令和2年度版登録販売者試験 過去問題集
(香川県・愛媛県・高知県)
令和1年度より関西広域連合として実施
徳島県は、令和1年度より関西広域連合として実施
第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識
問 1 医薬品の本質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | すべての医薬品は、人体に取り込まれて作用し、効果を発現させるものである。 |
---|---|
b | 医薬品は、人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人の身体の構造や機能に影響を及ぼすことを目的とする生命関連製品であり、人体に対して使用されないものは含まない。 |
c | 医療用医薬品には、一般の生活者が自ら選択し、使用するものもあるため、登録販売者が販売に関与し、専門用語を分かりやすい表現で伝えるなどの適切な情報提供を行うことが不可欠である。 |
d | 一般用医薬品は、製造販売業者による製品の回収、廃棄、販売の停止等の措置がなされることがあるため、医薬品の販売等を行う者においても、製造販売業者等からの情報に日頃から留意しておくことが重要である。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 誤 |
2 | 誤 正 誤 正 |
3 | 正 誤 誤 誤 |
4 | 誤 誤 正 正 |
5 | 誤 誤 誤 正 |
【正解5】
a×
医薬品は、“多くの場合”人体に取り込まれて作用し、効果を発現させるものである。
b×
殺虫剤・検査薬等人体に対して使用されない医薬品も含まれる。
c×
医療用医薬品は、医師若しくは歯科医師によって使用され又はこれらの者の処方箋若しくは指示によって使用される医薬品であって、一般の生活者が自ら選択し使用することはできない。
記述は、一般用医薬品の内容。
d○
問 2 医薬品のリスク評価に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | LD50 とは、動物実験により求められる50%中毒量のことであり、薬物の毒性の指標として用いられる。 |
---|---|
b | 新規に開発される医薬品のリスク評価では、医薬品開発の国際的な標準化(ハーモナイゼーション)制定の流れのなかで、医薬品毒性試験法ガイドラインに沿って、単回投与毒性試験、反復投与毒性試験、生殖・発生毒性試験、遺伝毒性試験、がん原性試験、依存性試験、抗原性試験、局所刺激性試験、皮膚感作性試験、皮膚光感作性試験などの毒性試験が実施されている。 |
c | ヒトを対象とした臨床試験における効果と安全性の評価基準には、国際的にGCPが制定されている。 |
d | 医薬品に対しては、製造販売後の調査及び試験の実施基準としてGPSPが制定されている。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 正 |
2 | 誤 正 正 正 |
3 | 正 誤 誤 正 |
4 | 誤 誤 正 誤 |
5 | 誤 正 誤 誤 |
【正解2】
a×
50%中毒量ではなく、「50%致死量」である。
b○
c○
d○
問 3 健康食品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 健康増進や維持の助けとなる食品は一般的に「健康食品」として呼ばれ、広く使用されている。 |
---|---|
b | 栄養機能食品については、各種ビタミン、ミネラルに対して「特定の保健機能の表示」を行わなければならない。 |
c | 健康補助食品(いわゆるサプリメント)の中にはカプセル、錠剤等の医薬品と類似した形状で発売されているものもあり、誤った使用方法により健康被害を生じた例も報告されている。 |
d | 機能性表示食品は、疾病に罹患していない者の健康の維持及び増進に役立つ旨又は適する旨を表示するものであり、疾病リスクの低減に係るものも含まれる。 |
a b c d | |
1 | 正 正 誤 誤 |
2 | 誤 正 誤 正 |
3 | 誤 誤 誤 正 |
4 | 正 誤 正 誤 |
5 | 正 誤 正 正 |
【正解4】
a○
b×
栄養機能食品は、各種ビタミン、ミネラルに対して「栄養機能の表示」ができる。
「特定の保健機能の表示」が許可されているのは、特定保健用食品である。
c○
d×
疾病リスクの低減に係るものは除かれる。
問 4 医薬品の副作用に関する次の記述について、( )に入れるべき字句の正しい組合せを下欄から選びなさい。
世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の( a )、診断、治療のため、又は身体の機能を( b )するために、人に( c )量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされている。
1 | a検査 b維持 c用いられる最小 |
---|---|
2 | a検査 b正常化 c通常用いられる |
3 | a予防 b維持 c用いられる最小 |
4 | a予防 b正常化 c通常用いられる |
5 | a予防 b維持 c通常用いられる |
【正解4】
世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の( a予防 )、診断、治療のため、又は身体の機能を( b正常化 )するために、人に( c通常用いられる )量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされている。
問 5 アレルギーに関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 免疫機構が過敏に反応して、体の各部位に生じる炎症をアレルギー症状という。 |
---|---|
b | アレルギーは、一般的にあらゆる物質によって起こり得るものであるため、医薬品の薬理作用等とは関係なく起こり得るものである。 |
c | アレルゲンとなり得る医薬品の添加物としては、黄色4号(タートラジン)、カゼイン、亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウム、ピロ硫酸カリウム等)等が知られている。 |
d | アレルギー症状は、流涙や眼の痒み等の結膜炎症状、鼻汁やくしゃみ等の鼻炎症状、蕁麻疹や湿疹、かぶれ等の皮膚症状、血管性浮腫のようなやや広い範囲にわたる腫れ等が生じることが多い。 |
a b c d | |
1 | 誤 正 正 誤 |
2 | 誤 誤 誤 正 |
3 | 正 正 正 正 |
4 | 正 誤 正 誤 |
5 | 正 正 誤 正 |
【正解3】
a○
b○
c○
d○
問 6 小児の医薬品使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 医薬品の使用上の注意において、おおよその目安として、乳児は1歳未満、幼児は5歳未満の年齢区分が用いられている。 |
---|---|
b | 小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が短く、服用した医薬品の吸収率が相対的に低い。 |
c | 小児は、肝臓や腎臓の機能が未発達であり、医薬品の成分の代謝・排泄に時間を要しない。 |
d | 医薬品によっては、形状等が小児向けに作られていないため、小児に対して使用しないことなどの注意を促している場合があるほか、5歳未満の幼児に使用される錠剤やカプセル剤などの医薬品では、服用時に喉につかえやすいので注意するよう添付文書に記載されている。 |
a b c d | |
1 | 誤 誤 誤 正 |
2 | 正 誤 正 正 |
3 | 正 正 正 正 |
4 | 誤 正 誤 誤 |
5 | 誤 誤 正 誤 |
【正解1】
a×
幼児は「7歳未満」である。
b×
小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が「長く」、服用した医薬品の吸収率が相対的に「高い」。
c×
小児は、肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品の成分の代謝・排泄に「時間がかかる」。
d○
問 7 他の医薬品や食品との相互作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 一般用医薬品において、かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、アレルギー用薬等では、成分や作用が重複することが多く、通常、これらの薬効群に属する医薬品の併用は避けることとされている。 |
---|---|
b | 酒類(アルコール)をよく摂取する者は、肝臓の代謝機能が低下していることが多い。 |
c | 食品中に医薬品成分と同じ物質が存在するものもあり、それらを含む医薬品と食品を一緒に服用すると過剰摂取となるものがある。 |
d | 注射薬や外用薬であっても、食品によって医薬品の作用や代謝に影響を受ける可能性がある。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 正 |
2 | 正 正 正 誤 |
3 | 誤 誤 正 誤 |
4 | 正 誤 誤 正 |
5 | 誤 正 誤 正 |
【正解1】
a○
b×
酒類(アルコール)をよく摂取する者は、肝臓の代謝機能が「高まっている」ことが多い。
c○
d○
問 8 高齢者の医薬品使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 医薬品の使用上の注意においては、おおよその目安として65 歳以上を「高齢者」としている。 |
---|---|
b | 一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が現れにくくなる。 |
c | 高齢者は、喉の筋肉が衰えて飲食物を飲み込む力が弱まっている(嚥下障害)場合があり、内服薬を使用する際に喉に詰まらせやすい。 |
d | 高齢者への一般用医薬品の販売等に際しては、実際にその医薬品を使用する高齢者の個々の状況に即して、適切に情報提供や相談対応がなされることが重要である。 |
a b c d | |
1 | 誤 正 正 誤 |
2 | 誤 誤 誤 正 |
3 | 正 誤 正 正 |
4 | 正 誤 誤 誤 |
5 | 正 正 正 正 |
【正解3】
a○
b×
肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が「強く現れやすくなる」。
c○
d○
問 9 医薬品の品質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 医薬品は、高い水準で均一な品質が保証される必要があり、配合されている成分には、高温や多湿、光等によって品質の劣化を起こしにくいものが多い。 |
---|---|
b | 医薬品は、適切な保管・陳列がされていれば経時変化による品質の劣化は避けることができる。 |
c | 一般用医薬品は、購入された後、すぐに使用されるとは限らず、家庭における常備薬として購入されることも多いことから、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることが重要である。 |
d | 医薬品が保管・陳列される場所については、清潔性が保たれるとともに、その品質が十分保持される環境となるよう留意される必要がある。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 誤 |
2 | 誤 誤 正 正 |
3 | 誤 正 誤 正 |
4 | 正 正 誤 正 |
5 | 正 誤 誤 誤 |
【正解2】
a×
配合されている成分には、高温や多湿、光(紫外線)等によって品質の劣化(変質・変敗)を「起こしやすいものが多い」。
b×
適切な保管・陳列がなされたとしても、経時変化による品質の劣化は避けられない。
c○
d○
問 10 一般用医薬品の定義に関する次の記述について、( )に入れるべき字句の正しい組合せを下欄から選びなさい。
一般用医薬品は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律において「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、( a )その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(( b )を除く。)」と定義されている。
1 | a登録販売者 b要指導医薬品 |
---|---|
2 | a薬剤師 b要指導医薬品及び第一類医薬品 |
3 | a登録販売者 b医療用医薬品 |
4 | a薬剤師 b要指導医薬品 |
5 | a登録販売者 b要指導医薬品及び第一類医薬品 |
【正解4】
一般用医薬品は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律において「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、( a 薬剤師)その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(( b要指導医薬品 )を除く。)」と定義されている。
問 11 医療機関で治療を受けている人への配慮に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 生活習慣病等の慢性疾患の種類や程度によっては、一般用医薬品の有効性や安全性に影響を与える要因となることがあり、また、一般用医薬品を使用することによって症状が悪化したり、治療が妨げられることもある。 |
---|---|
b | 医療機関・薬局で交付された薬剤を使用している人について、疾患の種類や程度によっては、一般用医薬品との併用により症状を悪化させることがあり注意が必要であるため、一般用医薬品との併用の可否を判断することを登録販売者に義務付けている。 |
c | 過去に医療機関で治療を受けていたという場合には、どのような疾患について、いつ頃かかっていたのかを踏まえ、購入者等が使用の可否を適切に判断することができるよう情報提供がなされることが重要である。 |
d | 医療機関での治療は特に受けていない場合であっても、医薬品の種類や配合成分等によっては、特定の症状がある人が使用するとその症状を悪化させるおそれがある。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 正 |
2 | 正 誤 正 正 |
3 | 誤 正 誤 誤 |
4 | 正 誤 誤 正 |
5 | 誤 誤 正 誤 |
【正解2】
a○
b×
医療機関・薬局で交付された薬剤を使用している人については、登録販売者において一般用医薬品との併用の可否を判断することは困難なことが多く、その薬剤を処方した医師若しくは歯科医師又は調剤を行った薬剤師に相談するよう説明する必要がある。
c○
d○
問 12 販売時のコミュニケーションに関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 医薬品の販売等に従事する専門家からの情報提供は、説明した内容が購入者にどう理解され、行動に反映されているか、実情を把握しながら行うことにより、その実効性が高まる。 |
---|---|
b | 一般用医薬品の場合、必ずしも情報提供を受けた当人が医薬品を使用するとは限らないことから、販売時に確認しておきたい基本的事項として、「その医薬品を使用する人が医療機関で治療を受けていないか」という事項が挙げられる。 |
c | 家庭における常備薬として購入される場合は、すぐ使用されないため、情報提供を行う必要はない。 |
d | 情報提供を受ける購入者が医薬品を使用する本人で、かつ、現に症状がある場合には、言葉によるコミュニケーションから得られる情報のほか、その人の状態や様子全般から得られる情報も、状況把握につながる手がかりとなる。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 誤 |
2 | 正 正 誤 正 |
3 | 誤 誤 正 誤 |
4 | 正 誤 誤 正 |
5 | 誤 正 誤 正 |
【正解2】
a○
b○
c×
家庭における常備薬として購入される場合は、すぐに使用されるとは限らないが、情報提供や確認は必要である。
すぐに医薬品を使用する状況にない場合には、購入者等に対して、実際に使用する際に、販売時になされた情報提供の内容を思い起こしながら、改めて添付文書等に目を通すよう促すことが重要である。
d○
問 13 妊婦若しくは妊娠していると思われる女性又は母乳を与える女性(授乳婦)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 授乳婦が使用した医薬品の一部が乳汁中に移行することが知られていても、通常の使用の範囲では具体的な悪影響は判明していないものもあり、購入者等から相談があったときには、乳汁に移行する成分やその作用等について適切な説明がなされる必要がある。 |
---|---|
b | 胎児は、母体との間に存在する胎盤を通じて栄養分を受け取っており、胎盤には胎児の血液と母体の血液とが混合する仕組みがある。 |
c | 一般用医薬品においては、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価は困難であるため、妊婦の使用については「相談すること」としているものが多い。 |
d | レチノール含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされている。 |
a b c d | |
1 | 誤 正 誤 正 |
2 | 誤 誤 正 誤 |
3 | 正 誤 正 誤 |
4 | 正 誤 正 正 |
5 | 正 正 誤 誤 |
【正解4】
a○
b×
胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが「混ざらない」仕組み(血液-胎盤関門)がある。
c○
d○
問 14 サリドマイド訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟である。 |
---|---|
b | サリドマイド製剤には、一般用医薬品として販売されていた製品もある。 |
c | サリドマイド製剤は、催眠鎮静成分として承認され、副作用として血管新生を促進する作用があった。 |
d | サリドマイドの光学異性体のうち、鎮静作用はR体のみが有するとされている。 |
a b c d | |
1 | 正 正 誤 正 |
2 | 誤 誤 正 誤 |
3 | 誤 正 誤 誤 |
4 | 正 誤 誤 正 |
5 | 正 誤 正 誤 |
【正解1】
a○
b○
c×
副作用として血管新生を「妨げる」作用があった。
d○
問 15 一般用医薬品の役割に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 軽度な疾病に伴う症状の改善 |
---|---|
b | 生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防(科学的・合理的に効果が期待できるものに限る。) |
