平成29年度版登録販売者試験 過去問題集
(北海道・青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県)
第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識
問 1 医薬品の本質に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a | 医薬品は、人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人の身体の構造や機能に影響を及ぼすことを目的とする生命関連製品である。 |
---|---|
b | 医薬品は、効能効果、用法用量、副作用等の必要な情報が適切に伝達されることを通じて、購入者が適切に使用することにより、初めてその役割を十分に発揮するものである。 |
c | 医薬品は、知見の積み重ねによって、有効性、安全性等に関する情報が集積されており、随時新たな情報が付加されるものである。 |
d | 医薬品が人体に及ぼす作用は複雑かつ多岐に渡るが、一般用医薬品については、そのすべてが解明されている。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 誤 正 |
2 | 正 正 誤 正 |
3 | 正 正 正 誤 |
4 | 誤 正 正 誤 |
5 | 誤 誤 正 正 |
【正解3】
a ○
b ○
c ○
d ×
一般用医薬品についても、そのすべては解明されていない。
問 2 医薬品のリスク評価に関する以下の記述のうち、正しいものはどれか。
1 | ヒトを対象とした臨床試験における効果と安全性の評価基準として、国際的に Good Laboratory Practice(GLP)が制定されている。 |
---|---|
2 | 医薬品については、食品と同等の安全性基準が要求されている。 |
3 | 医薬品の効果とリスクは、薬物暴露時間と暴露量の和で表現される用量―反応関係に基づいて評価される。 |
4 | 医薬品は、治療量上限を超えると、効果よりも有害反応が強く発現する「中毒量」 となり、「最小致死量」を経て、「致死量」に至る。 |
【正解4】
1 ×
ヒトを対象とした臨床試験における効果と安全性の評価基準はGCP。Good Laboratory Practice(GLP)は非臨床試験(動物実験)における安全性の基準。
2 ×
医薬品と食品では、法的にも安全性や効果を担保する科学的データ面でも異なる。
3 ×
医薬品の効果とリスクは、薬物暴露時間「×」暴露量の「積」で表現される(用量ー反応関係)。
4 ○
問 3 医薬品のリスク評価に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a | 医薬品は、少量の投与でも長期投与されれば慢性的な毒性が発現する場合がある。 |
---|---|
b | 医薬品に対しては製造販売後の調査及び試験の実施の基準としてGoodVigilance Practice(GVP)と製造販売後安全管理の基準としてGood Post-marketing Study Practice(GPSP)が制定されている。 |
c | 薬物の毒性の指標として、50%致死量(LD5 0)が用いられる。 |
d | 医薬品毒性試験法ガイドラインに沿って、単回投与毒性試験や反復投与毒性試験等の毒性試験が厳格に実施されている。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 誤 誤 |
2 | 誤 正 誤 誤 |
3 | 正 正 正 誤 |
4 | 誤 誤 正 正 |
5 | 正 誤 正 正 |
【正解5】
a ○
b ×
製造販売後の調査および試験の実施基準は、Good Post-Marketing Study Practice (GPSP)、製造販売後安全管理基準は Good Vigilance Practice (GVP) である。
GPSPとGVPが逆になっている。
c ○
d ○
問 4 健康食品に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a | 医薬品を扱う者は、いわゆる健康食品は医薬品とは異なるものであることを認識し、消費者に指導・説明を行わなくてはならない。 |
---|---|
b | 機能性表示食品は、疾病に罹患している者の健康の維持及び増進に役立つ旨又は適する旨を表示するものである。 |
c | 栄養機能食品については、各種ビタミン、ミネラルに対して栄養機能の表示ができる。 |
d | 健康補助食品(いわゆるサプリメント)は、錠剤等の医薬品と類似した形状のものも多く、誤った使用法により健康被害を生じた例も報告されている。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 正 |
2 | 正 誤 誤 正 |
3 | 正 正 誤 誤 |
4 | 誤 正 正 誤 |
5 | 誤 正 正 正 |
【正解1】
a ○
b ×
機能性表示食品は疾病に「罹患していない者」の健康の維持及び増進に役立つ旨又は適 する旨を表示するものである。
c ○
d ○
問 5 以下の医薬品の副作用に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を( a )ために、人に( b )量で発現する医薬品の有害かつ( c )反応」とされている。
1 | a正常化する b 用いられる最小 c重篤な |
---|---|
2 | a向上させる b通常用いられる c重篤な |
3 | a向上させる b用いられる最小 c意図しない |
4 | a正常化する b通常用いられる c意図しない |
5 | a正常化する b用いられる最小 c意図しない |
【正解4】
世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を( a正常化する )ために、人に( b通常用いられる )量で発現する医薬品の有害かつ( c意図しない )反応」とされている。
