- ワンポイントレッスン
ユキエ「秋って、おいしいものが多くて楽しい」
サブロウ「ほんとにそう。ビール祭りあったけどやっぱりひと味ちがう。そういえばボジョーレヌーボーももうすぐだ」
ユキエ「もう。飲む方ばっかりじゃない。秋の風味といえばふつう、まつたけとかブドウ狩りとかでてこないかな」
サブロウ「じゃあ聞くよ。味には5つの基本味っていうのがあるんだけど、甘味、酸味、塩味、苦味ともう一つはなんでしょう?」
ユキエ「辛味?」
サブロウ「辛味は、味覚ではなく痛覚なんだよ。正解はうま味。どんな味もこの5つの基本味が混じり合ってできている」
ユキエ「光の三原色みたいなものね。そのうちのひとつがうま味なんて、ちょっと意外」
そうだね。基本味とよばれているのは、この5種類だよ。
舌の部位によって、感じる味がきまっているといわれていたこともあった。甘味は舌の先、酸味は舌の両端というように。でも、そうでないことがわかった。舌のどの位置でも同じように感じている。
舌で味を感じているものは何とよばれているか覚えているかい。
サブロウ「味蕾だと思います」
その通り。舌の表面ってさわってみるとちょっとざらざらしているよね。それが舌乳頭とよばれるこまかい突起だ。
舌乳頭の根もとの部分にあるのが、味蕾(みらい)だったね。細長い味細胞が集まって花のつぼみのような形をしているのでこうよばれている。味を感覚神経に伝える働きをしているのが、この味蕾なんだ。
味蕾は水分に溶けた物質でなければ感じ取ることができない。
だから、食べ物を口の中で噛んでこまかくして、唾液と混ぜるようにすると、味をよく感じることができる。
ユキエ「あっそれわかります。うちのイヌは、どんなエサでもあっというまに飲み込んでしまうのよ。とても味を楽しんでいるようには見えないもの」