c | 生活の質(QOL)の改善・向上 |
d | 健康状態の自己検査 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 正 |
2 | 正 誤 誤 誤 |
3 | 誤 正 誤 正 |
4 | 正 正 正 正 |
5 | 誤 正 誤 誤 |
【正解4】
a○
b○
c○
d○
問 16 HIV訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | HIV訴訟を契機として、1979 年、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。 |
---|---|
b | HIV訴訟は、血友病患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料血清から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。 |
c | 問題となった製薬企業のみを被告として、1989 年5月に大阪地裁、同年10 月に東京地裁で提訴された。 |
d | 国は、HIV感染者に対する恒久対策として、エイズ治療研究開発センター及び拠点病院の整備や治療薬の早期提供等の様々な取り組みを推進している。 |
a b c d | |
1 | 誤 誤 誤 正 |
2 | 誤 正 正 誤 |
3 | 誤 正 誤 正 |
4 | 正 誤 正 誤 |
5 | 正 正 正 正 |
【正解1】
a×
「サリドマイド訴訟、スモン訴訟」を契機として、1979年、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。
b×
原料血清ではなく、「原料血漿」である。
c×
「国及び製薬企業」を被告として提訴された。
d○
問 17 HIV訴訟に関する次の記述について、( )に入れるべき字句の正しい組合せを下欄から選びなさい。
HIV感染者に対する恒久対策のほか、医薬品の副作用等による健康被害の再発防止に向けた取り組みも進められ、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(当時)との連携による承認審査体制の充実、製薬企業に対し従来の副作用報告に加えて( a )の義務づけ、緊急に必要とされる医薬品を迅速に供給するための( b )制度の創設等を内容とする改正( c )が1996 年に成立し、翌年4月に施行された。また、血液製剤の安全確保対策として検査や献血時の問診の充実が図られるとともに、薬事行政組織の再編、情報公開の推進、健康危機管理体制の確立等がなされた。
1 | a研究報告 b緊急輸入 c血液法 |
---|---|
2 | a研究報告 b早期承認 c薬事法 |
3 | a感染症報告 b早期承認 c薬事法 |
4 | a感染症報告 b緊急輸入 c薬事法 |
5 | a感染症報告 b緊急輸入 c血液法 |
【正解4】
HIV感染者に対する恒久対策のほか、医薬品の副作用等による健康被害の再発防止に向けた取り組みも進められ、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(当時)との連携による承認審査体制の充実、製薬企業に対し従来の副作用報告に加えて( a感染症報告 )の義務づけ、緊急に必要とされる医薬品を迅速に供給するための( b緊急輸入 )制度の創設等を内容とする改正( c薬事法 )が1996 年に成立し、翌年4月に施行された。また、血液製剤の安全確保対策として検査や献血時の問診の充実が図られるとともに、薬事行政組織の再編、情報公開の推進、健康危機管理体制の確立等がなされた。
問 18 CJD訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は、ウイルスが脳の組織に感染し、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病である。 |
---|---|
b | この訴訟を契機として、生物由来製品感染等被害救済制度が創設された。 |
c | 原因物質に汚染されたヒト乾燥硬膜の原料が、十分な化学的処理が行われないまま製品として流通し、脳外科手術で移植されたため、CJDが発症した。 |
d | この訴訟を契機として、ヒト乾燥硬膜の移植の有無を確認するための患者診療録の長期保存等の措置が講じられるようになった。 |
a b c d | |
1 | 誤 正 正 正 |
2 | 誤 誤 正 誤 |
3 | 正 誤 誤 正 |
4 | 誤 正 誤 誤 |
5 | 正 正 正 正 |
【正解1】
a×
細菌でもウイルスでもない「タンパク質の一種であるプリオン」が脳の組織に感染した。
b○
c○
d○
問 19 プラセボ効果(偽薬効果)に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
1 | 医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをプラセボ効果という。 |
---|---|
2 | プラセボ効果は、条件付けによる生体反応や時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)等も関与して生じると考えられている。 |
3 | 医薬品を使用したときにもたらされる反応や変化には、薬理作用によるもののほか、プラセボ効果によるものも含まれている。 |
4 | プラセボ効果は、客観的に測定可能な変化として現れることもあるので、その効果を目的として医薬品を使用するべきである。 |
【正解4】
プラセボ効果には、主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることもあるが、不確実であり、それを目的として医薬品が使用されるべきではない。
問 20 セルフメディケーションに関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 世界保健機関(WHO)によれば、セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てする」こととされている。 |
---|---|
b | セルフメディケーションの主役は、一般の生活者である。 |
c | 近年、急速な高齢化の進展や生活習慣病の増加など疾病構造の変化、生活の質の向上への要請等に伴い、専門家によるアドバイスなしで、身近にある一般用医薬品を利用する「セルフメディケーション」の考え方がみられるようになってきた。 |
d | 登録販売者においては、一般用医薬品の販売に従事する唯一の医薬関係者として、適切なセルフメディケーションの普及定着、医薬品の適正使用の推進のための啓発活動に積極的に参加、協力することが期待される。 |
a b c d | |
1 | 正 正 誤 誤 |
2 | 誤 誤 正 誤 |
3 | 誤 正 誤 正 |
4 | 正 正 正 誤 |
5 | 正 誤 正 正 |
【正解1】
a○
b○
c×
“専門家による適切なアドバイスの下”、身近にある一般用医薬品を利用するセルフメディケーションの考え方がみられるようになってきている。
d×
登録販売者においては、“薬剤師とともに”一般用医薬品の販売等に従事する医薬関係者として、適切なセルフメディケーションの普及定着、医薬品の適正使用の推進のための啓発活動に積極的に参加、協力することが期待される。
第2章 人体の働きと医薬品
問 1 消化器系に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
1 | 消化には、消化腺から分泌される消化液に含まれる消化酵素の作用によって飲食物を分解する化学的消化と、口腔における咀嚼や、消化管の運動などによって消化管の内容物を細かくして消化液と混和する機械的消化がある。 |
---|---|
2 | 歯の齲蝕とは、口腔内の常在細菌が脂質から産生する酸によって歯が脱灰されることで起こる歯の欠損のことであり、象牙質に達すると、神経が刺激されて、歯がしみたり痛みを感じるようになる。 |
3 | 胃腺からは、胃酸のほか、ペプシノーゲンなどが分泌されており、また、胃の粘膜表皮を覆う細胞からは、小腸におけるビタミンB12 の吸収において重要な役割を果たす成分が含まれた胃粘液が分泌されている。 |
4 | 肛門周囲は肛門括約筋で囲まれているため、排便を意識的に調節することができ、また、直腸粘膜と皮膚の境目になる部分には歯状線と呼ばれるギザギザの線がある。 |
【正解2】
齲蝕とは、口腔内の常在細菌が「糖質」から産生する酸で歯が脱灰されることによって起こる歯の欠損。
問 2 小腸に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 全長6~7mの管状の臓器で、十二指腸、回腸の2部分に分かれる。 |
---|---|
b | 回腸で分泌される腸液(粘液)に、腸管粘膜上の消化酵素が加わり、消化液として働く。 |
c | 腸管粘膜上の消化酵素として、半消化されたタンパク質をアミノ酸まで分解するエレプシン、炭水化物を単糖類まで分解するラクターゼ、マルターゼ等がある。 |
d | 十二指腸の上部を除く小腸の内壁には輪状のひだがあり、その粘膜表面は絨毛(柔突起ともいう)に覆われてビロード状になっており、絨毛を構成する細胞の表面には、さらに微絨毛が密生して吸収効率を高めている。 |
a b c d | |
1 | 誤 誤 正 誤 |
2 | 正 正 誤 誤 |
3 | 正 誤 誤 正 |
4 | 誤 誤 正 正 |
5 | 誤 正 正 正 |
【正解4】
a×
十二指腸、空腸、回腸の3部分に分かれる。
b×
「空腸」で分泌される腸液(粘液)に、腸管粘膜上の消化酵素が加わり、消化液として働く。
c○
d○
問 3 大腸に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
1 | 大腸は、盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸からなる管状の臓器で、内壁粘膜に絨毛がない。 |
---|---|
2 | 大腸の粘膜上皮細胞は、腸内細菌が食物繊維(難消化性多糖類)を発酵分解して生じる栄養分を、その活動に利用しており、大腸が正常に働くには、腸内細菌の存在が重要である。 |
3 | 大腸の腸内細菌は、血液凝固や骨へのカルシウム定着に必要なビタミンK等の物質も産生しており、また、腸内細菌による発酵で、糞便の臭気の元となる物質やメタン、二酸化炭素等のガスが生成される。 |
4 | 通常、糞便の成分の大半は腸内細菌の死骸で、そのほか、水分(15~20%)やはがれ落ちた腸壁上皮細胞の残骸(10~15%)が含まれ、食物の残滓は約5%に過ぎない。 |
【正解4】
通常、糞便の成分の大半は水分で、そのほか、はがれ落ちた腸壁上皮細胞の残骸(15~20%)や腸内細菌の死骸(10~15%)が含まれ、食物の残滓は約5%に過ぎない。
問 4 膵臓に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 膵臓は、胃の後下部に位置する細長い臓器で、膵液を十二指腸へ分泌する。 |
---|---|
b | 膵液は弱アルカリ性で、胃で酸性となった内容物を中和するのに重要である。 |
c | 膵液は、消化酵素の前駆体タンパクであり消化管内で活性体であるトリプシンに変換されるトリプシノーゲンのほか、デンプンを分解するアミラーゼ(膵液アミラーゼ)、脂質を分解するリパーゼなど、多くの消化酵素を含んでいる。 |
d | 膵臓は、消化腺であるとともに、血糖値を調節するホルモン(インスリン及びグルカゴン)等を血液中に分泌する内分泌腺でもある。 |
a b c d | |
1 | 誤 正 正 正 |
2 | 正 誤 正 正 |
3 | 正 正 誤 正 |
4 | 正 正 正 誤 |
5 | 正 正 正 正 |
【正解5】
a○
b○
c○
d○
問 5 胆嚢及び肝臓に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 胆汁に含まれるビリルビン(胆汁色素)は、赤血球中のヘモグロビンが分解されて生じた老廃物で、腸管内に排出されたビリルビンは、腸管内に生息する常在細菌によって代謝されて、糞便を茶褐色にする色素となる。 |
---|---|
b | 肝臓は、ブドウ糖から合成した高分子多糖であるグリコーゲンを蓄え、また、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D等のほか、ビタミンB6やB12 等の水溶性ビタミンも貯蔵している。 |
c | 肝臓では、消化管等から吸収された、又は体内で生成した、滞留すると生体に有害な物質を、肝細胞内の酵素系の働きで代謝して無毒化し、又は体外に排出されやすい形にするが、まれに物質によっては、代謝を受けて生体に有害な(発癌性等)物質となるものもある。 |
d | 肝臓は、胆汁酸やホルモンなどの生合成の出発物質となるコレステロール、フィブリノゲン等の血液凝固因子、アルブミン、トリプトファンやリジン等の必須アミノ酸を生合成することができる。 |
a b c d | |
1 | 誤 正 誤 誤 |
2 | 正 誤 正 誤 |
3 | 正 誤 誤 正 |
4 | 誤 誤 正 正 |
5 | 正 正 正 誤 |
【正解5】
a○
b○
c○
d×
コレステロール、フィブリノゲン等の血液凝固因子、アルブミン、「必須アミノ酸以外のアミノ酸」を生合成することができる。
トリプトファンやリジン等の必須アミノ酸は、生合成することができない。必須アミノ酸は、体内で作られないため食品などから摂取する必要がある。
問 6 呼吸器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 呼吸器系は、呼吸を行うための器官系で、鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺からなり、鼻腔から気管支までの呼気及び吸気の通り道を気道といい、そのうち、咽頭・喉頭までの部分を上気道、気管から気管支、肺までの部分を下気道という。 |
---|---|
b | 咽頭の後壁には、リンパ組織が集まってできている扁桃があり、気道に侵入してくる細菌、ウイルス等に対する免疫反応が行われる。 |
c | 喉頭の大部分と気管から気管支までの粘膜は絨毛で覆われており、吸い込まれた粉塵、細菌等の異物は、気道粘膜から分泌される粘液にからめ取られ、絨毛運動による粘液層の連続した流れによって気道内部から咽頭へ向けて排出され、唾液とともに嚥下される。 |
d | 肺胞の壁は非常に薄くできていて、周囲を毛細血管が網のように取り囲んでおり、粘液層によって保護された球状となっている。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 誤 正 |
2 | 正 正 誤 誤 |
3 | 誤 誤 誤 正 |
4 | 正 正 正 正 |
5 | 誤 正 正 誤 |
【正解2】
a○
b○
c×
喉頭の大部分と気管から気管支までの粘膜は「線毛上皮」で覆われており、吸い込まれた粉塵、細菌等の異物は、気道粘膜から分泌される粘液にからめ取られ、「線毛運動」による粘液層の連続した流れによって気道内部から咽頭へ向けて排出され、唾液とともに嚥下される。
d×
肺胞は、ガス交換を行うため、粘液層によって保護されていない。
問 7 心臓及び血管系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 血液が血管中を流れる方向は一定しており、心臓から拍出された血液を送る血管を動脈、心臓へ戻る血液を送る血管を静脈というが、いずれも血管壁が収縮すると血管は細くなり、弛緩すると拡張し、心拍数と同様に自律神経系によって制御される。 |
---|---|
b | 循環器系は、心臓、血管系、血液、脾臓、リンパ系からなり、血管系が心臓を中心とする開放循環系であるのに対して、リンパ系は末端がリンパ毛細管となった閉鎖循環系である。 |
c | 動脈の多くは体の深部を通っているが、頚部、手首、肘の内側等では皮膚表面近くを通るため、心拍に合わせて脈をふれることができ、通常、上腕部の動脈で測定される血管壁にかかる圧力のうち、心臓が収縮したときの血圧を最大血圧、心臓が弛緩したときの血圧を最小血圧という。 |
d | 消化管壁を通っている毛細血管の大部分は、門脈と呼ばれる血管に集まって肝臓に入るため、消化管で吸収された物質の多くは、代謝や解毒を受けた後に血流に乗って全身を循環する仕組みとなっている。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 誤 |
2 | 正 誤 正 正 |
3 | 誤 正 誤 誤 |
4 | 正 正 誤 正 |
5 | 誤 誤 正 正 |
【正解2】
a○
b×
血管系が心臓を中心とする「閉鎖循環系」であるのに対して、リンパ系は末端がリンパ毛細管となった「開放循環系」である。
c○
d○
問 8 血液に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | アルブミンは、血液の浸透圧を保持する働きがあるほか、ホルモンや医薬品の成分等と複合体を形成して、それらが血液によって運ばれるときに代謝や排泄を受けにくくする。 |
---|---|
b | 貧血は、その原因によりビタミン欠乏性貧血や鉄欠乏性貧血などに分類される。 |
c | 白血球のうち好中球は最も数が少なく、白血球の約5%であるが、血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができ、感染が起きた組織に遊走して集まり、細菌やウイルス等を食作用によって取り込んで分解する。 |
d | 血管の損傷部位では、血小板から放出される酵素によって血液を凝固させる一連の反応が起こり、血漿タンパク質の一種であるフィブリノゲンが傷口で重合して線維状のフィブリンとなる。 |
a b c d | |
1 | 誤 正 正 誤 |
2 | 誤 誤 誤 正 |
3 | 正 正 誤 正 |
4 | 正 誤 正 誤 |
5 | 正 正 誤 誤 |
【正解3】
a○
b○
c×
好中球は、最も数が多く、白血球の約60%を占めている。
d○
問 9 泌尿器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 腎臓には、心臓から拍出される血液の約90%が流れており、血液中の老廃物の除去のほか、水分及び電解質(特にナトリウム)の排出調節を行っている。 |
---|---|
b | 腎臓には骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンを分泌する内分泌腺としての機能があるほか、食品から摂取あるいは体内で生合成されたビタミンDを、骨の形成や維持の作用を発揮する活性型ビタミンDに転換する機能を有する。 |
c | 副腎髄質では、自律神経系に作用するアドレナリンとノルアドレナリンが産生・分泌される。 |
d | 副腎皮質ホルモンの1 つであるアルドステロンは、体内に塩分と水を貯留し、カリウムの排泄を促す作用により電解質と水分の排出調節の役割を担っている。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 誤 |
