- ワンポイントレッスン
サイコと書くと、ホラー映画を連想してしまうけど、柴胡なら?
夏の終わりから秋にかけて、黄色い小花を咲かせるミシマサイコという草花があります。
かすみ草にも似ていて観葉植物としても使われたりもするけど、本来は薬草で、根を乾燥させたものが柴胡とよばれ、いろいろな漢方薬に利用されている。
ミシマサイコは、名前の由来が静岡県の三島からきているくらいで、日本ではなじみの深い植物だけれども、最近は日本ではあまり栽植されていない。
もともと自生する植物だけど、自生するような有閑な土地も見当たらない。そのため、生薬の原料としてほとんどが中国からの輸入に頼っているそうです。
最近(2011年10月24日)の朝日新聞のオピニオン面でも、このことが話題になっていて、記事によれば柴胡をふくめて、生薬の原料の自給率は年々下がっていて、自給率は12%まで落ちているそう。
食料の自給率が低い、というのはよく問題にされ知っている人も多いと思う。だけど生薬については、薬も事情は同じだったなんて。
自給率が低下したまでいると、中国国内での需要が増えて、日本への輸出ができなくなったり、供給不足によって価格が急騰したり、不安定要素がでてくる。
もしサイコの輸入がストップしたらどうなるだろう。
かぜが長引いて、食欲もない、吐き気もするというとき使われる、小柴胡湯が消える。
精神不安で不眠があり、高血圧の症状もあるとき使われる柴胡加竜骨牡蛎湯が消える。便秘気味で、痔の症状に使われる乙字湯が消える。気分がふさぎがちで、咳や気管支喘息の症状があるときに使われる柴朴湯が消える。漢方処方が次々と消える~。
やっぱりサイコは、ホラーだ