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令和4年度版登録販売者試験 過去問題集

奈良エリア
(奈良県)
令和1年度より関西広域連合として実施
徳島県は、令和1年度より関西広域連合として実施

第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識

問 1 医薬品の本質に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a人体に対して使用されない医薬品は、人の健康に影響を与えることはない。
b医薬品が人体に及ぼす作用は、複雑、かつ、多岐に渡るが、そのすべては解明されている。
c医薬品医療機器等法では、健康被害の発生の可能性の有無にかかわらず、異物等の混入、変質等がある医薬品を販売等してはならない旨を定めている。
d医薬品は、市販後にも、医学・薬学等の新たな知見、使用成績等に基づき、その有効性、安全性等の確認が行われる仕組みとなっている。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 誤 誤 正
3誤 正 正 正
4正 正 誤 誤
5誤 誤 正 正

【正解5】
a×
人体に対して使用されない医薬品でも、人の健康に影響を「与えるものもある」。
b×
医薬品が人体に及ぼす作用は、複雑、かつ、多岐に渡り、そのすべては「解明されていない」。
c〇
d〇

問 2 医薬品のリスク評価に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

aヒトを対象とした臨床試験により求められる50%致死量をLD50といい、薬物の毒性の指標として用いられる。
b医薬品に対しては、製造販売後の調査及び試験の実施の基準としてGood Vigilance Practice(GVP)が制定されている。
c医薬品の効果とリスクは、用量と作用強度の関係(用量-反応関係)に基づいて評価される。
d新規に開発される医薬品のリスク評価は、医薬品開発の国際的な標準化(ハーモナイゼーション)制定の流れのなかで、医薬品毒性試験法ガイドラインに沿って、単回投与毒性試験、反復投与毒性試験などの毒性試験が厳格に実施されている。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解4】
a×
「動物実験」により求められる50%致死量をLD50という。
b×
製造販売後の調査及び試験の実施の基準として「Good Post-marketing Study Practice(GPSP)」が制定されている。
c〇
d〇

問 3 医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a一般用医薬品では、重大な副作用の兆候が現れたときでも、使用中断による不利益を回避するため、使用を継続することが必要である。
b副作用は、血液や内臓機能への影響のように、明確な自覚症状として現れないこともある。
c医薬品を使用する人が、副作用をその初期段階で認識することにより、副作用の種類に応じて速やかに適切に処置し、又は対応し、重篤化の回避が図られることが重要となる。
d世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされている。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 誤 誤 正
3誤 正 正 正
4正 正 誤 誤
5誤 誤 正 誤

【正解3】
a×
使用を中断することによる不利益よりも、重大な副作用を回避することが優先され、その兆候が現れたときには基本的に使用を中止することとされている。
b〇
c〇
d〇

問 4 アレルギー(過敏反応)に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aアレルギーには体質的・遺伝的な要素があり、アレルギーを起こしやすい体質の人や、近い親族にアレルギー体質の人がいる場合には、注意が必要である。
b免疫機構が過敏に反応して、体の各部位に生じる炎症等の反応をアレルギー症状という。
c一般的にあらゆる物質によって起こり得るものであるため、医薬品の薬理作用等とは関係なく起こり得るものである。
d医薬品にアレルギーを起こしたことがない人は、病気等に対する抵抗力が低下している状態でもアレルギーを起こすことはない。
a b c d
1正 正 正 誤
2正 誤 正 正
3誤 正 正 誤
4誤 正 誤 正
5誤 誤 誤 正

【正解1】
a〇
b〇
c〇
d×
普段は医薬品にアレルギーを起こしたことがない人でも、病気等に対する抵抗力が低下している状態などの場合には、思わぬアレルギーを起こすことが「ある」。

問 5 医薬品の不適正な使用と副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a適正な使用がなされる限りは安全かつ有効な医薬品であっても、乱用された場合には薬物依存を生じることがある。
b医薬品の乱用の繰り返しによって、慢性的な臓器障害等を生じるおそれがある。
c人体に直接使用されない医薬品についても、使用する人の誤解や認識不足によって、使い方や判断を誤り、副作用につながることがある。
d医薬品は、みだりに他の医薬品や酒類等と一緒に摂取するといった乱用がなされると、過量摂取による急性中毒等を生じる危険性が高くなる。
a b c d
1正 正 誤 正
2正 正 正 正
3誤 正 正 誤
4誤 誤 誤 正
5正 誤 誤 誤

【正解2】
a〇
b〇
c〇
d〇

問 6 医薬品の相互作用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

aかぜ薬、鎮静薬、アレルギー用薬等では、成分や作用が重複することは少ないため、これらの薬効群に属する医薬品の併用を避ける必要はない。
b相互作用には、医薬品が吸収、分布、代謝又は排泄される過程で起こるものと、医薬品が薬理作用をもたらす部位において起こるものがある。
c複数の医薬品を併用したときに、医薬品の作用が増強する場合のことをいうのであって、作用が減弱する場合には相互作用とはいわない。
d相互作用を回避するには、通常、ある医薬品を使用している期間やその前後を通じて、その医薬品との相互作用を生じるおそれのある医薬品や食品の摂取を控えなければならない。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解3】
a×
かぜ薬、鎮静薬、アレルギー用薬等では、成分や作用が重複することが「多く」、通常、これらの薬効群に属する医薬品の併用は「避けること」とされている。
b〇
c×
医薬品の作用が増強したり、「減弱したりすることを相互作用という」。
d〇

問 7 医薬品と食品との飲み合わせに関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a外用薬や注射薬であれば、食品によって、医薬品の作用や代謝が影響を受ける可能性はない。
b総合感冒薬にはカフェインが含まれているものがあり、水ではなくコーヒーで飲むことでカフェインの過剰摂取になることがある。
cアルコールは、主として肝臓で代謝されるため、酒類(アルコール)をよく摂取する者では、肝臓の代謝機能が低下していて、肝臓で代謝される医薬品が通常よりも代謝されにくくなっている。
d食品(ハーブ等)として流通している生薬成分が、医薬品の作用に影響を与えることはない。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 正 誤 正
3誤 正 誤 誤
4正 誤 正 誤
5誤 誤 正 正

【正解3】
a×
外用薬や注射薬で「あっても」、食品によって、医薬品の作用や代謝に影響を受ける可能性が「ある」。
b〇
c×
酒類(アルコール)をよく摂取する者では、肝臓の代謝機能が「高まっている」ことが多く、肝臓で代謝される医薬品が通常よりも代謝「されやすくなる」。
d×
食品(ハーブ等)として流通している生薬成分は、医薬品の作用に影響を与えることが「ある」。

問 8 小児等が医薬品を使用する場合に留意すべきことに関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a小児は、血液脳関門が未発達であるため、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を生じやすく、加えて、肝臓及び腎臓の機能も未発達であるため、副作用がより強く出ることがある。
b5歳未満の幼児に使用される錠剤やカプセル剤は、形状が幼児向けに作られているため、服用時に喉につかえることはない。
c乳児向けの用法用量が設定されている医薬品であっても、乳児は医薬品の影響を受けやすく、使用の適否が見極めにくいため、一般用医薬品による対処は最小限にとどめるのが望ましい。
d小児は、大人と比べて身体の大きさに対して腸が長いため、服用した医薬品の吸収率が相対的に高い。
a b c d
1正 正 誤 誤
2正 誤 正 正
3正 誤 正 誤
4誤 正 誤 正
5誤 誤 正 正

【正解2】
a〇
b×
錠剤やカプセル剤は、形状が幼児向けに作られて「いない」ため、服用時に喉に「つかえやすい」。
c〇
d〇

問 9 高齢者に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a「医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項」(平成29年6月8日付け薬生安発0608第1号厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長通知別添)は、おおよその目安として75歳以上を「高齢者」としている。
b年齢のみから、一概にどの程度、副作用のリスクが増大しているかを判断することは難しい。
c一般に生理機能が衰えつつあり、特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が現れにくくなる。
d喉の筋肉が衰えて飲食物を飲み込む力が弱まっている(嚥下障害)場合があり、内服薬を使用する際に喉に詰まらせやすい。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解3】
a×
75歳以上ではなく、「65歳以上」である。
b〇
c×
一般に生理機能が衰えつつあり、特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が「強く現れやすい」。
d〇

問 10 妊婦又は妊娠していると思われる女性に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a一般用医薬品では、多くの場合、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価が困難であるため、妊婦の使用については「相談すること」としているものが多い。
b便秘薬は、配合成分やその用量によっては、流産や早産を誘発するおそれがあるため、十分注意して適正に使用するか、又は使用そのものを避ける必要がある。
cビタミンB2含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まる。
d胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組みとして、血液-胎盤関門がある。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 正 誤 正
3誤 正 誤 誤
4正 誤 正 誤
5誤 誤 正 正

【正解2】
a〇
b〇
c×
ビタミンB2ではなく、「ビタミンA」である。
d〇

問 11 医療機関で治療を受けている人等が医薬品を使用する場合に留意すべきことに関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a生活習慣病等の慢性疾患の種類や程度によっては、一般用医薬品を使用することで症状が悪化したり、治療が妨げられることもある。
b過去に医療機関で治療を受けていた(今は治療を受けていない)という人に対して、購入しようとする一般用医薬品についての情報提供を行う場合には、どのような疾患にいつ頃かかっていたのかは、特に注意する必要はない。
c購入しようとする医薬品を使用することが想定される人が医療機関で治療を受けている場合には、疾患の程度やその医薬品の種類等に応じて、問題を生じるおそれがあれば使用を避けることができるよう情報提供がなされることが重要である。
d医療機関・薬局で交付された薬剤を使用している人について、登録販売者が一般用医薬品との併用の可否を判断することが義務づけられている。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解2】
a〇
b×
どのような疾患について、いつ頃かかっていたのかを踏まえ、購入者等が使用の可否を適切に判断することができるよう情報提供がなされることが重要である。
c〇
d×
登録販売者が一般用医薬品との併用の可否を判断することは困難なことが多く、その薬剤を処方した医師若しくは歯科医師又は調剤を行った薬剤師に相談するよう説明する必要がある。

問 12 プラセボ効果に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをいい、偽薬効果ともいわれる。
b一般用医薬品の使用によってプラセボ効果と思われる反応や変化がもたらされたときは、それを目的として使用を継続すべきである。
cプラセボ効果によってもたらされる反応や変化には、望ましいもの(効果)と不都合なもの(副作用)とがある。
d時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)は、関与していないと考えられている。
a b c d
1正 誤 正 誤
2誤 正 誤 誤
3誤 正 正 誤
4正 正 誤 正
5誤 誤 正 正

【正解1】
a〇
b×
それを目的として一般用医薬品が「使用されるべきではない」。
c〇
d×
時間経過による自然発生的な変化(自然寛解など)も、関与して「いる」と考えられている。

問 13 医薬品の品質に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a医薬品は、適切な保管・陳列を行えば、経時変化による品質の劣化は起こらない。
b一般用医薬品は、購入された後、すぐに使用されるとは限らず、家庭における常備薬として購入されることも多いことに留意して、販売等がなされることが重要である。
c医薬品医療機器等法において、その品質が承認等された基準に適合しない医薬品、その全部又は一部が変質・変敗した物質から成っている医薬品の販売は、禁止されている。
d医薬品は、高い水準で均一な品質が保証されており、配合されている成分(有効成分及び添加物成分)は、高温や多湿、光(紫外線)等によって品質の劣化(変質・変敗)を起こしにくいものが多い。
a b c d
1正 誤 正 誤
2誤 正 誤 誤
3誤 正 正 誤
4正 正 誤 正
5誤 誤 正 正

【正解3】
a×
適切な保管・陳列が「なされたとしても」、経時変化による品質の劣化は「避けられない」。
b〇
c〇
d×
高温や多湿、光(紫外線)等によって品質の劣化(変質・変敗)を起こし「やすい」ものが多い。