2 | 正 誤 正 正 |
3 | 誤 正 誤 誤 |
4 | 正 誤 誤 正 |
5 | 誤 正 正 正 |
【正解5】
a×
腎臓には、心臓から拍出される血液の1/5~1/4が流れている。
b○
c○
d○
問 10 骨格系及び筋組織に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 骨は体の器官のうち最も硬い組織の一つであるが、成長が停止した後も一生を通じて破壊と修復が行われている。 |
---|---|
b | 骨の関節面は弾力性に富む柔らかな軟骨層に覆われ、これが衝撃を和らげ、関節の動きを滑らかにしている。 |
c | 平滑筋は、消化管壁、血管壁、膀胱等に分布し、その筋線維を顕微鏡で観察すると、横縞模様(横紋)が見えるので横紋筋とも呼ばれ、比較的弱い力で持続的に収縮する特徴がある。 |
d | 筋組織は神経からの指令によって収縮するが、随意筋は体性神経系(運動神経)で支配されているのに対して、不随意筋は自律神経系に支配されている。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 誤 誤 |
2 | 正 正 誤 正 |
3 | 誤 誤 正 正 |
4 | 誤 正 正 誤 |
5 | 正 正 誤 誤 |
【正解2】
a○
b○
c×
平滑筋は、筋線維に骨格筋のような横縞模様(横紋)がない。
d○
問 11 目、鼻、耳などの感覚器官に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 硝子体は、その周りを囲んでいる毛様体の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときには丸く厚みが増し、遠くの物を見るときには扁平になる。 |
---|---|
b | 睡眠中は、起きている間以上に涙液が分泌されており、涙液には角膜や結膜を感染から防御する働きのあるリゾチームや免疫グロブリン等が含まれている。 |
c | 副鼻腔は、線毛を有し粘液を分泌する細胞でできた粘膜で覆われており、副鼻腔に入った埃等の粒子は、粘液に捉えられて線毛の働きによって鼻腔内へ排出されるが、鼻腔と連絡する管は非常に狭いため、鼻腔粘膜が腫れると副鼻腔の開口部がふさがりやすくなり、副鼻腔に炎症を生じることがある。 |
d | 内耳は聴覚器官である蝸牛と平衡器官である前庭の2つの部分からなり、両方とも内部はリンパ液で満たされており、前庭内のリンパ液の動きが平衡感覚として感知される。 |
a b c d | |
1 | 誤 正 正 正 |
2 | 正 誤 誤 誤 |
3 | 誤 正 正 誤 |
4 | 誤 誤 正 正 |
5 | 正 正 誤 正 |
【正解4】
a×
「水晶体」は、その周りを囲んでいる毛様体の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときには丸く厚みが増し、遠くの物を見るときには扁平になる。
b×
涙液は、起きている間は絶えず分泌されているが、睡眠中はほとんど分泌されない。
c○
d○
問 12 脳や神経系の働きに関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 脳において、血液の循環量は心拍出量の約15%、酸素の消費量は全身の約20%と多いが、脳の血管は末梢と比べて物質の透過に関する選択性が高いため、ブドウ糖の消費量は全身の約5%と少ない。 |
---|---|
b | 小児では、成人と比較して脳内の毛細血管が未成熟であるため、それを補う血液脳関門が発達しており、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に移行することはほとんどない。 |
c | 末梢神経系は、その機能に着目して、随意運動、知覚等を担う体性神経系と、呼吸や血液の循環等のように生命や身体機能の維持のために無意識に働いている機能を担う自律神経系に分類される。 |
d | 自律神経系は交感神経と副交感神経からなり、交感神経系は瞳孔散大や気管・気管支の拡張、腸の運動亢進等、緊張状態に対応した態勢をとるように働く。 |
a b c d | |
1 | 誤 誤 正 誤 |
2 | 正 誤 誤 正 |
3 | 正 正 誤 誤 |
4 | 誤 正 正 正 |
5 | 正 誤 正 誤 |
【正解1】
a×
脳において、血液の循環量は心拍出量の約15%、酸素の消費量は全身の約20%、ブドウ糖の消費量は全身の約25%と多い。
b×
小児では、血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に達しやすい。
c○
d×
交感神経系は、瞳孔散大や気管・気管支の拡張、「腸の運動低下」等、緊張状態に対応した態勢をとるように働く。
問 13 薬の生体内運命に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 内服薬のほとんどは、その有効成分が消化管から吸収されて循環血液中に移行し全身作用を現すため、錠剤やカプセル剤等の固形剤の場合、消化管で吸収される前に消化管内で崩壊して、有効成分が溶出しなければならない。 |
---|---|
b | 坐剤は肛門から医薬品を挿入することにより、直腸内で溶解させ、薄い直腸内壁の粘膜から有効成分を吸収させるものであり、直腸粘膜下に豊富に分布する静脈から容易に循環血液中に入るため、内服の場合より速やかに全身症状が現れる。 |
c | 皮膚に適用される医薬品について、通常は、皮膚表面から循環血液中へ移行する量は比較的少ないが、血液中に移行した有効成分は、代謝を受ける前に血流に乗って全身に分布するため、適用部位の面積(使用量)や使用回数、その頻度などによっては、全身作用が現れることがある。 |
d | 消化管より吸収され、循環血液中に移行した有効成分は、主として腎臓に存在する薬物代謝酵素による代謝を受け、代謝物の形で腎臓から尿中に排泄される。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 誤 |
2 | 誤 正 誤 誤 |
3 | 正 誤 誤 正 |
4 | 正 正 正 正 |
5 | 誤 誤 正 誤 |
【正解1】
a○
b○
c○
d×
循環血液中に移行した有効成分は、主として「肝細胞」の薬物代謝酵素によって代謝を受ける。
問 14 医薬品の剤形に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 錠剤は、内服用医薬品の剤形として最も広く用いられており、一定の形状に成型された固形製剤であるため、有効成分の苦味や刺激性を口中で感じることなく服用できる。 |
---|---|
b | カプセル剤は、カプセル内に散剤や液剤等を充填した剤形であり、カプセルの原材料として乳糖が広く用いられているため乳成分に対してアレルギーを持つ人は使用を避けるなどの注意が必要である。 |
c | 経口液剤では、苦味やにおいが強く感じられることがあるので、白糖等の糖類を混ぜたシロップ剤とすることがあるが、シロップ剤は粘りがあり容器に残りやすいので、残った部分を水ですすぎ、すすぎ液も飲むなどの工夫が必要である。 |
d | チュアブル錠は、腸内での溶解を目的として錠剤表面をコーティングしているものであるため、口の中で舐めたり噛み砕いて服用してはならない。 |
a b c d | |
1 | 誤 誤 正 正 |
2 | 正 誤 正 誤 |
3 | 正 正 誤 誤 |
4 | 誤 正 正 正 |
5 | 正 誤 誤 正 |
【正解2】
a○
b×
乳糖ではなく、「ゼラチン」である。
c○
d×
チュアブル錠は、口の中で舐めたり噛み砕いたりして服用する剤形であり、水なしでも服用できる。
記述は、腸溶錠の内容。
問 15 ショック(アナフィラキシー)に関する次の記述について、( )に入れるべき字句の正しい組合せを下欄から選びなさい。
ショック(アナフィラキシー)は、生体異物に対する( a )のアレルギー反応の一種である。原因物質によって発生頻度は異なり、医薬品の場合、以前にその医薬品によって蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人で起きる可能性が高い。一般的に、( b )の症状が現れ、発症後の病態は( c )に悪化することが多い。
1 | a即時型 b単一 c緩やか |
---|---|
2 | a即時型 b複数 c急速 |
3 | a即時型 b単一 c急速 |
4 | a遅延型 b複数 c緩やか |
5 | a遅延型 b複数 c急速 |
【正解2】
ショック(アナフィラキシー)は、生体異物に対する( a即時型 )のアレルギー反応の一種である。原因物質によって発生頻度は異なり、医薬品の場合、以前にその医薬品によって蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人で起きる可能性が高い。一般的に、( b複数 )の症状が現れ、発症後の病態は( c急速 )に悪化することが多い。
問 16 医薬品の副作用としての重篤な皮膚粘膜障害に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | 38℃以上の高熱、目の充血、目やに(眼分泌物)、まぶたの腫れ、目が開けづらい、口唇の違和感、口唇や陰部のただれ、排尿・排便時の痛み、喉の痛み、広範囲の皮膚の発赤等の症状が持続したり、又は急激に悪化したりする場合には、原因と考えられる医薬品の使用を中止せず、直ちに皮膚科の専門医を受診する必要がある。 |
---|---|
b | 両眼に現れる急性結膜炎(結膜が炎症を起こし、充血、目やに、流涙、痒み、腫れ等を生じる病態)は、皮膚や粘膜の変化とほぼ同時期又は半日~1日程度先行して生じる。 |
c | 皮膚粘膜眼症候群と中毒性表皮壊死融解症のいずれも、発生機序の詳細が判明しておらず、また、その発症は非常にまれであるが、一旦発症すると多臓器障害の合併症等により致命的な転帰をたどることがある。 |
d | 皮膚粘膜眼症候群と中毒性表皮壊死融解症は、いずれも原因医薬品の使用開始後2週間以内に発症することが多く、医薬品の使用開始から1か月を経過すると、その後発症することはないため、医薬品の使用開始直後は特に注意が必要である。 |
- 1(a、c)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
【正解3】
a×
原因と考えられる医薬品の使用を中止して、直ちに皮膚科の専門医を受診する必要がある。
b○
c○
d×
原因医薬品の使用開始後2週間以内に発症することが多いが、1ヶ月以上経ってから起こることもある。
問 17 医薬品による肝機能障害に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | いわゆる健康食品、ダイエット食品として購入された無承認無許可医薬品の使用による重篤な肝機能障害も知られている。 |
---|---|
b | 軽度の肝障害であっても自覚症状を伴い、主な症状に、全身の倦怠感、黄疸のほか、発熱、発疹、皮膚の掻痒感、吐きけ等がある。 |
c | 医薬品の有効成分又はその代謝物の直接的肝毒性が原因で起きる中毒性のものと、有効成分に対する抗原抗体反応が原因で起きるアレルギー性のものに大別される。 |
d | 肝機能障害が疑われる場合であっても、医薬品の使用を中止することは治療の妨げとなるため、使用を中止してはならない。 |
- 1(a、c)
- 2(b、c)
- 3(b、d)
- 4(a、d)
【正解1】
a○
b×
軽度の肝障害の場合、自覚症状がなく、健康診断等の血液検査で初めて判明することが多い。
c○
d×
肝機能障害が疑われた時点で、原因と考えられる医薬品の使用を中止し、医師の診療を受けることが重要である。
問 18 偽アルドステロン症に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 主な症状に、手足の脱力、血圧上昇、筋肉痛、こむら返り、倦怠感、手足のしびれ、頭痛、むくみ(浮腫)、喉の渇き、吐きけ・嘔吐等があり、病態が進行すると、筋力低下、起立不能、歩行困難、痙攣等を生じる。 |
---|---|
b | 偽アルドステロン症の発症者では、副腎皮質からのアルドステロン分泌が著しく増加している。 |
c | 主に、若年者に生じやすく、原因医薬品の長期服用後に初めて発症する場合もあるが、副腎皮質のアルドステロン分泌能が低下している高齢者での発症はまれである。 |
d | 偽アルドステロン症の初期症状に不審を感じつつも重症化させてしまう例が多く、症状に気付いた場合は直ちに原因と考えられる医薬品の使用を中止し、速やかに医師の診療を受けることが重要である。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 正 |
2 | 誤 誤 正 誤 |
3 | 正 正 誤 誤 |
4 | 誤 正 正 正 |
5 | 正 誤 誤 正 |
【正解5】
a○
b×
副腎皮質からのアルドステロン分泌が増加していないにもかかわらず、体内に塩分(ナトリウム)と水が貯留し、体からカリウムが失われる。
c×
小柄な人や高齢者で生じやすい。
d○
問 19 呼吸器系に現れる医薬品の副作用に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | 間質性肺炎は肺の中で肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織(間質)が炎症を起こしたもので、発症すると、肺胞と毛細血管の間のガス交換効率が低下して血液に酸素を十分に取り込むことができず、息切れ、空咳(痰の出ない咳)、発熱等の症状を呈する。 |
---|---|
b | 肺線維症の症状は、一般的に医薬品の使用開始1~2週間程度で起こることが多く、かぜや気管支炎の症状と区別が難しいが、その症状は一過性で、自然と回復するため悪化することはない。 |
c | 医薬品の副作用による喘息は、原因となる医薬品の使用後、1~2週間後に鼻水・鼻づまりが現れ、続いて咳、喘鳴(息をするとき喉がゼーゼー又はヒューヒュー鳴る)及び呼吸困難を生じる。 |
d | 医薬品の副作用による喘息は、通年性(非アレルギー性)の鼻炎や慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、鼻茸(鼻ポリープ)、嗅覚異常等、鼻の疾患を合併している人や、成人になってから喘息を発症した人、季節に関係なく喘息発作が起こる人等で発症しやすい。 |
- 1(a、b)
- 2(b、c)
- 3(a、d)
- 4(c、d)
【正解3】
a○
b×
「間質性肺炎」は、一般的に医薬品の使用開始から1~2週間程度で起きることが多い。症状が一過性に現れ、自然と回復することもあるが、「悪化すると肺線維症に移行することがある」。
c×
原因となる医薬品の使用後、「短時間(1時間以内)のうち」に鼻水・鼻づまりが現れ、続いて咳、喘鳴及び呼吸困難を生じる。
d○
問 20 循環器系に現れる医薬品の副作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 鬱血性心不全とは、全身が必要とする量の血液を心臓から送り出すことができなくなり、肺に血液が貯留して、種々の症状を示す疾患である。 |
---|---|
b | 息切れ、疲れやすい、足のむくみ、急な体重の増加、咳とピンク色の痰などを認めた場合は、鬱血性心不全の可能性を疑い、早期に医師の診療を受ける必要がある。 |
c | 医薬品により循環器系に生じる副作用は、有効成分又はその代謝物による直接的毒性が原因のため、腎機能や肝機能の低下による影響は受けない。 |
d | 医薬品を適正に使用した場合であっても、動悸(心悸亢進)や一過性の血圧上昇、顔のほてり等の症状が現れたときには、重篤な症状への進行を防止するため、原因と考えられる医薬品の使用を中止し、症状によっては医師の診療を受けるなどの対応が必要である。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 正 |
2 | 正 誤 誤 誤 |
3 | 誤 誤 正 正 |
4 | 正 正 誤 正 |
5 | 誤 正 正 誤 |
【正解4】
a○
b○
c×
代謝機能の低下によって発症リスクが高まることがあるので、腎機能や肝機能の低下等に留意すべきである。
d○
第3章 主な医薬品とその作用
問 1 かぜ(感冒)及びかぜ薬(総合感冒薬)に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | かぜの約8割は、細菌の感染が原因であるが、それ以外にウイルスの感染や、まれに冷気や乾燥、アレルギーのような非感染性の要因による場合もある。 |
---|---|
b | かぜ薬は、咳で眠れなかったり、発熱で体力を消耗しそうなときなどに、それら諸症状の緩和を図る対症療法薬である。 |
c | かぜは、単一の疾患ではなく、医学的にはかぜ症候群といい、通常は数日~1週間程度で寛解し、予後は良好である。 |
d | 発熱、咳、鼻水など症状がはっきりしている場合には、症状を効果的に緩和させるため、かぜ薬(総合感冒薬)を選択することが最適である。 |
- 1(a、b)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(c、d)
【正解3】
a×
かぜの約8割は「ウイルス」の感染が原因であるが、それ以外に細菌の感染や、まれに冷気や乾燥、アレルギーのような非感染性の要因による場合もある。
b○
c○
d×
発熱、咳、鼻水など症状がはっきりしている場合には、症状を効果的に緩和させるため、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎を緩和させる薬などを選択することが望ましい。
問 2 次のうち、15 歳未満の小児で水痘(水疱瘡)又はインフルエンザにかかっているときは使用を避ける必要がある解熱鎮痛成分を1つ選びなさい。
1 | アセトアミノフェン |
---|---|
2 | コデインリン酸塩 |
3 | エテンザミド |
4 | メチルエフェドリン |
5 | クロルフェニラミンマレイン酸塩 |
【正解3】
エテンザミドの他に、サリチルアミドが該当する。
問 3 グリチルリチン酸に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | グリチルリチン酸は、モルヒネと同じ基本構造を持つことから、鎮痛作用を示すと考えられている。 |
---|---|
b | 医薬品では1日の摂取量が、グリチルリチン酸として、200 mg を超えないよう用量が定められている。 |
c | グリチルリチン酸を大量に摂取すると、偽アルドステロン症を生じるおそれがある。 |
d | グリチルリチン酸は、甘味料として一般食品や医薬部外品などにも広く用いられている。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 正 |
2 | 正 正 誤 誤 |
3 | 誤 誤 誤 正 |
4 | 誤 正 正 誤 |
5 | 誤 正 正 正 |
【正解5】
a×
グリチルリチン酸は、化学構造がステロイド性抗炎症成分に類似していることから、抗炎症作用を示すと考えられている。