問 6 アレルギーに関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a | 免疫機構が過敏に反応して、体の各部位に生じる炎症をアレルギー症状という。 |
---|---|
b | アレルギーには体質的な要素はあるが、遺伝的な要素はない。 |
c | 普段は医薬品にアレルギーを起こしたことがない人でも、病気等に対する抵抗力が低下している状態等の場合には、医薬品がアレルゲンになりやすくなり、思わぬアレルギーを生じることがある。 |
d | 医薬品のアレルギーは、内服薬によって引き起こされるものであり、外用薬によって引き起こされることはない。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 誤 |
2 | 正 正 誤 正 |
3 | 正 正 正 誤 |
4 | 誤 誤 正 正 |
5 | 誤 誤 誤 誤 |
【正解1】
a ○
b ×
アレルギーには遺伝的な要素もある。
c ○
d ×
医薬品のアレルギーは外用薬でも起こる。
問 7 医薬品の相互作用に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a | 複数の疾病を有する人では、疾病ごとにそれぞれ医薬品が使用される場合が多く、医薬品同士の相互作用に関して特に注意が必要となる。 |
---|---|
b | 相互作用を回避するには、ある医薬品を使用している期間やその前後を通じて、その医薬品との相互作用を生じるおそれのある医薬品や食品の摂取を控えなければならないのが通常である。 |
c | 医薬品が吸収、代謝、分布又は排泄される過程で起こり、医薬品が薬理作用をもたらす部位では起こらない。 |
d | 一般用医薬品は、一つの医薬品の中に作用の異なる複数の成分を組み合わせて含んでいることが多く、他の医薬品と併用した場合、同様な作用を持つ成分が重複することがあり、作用が強く出過ぎたり、副作用を招く危険性が増すことがある。 |
a b c d | |
1 | 誤 正 正 誤 |
2 | 正 誤 誤 正 |
3 | 正 正 誤 正 |
4 | 正 誤 正 誤 |
5 | 誤 正 正 正 |
【正解3】
a ○
b ○
c ×
医薬品が薬理作用をもたらす部位において起こるものもある。
d ○
問 8 以下の酒類(アルコール)と医薬品の相互作用に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
酒類(アルコール)は、医薬品の吸収や代謝に影響を与えることがある。アルコールは、主として( a )で代謝されるため、酒類(アルコール)をよく摂取する者では、その代謝機能が( b )ことが多い。その結果、アセトアミノフェンは、通常よりも代謝( c )なり、体内からの消失が( d )なるため、十分な効果が得られなくなることがある。
1 | a小腸 b高まっている cされやすく d速く |
---|---|
2 | a小腸 b低下している cされにくく d遅く |
3 | a肝臓 b高まっている cされにくく d速く |
4 | a肝臓 b高まっている cされやすく d速く |
5 | a肝臓 b低下している cされやすく d遅く |
【正解4】
酒類(アルコール)は、医薬品の吸収や代謝に影響を与えることがある。アルコールは、主として( a肝臓 )で代謝されるため、酒類(アルコール)をよく摂取する者では、その代謝機能が( b高まっている )ことが多い。その結果、アセトアミノフェンは、通常よりも代謝( cされやすく )なり、体内からの消失が( d 遅く)なるため、十分な効果が得られなくなることがある。
問 9 次の記述は、小児と医薬品に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。
a | 家庭内の医薬品の保管場所については、いつでも取り出せるよう、小児が容易に手に取れる場所や、小児の目につく場所とすることが適切である。 |
---|---|
b | 医薬品の使用上の注意において、おおよその目安として、乳児は1歳未満、幼児は5歳未満、小児は12歳未満との年齢区分が用いられている。 |
c | 小児は、肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがある。 |
d | 5歳未満の幼児に使用される錠剤やカプセル剤等の医薬品では、服用時に喉につかえやすいので注意するよう添付文書に記載されている。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、d)
- 4(c、d)
【正解4】
a ×
小児が容易に手に取れる場所や、小児の目につく場所に医薬品をおかないようにすることが重要である。
b ×
乳児は1歳未満で正しいが、幼児は 7歳未満、小児は15歳未満である。
c ○
d ○
医薬品のアレルギーは外用薬でも起こる。
問 10 高齢者に関する以下の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 | 一般に生理機能が衰えつつあり、特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が強く現れやすいが、副作用が生じるリスクは若年時と比べて低くなる。 |
---|---|
2 | 持病(基礎疾患)を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の治療の妨げとなる場合がある。 |
3 | 医薬品の副作用で口渇を生じることがあり、誤嚥を誘発しやすくなるので注意が必要である。 |
4 | 医薬品の飲み忘れを起こしやすい傾向があり、家族の理解や協力も含めた配慮が重要となることがある。 |
【正解1】
1 ×
副作用が生じるリスクは若年時と比べて高くなる。
2 ○
3 ○
4 ○
問 11 次の記述は、妊婦若しくは妊娠していると思われる女性又は母乳を与える女性(授乳婦)に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。