問 14 次のうち、一般用医薬品の役割として、誤っているものを1つ選びなさい。

1重度な疾病に伴う症状の改善
2生活の質(QOL)の改善・向上
3生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防(科学的・合理的に効果が期待できるものに限る。)
4健康の維持・増進

【正解1】
1×
「軽度」な疾病に伴う症状の改善
2〇
3〇
4〇

問 15 セルフメディケーション及び一般用医薬品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aセルフメディケーションの主役は、一般の生活者である。
b近年、急速な高齢化の進展や生活習慣病の増加など疾病構造の変化、生活の質の向上への要請等に伴い、専門家によるアドバイスなしで、身近にある一般用医薬品を利用する「セルフメディケーション」の考え方がみられるようになってきた。
c一般用医薬品の販売等に従事する専門家は、医薬品を使用する人に高熱や激しい腹痛がある場合等、症状が重いときであっても、まずは一般用医薬品を使用するよう勧めることが適切である。
d一般用医薬品で対処可能な症状の範囲は、乳幼児や妊婦等、医薬品を使用する人によって変わる場合がある。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 誤 誤 正
3誤 誤 正 正
4正 正 誤 誤
5誤 誤 正 誤

【正解2】
a〇
b×
専門家による「適切なアドバイスの下」、身近にある一般用医薬品を利用する『セルフメディケーション』の考え方がみられるようになってきている。
c×
症状が重いときに、一般用医薬品を使用することは、一般用医薬品の役割にかんがみて「適切な対処とはいえない」。
d〇

問 16 次の記述は、医薬品医療機器等法第4条第5項第4号で定義されている一般用医薬品に関するものである。(  )にあてはまる字句として、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

 医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が( a )ものであつて、( b )から提供された情報に基づく( c )の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)をいう。

1a著しくない b医薬品製造販売業者    c薬剤師その他の医薬関係者
2a著しい   b医薬品製造販売業者    c薬剤師その他の医薬関係者
3a著しくない b薬剤師その他の医薬関係者 c需要者
4a著しい   b薬剤師その他の医薬関係者 c需要者
5a著しくない b医薬品製造販売業者    c需要者

【正解3】
 医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が( a著しくない )ものであつて、( b薬剤師その他の医薬関係者 )から提供された情報に基づく( c需要者 )の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)をいう。

問 17 一般用医薬品の販売時のコミュニケーションに関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a医薬品の販売に従事する専門家からの情報提供は、説明内容が購入者等にどう理解されたかなどの実情を把握しながら行う必要はなく、専門用語を分かりやすい平易な表現で説明するだけで十分である。
b購入者側に情報提供を受けようとする意識が乏しい場合には、コミュニケーションを図る必要はない。
c購入者等が医薬品を使用する状況は随時変化する可能性があるため、販売数量は一時期に使用する必要量とする等、販売時のコミュニケーションの機会が継続的に確保されるよう配慮することが重要である。
d登録販売者は、第一類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品の販売、情報提供等を担う観点から、生活者のセルフメディケーションを支援するという姿勢で臨むことが基本となる。
a b c d
1正 誤 正 誤
2誤 正 誤 誤
3誤 誤 正 誤
4正 正 誤 正
5誤 誤 正 正

【正解3】
a×
単に専門用語を分かりやすい平易な表現で説明するだけでなく、説明した内容が購入者等にどう理解され、行動に反映されているか、などの実情を把握しながら行うことにより、実効性が高まる。
b×
購入者側に情報提供を受けようとする意識が乏しい場合であっても、購入者側から医薬品の使用状況に係る情報をできる限り引き出し、可能な情報提供を行っていくためのコミュニケーション技術を身につけるべきである。
c〇
d×
登録販売者が販売、情報提供等できるのは、第二類医薬品及び第三類医薬品である。第一類医薬品は薬剤師に限られる。

問 18 サリドマイド及びサリドマイド訴訟に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aサリドマイドの血管新生を妨げる作用は、その光学異性体のうち、一方の異性体(S体)のみが有する作用であり、もう一方の異性体(R体)を分離して製剤化すれば、催奇形性を避けることができる。
b1961年11月、西ドイツ(当時)のレンツ博士がサリドマイド製剤の催奇形性について警告を発し、日本では、同年中に速やかに販売停止及び回収措置が行われた。
cサリドマイドによる薬害事件をきっかけとして、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなった。
dサリドマイド製剤は、当時、貧血用薬として承認された。
a b c d
1正 正 誤 正
2正 正 正 正
3誤 正 正 誤
4誤 誤 正 誤
5正 誤 誤 誤

【正解4】
a×
サリドマイドが摂取されると、R体とS体は体内で相互に転換するため、R体のサリドマイドを分離して製剤化しても催奇形性は「避けられない」。
b×
日本では、出荷停止は1962年5月まで行われず、「販売停止及び回収措置は1962年9月であるなど、対応の遅さが問題視された」。
c〇
d×
サリドマイドは、「催眠鎮静成分」として承認された。

問 19 HIV訴訟に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a国及び都道府県を被告として、大阪地裁、東京地裁で提訴された。
b血友病患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料血漿から製造された免疫グロブリン製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。
cこの訴訟の和解を踏まえ、国は、HIV感染者に対する恒久対策として、エイズ治療・研究開発センター及び拠点病院の整備や治療薬の早期提供等の様々な取り組みを推進している。
dこの訴訟を契機に、血液製剤の安全確保対策として検査や献血時の問診の充実が図られた。
a b c d
1誤 誤 正 正
2正 誤 誤 正
3誤 正 誤 正
4正 正 誤 誤
5誤 誤 正 誤

【正解1】
a×
国及び「製薬企業」を被告として、大阪地裁、東京地裁で提訴された。
b×
免疫グロブリン製剤ではなく、「血液凝固因子製剤」である。
c〇
d〇

問 20 次の記述は、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)及びCJD訴訟に関するものである。(  )にあてはまる字句として、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。なお、同じ記号の(  )には同じ字句が入る。

 脳外科手術等に用いられていた( a )乾燥硬膜を介してクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。CJDは、タンパク質の一種である( b )が原因とされ、( b )が脳の組織に感染し、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病である。
 本訴訟を踏まえ、生物由来製品の安全対策強化、独立行政法人医薬品医療機器総合機構による生物由来製品による( c )制度の創設等がなされた。

1aヒト  bプリオン    c医薬品副作用被害救済
2aウシ  bアミロイドβ  c感染等被害救済
3aヒト  bアミロイドβ  c医薬品副作用被害救済
4aウシ  bプリオン    c医薬品副作用被害救済
5aヒト  bプリオン    c感染等被害救済

【正解5】
 脳外科手術等に用いられていた( aヒト )乾燥硬膜を介してクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。CJDは、タンパク質の一種である( bプリオン )が原因とされ、( bプリオン )が脳の組織に感染し、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病である。
 本訴訟を踏まえ、生物由来製品の安全対策強化、独立行政法人医薬品医療機器総合機構による生物由来製品による( c感染等被害救済 )制度の創設等がなされた。

第2章 人体の働きと医薬品

問 1 鼻及び耳に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

aにおいに対する感覚は、非常に鋭敏であるが順応を起こしやすく、同じにおいを継続して嗅いでいると、次第にそのにおいを感じなくなる。
b副鼻腔に入った埃等の粒子は、粘液に捉えられて線毛の働きによって鼻腔内へ排出される。
c内耳にある鼓室は、耳管という管で鼻腔や咽頭と通じている。
d中耳は、聴覚器官である蝸牛と、平衡器官である前庭の2つの部分からなる。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解1】
a〇
b〇
c×
「中耳」にある鼓室は、耳管という管で鼻腔や咽頭と通じている。
d×
「内耳」は、聴覚器官である蝸牛と、平衡器官である前庭の2つの部分からなる。

問 2 目に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a水晶体は、その周りを囲んでいる毛様体の収縮・弛緩によって、遠くの物を見るときは丸く厚みが増し、近くの物を見るときには扁平になる。
b視細胞が光を感じる反応にはビタミンⅮが不可欠であるため、ビタミンⅮが不足すると夜間視力の低下(夜盲症)を生じる。
c結膜の充血では、白目の部分だけでなく眼瞼の裏側も赤くなる。
d涙器は、涙液を分泌する涙腺と、涙液を鼻腔に導出する涙道からなり、涙腺は上眼瞼の裏側にある分泌腺で、血漿から涙液を産生する。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解4】
a×
「近く」の物を見るときには丸く厚みが増し、「遠く」の物を見るときには扁平になる。
b×
視細胞が光を感じる反応には「ビタミンA」が不可欠であるため、「ビタミンA」が不足すると夜間視力の低下(夜盲症)を生じる。
c〇
d〇

問 3 膵臓に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a胃の前下部に位置する細長い臓器で、膵液を胃へ分泌する。
b膵液は、酸性で、胃で弱アルカリ性となった内容物を中和する。
c炭水化物、タンパク質、脂質のそれぞれを消化するすべての酵素の供給を担っている。
d消化腺であるとともに、血糖値を調節するホルモン(インスリン及びグルカゴン)等を血液中に分泌する内分泌腺でもある。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解4】
a×
胃の「後下部」に位置する細長い臓器で、膵液を「十二指腸」へ分泌する。
b×
膵液は「弱アルカリ性」で、胃で「酸性」となった内容物を中和する。
c〇
d〇

問 4 循環器系に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a脾臓の主な働きは、脾臓内を流れる血液から古くなった赤血球を濾し取って処理することである。
bリンパ液の流れは、主に平滑筋の収縮によるものであり、流速は、血流に比べて緩やかである。
c組織液は、組織中の細胞に酸素や栄養分を供給して二酸化炭素や老廃物を回収したのち、そのほとんどがリンパ管へ入ってリンパ液となるが、一部は毛細血管で吸収されて血液に還元される。
dリンパ管には逆流防止のための弁があって、リンパ液は一定の方向に流れている。
a b c d
1正 誤 誤 正
2正 正 正 誤
3正 正 誤 誤
4誤 誤 正 正
5誤 正 誤 正

【正解1】
a〇
b×
リンパ液の流れは、主に「骨格筋」の収縮によるものである。
c×
組織液は、組織中の細胞に酸素や栄養分を供給して二酸化炭素や老廃物を回収したのち、そのほとんどは「毛細血管で吸収されて血液に還元される」が、一部は「リンパ管に入ってリンパ液となる」。
d〇

問 5 呼吸器系に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a鼻腔内に物理的又は化学的な刺激を受けると、反射的にくしゃみが起きて激しい呼気とともに刺激の原因物を排出しようとする。
b咽頭の後壁にある扁桃は、リンパ組織が集まってできており、気道に侵入してくる細菌、ウイルス等に対する免疫反応が行われる。
c喉頭から肺へ向かう気道が左右の肺へ分岐するまでの部分を気管支といい、そこから肺の中で複数に枝分かれする部分を肺胞という。
d肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織を間質という。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 誤 正 正
3誤 正 誤 正
4正 誤 正 誤
5正 正 誤 正

【正解5】
a〇
b〇
c×
喉頭から肺へ向かう気道が左右の肺へ分岐するまでの部分を「気管」といい、そこから肺の中で複数に枝分かれする部分を「気管支」という。
d〇

問 6 消化器系に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a消化には、消化腺から分泌される消化液による化学的消化と、咀嚼(食物を噛み、口腔内で粉砕すること)や消化管の運動による機械的消化とがある。
b歯の齲蝕とは、口腔内の常在細菌がタンパク質から産生する酸で歯が脱灰されることによって起こる歯の欠損のことであり、象牙質に達すると、神経が刺激されて、歯がしみたり痛みを感じるようになる。
c食道の上端と下端には括約筋があり、胃の内容物が食道や咽頭に逆流しないように防いでいる。
d小腸のうち十二指腸に続く部分の、概ね上部70%が空腸、残り30%が回腸であるが、明確な境目はない。
a b c d
1正 正 誤 誤
2正 誤 正 誤
3誤 正 誤 正
4誤 誤 正 正
5誤 正 正 誤

