こんにちは。

前回と同じく虫よけ剤（忌避剤）の成分の記事です。

今回は「イカリジン」です。

◆イカリジンって？

イカリジンは、蚊・ブユ（ブヨ）・アブ・マダニに効果がある虫よけ剤（忌避剤）の成分で、ディートと比べると対象となる虫の種類が少ないです。

常温では無色液体で、水には溶けにくく、アセトンなどの有機溶媒によく溶けます。

1980年代にドイツで開発され、日本では2015年に承認されました。

◆なぜ虫よけできるの？

蚊などの吸血害虫は人間や動物が発する炭酸ガス・温度・湿度・匂いなどを認識して、吸血源を感知します。

ディートと同様に、吸血害虫の感知能力を撹乱し、吸血行動を阻止する効果を持っています。

◆効果は？

イカリジンは、ディートと同等の効果があります。

虫よけ効果の持続時間は、濃度15％で約８時間、５％で約６時間です。（製品により異なる）

◆ディートには無い有用性

・小児への使用制限・回数制限がない

・ディート特有の嫌なニオイがない

・繊維や樹脂を傷めにくく、衣類の上から使用してもほとんど影響を生じない

◆ディートとイカリジンのまとめ

・大人が使用するなら、幅広い効果があるディート

・小児が日常の虫よけとして使用するなら、イカリジン

・ディートもイカリジンも高濃度なものは効果持続時間が長くなる（効果が強力になるのではない）

★どんな薬も使い方を間違えれば毒になりますが、正しく使えば健康や快適な生活の維持に大いに役立ちます。上手に選んで正しく使いたいですね。

 　監修　長沢利枝講師