モルヒネと同じ基本構造を持つ成分は、コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩であり、麻薬性鎮咳成分とも呼ばれる。
b○
c○
d○
問 4 眠気を促す薬とその配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、睡眠改善薬として一時的な睡眠障害の緩和に用いられるだけではなく、慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人も対象としている。 |
---|---|
b | 小児及び若年者では、ジフェンヒドラミン塩酸塩により眠気とは反対の神経過敏や中枢興奮などが現れることがある。 |
c | 抑肝散は、体力中等度をめやすとして幅広く用いることができ、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症、歯ぎしり、更年期障害、血の道症に適している。 |
d | ブロモバレリル尿素を含有する催眠鎮静薬は、胎児に障害を引き起こす可能性はないため、妊婦の睡眠障害の緩和に適している。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 誤 |
2 | 正 正 誤 誤 |
3 | 誤 誤 誤 正 |
4 | 誤 正 正 誤 |
5 | 誤 正 正 正 |
【正解4】
a×
抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、睡眠改善薬として一時的な睡眠障害の緩和に用いられるものであり、慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人を対象とするものではない。
b○
c○
d×
ブロモバレリル尿素は胎児に障害を引き起こす可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避けるべきである。
問 5 鎮暈薬(乗物酔い防止薬)に配合される成分について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | スコポラミン臭化水素酸塩水和物 ― 抗コリン成分 |
---|---|
b | メクリジン塩酸塩 ― 鎮静成分 |
c | ジメンヒドリナート ― 抗ヒスタミン成分 |
d | ジプロフィリン ― 局所麻酔成分 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、d)
- 4(c、d)
【正解2】
a○
b×
メクリジン塩酸塩は、抗ヒスタミン成分。
鎮静成分には、ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素がある。
c○
d×
ジプロフィリンは、中枢神経系を興奮させるキサンチン系成分。
局所麻酔成分には、アミノ安息香酸エチルがある。
問 6 かぜの症状緩和に用いられる次の漢方処方製剤のうち、構成生薬としてカンゾウ及びマオウの両方を含むものの組合せを下欄から選びなさい。
a | 葛根湯 |
---|---|
b | 小青竜湯 |
c | 麦門冬湯 |
d | 小柴胡湯 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、d)
- 4(c、d)
【正解1】
a○
b○
c×:麦門冬湯は、カンゾウを含むがマオウは含まない。
d×:小柴胡湯は、カンゾウを含むがマオウは含まない。
問 7 鎮咳去痰薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩については、その作用本体であるコデイン、ジヒドロコデインがモルヒネと同じ基本構造を持つ。 |
---|---|
b | エチルシステイン塩酸塩は、痰の中の粘性タンパク質を溶解・低分子化して粘性を減少させる。 |
c | ノスカピン、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩は、麻薬性鎮咳成分と呼ばれる。 |
d | グアイフェネシンは、気道粘膜からの粘液の分泌を促進する作用を示す。 |
a b c d | |
1 | 正 正 誤 誤 |
2 | 正 正 誤 正 |
3 | 正 誤 正 正 |
4 | 誤 正 正 誤 |
5 | 誤 誤 誤 正 |
【正解2】
a○
b○
c×
ノスカピン、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩は、「非麻薬性鎮咳成分」と呼ばれる。
麻薬性鎮咳成分と呼ばれるのは、コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩。
d○
問 8 口腔咽喉薬及び含嗽薬に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | 口腔咽喉薬には、鎮咳成分や気管支拡張成分、去痰成分が配合されている。 |
---|---|
b | 噴射式の液剤では、息を吸いながら噴射すると気管支や肺に入ってしまうおそれがあるため、軽く息を吐いたり、声を出しながら噴射することが望ましい。 |
c | ヨウ素系殺菌消毒成分が口腔内に使用される場合、甲状腺におけるホルモン産生に影響を及ぼす可能性がある。 |
d | クロルヘキシジングルコン酸塩が配合された含嗽薬は、口腔内に傷やひどいただれのある人でも強い刺激を生じることなく使用することができる。 |
- 1(a、c)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
【正解3】
a×
口腔咽喉薬には、鎮咳成分や気管支拡張成分、去痰成分は配合されていない。配合されている場合には、鎮咳去痰薬に分類される。
b○
c○
d×
クロルヘキシジングルコン酸塩が配合された含嗽薬は、口腔内に傷やひどいただれのある人では、強い刺激を生じるおそれがあるため、使用を避ける必要がある。
問 9 胃腸薬とその有効成分に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
1 | アルジオキサは、アルミニウムを含む成分であるため、透析を受けている人は使用を避ける必要がある。 |
---|---|
2 | タンニン酸アルブミンに含まれるアルブミンは、牛乳に含まれるタンパク質から精製された成分であるため、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。 |
3 | セトラキサート塩酸塩は、代謝されてトラネキサム酸を生じるため、血栓のある人、血栓を起こすおそれのある人が使用した場合、生じた血栓が分解されにくくなることがある。 |
4 | ロペラミド塩酸塩は、食あたりや水あたりの下痢にも使用できる。 |
【正解4】
ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢の症状に用いられることを目的としており、食あたりや水あたりによる下痢については適用対象でない。
問 10 腸の不調を改善する目的で用いられる漢方処方製剤に関する次の記述のうち、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | 桂枝加芍薬湯は、構成生薬にカンゾウを含まない。 |
---|---|
b | 麻子仁丸は、構成生薬としてダイオウを含む。 |
c | 大黄甘草湯は、体力に関わらず広く応用される。 |
d | 大黄牡丹皮湯は、胃腸が弱く下痢しやすい人に適している。 |
- 1(a、b)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(c、d)
【正解3】
a×
桂枝加芍薬等は、構成生薬としてカンゾウを含む。
b○
c○
d×
大黄牡丹皮湯は、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
問 11 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬)との相互作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 生菌成分が配合された整腸薬に、腸内殺菌成分が配合された止瀉薬を併用した場合、生菌成分の働きが腸内殺菌成分によって弱められる。 |
---|---|
b | ヒマシ油と駆虫薬の併用は、駆虫成分が腸管内にとどまらず吸収されやすくなり、全身性の副作用を生じる危険性が高まる。 |
c | 食品には緩下作用(緩和な瀉下作用)を示すものはないため、食品との相互作用は考慮する必要はない。 |
d | 複数の瀉下薬を併用すると、激しい腹痛を伴う下痢や下痢に伴う脱水症状を生じるおそれがある。 |
a b c d | |
1 | 正 正 誤 正 |
2 | 正 誤 正 正 |
3 | 正 正 誤 誤 |
4 | 誤 正 正 誤 |
5 | 誤 誤 誤 正 |
【正解1】
a○
b○
c×
食品にも緩下作用(緩和な瀉下作用)を示すものがあり、そうした食品との相互作用についても留意されるべきである。
d○
問 12 胃腸鎮痛鎮痙薬に配合される成分に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | オキセサゼインは、局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるとされ、胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方の目的で使用される。 |
---|---|
b | パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示すとともに、胃酸分泌を抑える作用もある。 |
c | ブチルスコポラミン臭化物は、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることが知られている。 |
d | ロートエキスは、成分が母乳中に移行することはないので、母乳を与える女性であっても安心して使用することができる。 |
- 1(a、c)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
【正解1】
a○
b×
パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示すが、抗コリン成分と異なり、胃液分泌を抑える作用は見出されない。
c○
d×
ロートエキスは、吸収された成分の一部が母乳中に移行して乳児の脈が速くなるおそれがあるため、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避ける必要がある。
問 13 浣腸薬に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | 腹痛が著しい場合や便秘に伴って吐きけや嘔吐が現れた場合には、急性腹症(腸管の狭窄、閉塞、腹腔内器官の炎症等)の可能性があり、浣腸薬の配合成分が症状を緩和するため、積極的に使用すべきである。 |
---|---|
b | 浣腸薬は一般に、流産・早産を誘発するおそれがあるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性では使用を避けるべきである。 |
c | ソルビトールは、炭酸ガスの微細な気泡を発生することで直腸を刺激する作用を期待して用いられる。 |
d | グリセリンが配合された浣腸薬を、肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血しているときに使用すると、グリセリンが傷口から血管内に入って、赤血球の破壊(溶血)を引き起こすおそれがある。 |
- 1(a、c)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
【正解4】
a×
腹痛が著しい場合や便秘に伴って吐きけや嘔吐が現れた場合には、急性腹症の可能性があり、浣腸薬の配合成分の刺激によってその症状を悪化させるおそれがある。
b○
c×
ソルビトールは、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促す効果を期待して用いられる。
記述は、炭酸水素ナトリウムの内容。
d○
問 14 駆虫薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 腸管内に生息する虫体にのみ作用し、虫卵や腸管内以外に潜伏した幼虫には駆虫作用は及ばない。 |
---|---|
b | 一般用医薬品の駆虫薬が対象とする寄生虫は、回虫、蟯虫及び条虫である。 |
c | 空腹時に使用することとされているものが多い。 |
d | 複数の駆虫薬を併用すると駆虫効果が高まる。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 誤 正 |
2 | 誤 正 正 正 |
3 | 正 正 誤 誤 |
4 | 正 誤 正 誤 |
5 | 誤 誤 正 誤 |
【正解4】
a○
b×
一般用医薬品の駆虫薬が対象とする寄生虫は、回虫と蟯虫である。条虫の駆除を目的とする一般用医薬品はない。
c○
d×
複数の駆虫薬を併用しても駆虫効果が高まることはなく、副作用が現れやすくなり、また、組合せによってはかえって駆虫作用が減弱することもある。
問 15 強心薬に関する次の記述について、( )に入れるべき字句の正しい組合せを下欄から選びなさい。
一般用医薬品の強心薬は、疲労やストレス等による( a )の心臓の動きの乱れについて、心臓の働きを整えて動悸や息切れ等の症状の改善を目的として用いられる。その代表的な配合成分として、ヒキガエル科のシナヒキガエル等の毒腺の分泌物を集めた( b )やウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする( c )などがある。
1 | a重度 bロクジョウ cゴオウ |
---|---|
2 | a重度 bセンソ cリュウノウ |
3 | a軽度 bセンソ cリュウノウ |
4 | a軽度 bロクジョウ cリュウノウ |
5 | a軽度 bセンソ cゴオウ |
【正解5】
一般用医薬品の強心薬は、疲労やストレス等による( a軽度 )の心臓の動きの乱れについて、心臓の働きを整えて動悸や息切れ等の症状の改善を目的として用いられる。その代表的な配合成分として、ヒキガエル科のシナヒキガエル等の毒腺の分泌物を集めた( bセンソ )やウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする( cゴオウ )などがある。
問 16 コレステロールと高コレステロール改善薬に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | コレステロールは、細胞の構成成分で、胆汁酸や副腎皮質ホルモン等の生理活性物質の産生に重要な物質でもある等、生体に不可欠な物質である。 |
---|---|
b | コレステロールは、水に溶けやすい物質であるため、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在する。 |
c | パンテチンは、高密度リポタンパク質(HDL)等の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高めて、低密度リポタンパク質(LDL)産生を高める作用があるとされる。 |
d | 医療機関で測定する検査値として、LDLが140 mg/dL 以上、HDLが40mg/dL 未満、中性脂肪が150 mg/dL 以上のいずれかである状態を、脂質異常症という。 |
- 1(a、c)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
【正解2】
a○
b×
コレステロールは「水に溶けにくい」物質であるため、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在する。
c×
パンテチンは、「低密度リポタンパク質(LDL)」等の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高めて、「高密度リポタンパク質(HDL)」産生を高める作用があるとされる。
d○
問 17 貧血用薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 鉄製剤を服用すると、便が黒くなることがある。 |
---|---|
b | ビタミンDは、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられる。 |
c | コバルトは、赤血球ができる過程で必要不可欠なビタミンB12 の構成成分であり、骨髄での造血機能を高める目的で硫酸コバルトが配合されている場合がある。 |
d | 鉄製剤の服用の前後30 分にタンニン酸を含む飲食物(緑茶、紅茶、コーヒー、ワイン、柿等)を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が悪くなることがある。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 正 |
2 | 正 正 誤 誤 |
3 | 誤 正 正 正 |
4 | 誤 誤 正 誤 |
5 | 正 誤 誤 誤 |
【正解1】
a○
b×
「ビタミンC」は、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられる。
c○
d○
問 18 痔及び痔疾用薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | クロルヘキシジン塩酸塩は、肛門周囲の末梢血管の血行を促すことにより、鬱血を改善する効果を期待して、内用痔疾用薬に配合されている。 |
---|---|
b | シコンは、ムラサキ科のムラサキの根を基原とする生薬で、新陳代謝促進、殺菌、抗炎症等の作用を期待して用いられる。 |
c | 痔による肛門部の炎症や痒みを和らげる成分として、ヒドロコルチゾン酢酸エステルが配合されている場合がある。 |
d | 痔による肛門部の創傷の治癒を促す効果を期待して、アラントインのような組織修復成分が用いられる。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 正 |
2 | 正 正 誤 誤 |
3 | 誤 正 正 正 |
4 | 誤 誤 正 誤 |
5 | 誤 正 誤 正 |
【正解3】
a×
クロルヘキシジン塩酸塩は、痔疾患に伴う局所の感染を防止することを目的として外用痔疾用薬に配合される殺菌消毒成分である。
記述は、ビタミンEの内容。
b○
c○
d○
問 19 婦人薬に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | エチニルエストラジオールは、人工的に合成された女性ホルモンの一種であり、適用部位の膣粘膜又は外陰部から吸収されて循環血液中に移行する。 |
---|---|
b | ジオウは、ゴマノハグサ科のアカヤジオウ等の根又はそれを蒸したものを基原とする生薬で、血行を改善し、血色不良や冷えの症状を緩和するほか、強壮、鎮静、鎮痛等の作用を期待して用いられる。 |