【正解2】
a〇
b×
口腔内の常在細菌が「糖質」から産生する酸で歯が脱灰されることによって起こる。
c〇
d×
小腸のうち十二指腸に続く部分の、概ね上部「40%」が空腸、残り約「60%」が回腸である。

問 7 腎臓及び副腎に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a腎臓には、心臓から拍出される血液の1/5~1/4が流れている。
b腎臓は、血圧を一定範囲内に保つ上で重要な役割を担っている。
c副腎は、皮質と髄質の2層構造からなる。
d副腎皮質では、自律神経系に作用するアドレナリン(エピネフリン)とノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が産生・分泌される。
a b c d
1正 誤 誤 正
2正 誤 正 誤
3誤 正 誤 正
4正 正 正 誤
5誤 正 誤 誤

【正解4】
a〇
b〇
c〇
d×
副腎「髄質」では、自律神経系に作用するアドレナリン(エピネフリン)とノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が産生・分泌される。

問 8 骨格系及び筋組織に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a骨には、身体各部の支持機能、臓器保護機能、造血機能などがある。
b骨の破壊(骨吸収)と修復(骨形成)は、骨が成長するまで繰り返され、成長した後は停止する。
c骨格筋は、筋線維を顕微鏡で観察すると横縞模様(横紋)が見えるので横紋筋とも呼ばれ、収縮力が強く、自分の意識どおりに動かすことができる随意筋である。
d筋組織は、神経からの指令によって収縮するが、随意筋は自律神経系で支配されているのに対して、不随意筋は体性神経系に支配されている。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解2】
a〇
b×
骨の破壊(骨吸収)と修復(骨形成)は、「成長が停止した後も一生を通じて行われている」。
c〇
d×
随意筋は「体性神経系」で支配されるのに対して、不随意筋は「自律神経系」に支配されている。

問 9 血液に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aアルブミンは、血液の浸透圧を保持する働きがあるほか、ホルモンや医薬品の成分等と複合体を形成して、それらが血液によって運ばれるときに代謝や排泄を受けにくくする。
bヘモグロビンは、酸素が少ないところで酸素分子と結合し、酸素と二酸化炭素が多いところで酸素分子を放出する性質がある。
c白血球のうち好中球は、最も数が少なく、白血球の約5%であるが、血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができ、感染が起きた組織に遊走して集まり、細菌やウイルス等を食作用によって取り込んで分解する。
d血管の損傷部位では、血小板から放出される酵素によって血液を凝固させる一連の反応が起こり、血漿タンパク質の一種であるフィブリノゲンが傷口で重合して線維状のフィブリンとなる。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 誤 正 誤
3誤 正 誤 正
4正 誤 誤 正
5正 正 誤 正

【正解4】
a〇
b×
ヘモグロビンは、酸素量の「多い」ところで酸素分子と結合し、「酸素が少なく」二酸化炭素が多いところで酸素分子を放出する性質がある。
c×
好中球は、最も数が「多く」、白血球の「約60%」を占めている。
d〇

問 10 消化酵素に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a唾液には、デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素(プチアリン。唾液アミラーゼともいう。)が含まれる。
b胃から分泌されるペプシノーゲンは、胃酸によってタンパク質を消化する酵素であるペプシンとなり、胃酸とともに胃液として働く。
cトリプシンは、胃で半消化されたタンパク質(ペプトン)をさらに細かく消化する酵素である。
d脂質(トリグリセリド)は、消化酵素(マルターゼ)の作用によって分解を受けるが、大腸粘膜の上皮細胞で吸収されると脂質に再形成される。
a b c d
1誤 正 正 正
2正 誤 誤 正
3誤 正 誤 正
4正 誤 正 誤
5正 正 正 誤

【正解5】
a〇
b〇
c〇
d×
脂質は、消化酵素「リパーゼ」の作用によって分解を受けるが、「小腸」粘膜の上皮細胞で吸収されると脂質に再形成される。

問 11 交感神経系及び副交感神経系に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a概ね、交感神経系は体が食事や休憩等の安息状態となるように働き、副交感神経系は体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働く。
b交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質はアセチルコリンであり、副交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質はノルアドレナリンである。
c交感神経系と副交感神経系は、互いに拮抗して働き、一方が活発になっているときには他方は活動を抑制して、効果を及ぼす各臓器・器官(効果器)を制御している。
d目は、交感神経系が活発になると瞳孔が散大し、副交感神経系が活発になると瞳孔が収縮する。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解4】
a×
交感神経系は体が「闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとる」ように働き、副交感神経系は体が「食事や休憩等の安息状態となる」ように働く。
b×
交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質は「ノルアドレナリン」であり、副交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質は「アセチルコリン」である。
c〇
d〇

問 12 医薬品の剤形及びその特徴に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a口腔内崩壊錠は、口の中の唾液で速やかに溶ける工夫がなされているため、水なしで服用することができる。
b経口液剤は、有効成分の血中濃度が上昇しやすいため、習慣性や依存性がある成分が配合されているものの場合、本来の目的と異なる不適正な使用がなされることがある。
cカプセル剤は、カプセル内に散剤や顆粒剤、液剤等を充填した剤形であり、内服用の医薬品として広く用いられているが、カプセルの原材料であるゼラチンはブタなどのタンパク質を主成分としているため、ゼラチンに対してアレルギーを持つ人は使用を避けるなどの注意が必要である。
dクリーム剤は、有効成分が適用部位に留まりやすいという特徴があり、適用部位を水から遮断したい場合に用いる。
a b c d
1正 正 正 誤
2誤 誤 正 正
3誤 正 誤 正
4正 誤 正 誤
5正 正 誤 正

【正解1】
a〇
b〇
c〇
d×
適用部位を水から遮断したい場合に用いるのは「軟膏剤」である。
クリーム剤は、「患部を水で洗い流したい場合等」に用いられる。

問 13 口腔粘膜からの吸収によって効果を発揮する医薬品の成分として、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

aアスピリン
bアセトアミノフェン
cニコチン
dニトログリセリン
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解4】
a×
b×
c〇
ニコチン:禁煙補助薬(咀嚼剤)
d〇
ニトログリセリン:抗狭心症薬(舌下錠、スプレー)

問 14 医薬品の吸収及び分布に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a一般に、消化管からの吸収は、濃度が高い方から低い方へ受動的に拡散していく現象である。
b消化管での吸収量や吸収速度は、消化管内容物や他の医薬品の作用によって影響を受ける。
c鼻腔の粘膜に適用する一般用医薬品の中には、全身作用を目的として製造販売されているものがある。
d有効成分が皮膚から浸透して体内の組織で作用する医薬品の場合、浸透する量は皮膚の状態、傷の有無やその程度などによって影響を受ける。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 正 正 正
3誤 誤 誤 正
4正 誤 正 誤
5正 正 誤 正

【正解5】
a〇
b〇
c×
一般用医薬品には全身作用を目的とした点鼻薬は「ない」。
d〇

問 15 医薬品の代謝及び排泄に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a医薬品の有効成分が代謝を受けると、作用を失ったり、作用が現れたり、あるいは体外へ排泄されやすい水溶性の物質に変化する。
b排泄とは、代謝によって生じた物質(代謝物)が尿等で体外へ排出されることであり、有効成分は未変化体のままで、あるいは代謝物として、主に、腎臓から尿中へ、肝臓から胆汁中へ、又は肺から呼気中へ排出される。
c経口投与された医薬品の多くは、その有効成分が消化管の毛細血管から血液中に移行し、その後全身循環に入る前に、門脈を経由して、肝臓に存在する酵素の働きで代謝を受ける。
d多くの有効成分は、血液中で血漿タンパク質と結合して複合体を形成しているが、薬物代謝酵素の作用により代謝されてしまう。
a b c d
1正 正 正 誤
2誤 誤 正 正
3誤 正 誤 正
4正 誤 正 誤
5正 正 誤 正

【正解1】
a〇
b〇
c〇
d×
薬物代謝酵素の作用で代謝「されない」。

問 16 ショック(アナフィラキシー)に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a生体異物に対する遅延型のアレルギー反応の一種である。
b医薬品が原因物質である場合、以前にその医薬品によって蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人では、起きる可能性が低い。
c一般に、顔や上半身の紅潮・熱感、蕁麻疹、手足のしびれ感、吐きけ、顔面蒼白、冷や汗、胸苦しさなど、複数の症状が現れる。
d一旦発症すると病態は急速に悪化することが多く、適切な対応が遅れるとチアノーゼや呼吸困難等を生じ、死に至ることがある。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解4】
a×
生体異物に対する「即時型」のアレルギー反応の一種である。
b×
以前にその医薬品によって蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人で起きる可能性が「高い」。
c〇
d〇

問 17 医薬品の副作用である間質性肺炎に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a一般的に、医薬品の使用開始から1~2ヶ月程度で起きることが多い。
b息切れ・息苦しさ等の呼吸困難、空咳、発熱等の症状を呈する。
cかぜや気管支炎の症状と区別することは容易である。
d悪化すると肺線維症に移行することがある。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解3】
a×
医薬品の使用開始から「1~2週間」程度で起きることが多い。
b〇
c×
かぜや気管支炎の症状と区別が「難しい」。
d〇

問 18 医薬品による肝機能障害に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a有効成分又はその代謝物による直接的肝毒性が原因で起きる中毒性のものがある。
b有効成分に対する抗原抗体反応が原因で起きるアレルギー性のものがある。
c主な症状には、全身の倦怠感、黄疸等がある。
d漫然と原因と考えられる医薬品を使用し続けると、不可逆的な病変(肝不全)を生じ、死に至ることもある。
a b c d
1誤 正 誤 誤
2正 誤 正 正
3誤 誤 誤 正
4正 誤 正 誤
5正 正 正 正

【正解5】
a〇
b〇
c〇
d〇

問 19 消化器系に現れる副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aイレウス様症状は、医薬品の作用によって腸管運動が麻痺して、腸内容物の通過が妨げられ、激しい腹痛やガス排出(おなら)の停止、嘔吐、腹部膨満感を伴う著しい便秘が現れる。
b消化性潰瘍は、胃や十二指腸の粘膜組織が傷害されて、粘膜組織の一部が粘膜筋板を超えて欠損する状態である。
c消化性潰瘍は、悪化すると、腸内細菌の異常増殖によって全身状態の衰弱が急激に進行する可能性がある。
d浣腸剤や坐剤の使用によって現れる一過性の症状に、肛門部の熱感等の刺激、異物の注入による不快感、排便直後の立ちくらみなどがある。
a b c d
1正 正 誤 正
2正 正 正 誤
3誤 誤 正 正
4誤 正 誤 正
5正 誤 正 誤

【正解1】
a〇
b〇
c×
「イレウス様症状」は、悪化すると、腸内細菌の異常増殖によって全身状態の衰弱が急激に進行する可能性がある。
d〇

問 20 皮膚に現れる副作用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a薬疹とは、医薬品によって引き起こされるアレルギー反応の一種で、発疹・発赤等の皮膚症状を呈する場合をいう。
b薬疹が現れた場合に、痒み等の症状に対して、一般の生活者が自己判断で対症療法を行うことは、原因の特定を困難にするおそれがあるため、避けるべきである。
c医薬品による接触皮膚炎では、原因となる医薬品の使用の中止後、1週間程度で症状が治まり、再びその医薬品に触れても再発することはない。
d光線過敏症の症状は、医薬品が触れた部分から全身へ広がることはない。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解1】
a〇
b〇
c×
通常は1週間程度で症状は治まるが、再びその医薬品に触れると「再発する」。
d×
医薬品が触れた部分「だけでなく、全身へ広がって重篤化する場合がある」。