a | 胎盤には、胎児の血液と母体の血液が混ざり合う仕組みがある。 |
---|---|
b | 医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られており、母乳を介して乳児が医薬品の成分を摂取することになる場合がある。 |
c | 一般用医薬品においては、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価は容易であるため、妊婦の使用については「相談すること」としているものが多い。 |
d | 乳幼児に好ましくない影響が及ぶことが知られている医薬品については、授乳期間中の使用を避けるか、使用後しばらくの間は授乳を避けることができるよう、積極的な情報提供がなされる必要がある。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、d)
- 4(c、d)
【正解3】
a ×
胎盤には、胎児の血液と母体の血液が混ざらない仕組み(血液ー胎盤関門)がある。
b ○
c ×
妊婦が使用した場合における安全性に関する評価は容易ではなく、困難である。
d ○
問 12 次の記述は、医薬品の品質に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。
a | 医薬品の外箱等に表示されている「使用期限」は、開封された後も、記載されている期日まで品質が保証されるものである。 |
---|---|
b | 医薬品は、適切な保管・陳列がなされない場合は、人体に好ましくない作用をもたらす物質を生じることがあるが、医薬品の効き目が低下することはない。 |
c | 一般用医薬品では、薬局又は店舗販売業において購入された後、すぐに使用されるとは限らず、家庭における常備薬として購入されることも多いことから、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることが重要である。 |
d | 品質が承認された基準に適合しない医薬品や全部又は一部が変質・変敗した物質から成っている医薬品は、販売等が禁止されている。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、d)
- 4(b、d)
【正解4】
a ×
医薬品の外箱等に表示されている「使用期限」は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限であって、いったん開封されると品質が保証されない場合がある。
b ×
適切な保管・陳列がなされない場合は、医薬品の効き目が低下することもある。
c ○
d ○
問 13 第1欄の記述は、一般用医薬品の定義に関するものである。( )の中に入れるべき字句は第2欄のどれか。
第1欄
一般用医薬品は、医薬品医療機器等法第4条第5項第4号において「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであつて、( )から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)」と定義されている。
第2欄
1.登録販売者
2.医師若しくは薬剤
3.医師若しくは歯科医師
4.薬剤師その他の医薬関係者
5.供給者
【正解4】
一般用医薬品は、医薬品医療機器等法第4条第5項第4号において「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであつて、( 薬剤師その他の医薬関係者 )から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)」と定義されている。
問 14 一般用医薬品の役割に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a | 重篤な疾病に伴う症状を改善する。 |
---|---|
b | 生活習慣病等の疾病に伴う症状発現を予防(科学的・合理的に効果が期待できるものに限る。)する。 |
c | 生活の質(QOL)を改善・向上する。 |
d | 健康を維持・増進する。 |
a b c d | |
1 | 誤 正 正 誤 |
2 | 正 誤 正 正 |
3 | 正 正 誤 誤 |
4 | 正 誤 誤 正 |
5 | 誤 正 正 正 |
【正解5】
a ×
「軽度な疾病」に伴う症状を改善する。
b ○
c ○
d ○
問 15 一般用医薬品の選択及びセルフメディケーションに関する以下の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 | 近年、専門家による適切なアドバイスの下、生活者が身近にある一般用医薬品を利用する「セルフメディケーション」の考え方がみられるようになっている。 |
---|---|
2 | 一般用医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して常に自己の経験だけに基づいた正確な情報提供を行い、セルフメディケーションを適切に支援していくことが期待されている。 |
3 | 一般用医薬品で対処可能な範囲は、医薬品を使用する人によって変わってくるものであり、例えば、乳幼児や妊婦等では、通常の成人の場合に比べ、その範囲は限られてくることに留意される必要がある。 |
4 | 一般用医薬品を一定期間若しくは一定回数使用しても症状の改善がみられない又は悪化したときには、医療機関を受診して医師の診療を受ける必要がある。 |
【正解2】
1 ○
2 ×
「自己の経験だけに基づいた」ではなく、「科学的な根拠に基づいた」正確な情報提供を行うことが期待されている。
3 ○
4 ○
問 16 販売時のコミュニケーションに関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a | 購入者が、自分自身や家族の健康に対する責任感を持ち、適切な医薬品を選択して、適正に使用しようとするよう、働きかけていくことが重要である。 |