c | 桃核承気湯は、マオウを含む漢方処方製剤であり、体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの月経不順、月経困難症、月経痛に適すとされている。 |
d | 五積散は、ダイオウを含む漢方処方製剤であり、体力中等度、又はやや虚弱で冷えがあるものの胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害、感冒に適すとされるが、体の虚弱な人、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、不向きとされる。 |
- 1(a、b)
- 2(b、c)
- 3(c、d)
- 4(a、d)
【正解1】
a○
b○
c×
桃核承気湯は、ダイオウを含む漢方処方製剤。マオウは含まない。
d×
五積散は、マオウを含む漢方処方製剤。ダイオウは含まない。
問 20 アレルギー用薬に配合される成分に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
1 | クロモグリク酸ナトリウムは、交感神経系を刺激して血管を収縮させることにより、皮膚や鼻粘膜の炎症を和らげることを目的として配合されている。 |
---|---|
2 | クロルフェニラミンマレイン酸塩は、肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げることにより、ヒスタミンの働きを抑える作用を示す。 |
3 | ベラドンナ総アルカロイドは、鼻腔内の粘液分泌腺からの粘液の分泌を抑えるとともに、鼻腔内の刺激を伝達する副交感神経系の働きを抑えることによって、鼻汁分泌やくしゃみを抑える目的として配合されている。 |
4 | プソイドエフェドリン塩酸塩は、他のアドレナリン作動成分に比べて中枢神経系に対する作用が強く、副作用として不眠や神経過敏が現れることがある。 |
【正解1】
クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、花粉、ハウスダスト等によるアレルギー症状の緩和を目的として配合される。
交感神経系を刺激して鼻粘膜の血管を収縮させることによって鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として配合されるのは、フェニレフリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分。
皮膚や鼻粘膜の炎症を和らげることを目的として配合されるのは、グリチルリチン酸等の抗炎症成分。
問 21 眼科用薬及びその成分に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | コンタクトレンズ装着液は結膜嚢に対して適用するものであるため、その全てが医薬品として製造販売されている。 |
---|---|
b | アレルギー用点眼薬には、通常、目のアレルギー症状(流涙、目の痒み、結膜充血等)の緩和を目的とし、抗ヒスタミン成分や抗アレルギー成分が配合されている。 |
c | ホウ酸は、洗眼薬として用時水に溶解し、結膜嚢の洗浄・消毒に用いられる。 |
d | ビタミンB12 は、結膜や角膜の乾燥を防ぐことを目的として用いられる。 |
- 1(a、c)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
【正解3】
a×
配合成分としてあらかじめ定められた範囲内の成分のみを含む等の基準に当てはまる製品については、医薬部外品として認められている。
b○
c○
d×
ビタミンB12は、目の調節機能を助ける作用を期待して用いられる。
記述は、コンドロイチン硫酸ナトリウム等の内容。
問 22 眼科用薬の使用上の注意に関する次の記述について、正しいものを1つ選びなさい。
1 | 白内障と診断された人が、アドレナリン作動成分を含む点眼薬を使用すると、眼圧の低下をまねき、その治療を妨げるおそれがあるため、使用前にその適否について、治療を行っている医師等に相談がなされるべきである。 |
---|---|
2 | ソフトコンタクトレンズは、水分を含みやすく、防腐剤などの配合成分がレンズに吸着されて、角膜に障害を引き起こす原因となるおそれがあるため、装着したままの点眼は避けることとされている製品が多い。 |
3 | 点眼後は、薬液を早く乾燥させるため、数秒間、眼瞼を開いたままにすることとされている。 |
4 | 眼科用薬に配合されるサルファ剤は、細菌及び真菌の感染に対する効果を有しているが、ウイルスの感染に対する効果はないので、3~4日間使用しても症状の改善がみられない場合には、眼科専門医の診療を受けるなどの対応が必要である。 |
【正解2】
1×
「緑内障」と診断された人が、アドレナリン作動成分を含む点眼薬を使用すると、眼圧の「上昇」をまねき、緑内障を悪化させたり、その治療を妨げるおそれがある。
2○
3×
点眼後は、数秒間、眼瞼を閉じて、薬液を結膜嚢内に行き渡らせる。
4×
サルファ剤は、細菌(ブドウ球菌や連鎖球菌)に対する効果を有しているが、すべての細菌に対して効果があるというわけではなく、また、ウイルスや真菌の感染に対する効果はない。
問 23 皮膚に用いる薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 外皮用薬は、表皮の角質層が柔らかくなることで有効成分が浸透しやすくなることから、入浴後に用いるのが効果的とされる。 |
---|---|
b | 貼付剤を患部やその周辺に汗が付着した状態で貼付すると、有効成分の浸透性が向上するため、清浄にして貼付することが望ましい。 |
c | スプレー剤を使用する場合、吸入によりめまいや吐きけ等を生じることがあるので、周囲の人にも十分注意して使用する必要がある。 |
d | 液剤は、軟膏に比べて有効成分の浸透性が低いことから、じゅくじゅくと湿潤している患部に適している。 |
a b c d | |
1 | 誤 誤 正 誤 |
2 | 誤 正 正 正 |
3 | 正 誤 正 正 |
4 | 正 正 誤 誤 |
5 | 正 誤 正 誤 |
【正解5】
a○
b×
患部やその周囲に汗や汚れ等が付着した状態で貼付すると、有効成分の浸透性が「低下する」。
c○
d×
液剤は有効成分の浸透性が高く、患部に対する刺激が強い。皮膚が厚く角質化している部分に適している。
じゅくじゅくと浸潤している患部には、軟膏又はクリームが適す。
問 24 皮膚に用いる薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 皮膚に温感刺激を与え、末梢血管を拡張させて患部の血行を促す効果を期待して、ノニル酸ワニリルアミド、カンフルが配合されている場合がある。 |
---|---|
b | 非ステロイド性抗炎症成分は、コルチゾンに換算して1g中0.025 mg を超えて含有する成分は長期連用を避ける必要がある。 |
c | フェルビナクについて、小児への有効性・安全性が確認されていないことから、15 歳未満の小児向けの製品は製造販売されていない。 |
d | サルファ剤は、細菌のDNA合成を阻害することにより抗菌作用を示す。 |
a b c d | |
1 | 誤 誤 正 誤 |
2 | 誤 誤 正 正 |
3 | 誤 正 誤 正 |
4 | 正 誤 誤 誤 |
5 | 正 誤 正 正 |
【正解2】
a×
皮膚に温感刺激を与え、末梢血管を拡張させて患部の血行を促す効果を期待して、カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル等が配合されている場合がある。
カンフルは、冷感刺激成分である。
b×
「ステロイド性抗炎症成分」は、コルチゾンに換算して1g中0.025㎎を超えて含有する製品では、長期連用を避ける必要がある。
c○
d○
問 25 皮膚に用いる薬に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | デキサメタゾンを含有する医薬品は、炎症を抑える効果があることから、化膿している患部に使用することができる。 |
---|---|
b | インドメタシンは、適用部位の皮膚に、腫れやヒリヒリ感、熱感、乾燥感が現れることがあるため、1~2 cm 角の小片を腕の内側等の皮膚の薄い部位に半日以上貼ってみて、皮膚に異常を生じないことを確認することが推奨されている。 |
c | アトピー性皮膚炎は、一般用医薬品の使用によって対処できる範囲の疾患であり、抗ヒスタミン成分を含有する一般用医薬品を使用すると良い。 |
d | 非ステロイド性抗炎症成分が配合された医薬品の使用で痛みを抑えられていても、5~6日間使用して症状が治まらない場合は、医師の診療を受けるなどの対応が必要である。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、d)
- 4(c、d)
【正解3】
a×
化膿している患部には症状を悪化させる恐れがあり、使用を避ける必要がある。
b○
c×
アトピー性皮膚炎は、医師による専門的な治療を要する疾患であり、一般用医薬品の使用によって対処できる範囲を超えている。
d○
問 26 皮膚に用いる薬に配合される成分について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | クロラムフェニコール ― 抗真菌成分 |
---|---|
b | ミコナゾール硝酸塩 ― 抗菌成分 |
c | リドカイン ― 局所麻酔成分 |
d | ジフェンヒドラミン ― 抗ヒスタミン成分 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、d)
- 4(c、d)
【正解4】
a×
クロラムフェニコールは、抗菌成分。
b×
ミコナゾール硝酸塩は、抗真菌成分。
c○
d○
問 27 歯や口中に用いる薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 歯痛薬は、歯の齲蝕による歯痛を応急的に鎮めることを目的とする一般用医薬品である。 |
---|---|
b | 齲蝕により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮めることを目的として、アミノ安息香酸エチルが使用される。 |
c | 歯肉溝での細菌の繁殖を抑えることを目的として、カルバゾクロムが配合されている場合がある。 |
d | 口内炎用薬には、口腔粘膜の組織修復を促す作用を期待してアズレンスルホン酸ナトリウムが配合されている場合がある。 |
a b c d | |
1 | 誤 誤 正 正 |
2 | 正 正 誤 正 |
3 | 誤 正 誤 誤 |
4 | 正 正 正 正 |
5 | 正 誤 正 誤 |
【正解2】
a○
b○
c×
歯肉溝での細菌の繁殖を抑えることを目的として配合されるのは、セチルピリジニウム塩化物、クロルヘキシジングルコン酸塩、イソプロピルメチルフェノール、チモール等の殺菌消毒成分である。
カルバゾクロムは、止血成分。
d○
問 28 歯や口中に用いる薬に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
1 | 口腔咽喉薬や含嗽薬を使用する場合は、間隔を置かずに使用すると効果的である。 |
---|---|
2 | 歯周病については、状態が軽いうちは自己治療が可能とされている。 |
3 | 口内炎や舌炎が再発を繰り返す場合には、ベーチェット病などの可能性も考えられるため、医療機関を受診するなどの対応が必要である。 |
4 | 一般用医薬品にも副作用として、口内炎等が現れるものがあり、一般の生活者においては、それが副作用による症状と認識されずに、口内炎用薬による対処を図ろうとする場合があり、医薬品の販売等に従事する専門家は、状況の把握に努めることが重要である。 |
【正解1】
口腔咽喉薬、含嗽薬などを使用する場合には、十分な間隔を置くべきである。
問 29 禁煙補助剤に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 咀嚼剤は、噛むことにより口腔内でニコチンが放出され、消化管で吸収されることにより効果を発揮する。 |
---|---|
b | 心臓疾患や高血圧、胃・十二指腸潰瘍等の診断を受けた人では、使用している治療薬の効果に影響を生じる可能性があるため、禁煙補助剤を使用する前に治療を行っている医師等に相談するなどの対応が必要である。 |
c | 禁煙に伴うニコチン離脱症状は、通常、禁煙開始から1~2週間の間に起きることが多い。 |
d | 副作用として、口内炎、消化器症状(悪心・嘔吐、食欲不振、下痢)等が現れる場合がある。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 誤 正 |
2 | 誤 誤 正 誤 |
3 | 誤 正 誤 誤 |
4 | 正 正 正 正 |
5 | 誤 正 正 正 |
【正解5】
a×
咀嚼剤は、噛むことにより口腔内でニコチンが放出され、口腔粘膜から吸収されて循環血液中に移行する。
b○
c○
d○
問 30 滋養強壮保健薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 医薬部外品の保健薬では、神経痛や筋肉痛等の症状に対する効能効果が認められている。 |
---|---|
b | ビタミンは、体内の代謝に重要な働きを担うものであることから、ビタミン製剤の過剰摂取による副作用は認められていない。 |
c | 滋養強壮保健薬を1か月位服用しても症状の改善がみられない場合には、栄養素の不足以外の要因が考えられるため、症状によっては医療機関を受診する等の対処が必要である。 |
d | カルシウムを含む成分は、胃腸薬等、カルシウムの補給を目的としない医薬品にも配合されており、カルシウムの過剰摂取を生じることがないように留意する必要がある。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 誤 誤 |
2 | 正 正 誤 正 |
3 | 誤 誤 正 正 |
4 | 誤 正 誤 正 |
5 | 誤 正 正 誤 |
【正解3】
a×
神経痛、筋肉痛、関節痛、しみ・そばかす等のような特定部位の症状に対する効能・効果については、医薬品においてのみ認められている。
b×
ビタミン成分は、多く摂取したからといって適用となっている症状の改善が早まるものでなく、むしろ脂溶性ビタミンでは、過剰摂取により過剰症を生じるおそれがある。
c○
d○
問 31 滋養強壮保健薬の配合成分と配合目的の関係について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | ビタミンA ― 夜間視力の維持 |
---|---|
b | ビタミンB1 ― 手足のしびれ・冷え、しもやけの症状の緩和 |
c | アスパラギン酸ナトリウム ― 乳酸の分解を促す |
d | ヨクイニン ― ストレス刺激に対する抵抗力を高める |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、d)
- 4(c、d)
【正解2】
a○
b×
ビタミンB1-神経の正常な働きを維持。腸管運動を促進。
手足のしびれ・冷え、しもやけの症状の緩和は、ビタミンE。
c○
d×
ヨクイニン-肌荒れやいぼ。
ストレス刺激に対する抵抗力を高めるのは、ニンジン。
問 32 漢方処方製剤に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 現代中国で利用されている中医学に基づく薬剤は、漢方薬と呼ばれている。 |
---|---|
b | 漢方処方製剤の多くは、刻み生薬の混合物として製造販売されており、煎剤として使用されている。 |
c | 漢方の病態認識の一つに「虚実」があり、虚の病態が適応となる医薬品は、「体力虚弱で」という使用制限が記載されている。 |
d | 患者の「証」に合わない漢方処方製剤が選択された場合、効果は得られないものの、副作用を招くことはない。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 誤 誤 |
2 | 正 正 正 正 |
3 | 誤 正 誤 正 |
4 | 誤 誤 正 正 |
5 | 誤 誤 正 誤 |
【正解5】
a×
現代中国で利用されている中医学に基づく薬剤は、漢方薬ではなく、「中薬」と呼ばれている。
b×
漢方処方製剤の多くは、処方に基づく生薬混合物の浸出液を濃縮して調整された乾燥エキス製剤を散剤等に加工して市販されている。
c○
d×
患者の「証」に合わない漢方処方製剤が選択された場合には、効果が得られないばかりでなく、副作用を招きやすくなる。
問 33 漢方処方製剤とその適用に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
1 | 黄連解毒湯は、体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの、鼻出血、不眠症、二日酔い等に適すとされている。 |
---|---|
2 | 防風通聖散は、体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、下痢がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ、肥満症等に適すとされている。 |
3 | 防已黄耆湯は、体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節痛、むくみ、多汗症、肥満(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)に適すとされている。 |
4 | 大柴胡湯は、体力が充実して脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり等に適すとされている。 |
【正解2】
防風通聖散は、体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、「便秘」がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、肥満症に適すとされる。
問 34 漢方処方製剤及び生薬製剤に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 漢方処方は、それ自体が一つの有効成分として独立したものであり、自己判断によって生薬成分が追加摂取された場合、処方が成立しなくなるおそれがある。 |
---|---|
b | 生薬成分は、医薬品としてのみ流通しており、食品としては流通していない。 |
c | 生薬には、動植物由来の成分以外は含まれない。 |
d | 生薬製剤には、少量で強い作用を示すものがあるため、医薬品の販売等に従事する専門家においては、適切な医薬品を選択することができるよう積極的な情報提供を行うことに努める必要がある。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 誤 正 |
2 | 正 正 誤 正 |
3 | 正 正 正 誤 |
4 | 誤 正 誤 誤 |
5 | 誤 誤 正 正 |
【正解1】
a○
b×