第3章 主な医薬品とその作用

問 1 かぜ薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aチペピジンヒベンズ酸塩は、延髄の咳嗽中枢に作用して咳を抑える。
bアスピリンは、血液を凝固しにくくさせる作用がある。
cメキタジンは、肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げることにより、ヒスタミンの働きを抑える作用を示す。
d香蘇散は、体力中等度又はやや虚弱で、多くは腹痛を伴い、ときに微熱・寒気・頭痛・吐きけなどのあるものの胃腸炎、かぜの中期から後期の症状に適すとされる。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 誤 誤 正
3正 正 正 誤
4誤 誤 誤 正
5正 正 誤 正

【正解3】
a〇
b〇
c〇
d×
記述は、「柴胡桂枝湯」の内容。
香蘇散は、体力虚弱で、神経過敏で気分がすぐれず胃腸の弱いもののかぜの初期、血の道症に適すとされる。

問 2 解熱鎮痛薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a専ら小児の解熱に用いる製品として、アスピリンが配合された坐薬がある。
bイソプロピルアンチピリンは、非ピリン系解熱鎮痛成分として用いられている。
cアセトアミノフェン、カフェイン、エテンザミドの組み合わせは、それぞれの頭文字から「ACE処方」と呼ばれる。
dイブプロフェンは、まれに重篤な副作用として、肝機能障害を生じることがある。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解4】
a×
専ら小児の解熱に用いる製品として、「アセトアミノフェン」が配合された坐薬がある。
b×
イソプロピルアンチピリンは、「ピリン系」解熱鎮痛成分として用いられている。
c〇
d〇

問 3 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a脳内におけるヒスタミン刺激を増加させることにより、眠気を促す。
b妊婦又は妊娠していると思われる女性でも、使用を避ける必要はない。
c慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人を対象としている。
d目が覚めたあとも、注意力の低下やめまいを起こすことがあるので、注意が必要である。
a b c d
1誤 正 誤 誤
2正 誤 誤 正
3正 正 正 正
4誤 誤 誤 正
5正 誤 正 誤

【正解4】
a×
脳内におけるヒスタミン刺激が「低下すると」、眠気を促す。
b×
妊婦又は妊娠していると思われる女性は、使用を避ける必要が「ある」。
c×
慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人を対象と「するものではない」。
d〇

問 4 眠気を防ぐ薬(眠気防止薬)及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aカフェインには、作用は弱いながら反復摂取により依存を形成する性質がある。
b小児用の眠気防止薬として、無水カフェインを用いる。
cチアミン塩化物塩酸塩は、眠気による倦怠感を和らげる補助成分として配合されている。
dかぜ薬やアレルギー用薬などを使用したことによる眠気を抑えるために、眠気防止薬を使用するのは適切ではない。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 正 誤 誤
3正 誤 正 正
4誤 正 正 正
5正 誤 誤 正

【正解3】
a〇
b×
成長期の小児の発育には睡眠が重要であることから、小児用の眠気防止薬はない。
c〇
d〇

問 5 鎮暈薬(乗物酔い防止薬)及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

aジフェニドール塩酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す。
bメクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて、作用が現れるのが遅く、持続時間が長い。
cジプロフィリンは、消化管の緊張を低下させることにより、乗物酔いに伴う吐きけを抑える。
d乗物酔い防止薬には、吐きけを抑える成分も配合されているため、つわりに伴う吐きけへの対処にも使用される。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解1】
a〇
b〇
c×
ジプロフィリンは、「脳に軽い興奮を起こさせて平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させる」。
d×
つわりに伴う吐きけへの対処「として使用することは適当でない」。

問 6 小児の疳及び小児鎮静薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a小児では、特段身体的な問題がなく、基本的な欲求が満たされていても、夜泣き、ひきつけ、疳の虫の症状が現れることがある。
b小児鎮静薬として使用される漢方処方製剤は、作用が穏やかであるため、生後3ヶ月未満の乳児にも使用することができる。
c小児鎮静薬は、症状の原因となる体質の改善を主眼としているものが多く、比較的長期間(1ヶ月位)継続して服用されることがある。
dカンゾウは、小児の疳を適応症とする生薬製剤には配合できない。
a b c d
1誤 正 正 正
2正 誤 誤 正
3正 誤 正 誤
4誤 誤 誤 正
5正 正 誤 誤

【正解3】
a〇
b×
用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合にあっても、生後3ヶ月未満の乳児には「使用しないこと」となっている。
c〇
d×
カンゾウは、小児の疳を適応症とする生薬製剤では主として健胃作用を期待して「用いられる」。

問 7 鎮咳去痰薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は、中枢神経系に作用して咳を抑える。
bグアイフェネシンは、気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させ、気管支を拡張させる。
cカルボシステインは、粘液成分の含量比を調整し痰の切れを良くする。
dトリメトキノール塩酸塩水和物は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる。
a b c d
1誤 正 正 正
2正 誤 正 正
3正 誤 正 誤
4誤 正 誤 正
5正 正 誤 誤

【正解2】
a〇
b×
記述は、「ジプロフィリン等のキサンチン系成分」の内容。
グアイフェネシンは、気道粘膜からの粘液の分泌を促進する。
c〇
d〇

問 8 口腔咽喉薬、含嗽薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a駆風解毒湯は、体力に関わらず使用でき、喉が腫れて痛む扁桃炎、扁桃周囲炎に適すとされる。
bトラネキサム酸は、声がれ、喉の荒れ、喉の不快感、喉の痛み又は喉の腫れの症状を鎮めることを目的として配合されている。
cデカリニウム塩化物は、炎症を生じた粘膜組織の修復を促すことを目的として配合されている。
dバセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患の診断を受けた人では、ヨウ素系殺菌消毒成分が配合された含嗽薬を使用する前に、その使用の適否について、治療を行っている医師等に相談するなどの対応が必要である。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 誤 誤 正
3正 正 正 誤
4誤 誤 誤 正
5正 正 誤 正

【正解5】
a〇
b〇
c×
記述は、「アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)」の内容。
デカリニウム塩化物は、口腔内や喉に付着した細菌等の微生物を死滅させたり、その増殖を抑える殺菌消毒成分である。
d〇

問 9 胃の薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a消化薬は、胃液の分泌亢進による胃酸過多や、それに伴う胸やけ、腹部の不快感、吐きけ等の症状を緩和することを目的とする医薬品である。
b合成ヒドロタルサイトは、消化管内容物中に発生した気泡の分離を促すことを目的として配合されている。
cソファルコンは、胃粘膜を保護し、荒れた胃粘膜の修復を促すことを期待して配合されている。
dロートエキスは、過剰な胃液の分泌を抑えることを期待して配合されている。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解4】
a×
記述は、「制酸薬」の内容。
消化薬は、炭水化物、脂質、タンパク質等の分解に働く酵素を補う等により、胃や腸の内容物の消化を助けることを目的とする医薬品である。
b×
記述は、「ジメチルポリシロキサン(別名ジメチコン)」の内容。
合成ヒドロタルサイトは、中和反応によって胃酸の働きを弱める制酸成分である。
c〇
d〇

問 10 腸の薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a整腸薬、瀉下薬では、医薬部外品として製造販売されている製品はない。
bトリメブチンマレイン酸塩は、消化管の平滑筋に直接作用して、消化管の運動を調整する作用があるとされる。
c大黄牡丹皮湯は、胃腸が弱く下痢しやすい人に適している。
d麻子仁丸は、構成生薬としてダイオウを含む。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解3】
a×
整腸薬、瀉下薬では、医薬部外品として製造販売されている製品も「ある」。
b〇
c×
胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、「不向きとされる」。
d〇

問 11 止瀉薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aタンニン酸ベルベリンは、収斂作用と抗菌作用を併せ持つ。
b沈降炭酸カルシウムは、腸管内の異常発酵等によって生じた有害な物質を吸着させることを目的として配合されている。
cビスマスを含む成分は、収斂作用のほか、腸内で発生した有毒物質を分解する作用も持つとされるため、細菌性の下痢や食中毒のときに使用するとよい。
dロペラミド塩酸塩は、中枢神経系を抑制する作用があり、副作用としてめまいや眠気が現れることがある。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 誤 誤 正
3正 正 正 誤
4誤 誤 誤 正
5正 正 誤 正

【正解5】
a〇
b〇
c×
細菌性の下痢や食中毒のときに使用して腸の運動を鎮めると、かえって状態を悪化させるおそれがある。
d〇

問 12 瀉下薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

aヒマシ油は、妊婦や3歳未満の乳幼児では使用を避けることとされている。
b酸化マグネシウムは、腸内容物の浸透圧を下げることで糞便中の水分量を増やす。
cダイオウは、授乳中の女性が服用すると、吸収された成分の一部が乳汁中に移行し、乳児に下痢を生じさせるおそれがある。
dセンノシドは、小腸でリパーゼの働きによって生じる分解物が、小腸を刺激することで瀉下作用をもたらすと考えられている。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解2】
a〇
b×
腸内容物の浸透圧を「高める」ことで糞便中の水分量を増す。
c〇
d×
記述は、「ヒマシ油」の内容。
センノシドは、大腸に生息する腸内細菌によって分解され、分解生成物が大腸を刺激して瀉下作用をもたらす。

問 13 胃腸鎮痛鎮痙薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aオキセサゼインは、局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるとされ、胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方の目的で使用される。
bブチルスコポラミン臭化物は、口渇、便秘、排尿困難等の副作用が現れることがある。
cパパベリン塩酸塩は、中枢神経に働いて、主に胃液分泌を抑える。
dチキジウム臭化物は、消化管の粘膜及び平滑筋に対する麻酔作用による鎮痛鎮痙の効果を期待して配合されている。
a b c d
1誤 誤 正 正
2正 正 誤 誤
3誤 正 誤 誤
4正 正 誤 正
5正 誤 正 正

【正解2】
a〇
b〇
c×
パパベリン塩酸塩は、「消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示す。胃液分泌を抑える作用は見出されない」。
d×
記述は、「アミノ安息香酸エチル、オキセサゼイン等の局所麻酔成分」の内容。
チキジウム臭化物は、鎮痛鎮痙、胃酸過多、胸やけに対する効果を期待して用いられる抗コリン成分である。

問 14 浣腸薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a炭酸水素ナトリウムは、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促す効果を期待して配合されている。
bグリセリンが配合された浣腸薬は、直腸の粘膜に損傷があり出血しているときに使用すると、腎不全を起こすおそれがある。
cビサコジルは、直腸内で徐々に分解して炭酸ガスの微細な気泡を発生することで直腸を刺激する作用を期待して用いられる。
d注入剤の薬液を注入した後すぐに排便を試みると、薬液のみが排出されて効果が十分得られないことから、便意が強まるまでしばらく我慢する。
a b c d
1誤 正 誤 正
2正 誤 正 誤
3誤 正 誤 誤
4正 誤 誤 正
5正 正 正 正

【正解1】
a×
記述は、「グリセリン、ソルビトール」の内容。
炭酸水素ナトリウムは、直腸内で徐々に分解して炭酸ガスの微細な気泡を発生することで直腸を刺激する。
b〇
c×
記述は、「炭酸水素ナトリウム」の内容。
ビサコジルは、結腸や直腸の粘膜を刺激して排便を促すと考えられていて、内服でも用いられる。
d〇

問 15 寄生虫、駆虫薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a回虫や蟯虫の感染は、その感染経路から、通常、衣食を共にする家族全員にその可能性がある。
b回虫は、肛門から這い出してその周囲に産卵するため、肛門部の痒みやそれに伴う不眠、神経症を引き起こすことがある。
c駆虫薬は、腸管内に生息する虫体のほか、虫卵にも作用する。
dピペラジンリン酸塩は、蟯虫の呼吸や栄養分の代謝を抑えて殺虫作用を示す。
a b c d
1誤 正 誤 正
2正 誤 正 誤
3誤 正 誤 誤
4正 誤 誤 誤
5誤 正 正 正

