- ワンポイントレッスン
登録販売者をめざすみなさん、今回は組織についてくわしく考えてみましょう。
人をつくっている細胞には200種類あるということを前回学習しましたが、同じ働きをする細胞どうしは集団になっています。これを組織といいます。
組織にはどんなものがあるのでしょうか。
まず、上皮組織。体にはいろいろな表面があります。
皮膚にももちろん表面があるように、胃や腸にも表面があります。
この場合は食物が通るときに接する粘膜でできた面が表面にあたります。
気管や肺の空気にふれる表面、鼻腔や口腔の表面。これらの表面はみんな上皮組織によってできていて、体外からの異物の侵入を防ぐ働きをしています。
つぎに支持組織とよばれるものがあります。
上皮組織とその他の組織の間をうめている結合組織(コラーゲンでつながれて繊維状になっている)、骨をつくっている骨組織(カルシウムが沈着して、かたまりになっている)、喉頭や関節をつくっている軟骨組織などが支持組織のなかまです。
伸び縮みする働きをするのが筋組織。
筋組織には3種類あって、胃腸の壁や血管の壁の筋肉をつくる平滑筋、心臓の壁の筋肉をつくる心筋、骨格を動かしている骨格筋です。
神経細胞が集まって脳や末梢神経をつくっているのが、神経組織とよばれるものです。
神経細胞は長いもので1mもあるものもあり、電気信号を伝える電線のような働きをしています。脳は数えきれないほどの神経細胞が複雑にからみあってネットワークを作って情報処理をしています。
このように、組織にも種類があり、いろいろな役割をになっています。
それらの組織が組み合わさって、人の体のそれぞれのパーツができています。たとえば心臓というひとつの器官にも、上皮組織があり、筋組織があり、それらをつなぐ結合組織があり、そして動きをコントロールしている神経組織がある、というわけです。