生薬成分は、医薬品的な効能効果が標榜又は暗示されていなければ、食品(ハーブ)として流通することが可能なものもある。
c×
鉱物も含まれる。
d○
問 35 生薬成分と薬用部位の関係について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | ブシ ― 偽果 |
---|---|
b | サイコ ― 根 |
c | ボウフウ ― 菌核 |
d | レンギョウ ― 果実 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、d)
- 4(c、d)
【正解3】
a×:ブシ-キンポウゲ科のハナトリカブト又はオクトリカブトの「塊根」
b○:サイコ-セリ科のミシマサイコの「根」
c×:ボウフウ-セリ科のボウフウの「根及び根茎」
d○:レンギョウ-モクセイ科のレンギョウ又はシナレンギョウの「果実」
問 36 感染症の防止と消毒薬に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
1 | 殺菌・消毒は生存する微生物の数を減らすために行われる処置である。 |
---|---|
2 | 消毒薬が微生物を死滅させる仕組み及び効果は、殺菌消毒成分の種類、濃度、温度等により異なるため、殺菌・消毒の対象となる微生物を考慮し、適切な医薬品を選択する必要がある。 |
3 | 消毒薬を誤って飲み込んだ場合の応急措置として、多量の牛乳や卵白を水に溶いた卵白水を飲ませると良い。 |
4 | 消毒薬が誤って目に入った場合、早期に消毒薬を取り除くため、強い流れの水で15 分間以上洗眼すると良い。 |
【正解4】
「弱い」流れの水で洗うなど、流水で15分間以上洗眼する。水流が強いと目に障害を起こすことがある。
問 37 消毒薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | クレゾール石鹸液は、結核菌を含む一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示すが、大部分のウイルスに対する殺菌消毒作用はない。 |
---|---|
b | イソプロパノールは、ウイルスに対する不活性効果がエタノールに比べて高い。 |
c | 次亜塩素酸ナトリウムは、一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示すが、通常、人体には用いられない。 |
d | ジクロルイソシアヌル酸ナトリウムは、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多い。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 正 |
2 | 誤 正 誤 正 |
3 | 正 正 誤 誤 |
4 | 正 誤 正 正 |
5 | 誤 誤 正 誤 |
【正解4】
a○
b×
イソプロパノールは、ウイルスに対する不活性効果はエタノールよりも「低い」。
c○
d○
問 38 衛生害虫及びその防除に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | ウジの防除法としては、通常、有機リン系殺虫成分が配合された殺虫剤が用いられる。 |
---|---|
b | ゴキブリの防除において、燻蒸処理を行う場合、医薬品の成分はゴキブリの卵の殻を透過するため、一度の処理で効果を発揮する。 |
c | イエダニは、ネズミを宿主として生息場所を広げていくため、まず、宿主動物であるネズミを駆除することが重要である。 |
d | 殺虫剤使用に当たっては、同じ殺虫成分を長期間連用することが望ましい。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、d)
- 4(c、d)
【正解2】
a○
b×
ゴキブリの卵は医薬品の成分が浸透しない殻で覆われているため、殺虫効果を示さない。そのため3週間位後に、もう一度燻蒸処理を行い、孵化した幼虫を駆除する必要がある。
c○
d×
殺虫作用に対する抵抗性が生じるのを避けるため、同じ殺虫成分を長期間連用せず、いくつかの殺虫成分を順番に使用していくことが望ましい。
問 39 殺虫剤及び忌避剤並びにその留意事項に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | フェノトリンは、シラミを駆除する目的で使用されるが、人体に直接適用することはできない。 |
---|---|
b | プロポクスルは、アセチルコリンエステラーゼと不可逆的に結合することにより殺虫作用を示す。 |
c | ディートを含有する忌避剤は、生後6か月未満の乳児への使用を避けることとされている。 |
d | 有機塩素系殺虫成分は、我が国では広く使用され感染症の撲滅に大きな効果を上げており、現在でも様々な昆虫を対象として使用されている。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 誤 正 |
2 | 誤 正 正 正 |
3 | 正 正 誤 誤 |
4 | 正 誤 正 誤 |
5 | 誤 誤 正 誤 |
【正解5】
a×
フェノトリンは、人体に直接適用されるものである。シラミの防除としてフェノトリンが配合されたシャンプーやてんか粉が用いられる。
b×
プロポクスル(カーバメイト系殺虫成分)は、アセチルコリンエステラーゼと「可逆的」に結合することにより殺虫作用を示す。
不可逆的に結合するのは、有機リン系殺虫成分。
c○
d×
有機塩素系殺虫成分は、我が国ではかつて広く使用され、感染症の撲滅に大きな効果を上げたが、残留性や体内蓄積性の問題から、現在ではオルトジクロロベンゼンがウジ、ボウフラの防除の目的で使用されているのみとなっている。
問 40 一般用検査薬に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | 検査薬において、検体中に対象物質が存在しているにもかかわらず、検査結果が陰性となった場合を、擬陽性という。 |
---|---|
b | いかなる検査薬においても、擬陰性・擬陽性を完全に排除することは困難である。 |
c | 一般的な妊娠検査薬は、月経予定日が過ぎて概ね1週目以降の検査が推奨されている。 |
d | 尿糖検査薬は、尿中の糖の有無を調べるものであり、当該検査薬の使用により尿糖が陽性となれば、その検査結果をもって直ちに糖尿病と判断できる。 |
- 1(a、c)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
【正解3】
a×
検体中に対象物質が存在しているにもかかわらず、検査結果が陰性となった場合を「擬陰性」という。
b○
c○
d×
尿糖検査薬は、尿中の糖の有無を調べるものであり、その結果をもって直ちに疾患の有無や種類を判断することはできない。
第4章 薬事に関する法規と制度
問 1 次の記述は、医薬品医療機器等法第1条の条文である。( )に入れるべき字句の正しい組合せを下欄から選びなさい。なお、2つの( a )内には同じ字句が入ります。
この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び( a )の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の( b )のために必要な規制を行うとともに、( c )の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び( a )の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。
1 | a生物由来製品 b危害の発生及び拡大の防止 c指定薬物 |
---|---|
2 | a再生医療等製品 b正確かつ適切な情報の提供 c危険薬物 |
3 | a生物由来製品 b危害の発生及び拡大の防止 c危険薬物 |
4 | a再生医療等製品 b正確かつ適切な情報の提供 c指定薬物 |
5 | a再生医療等製品 b危害の発生及び拡大の防止 c指定薬物 |
【正解5】
この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び( a再生医療等製品 )の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の( b危害の発生及び拡大の防止 )のために必要な規制を行うとともに、( c指定薬物 )の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び( a再生医療等製品 )の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。
問 2 次の記述は、医薬品医療機器等法第1条の5の条文である。( )に入れるべき字句の正しい組合せを下欄から選びなさい。なお、2つの( b )内には同じ字句が入ります。
医師、歯科医師、薬剤師、獣医師その他の( a )は、医薬品等の有効性及び安全性その他これらの( b )に関する知識と理解を深めるとともに、これらの使用の対象者(略)及びこれらを購入し、又は譲り受けようとする者に対し、これらの( b )に関する事項に関する( c )な情報の提供に努めなければならない。
1 | a登録販売者 b適正な使用 c正確かつ適切 |
---|---|
2 | a登録販売者 b具体的な使用方法 cわかりやすく詳細 |
3 | a医薬関係者 b適正な使用 cわかりやすく詳細 |
4 | a医薬関係者 b適正な使用 c正確かつ適切 |
5 | a医薬関係者 b具体的な使用方法 c正確かつ適切 |
【正解4】
医師、歯科医師、薬剤師、獣医師その他の( a医薬関係者 )は、医薬品等の有効性及び安全性その他これらの( b適正な使用 )に関する知識と理解を深めるとともに、これらの使用の対象者(略)及びこれらを購入し、又は譲り受けようとする者に対し、これらの( b適正な使用 )に関する事項に関する( c正確かつ適切 )な情報の提供に努めなければならない。
問 3 登録販売者の販売従事登録に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 同時に複数の都道府県知事の販売従事登録を受けることができる。 |
---|---|
b | 販売従事登録を受けようとする者は、従事先(配置販売業にあっては配置しようとする区域)の所在地にかかわらず、自らの住所地の都道府県知事に申請書を提出しなければならない。 |
c | 登録販売者は、登録事項に変更を生じたときは、30 日以内にその旨を届け出なければならない。 |
d | 登録販売者が、偽りその他不正の手段により販売従事登録を受けたことが判明したときは、都道府県知事は、その登録を消除しなければならない。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 誤 正 |
2 | 誤 誤 正 正 |
3 | 正 誤 正 誤 |
4 | 誤 正 正 正 |
5 | 誤 正 誤 誤 |
【正解2】
a×
同時に複数の都道府県で販売従事登録を受けることはできない。
b×
自らの住所地ではない。薬局又は店舗の所在地の都道府県知事(配置販売業にあっては、配置しようとする区域をその区域に含む都道府県の知事)に提出しなければならない。
c○
d○
問 4 医薬品に関する次の記述について、正しいものを1つ選びなさい。
1 | 日本薬局方に収載されている医薬品の中で、一般用医薬品として販売されているものはない。 |
---|---|
2 | 医薬品は、「製造販売業」の許可を受けた者でなければ製造販売をしてはならない。 |
3 | 医薬品医療機器等法第2条第1項において、人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、機械器具等でないものは、全て医薬品であると定義されている。 |
4 | 動物の疾病の治療に使用されることが目的とされている物は、医薬品医療機器等法の規制対象外である。 |
【正解2】
1×
日本薬局方に収載されている医薬品の中には、一般用医薬品として販売されている、又は一般用医薬品の中に配合されているものも少なくない。
2○
3×
全てではない。医薬部外品及び化粧品は除かれる。
4×
対象となる。
[医薬品の定義]
『一 日本薬局方に収められている物
二 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であって、機械器具等でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く)
三 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、機械器具等でないもの(医薬部外品及び化粧品を除く)』
問 5 医薬品医療機器等法第56 条及び57 条の規定により、販売、授与又は販売、授与の目的で製造、輸入、貯蔵若しくは陳列をしてはならないとされている医薬品について説明した次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 異物が混入し、又は付着している医薬品 |
---|---|
b | その全部又は一部が不潔な物質又は変質若しくは変敗した物質から成っている医薬品 |
c | タール色素の種類や用途に関わらず、タール色素が使用されている医薬品 |
d | 医薬品の容器又は被包が、その医薬品の使用方法を誤らせやすいもの |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 正 |
2 | 正 正 誤 正 |
3 | 誤 正 正 誤 |
4 | 正 誤 正 誤 |
5 | 誤 正 誤 正 |
【正解2】
a○
b○
c×
着色のみを目的として、厚生労働省令で定めるタール色素以外のタール色素が使用されている医薬品。
d○
問 6 要指導医薬品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 要指導医薬品は、当該医薬品の製造販売業者の意見を聴いたうえで、薬事・食品衛生審議会が指定する。 |
---|---|
b | 卸売販売業者から配置販売業者に対し要指導医薬品を販売、授与することはできない。 |
c | 要指導医薬品は、医師又は歯科医師が診察をして患者の容態に合わせて処方量を決めるものである。 |
d | 要指導医薬品における効能効果の表現は、診断疾患名ではなく、一般の生活者が判断できる症状で示されている。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 正 |
2 | 誤 正 誤 誤 |
3 | 誤 正 正 誤 |
4 | 誤 正 誤 正 |
5 | 正 誤 誤 誤 |
【正解4】
a×
厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する。
b○
c×
あらかじめ定められた用量に基づき、適正使用するもの。
記述は、医療用医薬品の内容。
d○
問 7 毒薬及び劇薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 毒薬については、その直接の容器等に、黒地に白枠、白字をもって医薬品の品名及び「毒」の文字が記載されていなければならず、劇薬については、その直接の容器等に、赤地に白枠、白字をもって医薬品の品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。 |
---|---|
b | 毒薬又は劇薬を取り扱う医薬品の販売業者は、それらを他の物と区別して貯蔵、陳列したうえで、特に劇薬を貯蔵、陳列する場所については、かぎを施さなくてはならない。 |
c | 毒薬又は劇薬を、14 歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者に交付してはならない。 |
d | 毒薬又は劇薬を一般の生活者に対して販売又は譲渡する際には、当該医薬品を譲り受ける者から、品名、数量、使用目的、譲渡年月日、譲受人の氏名、住所及び職業が記入され、署名又は記名押印された文書の交付を受けなければならない。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 正 |
2 | 誤 正 正 誤 |
3 | 正 誤 誤 誤 |
4 | 誤 誤 正 正 |
5 | 誤 正 誤 正 |
【正解4】
a×
劇薬は、「白地に赤枠、赤字」である。
b×
「毒薬」を貯蔵、陳列する場所については、かぎを施さなければならない。
c○
d○
問 8 医薬品医療機器等法第44 条第1項及び第2項、第50 条並びに第51 条の規定に基づく医薬品の法定表示に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
1 | 製造販売業者又は製造業者のいずれかの氏名又は名称及び住所が記載されていなければならない。 |
---|---|
2 | 配置販売品目以外の一般用医薬品にあっては、「店舗専用」の文字の記載がされていなければならない。 |
3 | 一般用医薬品にあっては、第一類医薬品、第二類医薬品又は第三類医薬品の区分を示す識別表示がされていなければならない。 |
4 | 指定第二類医薬品にあっては、枠の中に「2」の数字を記載しなければならない。 |
【正解1】
製造販売業者又は製造業者のいずれかではなく、「製造販売業者の氏名又は名称及び住所」。
問 9 医薬部外品及び化粧品に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
1 | 医薬部外品の直接の容器等には、区分に応じて「医薬部外品」「防除用医薬部外品」「指定医薬部外品」のいずれかの文字の表示が義務づけられている。 |
---|---|
2 | 化粧品では、医薬品的な効能効果を表示・標榜することは一切認められていない。 |
3 | 化粧品の成分本質(原材料)については、原則として医薬品の成分を配合してはならないこととされており、配合が認められる場合にあっても、添加物として使用されているなど、薬理作用が期待できない量以下に制限されている。 |
4 | 医薬部外品や化粧品の販売には、医薬品のような販売業の許可は必要ないが、販売開始から30 日以内に都道府県知事あてに届出を行う必要がある。 |
【正解4】
販売開始から30日以内に都道府県知事あてに届出を行うという規定はない。
問 10 保健機能食品等の食品やいわゆる健康食品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 栄養補助食品は、健康増進法に規定されたものであり、必ず消費者庁の許可等のマークが付されている。 |
---|---|
b | 栄養機能食品においては、栄養成分の機能表示とあわせて、当該栄養成分を摂取する上での注意事項や、消費者庁長官の個別審査を受けたものではない旨の表示が必要である。 |
c | 機能性表示食品は、販売前に、安全性及び機能性の根拠に関する情報を消費者庁へ申請し、個別の許可を受けたものである。 |
d | いわゆる健康食品の製品中から医薬品成分が検出された場合、無承認無許可医薬品として取締りの対象となるほか、厚生労働省、消費者庁や都道府県等では、広く一般に注意を喚起して健康被害の拡大防止を図るため、製品名等を公表している。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 誤 |