【正解4】
a〇
b×
記述は、「蟯虫」の内容。
回虫は、腹痛や下痢、栄養障害等の消化器症状のほか、呼吸器等にも障害を引き起こすことがある。
c×
腸管内に生息する「虫体にのみ作用し、虫卵には駆虫作用が及ばない」。
d×
記述は、「パモ酸ピルビニウム」の内容。
ピペラジンリン酸塩は、アセチルコリン伝達を妨げて、回虫及び蟯虫の運動筋を麻痺させる作用を示す。

問 16 次の強心薬の配合成分のうち、有効域が比較的狭い成分であり、1日用量として5㎎を超えて含有する医薬品が、劇薬に指定されているものを1つ選びなさい。

1ジャコウ
2ゴオウ
3ロクジョウ
4ユウタン
5センソ

【正解5】

問 17 コレステロール及び高コレステロール改善薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

aコレステロールは、水に溶けにくい物質であるため、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在する。
b脂質異常症とは、低密度リポタンパク質(LDL)が140mg/dL以上、高密度リポタンパク質(HDL)が40mg/dL未満、中性脂肪が150mg/dL以上のすべてを満たす状態をいう。
c高コレステロール改善薬は、結果的に生活習慣病の予防につながるものであるが、ウエスト周囲径(腹囲)を減少させるなどの痩身効果を目的とする医薬品ではない。
dリボフラビンの摂取によって尿が黄色くなった場合、使用を中止する必要がある。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解2】
a〇
b×
すべてではなく、「いずれかである」状態を脂質異常症という。
c〇
d×
使用の中止を要する副作用等の異常ではない。

問 18 貧血用薬(鉄製剤)及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a貧血は、その原因によりビタミン欠乏性貧血、鉄欠乏性貧血等に分類されるが、鉄製剤で改善できるのは、鉄欠乏性貧血のみである。
b鉄分の吸収は、空腹時のほうが高いとされているが、消化器系への副作用を軽減するには、食後に服用することが望ましい。
c鉄欠乏性貧血を予防するため、貧血の症状がみられる以前から予防的に鉄製剤を使用することが適当である。
d葉酸は、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として配合されている。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解1】
a〇
b〇
c×
貧血の症状がみられる以前から予防的に貧血用薬(鉄製剤)を使用することは適当で「ない」。
d×
「ビタミンC(アスコルビン酸等)」は、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられる。

問 19 循環器用薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aルチンは、ニコチン酸が遊離し、そのニコチン酸の働きによって末梢の血液循環を改善する作用を示すとされる。
bユビデカレノンは、心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を抑えることによって、血液循環の改善効果を示すとされる。
c日本薬局方収載のコウカを煎じて服用する製品は、冷え症及び血色不良に用いられる。
a b c
1誤 正 正
2正 誤 正
3正 誤 誤
4誤 誤 正
5正 正 誤

【正解4】
a×
記述は、「へプロニカート、イノシトールヘキサニコチネート」の内容。
ルチンは、ビタミン様物質の一種で、高血圧等における毛細血管の補強、強化の効果を期待して用いられる。
b×
心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を「高める」ことによって、血液循環の改善効果を示すとされる。
c〇

問 20 痔の薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a一般用医薬品は、肛門部又は直腸内に適用する外用薬のみとなっている。
bクロタミトンは、局所への穏やかな刺激によって痒みを抑える効果を期待して、配合されている。
cカイカクは、主に麻酔作用を期待して用いられる。
d乙字湯は、体力中等度以上で大便がかたく、便秘傾向のあるものの痔核(いぼ痔)、切れ痔、便秘、軽度の脱肛に適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解3】
a×
肛門部又は直腸内に適用する外用薬(外用痔疾用薬)「と内服して使用する内用薬(内用痔疾用薬)がある」。
b〇
c×
カイカクは、主に「止血効果」を期待して用いられる。
d〇

問 21 次の記述に当てはまる漢方処方製剤として、最も適切なものを1つ選びなさい。

 体力中等度以上で、下腹部に熱感や痛みがあるものの排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ(おりもの)、頻尿に適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。

1牛車腎気丸
2八味地黄丸
3六味丸
4猪苓湯
5竜胆瀉肝湯

【正解5】

問 22 婦人薬及びその適用対象となる体質・症状に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a月経の約10~3日前に現れ、月経開始と共に消失する腹部膨満感、頭痛、乳房痛などの身体症状や感情の不安定、抑うつなどの精神症状を主体とするものを、月経前症候群という。
b妊娠中の女性ホルモン成分の摂取によって、胎児の先天性異常の発生が報告されており、妊婦又は妊娠していると思われる女性では、エストラジオールを含有する医薬品の使用を避ける必要がある。
c加味逍遙散は、まれに重篤な副作用として、肝機能障害、腸間膜静脈硬化症を生じることがあり、構成生薬としてカンゾウを含む。
d桃核承気湯は、妊婦又は妊娠していると思われる女性、授乳婦における使用に関して留意する必要があり、構成生薬としてマオウを含む。
a b c d
1誤 正 正 正
2正 誤 誤 正
3正 正 正 誤
4誤 誤 誤 正
5正 正 誤 誤

【正解3】
a〇
b〇
c〇
d×
構成生薬として、カンゾウ、ダイオウを含むが、「マオウは含まない」。

問 23 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)の配合成分とその配合目的の組み合わせについて、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

aメチルエフェドリン塩酸塩  ― ヒスタミンの働きを抑える
bグリチルリチン酸二カリウム ― 抗炎症作用により、皮膚や鼻粘膜の炎症を和らげる
cクレマスチンフマル酸塩   ― 交感神経系を刺激して、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる
dヨウ化イソプロパミド    ― 副交感神経系の働きを抑えて、鼻汁分泌やくしゃみを抑える
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解3】
a×
メチルエフェドリン塩酸塩 ― 「交感神経系を刺激して、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる」
b〇
c×
クレマスチンフマル酸塩 ― 「ヒスタミンの働きを抑える」
d〇

問 24 鼻炎及び鼻炎用点鼻薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aアレルギー性鼻炎は、鼻腔内に付着したウイルスや細菌が原因となって生じる鼻粘膜の炎症で、かぜの随伴症状として現れることが多い。
bリドカイン塩酸塩は、鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として配合されている。
cナファゾリン塩酸塩が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまりがひどくなりやすい。
dベンザルコニウム塩化物は、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌又はカンジダ等の真菌類に対する殺菌消毒作用を示す。
a b c d
1誤 正 正 正
2正 誤 誤 正
3正 正 正 誤
4誤 誤 誤 正
5正 正 誤 誤

【正解1】
a×
記述は、「急性鼻炎」の内容。
アレルギー性鼻炎は、ハウスダストや花粉等のアレルゲンに対する過敏反応によって引き起こされる鼻粘膜の炎症である。
b〇
c〇
d〇

問 25 眼科用薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a人工涙液は、涙液成分を補うことを目的とするもので、目の疲れやコンタクトレンズ装着時の不快感等には用いられない。
bイプシロン-アミノカプロン酸は、新陳代謝を促し、目の疲れを改善する効果を期待して配合されている。
cホウ酸は、洗眼薬として用時水に溶解し、結膜嚢の洗浄・消毒に用いられる。
d一般的に、点眼薬の1滴の薬液量は、結膜嚢の容積より少ない。
a b c d
1誤 正 正 正
2正 誤 誤 正
3正 正 正 誤
4誤 誤 正 誤
5正 正 誤 誤

【正解4】
a×
目の疲れや乾き、コンタクトレンズ装着時の不快感等に「用いられる」。
b×
記述は、「アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム等のアミノ酸成分」の内容。
イプシロン‐アミノカプロン酸は、炎症の原因となる物質の生成を抑える作用を示し、目の炎症を改善する抗炎症成分である。
c〇
d×
点眼薬の1滴の薬液量は、結膜嚢の容積より「多い」。
1滴の薬液量は約50μLであるのに対して、結膜嚢の容積は30μL程度とされている。

問 26 きず口等の殺菌消毒薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aオキシドール(過酸化水素水)は、組織への浸透性が低く、刺激性がない。
bヨードチンキは、化膿している部位に使用された場合、かえって症状を悪化させるおそれがある。
cエタノール(消毒用エタノール)は、皮膚刺激性が強いため、患部表面を軽く清拭するにとどめ、脱脂綿やガーゼに浸して患部に貼付することは避けるべきとされている。
dレゾルシンは、細菌や真菌類のタンパク質を変性させることにより殺菌消毒作用を示し、患部の化膿を防ぐことを目的として用いられる。
a b c d
1誤 正 正 正
2正 誤 誤 正
3正 正 正 誤
4誤 誤 正 誤
5正 正 誤 誤

【正解1】
a×
オキシドール(過酸化水素水)は、組織への浸透性は低いが、刺激性が「ある」。
b〇
c〇
d〇

問 27 外皮用薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a打撲や捻挫の急性の腫れに対しては、温感刺激成分が配合された外用鎮痛薬が適すとされる。
b皮下の知覚神経に麻痺を起こさせる成分として、アンモニアが主に虫さされによる痒みに用いられるが、皮膚刺激性が強いため、粘膜や目の周りへの使用は避ける必要がある。
cデキサメタゾンは、分子内にステロイド骨格を持たず、抗炎症作用を示す非ステロイド性抗炎症成分である。
dケトプロフェンは、医療用医薬品の有効成分であるフェノフィブラートを含有する脂質異常症用薬(内服)でアレルギー症状を起こしたことがある人に対して、使用を避けることとされている。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解3】
a×
打撲や捻挫の急性の腫れに対しては、「冷感」刺激成分が配合された外用鎮痛薬が適すとされる。
b〇
c×
記述は、「インドメタシン、ケトプロフェン、ピロキシカム等」の内容。
デキサメタゾンは、ステロイド骨格を持つ化合物が人工的に合成され、抗炎症成分として用いられるステロイド性抗炎症成分である。
d〇

問 28 次の記述は、にきびと吹き出物の治療に関するものである。(  )にあてはまる字句として、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。なお、同じ記号の(  )には同じ字句が入る。

 にきび、吹き出物は、最も一般的に生じる( a )である。その発生要因の一つとして、老廃物がつまった毛穴の中で( b )であるアクネ菌が繁殖することが挙げられる。
 ( c )は、細菌のDNA合成を阻害することにより抗菌作用を示すことで、( a )の治療に使用される。

1a化膿性皮膚疾患   b皮膚常在菌  cクロラムフェニコール
2a化膿性皮膚疾患   b皮膚常在菌  cスルファジアジン
3a表在性真菌感染症  b皮膚糸状菌  cスルファジアジン
4a表在性真菌感染症  b皮膚常在菌  cクロラムフェニコール
5a化膿性皮膚疾患   b皮膚糸状菌  cスルファジアジン

【正解2】
 にきび、吹き出物は、最も一般的に生じる( a化膿性皮膚疾患 )である。その発生要因の一つとして、老廃物がつまった毛穴の中で( b皮膚常在菌 )であるアクネ菌が繁殖することが挙げられる。
 ( cスルファジアジン )は、細菌のDNA合成を阻害することにより抗菌作用を示すことで、( a化膿性皮膚疾患 )の治療に使用される。

問 29 毛髪用薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a毛髪用薬のうち、配合成分やその分量等にかんがみて人体に対する作用が緩和なものについては、医薬部外品(育毛剤、養毛剤)として製造販売されている。
bカルプロニウム塩化物は、末梢組織(適用局所)において、抗コリン作用を示し、頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して配合されている。
cチクセツニンジンは、頭皮における脂質代謝を高めて、余分な皮脂を取り除く作用を期待して配合されている。
dカシュウは、抗菌、抗炎症などの作用を期待して配合されている。
a b c d
1誤 正 正 正
2正 誤 誤 正
3正 正 正 誤
4誤 誤 正 誤
5正 誤 誤 誤