---|---|
b | 一般用医薬品の場合、必ずしも情報提供を受けた当人が医薬品を使用するとは限らないことを踏まえ、販売時のコミュニケーションを考える必要がある。 |
c | 購入者に対し、正確な情報提供を行うため、説明した内容が購入者にどう理解され、行動に反映されているか等の実情を把握することなく、添付文書や製品表示に記載された内容どおりに専門用語を用いて説明することが適切である。 |
d | 情報提供を受ける購入者が医薬品を使用する本人で、かつ、現に症状がある場合には、言葉によるコミュニケーションから得られる情報のほか、その人の状態や様子全般から得られる情報も、状況把握につながる重要な手がかりとなる。 |
a b c d | |
1 | 誤 正 正 誤 |
2 | 正 正 誤 正 |
3 | 正 正 正 誤 |
4 | 正 誤 誤 正 |
5 | 誤 誤 正 正 |
【正解2】
a ○
b ○
c ×
説明した内容が購入者にどう理解され、 行動に反映されているか等の実情を把握しながら行うことにより、その実効性が高まる。
d ○
問 17 以下のサリドマイドに関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
サリドマイドは、妊娠している女性が摂取した場合、( a )を通過して胎児に移行する。
サリドマイド訴訟は、( b )等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
サリドマイドによる薬害事件は、我が国のみならず世界的にも問題となったため、WHO加盟国を中心に( c )の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなった。
1 | a血液脳関門 b解熱鎮痛剤 c市販前 |
---|---|
2 | a血液胎盤関門 b解熱鎮痛剤 c市販後 |
3 | a血液胎盤関門 b催眠鎮静剤 c市販前 |
4 | a血液胎盤関門 b催眠鎮静剤 c市販後 |
5 | a血液脳関門 b催眠鎮静剤 c市販後 |
【正解4】
サリドマイドは、妊娠している女性が摂取した場合、( a血液胎盤関門 )を通過して胎児に移行する。
サリドマイド訴訟は、( b催眠鎮静剤 )等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
サリドマイドによる薬害事件は、我が国のみならず世界的にも問題となったため、WHO加盟国を中心に( c市販後 )の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなった。
問 18 次の記述は、キノホルム製剤とスモン訴訟に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。
a | スモン訴訟とは、解熱鎮痛薬として販売されたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症(スモン)に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。 |
---|---|
b | キノホルム製剤は、一般用医薬品として販売されたことはない。 |
c | スモン患者に対しては、治療研究施設の整備、治療法の開発調査研究の推進、施術費及び医療費の自己負担分の公費負担、世帯厚生資金貸付による生活資金の貸付、重症患者に対する介護事業が講じられている。 |
d | スモン訴訟をひとつの契機として、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、d)
- 4(c、d)
【正解4】
a ×
キノホルム製剤は、解熱鎮痛薬ではなく、整腸剤として販売された。
b ×
キノホルム製剤は、一般用医薬品として販売された。
c ○
d ○
問 19 HIV訴訟に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a | 血友病患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。 |
---|---|
b | 国及び製薬企業を被告として、1989年5月に大阪地裁、同年10月に東京地裁で提訴され、未だ和解に至っていない。 |
c | HIV訴訟を契機に、血液製剤の安全確保対策として、検査や献血時の問診の充実が図られた。 |
d | 国は、HIV感染者に対する恒久対策として、エイズ治療研究開発センター及び拠点病院の整備や治療薬の早期提供等の様々な取り組みを推進してきている。 |
a b c d | |
1 | 正 正 誤 正 |
2 | 正 正 正 誤 |
3 | 正 誤 正 正 |
4 | 誤 正 誤 正 |
5 | 誤 誤 正 誤 |
【正解3】
a ○
b ×
1996年3月に、大阪地裁と東京地裁の両地裁で和解が成立した。
c ○
d ○
問 20 クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)とその訴訟に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a | CJDは、ウイルスの一種であるプリオンが脳の組織に感染することによって発症する。 |
---|---|
b | CJDは、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病である。 |
c | CJD訴訟は、脳外科手術等に用いられたヒト乾燥硬膜を介してCJDに罹患したことに対する損害賠償訴訟である。 |
d | CJD訴訟は、生物由来製品による感染等被害救済制度が創設される契機のひとつとなった。 |
a b c d | |
1 | 正 正 誤 正 |
2 | 正 誤 誤 誤 |
3 | 正 誤 正 誤 |
4 | 誤 誤 正 正 |
5 | 誤 正 正 正 |
【正解5】
a ×
プリオンは、細菌でもウイルスでもないタンパク質の一種である。
b ○
c ○
d ○