2 | 誤 正 誤 正 |
3 | 正 正 誤 正 |
4 | 誤 誤 正 正 |
5 | 正 誤 誤 誤 |
【正解2】
a×
「特別用途食品、特定保健用食品」は、健康増進法に規定されたものであり、消費者庁の許可等のマークが付されている。
b○
c×
機能性表示食品は、販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ「届け出られたもの」である。個別の許可を受けたものではない。
d○
問 11 医薬品の分割販売(いわゆる「量り売り」、「零売」と呼ばれることもある。)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 薬局において分割販売する場合には、販売の都度、説明することにより、法第50 条の規定に基づく容器等への記載事項については省略することができる。 |
---|---|
b | 薬局において分割販売する場合には、当該薬局の名称や所在地を記載する必要はない。 |
c | 店舗販売業においては、特定の購入者の求めに応じて医薬品の包装を開封する分割販売は認められるが、あらかじめ小分けすることは認められない。 |
d | 卸売販売業においては、分割販売は認められていない。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 正 |
2 | 正 正 誤 誤 |
3 | 誤 誤 誤 正 |
4 | 誤 正 正 正 |
5 | 誤 誤 正 誤 |
【正解5】
a×
省略することはできない。
b×
記載されなければならない。
c○
d×
薬局、店舗販売業及び卸売販売業で、分割販売することができる。配置販売業では禁止されている。
[分割販売における記載事項]
『・容器等への記載事項(法第50条)
・添付文書等への記載事項(法第52条)
・分割販売を行う者の氏名又は名称
・分割販売を行う薬局、店舗又は営業所の名称及び所在地』
問 12 医薬品の販売業に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列してはならない。 |
---|---|
b | 薬局において要指導医薬品及び一般用医薬品を販売する行為は、薬局の業務に付随して行われる行為であり、店舗販売業の許可は必要としない。 |
c | 店舗販売業、卸売販売業の許可は6年ごとに、配置販売業の許可は5年ごとに、その更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。 |
d | 卸売販売業の許可を受けた者は、一般の生活者に対して医薬品を販売することができない。 |
a b c d | |
1 | 誤 正 誤 正 |
2 | 正 誤 誤 誤 |
3 | 正 正 誤 正 |
4 | 正 正 正 誤 |
5 | 誤 誤 正 正 |
【正解3】
a○
b○
c×
許可は、店舗販売業、卸売販売業、配置販売業のいずれも6年ごとである。
d○
問 13 薬局における薬剤師不在時間等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | あらかじめ予定されている定期的な業務によって恒常的に薬剤師が不在になる時間は、薬剤師不在時間として認められている。 |
---|---|
b | 薬剤師不在時間内は調剤室を閉鎖しなければならない。 |
c | 薬剤師不在時間内であっても、登録販売者が第二類医薬品や第三類医薬品を販売することができる。 |
d | 薬剤師不在時間内は、薬剤師不在時間に係る掲示事項を当該薬局の外側の見やすい場所に掲示していれば、当該薬局内の掲示は不要である。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 誤 |
2 | 正 正 誤 誤 |
3 | 誤 正 正 正 |
4 | 誤 正 正 誤 |
5 | 誤 誤 誤 正 |
【正解4】
a×
学校薬剤師の業務やあらかじめ予定されている定期的な業務によって恒常的に薬剤師が不在となる時間は認められない。
調剤に従事する薬剤師が当該薬局以外の場所においてその業務を行うため、やむを得ず、かつ、一時的に当該薬局において薬剤師が不在となる時間を薬剤師不在時間という。
b○
c○
d×
薬剤師不在時間に係る掲示事項は、「当該薬局内の見やすい場所」及び「当該薬局の外側の見やすい場所」に掲示しなければならない。
問 14 店舗販売業に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 登録販売者として業務に従事した期間や店舗管理者を補佐する薬剤師の設置などの条件を満たす場合、登録販売者は、要指導医薬品を販売する店舗の管理者になることができる。 |
---|---|
b | 店舗管理者は、その店舗の所在地の都道府県知事の許可を受けた場合を除き、その店舗以外の場所で業として店舗の管理その他薬事に関する実務に従事する者であってはならない。 |
c | 店舗管理者が薬剤師である場合に限り、その店舗に従事する登録販売者に要指導医薬品及び第一類医薬品を販売させることができる。 |
d | 店舗販売業の許可を受けた店舗において薬剤師が従事している場合は、処方箋を受けて調剤することができる。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 正 |
2 | 正 誤 正 誤 |
3 | 正 誤 誤 正 |
4 | 誤 正 誤 正 |
5 | 誤 正 誤 誤 |
【正解なし】
不適切問題となり、受験者全員を正解として採点。
理由は、「正誤の判断ができないため」。
問 15 配置販売業に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 区域管理者が薬剤師であれば、販売に従事する配置員が登録販売者であっても第一類医薬品の配置販売を行うことができる。 |
---|---|
b | 配置販売では、経年変化が起こりにくいこと等の基準に適合するもの以外の医薬品を販売してはならない。 |
c | 配置販売業者は、購入者の求めがある場合は、医薬品の包装を開封して分割販売することができる。 |
d | 配置販売業者又はその配置員は、その住所地の都道府県知事が発行する身分証明書を携帯しなければ、医薬品の配置販売に従事してはならない。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 誤 |
2 | 正 誤 誤 正 |
3 | 正 誤 正 誤 |
4 | 誤 正 誤 正 |
5 | 誤 正 誤 誤 |
【正解4】
a×
区域管理者が薬剤師であっても、登録販売者は第一類医薬品の配置販売を行うことはできない。薬剤師のみである。
b○
c×
配置販売業では、医薬品を開封して分割販売することは禁止されている。
分割販売することができるのは、薬局、店舗販売業、卸売販売業である。
d○
問 16 特定販売に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | 特定販売では、その薬局又は店舗以外の場所にいる者に対して、要指導医薬品及び一般用医薬品を販売することができる。 |
---|---|
b | 特定販売を行うことについて広告をする場合は、当該広告にその薬局又は店舗の主要な外観の写真を表示しなければならない。 |
c | 濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品は、一般用医薬品であっても特定販売により販売することができない。 |
d | 特定販売を行う店舗において、貯蔵し、又は陳列していない一般用医薬品を特定販売してはならない。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(c、d)
- 4(b、d)
【正解4】
a×
特定販売で販売できるのは、一般用医薬品又は薬局製造販売医薬品である。要指導医薬品は販売できない。
b○
c×
販売することはできる。
d○
問 17 濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品(平成26 年厚生労働省告示第252 号)に該当する有効成分として正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | ブロモバレリル尿素 |
---|---|
b | メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち、内用液剤に限る。) |
c | デキストロメトルファン |
d | カフェイン |
- 1(a、b)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(c、d)
【正解1】
ブロモバレリル尿素、メチルエフェドリンの他に、エフェドリン、コデイン(鎮咳去痰薬に限る)、ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬に限る)、プソイドエフェドリンが該当する。
問 18 医薬品の販売方法に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 購入者の利便性のために5種類の風邪薬を組み合わせて販売しても、効能効果がまったく同じ製品であれば問題ない。 |
---|---|
b | 組み合わせて医薬品を販売する場合、組み合わせた個々の医薬品の外箱等に記載された法に基づく記載事項が、組み合わせ販売のため使用される容器の外から明瞭に見えるようになっている必要がある。 |
c | 店舗販売業の許可を受けた店舗があれば、店舗以外の場所に医薬品を貯蔵又は陳列し、そこを拠点として販売することは認められている。 |
d | 医薬品の販売等に従事する専門家は、購入者がその購入した医薬品を業として他者に提供することが推定される場合、例えば「医薬品を多量に購入する者」等に対しては、積極的に事情を尋ねるなど慎重に対処し、状況によっては販売を差し控えるべきである。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 正 |
2 | 正 正 誤 誤 |
3 | 誤 正 正 誤 |
4 | 誤 正 誤 正 |
5 | 誤 誤 正 正 |
【正解4】
a×
効能効果が重複する組み合わせは不適当である。
b○
c×
許可を受けた店舗以外の場所に医薬品を貯蔵又は陳列し、そこを拠点として販売等に供するような場合は、店舗による販売に当たらない。
d○
問 19 医薬品の販売広告に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 一般用医薬品は、医師の診断・治療によらなければ、一般に治癒が期待できない疾患について、自己治療が可能であるかのような広告表現は認められない。 |
---|---|
b | 医薬品の使用前・使用後の写真を掲げた広告で、効能効果等の保証表現となるものは認められない。 |
c | 「天然成分を使用しているので副作用がない」といった事実に反する広告表現は、虚偽誇大広告に該当するだけでなく、過度の消費や乱用を助長するおそれもある。 |
d | 漢方処方製剤の広告においては、配合されている個々の構成生薬の作用を個別に挙げて説明することが適切である。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 誤 誤 |
2 | 誤 正 正 正 |
3 | 正 正 誤 正 |
4 | 正 正 正 誤 |
5 | 正 誤 正 正 |
【正解4】
a○
b○
c○
d×
漢方処方製剤の効能効果は、配合されている個々の生薬成分が相互に作用しているため、それらの構成生薬の作用を個別に挙げて説明することは不適当である。
問 20 行政庁の監視指導及び処分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 都道府県知事等は、薬事監視員に、薬局や医薬品販売業の店舗等に立ち入らせ、その構造設備や帳簿書類等を検査させ、従業員等に質問させることができる。 |
---|---|
b | 行政庁の監視指導に対して、薬局開設者や医薬品の販売業者が、命ぜられた報告を怠ったり、虚偽の報告をした場合は、罰則が設けられている。 |
c | 都道府県知事等は、薬局開設者又は医薬品の販売業者に対して、一般用医薬品の販売等を行うための業務体制が基準に適合しなくなった場合において、その業務体制の整備を命ずることができる。 |
d | 都道府県知事等は、医薬品を業務上取扱う者に対し、不正表示医薬品、不良医薬品、無承認無許可医薬品等について、公衆衛生上の危険の発生を防止するために必要な廃棄や回収等の措置を命ずることができる。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 誤 |
2 | 誤 正 正 正 |
3 | 誤 正 誤 誤 |
4 | 正 正 正 正 |
5 | 正 誤 誤 正 |
【正解4】
a○
b○
c○
d○
第5章 医薬品の適正使用・安全対策
問 1 一般用医薬品の添付文書に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 使用上の注意は、「してはいけないこと」、「相談すること」及び「その他の注意」から構成され、適正使用のために重要と考えられる項目が前段に記載されている。 |
---|---|
b | 添付文書は開封時に一度目を通されれば十分であり、保管する必要はない。 |
c | 通常の医薬品では、承認を受けた販売名が記載されている。 |
d | 添付文書の内容は、医薬品の有効性・安全性等に係る新たな知見、使用に係る情報に基づき、年に1回定期的に改訂がなされている。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 誤 |
2 | 誤 誤 誤 正 |
3 | 正 誤 正 正 |
4 | 誤 正 誤 正 |
5 | 誤 正 正 誤 |
【正解1】
a○
b×
添付文書は開封時に一度目を通されれば十分というものでなく、実際に使用する人やその時の状態等によって留意されるべき事項が異なってくるため、必要な時にいつでも取り出して読むことができるように保管される必要がある。
c○
d×
年に1回定期的ではなく、「必要に応じて随時」改訂がなされている。
問 2 医薬品の保管及び取扱い上の注意に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 「直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい場所に(密栓して)保管すること」と記載されている錠剤、カプセル剤、散剤は変質しやすいため、開封後は冷蔵庫内に保管することが望ましい。 |
---|---|
b | 家庭内において、小児の目につくところに医薬品が置かれていた場合に、誤飲事故が多く報告されている。 |
c | 医薬品を別の容器に移し替えると、移し替えた容器が湿っていたり、汚れていたりした場合、適切な品質が保持できなくなるおそれがある。 |
d | 防腐剤が添加されている点眼薬であれば、細菌汚染しにくいため、複数の使用者間で使い回すことができる。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 誤 |
2 | 誤 正 正 誤 |
3 | 正 正 誤 誤 |
4 | 誤 誤 誤 正 |
5 | 正 正 誤 正 |
【正解2】
a×
錠剤、カプセル剤、散剤等は、取り出したときに室温との急な温度差で湿気を帯びるおそれがあるため、冷蔵庫内での保管は不適当である。
開封後は冷蔵庫内に保管されるのが望ましいとされているのは、シロップ剤である。
b○
c○
d×
添加物にかかわらず、点眼薬は他の人と共用しないこととされている。
問 3 医薬品の使用期限に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | 使用期限の表示については、適切な保存条件の下で製造後2年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において法的な表示義務はない。 |
---|---|
b | 性状及び品質が安定であることが確認されており、法的に使用期限の表示義務のない医薬品においても、流通管理等の便宜上、使用期限が外箱等に記載されるのが通常となっている。 |
c | 表示された「使用期限」は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限であり、いったん開封されたものについては記載されている期日まで品質が保証されない場合がある。 |
d | 購入後、開封されてからどの程度の期間品質が保持されるかについては、医薬品それぞれの包装形態や個々の使用状況、保管状況等によるので、購入者等から質問等がなされたとしても、答えてはならない。 |
- 1(a、b)
- 2(b、c)
- 3(a、d)
- 4(c、d)
【正解2】
a×
2年ではなく、「3年」である。
b○
c○
d×
医薬品それぞれの包装形態や個々の使用状況、保管状況等によるので、購入者等から質問等がなされた時には、それらを踏まえて適切な説明がなされる必要がある。
問 4 一般用医薬品の購入者等に対する情報提供に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
1 | 医薬品の販売等に従事する専門家は、封入されている添付文書の実物に代えて、PMDAのホームページや添付文書集を活用し、医薬品の適切な選択、適正な使用が図られるよう、購入者等に対して情報提供を行うことが可能である。 |
---|---|
2 | 添付文書の「してはいけないこと」の項に記載された内容のうち、その医薬品を使用する人に当てはまると思われる事項や、「相談すること」の項に記載された内容のうち、その医薬品を実際に使用する人における副作用の回避、早期発見につながる事項等が、積極的な情報提供のポイントとなる。 |
3 | 第三類医薬品は、それを適正に使用した場合であっても身体の変調・不調は起こり得るものの、要指導医薬品並びに第一類医薬品及び第二類医薬品と比較して副作用が生じるリスクは低いため、一般の購入者等からの相談があった場合でも専門家による情報提供は必須ではない。 |
4 | 登録販売者は、購入者等に対して科学的な根拠に基づいた正確なアドバイスを与え、セルフメディケーションを適切に支援することが期待されている。 |
【正解3】
第三類医薬品であっても、一般の購入者から相談があった場合には、専門家による情報提供は必須である。
問 5 一般用医薬品の安全対策に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 2003 年5月までに、一般用かぜ薬の使用によると疑われる間質性肺炎の発生事例が計26 例報告されたが、間質性肺炎は重篤な副作用であり、その初期症状はかぜの諸症状と区別が難しく、症状が悪化した場合には注意が必要なことから、使用上の注意の改訂が指示された。 |
---|---|
b | 解熱鎮痛成分としてアミノピリン、スルピリンが配合されたアンプル入りかぜ薬の使用により、1959 年から1965 年までの間に重篤な副作用(ショック)による死亡例が発生した。 |
