
- 多くの成分名が登場してきますが、良く出題されるものを把握して勉強をすると効率良く覚えることができます。
- 高コレステロール改善薬
- 病院の健康診断で検査結果でもお馴染みの、「LDL(低密度リポタンパク質)とHDL(高密度リポタンパク質)」の特徴と作用を理解します。
- 婦人薬
- 「漢方薬」が中心に出題されるため、それぞれの漢方薬にどのような特徴があるのかを覚えます。ポイントは、婦人薬では「温める漢方薬」と「冷やす漢方薬」があるということです。試験対策としてはもちろん、現場で漢方薬をお勧めする際に、お客様の「寒熱」の状態を見極めることが副作用を未然に防ぐ重要なポイントとなりますので、しっかりと学習していきましょう。
- 内服アレルギー用薬、鼻に用いる薬、眼科用薬
- 上記の学習中に登場してきた成分が多くあるため、ここでは復習が中心となります。重複する成分を確認しながら、記憶の定着を心がけましょう。
- 殺菌消毒成分
- どの成分が「一般細菌・真菌・結核菌・ウイルス」に適用があるかをしっかりと分類し覚えるのがポイントです。ここで登場する成分は、多岐の分野に渡って出題されるので、まとめて覚えてしまうのがお勧めです。
- 滋養強壮保健薬
- 各ビタミンに分類される成分名を中心に覚えます。成分名を問う問題や、「ビタミン●」ではなく成分名で問題が作成されていることもあります。また、ビタミンの「欠乏症」についても学びます。どのビタミンが不足することで起こる欠乏症なのかを分類して、確実に覚えましょう。
まとめ
「成分名が覚えられない…」という悩みが、登録販売者試験の直前まで受講生を悩ませています。
確かに覚える量は沢山ありますが、勉強を進めていくと、同じ成分が何度も重複して登場することに気がづきます。さまざまな薬の有効成分として配合される成分は、出題頻度も高くなります。まずは、そのような成分から覚えていくこで頭の中がすっきりと整理されてくるはずです。
そして、薬ごとに成分の名前に特徴があることにも注目。例えば、「局所麻酔薬」の名前には「~カイン」、「ステロイド性抗炎症薬」の名前には「~ゾン」「~ゾロン」のように。これらは、まとめて覚えることが効率的でしょう。