- ワンポイントレッスン
~登録販売者を目指して勉強中の2人~
幸奈さん・・・
名前に五のつく漢方ってすぐ思い出せる?
三田君・・・
温泉につかった五匹の虎。
幸奈さん・・・
「五虎湯」のことね!
三田君・・・
五匹の虎が、汗かきながら温泉につかっているところを思い浮かべると笑えるでしょう。
幸奈さん・・・
へぇ、そんな覚え方してるんだ。
三田君・・・
そうだ!
五積散(ごしゃくさん)も五がつくな。
幸奈さん・・・
こっちは五匹のなにで覚えたの?
三田君・・・
五匹のクジャクが散歩するってのはどう。
幸奈さん・・・
ちょっとこじつけっぽいけど(笑)
漢方って、三とか五とか七とか数字のつく名前があるけれど、それに注目して整理するのもいいわよね。
三田君・・・
そうだね。
でもこの五は、いったい何をさしているのかな?
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では今回は、「五のつく漢方」2種類を「五」の持つ意味と併せて覚えよう。
①五虎湯
五虎湯の五は、「使われている生薬が5種類」ということからきているんだ。
同じ鎮咳去痰薬として使われる漢方に「麻杏甘石湯」があるよね。
「麻杏甘石湯」に配合されている生薬は「麻黄、杏仁、甘草、石膏」の4種類で、それぞれから1文字ずつとって名付けられている。
そして「麻杏甘石湯」に桑白皮という生薬を加えたのが五虎湯なんだよ。
麻杏甘石湯+1成分→五虎湯
「魔境の虎」って覚え方もありだね。
②五積散
五積散は、婦人薬のところで学習したと思う。
五積散の五は、「五つのものが滞っている」というところからつけられていて、
この五つというのは、「気、血、水、寒、食」のこと。
これは症状をみるときの漢方に特有の考え方で、まず「気」というのは気力とか生命力のこと。
また「血」は血液の循環、「水」は体内の水分と考えればわかりやすい。
「寒」は冷えている状態のことで、「食」は胃腸の状態だ。
これら5つの要素がどれも不調であるときのための処方だと理解しよう。
また、五積散は「麻黄」を含んでいる点が他の婦人薬にはない特徴で、感冒にも使われたりする。
三田君の語呂合わせでいくなら、ぜひ、「五匹の黄色いクジャクが散歩する」にしてはどうかな。