c | 小柴胡湯による間質性肺炎については、1991 年4月以降、使用上の注意に記載されていたが、その後、小柴胡湯とインターフェロン製剤との併用例による間質性肺炎が報告されたことから、1994 年1月、インターフェロン製剤との併用を禁忌とする旨の使用上の注意の改訂がなされた。 |
d | 塩酸フェニルプロパノールアミンは、用法・用量を超えて使用した場合や高血圧症患者が使用した場合などに脳出血等の副作用が報告されたため、厚生労働省から関係製薬企業に対し、代替成分への切替えの指示がなされた。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 誤 正 |
2 | 誤 正 誤 正 |
3 | 誤 誤 正 誤 |
4 | 正 正 正 正 |
5 | 正 正 正 誤 |
【正解4】
a○
b○
c○
d○
問 6 医薬品の適正使用・安全対策に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | 医薬品は、効能・効果、用法・用量、起こり得る副作用等、その適正な使用のために必要な情報を伴って初めて医薬品としての機能を発揮する。 |
---|---|
b | アスピリンについては、ライ症候群の発症との関連性が示唆されているため、15 歳未満の小児は、一般用医薬品として使用(服用)しないこととされている。 |
c | 青少年では、薬物乱用の危険性に関する認識や理解が必ずしも十分でなく、好奇心から身近に入手できる薬物を興味本位で乱用することがあるため、小中学生のうちからの啓発は望ましくない。 |
d | 一般用医薬品は、その添付文書又はその容器若しくは被包に、「用法、用量その他使用及び取扱い上の必要な注意」等の記載義務はない。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、d)
- 4(c、d)
【正解1】
a○
b○
c×
医薬品の適正使用の重要性等に関して、小中学生のうちからの啓発が重要である。
d×
添付文書又はその容器若しくは被包に、「用法、用量その他使用及び取扱い上の必要な注意」等の記載が義務づけられている。
問 7 医薬品成分等と、それを含有する一般用医薬品の添付文書等において、「次の人は使用(服用)しないこと」と記載することとされている基礎疾患等に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | スクラルファート ― 透析療法を受けている人 |
---|---|
b | カフェイン ― 糖尿病 |
c | インドメタシン ― 甲状腺機能障害 |
d | 芍薬甘草湯 ― 心臓病 |
- 1(a、b)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(c、d)
【正解2】
a○ 長期間服用した場合に、アルミニウム脳症及びアルミニウム骨症を発症したとの報告があるため。
b×
糖尿病―プソイドエフェドリン塩酸塩。肝臓でグリコーゲンを分解して血糖値を上昇させる作用があり、糖尿病を悪化させるおそれがあるため。
c×
甲状腺機能障害―プソイドエフェドリン塩酸塩。甲状腺機能亢進症の主症状は交感神経系の緊張等によってもたらされており、交感神経系を興奮させる成分は症状を悪化させるおそれがあるため。
d○ 徐脈又は頻脈を引き起こし、心臓病の症状を悪化させるおそれがあるため。
問 8 ステロイド性抗炎症成分が配合された外用薬を化膿している患部に使用しないこととされている理由に関する記述について、正しいものを1つ選びなさい。
1 | 皮膚刺激成分により、強い刺激や痛みを生じるおそれがあるため。 |
---|---|
2 | 感染の悪化が自覚されにくくなるおそれがあるため。 |
3 | 細菌等の感染に対する抵抗力を弱めて、感染を増悪させる可能性があるため。 |
4 | 湿潤した患部に用いると、分泌液が貯留して症状を悪化させることがあるため。 |
【正解3】
問 9 分娩時出血の増加のおそれがあるため、一般用医薬品の添付文書の「してはいけないこと」の項目に、「出産予定日12 週以内の妊婦」と記載されている医薬品成分について、正しいものを1つ選びなさい。
1 | ビタミンA |
---|---|
2 | ジフェンヒドラミン塩酸塩 |
3 | ブロモバレリル尿素 |
4 | アスコルビン酸 |
5 | イブプロフェン |
【正解5】
分娩時出血の増加の他に、妊娠期間の延長、胎児の動脈管の収縮・早期閉鎖、子宮収縮の抑制のおそれがある。
イブプロフェン、アスピリン、アスピリンアルミニウムに記載される。
問 10 次の医薬品成分のうち、添付文書の「してはいけないこと」の項に、腸管粘膜への刺激が大きくなり、腸管粘膜に炎症を生じるおそれがあるため、「大量に使用(服用)しないこと」と記載されていないものを1つ選びなさい。
1 | センノシド |
---|---|
2 | ピコスルファートナトリウム |
3 | カサントラノール |
4 | ケイ酸アルミン酸マグネシウム |
5 | ダイオウ |
【正解4】
刺激性瀉下成分が配合された瀉下剤に記載される。
ケイ酸アルミン酸マグネシウムは、アルミニウムを含む成分である。長期連用により、アルミニウム脳症及びアルミニウム骨症を生じるおそれがあるため、「長期連用しないこと」と記載される。また、「透析療法を受けている人は使用しないこと」と記載される。
問 11 甲状腺機能亢進症の診断を受けた人を対象とした使用上の注意に関する次の記述について、( )に入れるべき字句の正しい組合せを下欄から選びなさい。なお、2つの( a )内には同じ字句が入ります。
甲状腺機能亢進症の主症状は、( a )の緊張等によってもたらされている。( a )を興奮させる( b )を主成分とする一般用医薬品の添付文書の「使用上の注意」の項には、甲状腺機能亢進症(甲状腺機能障害)の診断を受けた人は( c )と記載されている。
1 | a交感神経系 bフェニレフリン塩酸塩 c相談すること |
---|---|
2 | a交感神経系 bフェニレフリン塩酸塩 c使用しないこと |
3 | a交感神経系 bパパベリン c使用しないこと |
4 | a副交感神経系 bフェニレフリン塩酸塩 c相談すること |
5 | a副交感神経系 bパパベリン c使用しないこと |
【正解1】
甲状腺機能亢進症の主症状は、( a交感神経系 )の緊張等によってもたらされている。( a交感神経系 )を興奮させる( bフェニレフリン塩酸塩 )を主成分とする一般用医薬品の添付文書の「使用上の注意」の項には、甲状腺機能亢進症(甲状腺機能障害)の診断を受けた人は( c相談すること )と記載されている。
問 12 一般用医薬品の添付文書の使用上の注意及びその理由に関する記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | テオフィリンが配合された鎮咳去痰薬は、乳児に神経過敏を起こすおそれがあるため、「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」とされている。 |
---|---|
b | ビスマスを成分に含む止瀉薬は、海外において、長期連用した場合にアルミニウム脳症を生じたとの報告があることから、「1週間以上継続して服用しないこと」とされている。 |
c | フェルビナクが配合された外用鎮痛消炎薬は、喘息発作を誘発するおそれがあるため、「ぜんそくを起こしたことがある人は使用しないこと」とされている。 |
d | 鼻炎用点鼻薬は、二次充血、鼻づまり等を生じるおそれがあるため、「長期連用しないこと」とされている。 |
a b c d | |
1 | 正 正 誤 誤 |
2 | 誤 誤 誤 正 |
3 | 誤 正 誤 誤 |
4 | 正 正 正 正 |
5 | 正 誤 正 正 |
【正解5】
a○
b×
ビスマスを成分に含む止瀉薬は、海外において、長期連用した場合に「精神神経症状が現れた」との報告があることから、「1週間以上継続して服用しないこと」とされている。
c○
d○
問 13 一般用医薬品の添付文書の「使用上の注意」の項に、「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」と記載されている医薬品成分について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a | アミノフィリン水和物 |
---|---|
b | スコポラミン臭化水素酸塩水和物 |
c | ジヒドロコデインリン酸塩 |
d | マオウ |
- 1(a、b)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(c、d)
【正解3】
a×
アミノフィリン水和物は、「本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人は使用しないこと」「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」と記載される。
b○:眠気、目のかすみ、異常なまぶしさを生じることがあるため。
c○:眠気等が懸念されるため。
d×
マオウは、「甲状腺機能障害、高血圧、心臓病、糖尿病の診断を受けた人は相談すること」と記載される。
問 14 医薬品成分等と、それらの安全性情報として注意喚起された重篤な副作用に関する組合せの正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | カゼイン又はその塩類含有製剤 ― 牛乳アレルギー |
---|---|
b | 柴朴湯 ― 膀胱炎様症状 |
c | タンナルビン(タンニン酸アルブミン) ― アナフィラキシー様症状 |
d | クレオソート・アセンヤク末・オオバク末・カンゾウ末・チンピ末配合剤 ― 腎機能障害 |
a b c d | |
1 | 誤 正 誤 誤 |
2 | 正 正 正 誤 |
3 | 正 誤 誤 誤 |
4 | 誤 誤 誤 正 |
5 | 正 正 正 正 |
【正解2】
a○
b○
c○
d×
腎機能障害ではなく、「肝機能障害」である。
問 15 医薬品の適正使用・安全対策についての情報発信に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 「緊急安全性情報(イエローレター)」は、医薬品、医療機器又は再生医療等製品について緊急かつ重大な注意喚起や使用制限に係る対策が必要な状況にある場合に、厚生労働省からの命令、指示、製造販売業者の自主決定等に基づいて作成され、1か月以内に情報伝達されるものである。 |
---|---|
b | 「安全性速報(ブルーレター)」は、医薬品、医療機器又は再生医療等製品について一般的な使用上の注意の改訂情報よりも迅速な注意喚起や適正使用のための対応の注意喚起が必要な状況にある場合に、厚生労働省からの命令、指示、製造販売業者の自主決定等に基づいて作成され、1か月以内に情報伝達されるものである。 |
c | 「医薬品・医療機器等安全性情報」は、医薬品・医療機器等による重要な副作用、不具合等に関する情報を厚生労働省がとりまとめ、広く一般の生活者向けに情報提供されている。 |
d | 「医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)」とは、医薬品・医療機器の安全性に関する特に重要な情報が発出されたときに、その情報を総合機構が電子メールによりタイムリーに配信するサービスであり、一般の生活者向けの添付文書に比べ、高度で専門的な内容であることから医薬関係者を対象としており、一般の生活者は利用できない。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 誤 |
2 | 誤 誤 誤 正 |
3 | 正 正 誤 誤 |
4 | 正 誤 正 正 |
5 | 誤 正 正 誤 |
【正解3】
a○
b○
c×
一般の生活者向けではなく、「医薬関係者向け」に情報提供されている。
d×
誰でも利用可能である。
問 16 副作用等の報告制度に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 製造販売業等には、その製造販売をし、又は承認を受けた医薬品について、その副作用等によるものと疑われる健康被害の発生、その使用によるものと疑われる感染症の発生等を知ったときは、その旨を定められた期限までに厚生労働大臣に報告することが義務付けられている。 |
---|---|
b | 薬局開設者、医療施設の開設者、医薬品の販売業者又は医師、歯科医師、薬剤師その他の医薬関係者においては、製造販売業者等が行う情報収集に協力するよう努めなければならない。 |
c | 医薬品の副作用等報告では、医薬品等によるものと疑われる、身体の変調・不調、日常生活に支障を来す程度の健康被害(死亡を含む。)が報告対象であるが、因果関係が明確でない場合は報告の対象とならない。 |
d | 1967 年3月に「医薬品副作用モニター制度」としてスタートした医薬関係者からの副作用等の報告制度は、幾度かの制度の見直しを経て拡充され、2002 年の薬事法改正により、医師や薬剤師等の医薬関係者に副作用等の報告を義務付け、副作用等に関する情報の収集体制が強化されてきたが、本制度は医療用医薬品を対象としているため、登録販売者は副作用等の報告を行う医薬関係者として位置づけられていない。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 誤 |
2 | 正 正 誤 正 |
3 | 誤 正 正 誤 |
4 | 正 正 誤 誤 |
5 | 誤 誤 誤 正 |
【正解4】
a○
b○
c×
医薬品との因果関係が必ずしも明確でない場合であっても報告の対象となり得る。
d×
2006年6月の薬事法改正による登録販売者制度の導入に伴い、登録販売者も本制度に基づく報告を行う医薬関係者として位置づけられている。
問 17 医薬品副作用被害救済制度に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a | 医薬品を適正に使用したかどうかにかかわらず、副作用による一定の健康被害が生じた場合に、医療費等の各種給付を行うものである。 |
---|---|
b | 給付の種類としては、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料があり、製薬企業の社会的責任に基づく公的制度として開始されたことから、請求期限は無期限となっている。 |
c | 救済給付業務に必要な費用のうち、給付費については、製造販売業者から年度ごとに納付される拠出金が充てられている。 |
d | 製品不良など、製薬企業に損害賠償責任がある場合や、無承認無許可医薬品(いわゆる健康食品として販売されたもののほか、個人輸入により入手された医薬品を含む。)の使用による健康被害について、救済給付した場合は、被害者への給付金相当額を国が加害企業へ求償する。 |
a b c d | |
1 | 誤 誤 正 正 |
2 | 正 誤 正 誤 |
3 | 誤 正 誤 誤 |
4 | 正 正 誤 正 |
5 | 誤 誤 正 誤 |
【正解5】
a×
“医薬品を適正に使用したにもかかわらず”、副作用によって一定程度以上の健康被害が生じた場合に、医療費等の各種給付を行うものである。
b×
障害年金と障害児養育年金には請求期限はないが、他の給付は請求期限がある。
c○
d×
製品不良など、製薬企業に損害賠償責任がある場合や、無承認無許可医薬品(いわゆる健康食品として販売されたもののほか、個人輸入により入手された医薬品を含む)の使用による健康被害については、救済制度の対象から除外されている。
問 18 医薬品副作用被害救済制度における給付に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
1 | 医療費は、医薬品の副作用による疾病の治療に要した費用を実費補償するものである。 |
---|---|
2 | 障害年金は、医薬品の副作用により一定程度の障害の状態にある18 歳以上の人の生活補償等を目的として給付されるものである。 |
3 | 遺族年金は、医薬品の副作用により死亡した人が、生計維持者であるなしにかかわらず、その遺族の生活の立て直し等を目的として給付されるものである。 |
4 | 葬祭料は、医薬品の副作用により死亡した人の葬祭を行うことに伴う出費に着目して給付されるものである。 |
【正解3】
遺族年金は、「生計維持者が」医薬品の副作用により死亡した場合に、その遺族の生活の立て直し等を目的として給付されるものである。
問 19 医薬品の安全対策に関する次の記述について、( )に入れるべき正しい字句を下欄から1つ選びなさい。
医薬品の安全性に関する問題を世界共通のものとして取り上げる気運が高まる契機となったのは、1961 年の( )であり、1968 年以降、世界保健機関(WHO)加盟各国を中心に、各国自らが医薬品の副作用情報を収集評価する体制(WHO国際医薬品モニタリング制度)を確立することにつながった。
日本においても、現在、医薬品の市販後の安全対策として、副作用等の情報を収集する制度、収集された安全性情報を評価し適切な措置を講じる体制が整備されているところである。
1 | クロイツフェルト・ヤコブ病訴訟(CJD訴訟) |
---|---|
2 | サリドマイド薬害事件 |
3 | スモン事件 |
4 | 薬害エイズ事件 |
5 | ソリブジン事件 |
【正解2】
医薬品の安全性に関する問題を世界共通のものとして取り上げる気運が高まる契機となったのは、1961 年の( サリドマイド薬害事件 )であり、1968 年以降、世界保健機関(WHO)加盟各国を中心に、各国自らが医薬品の副作用情報を収集評価する体制(WHO国際医薬品モニタリング制度)を確立することにつながった。
日本においても、現在、医薬品の市販後の安全対策として、副作用等の情報を収集する制度、収集された安全性情報を評価し適切な措置を講じる体制が整備されているところである。
問 20 医薬品PLセンターに関する次の記述について、( )に入れるべき字句の正しい組合せを下欄から選びなさい。
医薬品PLセンターは、平成7年7月の製造物責任法(PL法)の施行と同時に( a )により開設された。
消費者が、医薬品又は医薬部外品に関する苦情について、製造販売元の企業と交渉するに当たって、( b )で申立ての相談を受け付け、交渉の仲介や調整・あっせんを行い、( c )迅速な解決に導くことを目的としている。
1 | a日本製薬団体連合会 b公平・中立な立場 c裁判による |
---|---|
2 | a都道府県消費生活センター b消費者の立場 c裁判による |
3 | a日本製薬団体連合会 b消費者の立場 c裁判によらずに |
4 | a都道府県消費生活センター b公平・中立な立場 c裁判によらずに |
5 | a日本製薬団体連合会 b公平・中立な立場 c裁判によらずに |
【正解5】
医薬品PLセンターは、平成7年7月の製造物責任法(PL法)の施行と同時に( a日本製薬団体連合会 )により開設された。
消費者が、医薬品又は医薬部外品に関する苦情について、製造販売元の企業と交渉するに当たって、( b公平・中立な立場 )で申立ての相談を受け付け、交渉の仲介や調整・あっせんを行い、( c裁判によらずに )迅速な解決に導くことを目的としている。