- ワンポイントレッスン
ビタミンDは、骨を丈夫にする働きをしています。
欠乏すると小児では、くる病といって骨が軟らかくなってしまったり、成人では骨軟化症になったりする。
では、どういうしくみで骨を丈夫にしてくれるのだろう?
骨をつくっている主成分はもちろんカルシウム。
カルシウムは、実は、骨と血液の間をいったりきたりしています。
血液の中のカルシウムが少なくなると骨からカルシウムが溶け出し、逆に血液の中のカルシウムが増えると骨の中にカルシウムがたまっていきます。
カルシウム 骨←―――――――→血液
ビタミンDは、小腸でカルシウムやリンの吸収を助ける働きをするのです。
それによって血中のカルシウムの濃度が増えていく。血中のカルシウムが増えることで、骨にカルシウムがどんどんたまっていく。
こうして骨が丈夫になっていく、というわけです。
ビタミンDは、食べ物から摂るほかに、からだの中で、なんとコレステロールからも作られているんだよ。
でも体の中に入ってきただけではまだビタミンとしての働きをもたず、プロビタミンDとよばれるんだけれど。
そして皮膚に紫外線があたることによって、プレビタミンDに変わる。
さらに、プレビタミンDは、肝臓や腎臓で酵素の働きを受けて活性型ビタミンDになる。
というように、どんどん変化していくんだ。
活性型になってはじめて、カルシウムの吸収を助けるなど様々な働きをするようになります。
活性型ビタミンDは、ビタミンではなくホルモンとよばれることもあるくらい、多彩な機能をもっています。
コレステロール→プロビタミンD→プレビタミンD→活性型ビタミンD→ホルモン
夏から秋へ、花の色がうつっていくように、ビタミンDも紫外線とともに変わっていく。