- ワンポイントレッスン
食物アレルギーのある児童が給食を食べてアナフィラキシーショックを起こす事故が続いている。
アナフィラキシーは、食物のほかにも昆虫刺傷や医薬品などによって起こるアレルギー反応で、掻痒感、蕁麻疹、口唇のしびれ、耳鳴、呼吸困難など複合的な症状を急に(ふつう15分以内に)引き起こす。みんなの中には、即時型アレルギーという用語を知っている人もいると思う。
血圧が急激に低下して、ショック状態を起こす重篤なものを特にアナフィラキシーショックという。
医療機関での迅速な処置が必要になるが、すぐに治療を受けられないときは、緊急避難的にエピペンという自己注射が使われる。
これは、アドレナリンの薬液と注射針が内蔵されている注射器で、医師によってアナフィラキシーを起こすおそれのある人に処方される。プラスチックの専用ケースに入れると、携帯用歯磨きセットのようになり持ち運ぶことができる。使用方法もとてもかんたん。キャップを外し太腿に強く押し付けるだけで自動的に注射液が注入されるようになっている。注射は医師以外では、本人か保護者ができることになっているが、必要に応じて、教員や保育士にも認められている。
文部科学省によると、エピペンを30分以内に投与できるかで救命率は大きく異なってくる。
注入されたアドレナリンは、交感神経を活発にするはたらきがある。心臓の機能は強化されて、心拍数がふえ血圧が上がる。気管支も拡がり呼吸困難を緩和する。
全国の公立学校の児童のうち食物アレルギーがあるのは2.6%で約33万人もいる(07年文科省調査)。1クラスに1人ぐらいの割合でいることになる。
どのような食物でアレルギーが起こるかは人によって多彩だ。チョコレートにアレルギーのある人がもしいたら、2月はちょっとつらい季節だね。