2017.2.1
- ワンポイントレッスン
アンダルシアの犬
硝子体と書いて、ガラスタイということもあるけど、ふつうショウシタイと読みます。
人の体のどこにあるか、すぐわかりますか。
眼は、ボールのようにまるい形をしている。中は空洞ではない。
液体がつまっている。この液体を硝子体という。そうだったよね。
硝子体で満たされていることで、眼はへこんだりゆがんだりしないで、いつもまるい形でいることができる。
ガラスのように無色透明で、生卵の白身のようにどろっとしたゼリー状をしている。成分はほとんどが水で(98%~99%)、他にコラーゲンとかヒアルロン酸などをふくんでいる。
瞳がとらえた光は、はじめにレンズの形をした水晶体に入る。
それから硝子体をへて網膜に到達する。網膜が光を感知し、刺激が脳に伝えられることで、人はものを見ることができる。
考えてみると、わたしたちが見る光は、すべて硝子体を通過して入りこんできたものだ。水中に棲んでいるわけでもないのに、水ごしに光を感じている。
これがカメラとの最も大きな違いかもしれない。カメラにはレンズがついているので水晶体にあたるものはある。しかし液体で満たされてはいない。
自分の目をいくら鏡で観察しても、見えるのは水晶体とか虹彩とかがやっとで、硝子体を直接見ることはむずかしい。
どうしても見てみたいという人がもしいるのなら、ルイス・ブニュエルとサルバトール・ダリが共同で作り上げた有名な映画『アンダルシアの犬』のファーストシーンを見てみよう。そこには、どろりとしたゼリー状の硝子体が流れ落ちるのがスクリーンいっぱいに…。