【正解5】
a〇
b×
抗コリン作用ではなく、「コリン作用」である。
c×
記述は、「カシュウ」の内容。
チクセツニンジンは、血行促進、抗炎症などの作用を期待して用いられる。
d×
記述は、「ヒノキチオール」の内容。
カシュウは、頭皮における脂質代謝を高めて、余分な皮脂を取り除く作用を期待して用いられる。

問 30 歯痛・歯槽膿漏及び歯痛薬の配合成分に関する記述について、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a歯痛は、多くの場合、歯の齲蝕とそれに伴う歯髄炎によって起こる。
b歯痛薬は、歯の齲蝕による歯痛を応急的に鎮め、歯の齲蝕を修復する医薬品である。
c歯周炎(歯槽膿漏)は、歯肉炎が重症化して、炎症が歯周組織全体に広がることによって起こる。
dセチルピリジニウム塩化物は、齲蝕により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮めることを目的として配合されている。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解2】
a〇
b×
歯痛薬は、歯の齲蝕による歯痛を応急的に鎮めることを目的とする一般用医薬品であり、「歯の齲蝕が修復されることはない」。
c〇
d×
記述は、「アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩、テーカイン等の局所麻酔成分」の内容。
セチルピリジニウム塩化物は、細菌の繁殖を抑えることを目的とする殺菌消毒成分である。

問 31 禁煙補助剤に関する記述について、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a咀嚼剤は、噛むことで放出されたニコチンが胃粘膜から吸収されて循環血液中に移行することを目的としている。
b咀嚼剤は、口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が促進されるため、炭酸飲料を摂取した後はしばらく使用を避ける。
cニコチン離脱症状を軽減しながら、徐々に禁煙補助剤の使用量を減らしていくこととし、初めから無理に減らそうとしないほうが、結果的に禁煙達成につながる。
d重い心臓病等の基礎疾患がある人では、循環器系に重大な悪影響を及ぼすおそれがあるため、使用を避ける必要がある。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解4】
a×
噛むことで放出されたニコチンが「口腔粘膜」から吸収されて循環血液中に移行する。
b×
口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が「低下する」。
c〇
d〇

問 32 ビタミン主薬製剤に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aビタミンA主薬製剤は、肩・首すじのこり、手足のしびれ・冷え、しもやけの症状の緩和に用いられる。
bビタミンB2主薬製剤は、口角炎、口唇炎、口内炎、皮膚炎、にきびなどの症状の緩和に用いられる。
cビタミンC主薬製剤は、しみ、そばかす、日焼けによる色素沈着の症状の緩和、歯ぐきからの出血の予防に用いられる。
dビタミンE主薬製剤は、骨歯の発育不良、くる病の予防に用いられる。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 誤 誤 正
3正 誤 正 誤
4誤 正 誤 正
5正 誤 正 正

【正解1】
a×
記述は、「ビタミンE主薬製剤」の内容。
ビタミンA主薬製剤は、目の乾燥感、夜盲症(とり目、暗所での見えにくさ)の症状の緩和等に用いられる。
b〇
c〇
d×
記述は、「ビタミンD主薬製剤」の内容。
ビタミンE主薬製剤は、肩・首すじのこり、手足のしびれ・冷え、しもやけの症状の緩和等に用いられる。

問 33 滋養強壮保健薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aビオチンは、皮膚や粘膜などの機能を維持することを助ける栄養素として配合されている。
bグルクロノラクトンは、生体におけるエネルギーの産生効率を高めるとされ、骨格筋に溜まった乳酸の分解を促す等の働きを期待して配合されている。
cタウリンは、肝臓機能を改善する働きがあるとされる。
d十全大補湯は、体力虚弱なものの病後・術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血に適すとされる。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 誤 誤 正
3正 誤 正 誤
4誤 正 誤 正
5正 誤 正 正

【正解5】
a〇
b×
記述は、「アスパラギン酸ナトリウム」の内容。
グルクロノラクトンは、肝臓の働きを助け、肝血流を促進する働きがあり、全身倦怠感や疲労時の栄養補給を目的として配合されている。
c〇
d〇

問 34 漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a漢方処方は、処方全体としての適用性等、その性質からみて処方自体が一つの有効成分として独立したものという見方をすべきものである。
b患者の「証」に合った漢方処方が選択されれば、効果が期待でき、重篤な副作用が起こることはない。
c漢方の病態認識には、虚実、陰陽、気血水、五臓などがある。
d漢方処方製剤の多くは、処方に基づく生薬混合物の浸出液を濃縮して調製された乾燥エキス製剤を散剤等に加工して市販されている。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 正 誤 誤
3正 誤 正 正
4誤 正 誤 正
5誤 誤 正 正

【正解3】
a〇
b×
間質性肺炎や肝機能障害のような重篤な副作用が起こることが「ある」。
c〇
d〇

問 35 次の記述は、生薬に関するものである。該当する生薬として、正しいものを1つ選びなさい。

 サルノコシカケ科のマツホドの菌核で、通例、外層をほとんど除いたものを基原とする生薬で、利尿、健胃、鎮静等の作用を期待して用いられる。

1サイコ
2ボウフウ
3ショウマ
4ブクリョウ
5レンギョウ

【正解4】

問 36 消毒薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a手指又は皮膚の殺菌・消毒を目的とする消毒薬のうち、配合成分やその濃度等があらかじめ定められた範囲内である製品については、医薬部外品として流通することが認められている。
bイソプロパノールは、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対する殺菌消毒作用を示す。
c次亜塩素酸ナトリウムは、皮膚刺激性が弱いため、手指の消毒に適している。
d酸性消毒薬が目に入った場合は、アルカリで中和するとよい。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解1】
a〇
b〇
c×
次亜塩素酸ナトリウムは、皮膚刺激性が「強い」ため、通常「人体の消毒には用いられない」。
d×
早期に十分な水洗がされることが重要である。「酸をアルカリで中和したり、アルカリを酸で中和するといった処置は、熱を発生して刺激をかえって強め、状態が悪化するおそれがあるため適切ではない」。

問 37 衛生害虫に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aノミによる保健衛生上の害としては、主に吸血されたときの痒みであるが、ノミは、元来、ペスト等の病原細菌を媒介する衛生害虫である。
b蚊(アカイエカ、シナハマダラカ等)は、吸血によって皮膚に発疹や痒みを引き起こすほか、日本脳炎、マラリア、黄熱、デング熱等の重篤な病気を媒介する。
cハエの幼虫(ウジ)は、人の体内や皮膚などに潜り込み、組織や体液や消化器官内の消化物を食べて直接的な健康被害を与えることがある。
dゴキブリは、日本紅斑熱や発疹チフス等の病原細菌であるリケッチアを媒介する。
a b c d
1正 正 正 誤
2正 正 誤 誤
3正 誤 誤 正
4誤 正 誤 正
5誤 誤 正 正

【正解1】
a〇
b〇
c〇
d×
記述は、「シラミ」の内容。
ゴキブリは、食品にサルモネラ菌、ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、ボツリヌス菌、Oー157大腸菌等を媒介する。

問 38 殺虫剤等の配合成分とその分類の組み合わせについて、正しいものを1つ選びなさい。

1ピリプロキシフェン   ― ピレスロイド系殺虫成分
2オルトジクロロベンゼン ― 忌避成分
3フタルスリン      ― 有機塩素系殺虫成分
4プロポクスル      ― オキサジアゾール系殺虫成分
5プロペタンホス     ― 有機リン系殺虫成分

【正解5】
1×
ピリプロキシフェン―「昆虫成長阻害成分」
2×
オルトジクロロベンゼン―「有機塩素系殺虫成分」
3×
フタルスリン―「ピレスロイド系殺虫成分」
4×
プロポクスル―「カーバメイト系殺虫成分」
5〇

問 39 一般用検査薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a一般の生活者が、正しく用いて原因疾患を把握し、一般用医薬品による速やかな治療につなげることを目的として用いられる。
b薬局や店舗販売業において取り扱うことが認められている。
c対象とする生体物質を特異的に検出するように設計されている。
d検出反応が起こるための最低限の濃度を、検出感度(又は検出限界)という。
a b c d
1誤 正 誤 正
2正 誤 誤 誤
3正 誤 正 誤
4誤 正 正 正
5正 正 誤 正

【正解4】
a×
一般の生活者が正しく用いて「健康状態」を把握し、速やかな「受診」につなげることで「疾病を早期発見するためのもの」である。
b〇
c〇
d〇

問 40 尿糖・尿タンパク検査に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a尿中のタンパク値に異常を生じる要因に、尿路結石や腎炎などがある。
b尿糖・尿タンパク同時検査の場合、早朝尿(起床直後の尿)を検体とするが、尿糖が検出された場合には、食後の尿について改めて検査して判断する必要がある。
c尿糖又は尿タンパクを検出する部分を、長い間尿に浸すことで、正確な検査結果が得られる。
d食事その他の影響で、尿が中性~弱アルカリ性に傾くと、正確な検査結果が得られなくなることがある。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 正 誤 正
3正 誤 正 誤
4誤 正 誤 誤
5誤 誤 誤 正

【正解2】
a〇
b〇
c×
長い間尿に浸していると検出成分が溶け出してしまい、正確な検査結果が「得られなくなる」ことがある。
d〇

第4章 薬事に関する法規と制度

問 1 次の記述は、医薬品医療機器等法第57条第1項の条文である。(  )にあてはまる字句として、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

 医薬品は、その全部若しくは一部が( a )物質からなつているためにその医薬品を( b )危険なものにするおそれがある物とともに、又はこれと同様のおそれがある容器若しくは被包(内袋を含む。)に収められていてはならず、また、医薬品の容器又は被包は、その医薬品の( c )を誤らせやすいものであつてはならない。

1a有毒若しくは有害な   b医療上    c有効性及び安全性
2a変質若しくは変敗した  b保健衛生上  c使用方法
3a有毒若しくは有害な   b保健衛生上  c使用方法
4a変質若しくは変敗した  b医療上    c有効性及び安全性
5a有毒若しくは有害な   b医療上    c使用方法

【正解3】
 医薬品は、その全部若しくは一部が( a有毒若しくは有害な )物質からなつているためにその医薬品を( b保健衛生上 )危険なものにするおそれがある物とともに、又はこれと同様のおそれがある容器若しくは被包(内袋を含む。)に収められていてはならず、また、医薬品の容器又は被包は、その医薬品の( c使用方法 )を誤らせやすいものであつてはならない。

問 2 医薬品の定義と範囲に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a殺虫剤や器具用消毒薬のように、人の身体に直接使用されないものは、医薬品には含まれない。
b厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品の製造販売については、当該基準への適合認証をもって承認を要さないものとされている。
c日本薬局方に収載されている医薬品の中には、一般用医薬品として販売されているものはない。
d人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物は、すべて医薬品と定義される。
a b c d
1誤 正 誤 誤
2誤 誤 正 正
3正 誤 誤 誤
4正 正 誤 正
5正 誤 正 誤

【正解1】
a×
殺虫剤や器具用消毒薬のように、人の身体に直接使用されないものも、医薬品に「含まれる」。
b〇
c×
日本薬局方に収載されている医薬品の中には、一般用医薬品として販売されているものも「少なくない」。
d×
「すべてではない」。
『人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)』と定義されている。

問 3 要指導医薬品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a要指導医薬品は、患者の容態に合わせて処方量を決めて交付するものであるため、薬剤師の対面による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導が必要である。
b人体に直接使用されない検査薬で、検体の採取に身体への直接のリスクを伴うもの(例えば、血液を検体とするもの)は、要指導医薬品としては認められていない。
c要指導医薬品には、注射等の侵襲性の高い使用方法のものも含まれる。
d要指導医薬品には、生物由来の原材料が用いられているものがあり、生物由来製品として指定されたものもある。
a b c d
1正 誤 正 正
2正 誤 誤 正
3誤 正 正 誤
4誤 正 誤 誤
5誤 誤 正 誤

【正解4】
a×
「医療用医薬品」は、患者の容態に合わせて処方量を決めて交付するものである。
要指導医薬品は、あらかじめ定められた用量に基づき、適正使用することによって効果を期待するものである。
b〇
c×
注射等の侵襲性の高い使用方法は「用いられていない」。
d×
生物由来の原材料が用いられているものがあるが、現在のところ、生物由来製品として指定されたものは「ない」。

問 4 毒薬又は劇薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a一般用医薬品では劇薬に該当するものはないが、要指導医薬品では劇薬に該当するものがある。
b劇薬の直接の容器又は直接の被包には、赤地に白枠、白字をもって、当該医薬品の品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。
c一般用医薬品で、毒薬に該当するものがある。
d業務上毒薬又は劇薬を取り扱う者は、それらを他の物と区別して貯蔵、陳列しなければならず、それらを貯蔵、陳列する場所については、必ずかぎを施さなければならない。
a b c d
1正 誤 誤 正
2誤 正 正 誤
3正 誤 誤 誤
4正 正 誤 正
5誤 誤 正 正

【正解3】
a〇
b×
赤地に白枠、白字ではなく、「白地に赤枠、赤字」である。
c×
一般用医薬品で、毒薬に該当するものは「ない」。
d×
「毒薬」を貯蔵、陳列する場所については、かぎを施さなければならない。

問 5 医薬品医療機器等法第50条に基づき医薬品の直接の容器又は直接の被包に記載されていなければならない事項の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a重量、容量又は個数等の内容量
b効能及び効果
c指定第二類医薬品にあっては、枠の中に「2」の数字
d配置販売品目以外の一般用医薬品にあっては、「店舗専用」の文字
a b c d
1正 誤 正 正
2誤 誤 正 誤
3正 正 正 正
4誤 正 誤 正
5正 正 誤 誤

【正解1】
a〇
b×
効能及び効果は、第50条の規定にはない。
c〇
d〇

問 6 医薬部外品に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a脱毛の防止、育毛又は除毛等の目的のために使用される物であり、機械器具等を含む。
bその効能効果があらかじめ定められた範囲内であって、成分や用法等に照らして人体に対する作用が緩和であることを要件として、医薬品的な効能効果を表示・標榜することが認められている。
cねずみ、はえ等の衛生害虫類の防除を目的として使用される医薬部外品には、直接の容器又は直接の被包に「指定医薬部外品」と表示しなければならない。
d薬用化粧品類、薬用石けん、薬用歯みがき類は、医薬部外品として承認されている。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解3】
a×
機械器具等は「含まない」。
『脱毛の防止、育毛又は除毛等の目的のために使用される物であつて、機械器具等でないもの』と定義されている。
b〇
c×
ねずみ、はえ等の衛生害虫類の防除を目的として使用される医薬部外品には、「防除用医薬部外品」と表示しなければならない。
指定医薬部外品は、かつては医薬品であったが医薬部外品へ移行された製品群。
d〇

問 7 医薬品の販売業の許可に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a薬局の開設許可を受けた区域において一般用医薬品を販売する場合には、薬局の開設許可に加えて、店舗販売業の許可を受ける必要がある。
b医薬品の販売業の許可は、5年ごとに、その更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
c医薬品の販売業の許可を受ければ、販売のために医薬品をあらかじめ小分けすることができる。
d店舗販売業、配置販売業又は卸売販売業のうち、一般の生活者に対して医薬品を販売することができるのは、店舗販売業のみである。
a b c d
1正 誤 正 正
2正 正 正 誤
3正 正 誤 誤
4誤 誤 誤 誤
5誤 誤 正 正

【正解4】
a×
薬局における医薬品の販売行為は、薬局の業務に付随して行われる行為であるので、医薬品の販売業の許可は「必要としない」。
b×
5年ごとではなく、「6年ごと」である。
c×
医薬品をあらかじめ小分けし、販売する行為は、「無許可製造、無許可製造販売に該当するため、認められない」。
d×
一般の生活者に対して医薬品を販売等することができるのは、店舗販売業「及び配置販売業」の許可を受けた者だけである。

問 8 化粧品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a化粧品の効能効果としては、「発毛促進」を表示することができる。
b化粧品の成分本質(原材料)については、原則として医薬品の成分を配合してはならないこととされており、配合が認められる場合であっても、添加物として使用されるなど、薬理作用が期待できない量以下に制限されている。
c化粧品の販売には、医薬品のように販売業の許可は必要ないが、販売開始から30日以内に都道府県知事あてに届け出を行う必要がある。
d化粧品を販売する店舗においては、化粧品と医薬部外品を区別して貯蔵又は陳列しなければならない。
a b c d
1正 誤 正 正
2正 誤 正 誤
3正 正 誤 誤
4誤 正 誤 誤
5誤 誤 正 正

【正解4】
a×
『発毛促進』を表示することは「できない」。
b〇
c×
届け出を行う必要は「ない」。
d×
そのような規定はない。
医薬品を販売する店舗と同一店舗で併せて、食品、医薬部外品、化粧品等の販売が行われる場合には、「医薬品と他の物品」を区別して貯蔵又は陳列しなければならない。

問 9 薬局における医薬品の陳列に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a第三類医薬品は、鍵をかけた陳列設備に陳列する場合又は陳列設備から1.2メートルの範囲に医薬品を購入しようとする者等が進入することができないよう必要な措置が取られている場合を除き、薬局等構造設備規則に規定する「情報提供を行うための設備」から7メートル以内の範囲に陳列しなければならない。
b要指導医薬品は、要指導医薬品陳列区画の内部の陳列設備、鍵をかけた陳列設備又は要指導医薬品を購入しようとする者等が直接手の触れられない陳列設備に陳列しなければならない。
c医薬品と化粧品は区別して陳列しなければならないが、医薬品と医薬部外品は区別しないで陳列することが認められている。
d一般用医薬品を陳列する場合は、第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品の区分ごとに陳列しなければならない。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解3】
a×
記述は、「指定第二類医薬品」の内容。
b〇
c×
医薬品と医薬部外品も「区別して陳列しなければならない」。
d〇

問 10 登録販売者の販売従事登録に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a二以上の都道府県において販売従事登録を受けようと申請した者は、当該申請を行った都道府県知事のうちいずれか一の都道府県知事の登録のみを受けることができる。
b登録販売者の住所地に変更が生じたときは、その旨を登録を受けた都道府県知事に届け出なければならない。
c登録販売者が、偽りその他不正の手段により販売従事登録を受けたことが判明したときは、都道府県知事は、その登録を消除しなければならない。
d登録販売者が、死亡し、又は失踪の宣告を受けたときは、戸籍法による死亡又は失踪の届出義務者は、10日以内に、登録販売者名簿の登録の消除を申請しなければならない。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 誤 正 誤
3誤 正 誤 正
4正 正 正 誤
5正 誤 誤 正

【正解2】
a〇
b×
登録事項に変更を生じたときは、その旨を登録を受けた都道府県知事に届け出なければならないが、登録事項に住所地はない。
登録事項の1つに、「本籍地都道府県名(日本国籍を有していない者については、その国籍)」がある。
c〇
d×
10日以内ではなく、「30日以内」である。

問 11 保健機能食品等の食品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a栄養機能食品は、栄養成分の機能表示に関して、厚生労働大臣に届出が必要である。
b特定保健用食品は、健康増進法の規定に基づく許可又は承認を受けて、食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品である。
c特別用途食品は、乳児、幼児、妊産婦又は病者の発育又は健康の保持若しくは回復の用に供することが適当な旨を医学的・栄養学的表現で記載し、かつ、用途を限定したもので、健康増進法の規定に基づく許可又は承認を受け、「特別の用途に適する旨の表示」をする食品である。
d特定保健用食品の中には「条件付き特定保健用食品」という区分がある。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 誤 正 誤
3誤 正 誤 正
4誤 正 正 正
5正 誤 誤 正

【正解4】
a×
厚生労働大臣への届け出は「不要」である。
b〇
c〇
d〇

問 12 店舗販売業者が、インターネットを利用して特定販売を行うことについて広告をするとき、ホームページに、見やすく必ず表示しなければならない情報の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a店舗の主要な外観の写真
b店舗に勤務する者の名札等による区別に関する説明
c現在勤務している薬剤師又は登録販売者の写真
d一般用医薬品の陳列の状況を示す写真
a b c d
1正 誤 誤 正
2正 正 誤 正
3誤 正 正 誤
4誤 正 誤 正
5誤 誤 正 誤

【正解2】
a〇
b〇
c×
勤務する薬剤師又は登録販売者の「別、その氏名及び担当業務」の表示であり、写真は要らない。
d〇

問 13 医薬品のリスク区分に応じた陳列等に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a店舗販売業者は、医薬品を販売する店舗と同一店舗で併せて、食品(保健機能食品を含む。)の販売が行われる場合には、医薬品と食品を区別して貯蔵又は陳列しなければならない。
b配置販売業者は、第一類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品を混在させないよう配置しなければならない。
c店舗販売業者は、要指導医薬品又は一般用医薬品を販売し、又は授与しない時間は、要指導医薬品又は一般用医薬品を通常陳列し、又は交付する場所を閉鎖しなければならない。
d店舗販売業者は、指定第二類医薬品を薬局等構造設備規則に規定する「出入口」から7メートル以内の範囲に陳列しなければならない。
a b c d
1正 誤 誤 正
2正 正 正 誤
3誤 正 正 誤
4誤 正 誤 正
5誤 誤 正 誤

【正解2】
a〇
b〇
c〇
d×
構造設備規則に規定する「情報提供を行うための設備」から7メートル以内の範囲に陳列しなければならない。

問 14 要指導医薬品又は一般用医薬品のリスク区分に応じた情報提供等に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a薬局開設者は、薬剤師等(薬剤師、薬局開設者、医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者、医師、歯科医師若しくは獣医師又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者をいう。)に販売し、又は授与する場合を除き、要指導医薬品を使用しようとする者以外の者に対して、正当な理由なく要指導医薬品を販売し、又は授与してはならない。
b薬局開設者が、要指導医薬品を販売又は授与する場合には、その薬局において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、対面により、書面を用いて必要な情報を提供させ、必要な薬学的知見に基づく指導を行わせなければならない。
c店舗販売業者が、第一類医薬品を販売又は授与する場合には、その店舗において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、書面を用いて、必要な情報を提供させなければならない。
d配置販売業者が、その業務にかかる都道府県の区域において第二類医薬品を配置する場合には、医薬品の配置販売に従事する薬剤師又は登録販売者に、必要な情報を提供させるよう努めなければならない。
a b c d
1正 誤 誤 正
2正 正 正 誤
3誤 正 正 誤
4誤 正 誤 正
5誤 誤 正 誤

【正解1】
a〇
b×
要指導医薬品を販売又は授与することができるのは、薬剤師だけである。登録販売者は、要指導医薬品を販売又は授与することができない。
c×
第一類医薬品を販売又は授与することができるのは、薬剤師だけである。登録販売者は、第一類医薬品を販売又は授与することができない。
d〇

問 15 薬局における特定販売に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a特定販売を行う場合は、当該薬局以外の場所に貯蔵し、又は陳列している一般用医薬品を販売又は授与することができる。
b特定販売を行うことについて広告するときは、医薬品の薬効群ごとに表示しなければならない。
c特定販売により一般用医薬品を購入しようとする者から、対面又は電話により相談応需の希望があった場合には、薬局開設者は、その薬局において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、対面又は電話により情報提供を行わせなければならない。
d薬局製造販売医薬品(毒薬及び劇薬であるものを除く。)は、特定販売の方法により販売することができる。
a b c d
1誤 誤 正 誤
2正 正 誤 誤
3正 誤 誤 正
4誤 正 正 誤
5誤 誤 正 正

【正解5】
a×
「当該薬局」に貯蔵し、又は陳列している一般用医薬品又は薬局製造販売医薬品を販売又は授与することができる。
b×
第一類医薬品、指定第二類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品及び薬局製造販売医薬品の「区分ごと」に表示しなければならない。
c〇
d〇

問 16 薬局開設者が、濫用等のおそれがあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品を販売する場合、医薬品医療機器等法施行規則第15条の2の規定に基づき、薬剤師又は登録販売者に必ず確認させなければならない事項の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a当該医薬品を使用しようとする者の氏名及び住所
b当該医薬品を購入しようとする者が若年者である場合にあっては、当該者の氏名及び年齢
c当該医薬品を購入しようとする者の性別
d当該医薬品を購入しようとする者が、適正な使用のために必要と認められる数量を超えて当該医薬品を購入しようとする場合は、その理由
a b c d
1正 誤 正 誤
2誤 正 誤 正
3正 誤 誤 正
4誤 正 正 誤
5正 正 誤 正

【正解2】
a×
b〇
c×
d〇
*b、dのほかに、「当該医薬品を購入等及び使用しようとする者の他の薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者からの当該医薬品及び当該医薬品以外の濫用等のおそれのある医薬品の購入等の状況」「その他当該医薬品の適正な使用を目的とする購入等であることを確認するために必要な事項」がある。

問 17 医薬品の販売方法に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a店舗販売業者が、在庫処分を主な目的に、効能効果が重複する医薬品を組み合わせて販売する場合であっても、購入者に対してリスク区分に応じた情報提供を十分に行える範囲であれば適正な販売方法である。
b店舗販売業者は、医薬品を競売に付してはならない。
c一般用医薬品を懸賞や景品として授与することは、原則として認められていない。
d店舗販売業の許可を受けた店舗以外の出張所に医薬品を貯蔵又は陳列し、そこを拠点として販売等に供する場合は、医薬品医療機器等法の規定に違反しない。
a b c d
1誤 正 正 誤
2正 誤 正 誤
3誤 正 誤 正
4正 正 正 誤
5正 誤 誤 正

【正解1】
a×
医薬品の組み合わせ販売は、購入者の利便性を考慮して行われるものであり、在庫処分等の目的で組み合わせを行うことは、「厳に認められない」。
b〇
c〇
d×
許可を受けた店舗以外の場所に医薬品を貯蔵又は陳列し、そこを拠点として販売等に供するような場合は、店舗による販売等に当たらず、医薬品医療機器等法の規定に「違反する」。

問 18 医薬品の販売広告に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a医薬品医療機器等法第66条(誇大広告等)及び第68条(承認前の医薬品等に係る広告)は、広告の依頼主だけでなく、その広告に関与するすべての人が対象となる。
b販売促進のため用いられる電子メールは、一般用医薬品の販売広告に含まれない。
c未承認の医薬品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告は、許可を受けなければ行うことはできない。
d販売促進のため用いられるステッカーやディスプレーなどによる店頭・店内広告は、一般用医薬品の販売広告に含まれない。
a b c d
1誤 正 正 正
2誤 誤 正 正
3正 誤 誤 正
4正 誤 誤 誤
5正 正 正 誤

【正解4】
a〇
b×
販売促進のため用いられる電子メールも、一般用医薬品の販売広告に「含まれる」。
c×
未承認の医薬品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告は「禁止されている」。
d×
販売促進のため用いられるステッカーやディスプレーなどによる店頭・店内広告も、一般用医薬品の販売広告に「含まれる」。

問 19 医薬品医療機器等法施行規則第150条の規定により、配置販売業者又はその配置員が、医薬品の配置販売に従事しようとする区域の都道府県知事に、あらかじめ届け出なければならない事項として、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a配置販売に従事する区域
b配置販売に従事する時間
c配置販売に従事する者の氏名及び住所
d配置販売する医薬品名及び数量
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解2】
a〇
b×
c〇
d×
*a、cのほかに、「配置販売業者の氏名及び住所」「配置販売に従事する期間」がある。

問 20 医薬品医療機器等法に基づく行政庁の監視指導及び処分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a都道府県知事(薬局又は店舗販売業にあっては、その薬局又は店舗の所在地が保健所設置市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長。以下「都道府県知事等」という。)は、必要があると認めるときは、薬事監視員に、その薬局開設者又は医薬品の販売業者が医薬品を業務上取り扱う場所に立ち入り、従業員その他の関係者に質問させることができるが、従業員その他の関係者は、正当な理由なく答弁しなかったり、虚偽の答弁を行った場合には、50万円以下の罰金に処せられることがある。
b都道府県知事等は、薬局開設者又は医薬品の販売業者に対して、一般用医薬品の販売等を行うための業務体制が基準(薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令)に適合しなくなった場合において、その業務の体制の整備を命ずることができる。
c都道府県知事等は、店舗販売業の店舗の管理者が不適当であると認めるときは、店舗販売業者に対して、その変更を命ずることができる。
d都道府県知事等は、薬事監視員に、その薬局開設者又は医薬品の販売業者が医薬品を業務上取り扱う場所に立ち入らせ、無承認無許可医薬品、不良医薬品又は不正表示医薬品等の疑いのある物を全て収去させなければならない。
a b c d
1正 正 正 誤
2正 誤 正 誤
3誤 正 誤 正
4誤 正 正 誤
5正 誤 誤 正

【正解1】
a〇
b〇
c〇
d×
無承認無許可医薬品、不良医薬品又は不正表示医薬品等の疑いのある物を、「試験のため必要な最少分量に限り、収去させることができる」。

第5章  医薬品の適正使用と安全対策

問 1 一般用医薬品の添付文書に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a「相談すること」の項目に「妊娠又は妊娠していると思われる人」と記載されている医薬品は、ヒトにおける具体的な悪影響が判明しているものに限定されている。
b販売名に薬効名が含まれているような場合には、薬効名の記載が省略されることがある。
c添付文書は、開封時に一度目を通されれば十分であり、保管する必要はない。
d添付文書の内容は、医薬品の有効性・安全性等に係る新たな知見、使用に係る情報に基づき、年に1回定期的に改訂がなされている。
a b c d
1正 誤 正 誤
2誤 正 誤 誤
3正 正 誤 正
4誤 誤 誤 正
5正 正 正 正

【正解2】
a×
必ずしもヒトにおける具体的な悪影響が判明しているものでないが、妊婦における使用経験に関する科学的データが限られているため安全性の評価が困難とされている場合も多い。
b〇
c×
開封時に一度目を通されれば十分というものでなく、必要なときにいつでも取り出して読むことができるように保管される必要がある。
d×
年に1回定期的ではなく、「必要に応じて随時」改訂がなされている。

問 2 一般用医薬品の添付文書に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a一般用検査薬では、検査結果が陰性であっても何らかの症状がある場合は、再検査するか又は医師に相談する旨等が記載されている。
b「してはいけないこと」の項には、守らないと症状が悪化する事項、副作用又は事故等が起こりやすくなる事項について記載されている。
c一般用医薬品の添加物として配合されている成分は、医薬品医療機器等法の定めではなく、製薬企業界の自主申し合わせに基づいて記載されている。
d薬理作用等から発現が予測される軽微な症状がみられた場合に関する記載として、症状の持続又は増強がみられた場合には、使用を自己判断で中止することなく、専門家に相談する旨が記載されている。
a b c d
1正 正 誤 正
2誤 誤 正 正
3誤 正 誤 誤
4誤 誤 正 誤
5正 正 正 誤

【正解5】
a〇
b〇
c〇
d×
症状の持続又は増強がみられた場合には、「いったん使用を中止した上で」専門家に相談する旨が記載されている。

問 3 一般用医薬品の製品表示に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a表示された「使用期限」は、開封後についても品質を保証する期限である。
b医薬品によっては、添付文書の形ではなく、「用法、用量その他使用及び取扱い上必要な注意」の記載を外箱等に行っている場合がある。
c購入者によっては、購入後すぐに開封せずにそのまま保管する場合や持ち歩く場合があるため、添付文書を見なくても適切な保管がなされるよう、その容器や包装にも、保管に関する注意事項が記載されている。
d製品には、医薬品医療機器等法で定められた表示事項以外記載してはならない。
a b c d
1正 正 誤 誤
2正 誤 誤 正
3誤 正 正 誤
4誤 誤 正 誤
5正 誤 正 正

【正解3】
a×
「未開封状態で保管された場合に品質が保持される」期限である。
b〇
c〇
d×
医薬品医療機器等法の規定による法定表示事項「のほか、他の法令に基づいても製品表示がなされている」。

問 4 一般用医薬品の製品表示に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a配置販売される医薬品の使用期限は、「配置期限」として記載される場合がある。
b1回服用量中0.1mLを超えるアルコールを含有する内服液剤(滋養強壮を目的とするもの)については、アルコールを含有する旨及びその分量が記載されている。
c使用期限の表示については、適切な保存条件の下で製造後1年間性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において法的な表示義務はない。
a b c
1正 正 誤
2誤 正 正
3正 正 正
4正 誤 正
5誤 誤 誤

【正解1】
a〇
b〇
c×
1年間ではなく、「3年を超えて」である。

問 5 一般用医薬品の保管及び取扱い上の注意に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aカプセル剤は、変質しやすいため、開封後は冷蔵庫内に保管されるのが望ましいとされている。
b医薬品を携行するために別の容器へ移し替えると、日時が経過して中身がどんな医薬品であったか分からなくなってしまうことがあり、誤用の原因となるおそれがある。
c散剤は、取り出したときに室温との急な温度差で湿気を帯びるおそれがあるため、冷蔵庫内での保管は不適当である。
d点眼薬は、開封後長期間保存すると変質するおそれがあるため、家族間で共用し、できる限り早目に使い切ることが重要である。
a b c d
1正 誤 正 誤
2正 誤 正 正
3誤 正 誤 正
4誤 正 正 誤
5正 正 誤 誤

【正解4】
a×
記述は、「シロップ剤」の内容。
カプセル剤は、取り出したときに室温との急な温度差で湿気を帯びるおそれがあるため、冷蔵庫内での保管は不適当である。
b〇
c〇
d×
複数の使用者間で使い回されると、万一、使用に際して薬液に細菌汚染があった場合に、別の使用者に感染するおそれがあるため、「他の人と共用しないこと」とされている。

問 6 医薬品医療機器等法第68条の10第2項の規定に基づく医薬品の副作用等の報告に関する記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1医療用医薬品の副作用による健康被害の発生は報告の対象となるが、一般用医薬品の副作用による健康被害の発生については、報告の対象外である。
2添付文書の使用上の注意に記載されている医薬品の副作用に限り、報告の対象となる。
3副作用が疑われる医薬品の販売に複数の専門家が携わっている場合は、当該薬局又は医薬品の販売業において販売等された医薬品の副作用等によると疑われる健康被害の情報に、直接接した専門家1名から報告書が提出されれば十分である。
4薬局開設者、病院、診療所の開設者又は医師、薬剤師その他の医薬関係者は、医薬品の副作用等によるものと疑われる健康被害の発生を知った場合において、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、その旨を、施設を所管する都道府県知事に報告しなければならない。

【正解3】
1×
一般用医薬品の副作用による健康被害の発生についても「報告の対象となる」。
2×
使用上の注意に記載されているものだけとは「限らない」。
3〇
4×
施設を所管する都道府県知事ではなく、「厚生労働大臣」である。

問 7 医薬品医療機器等法に規定する副作用情報等の収集に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a製造販売業者等には、その製造販売をし、又は承認を受けた医薬品について、その副作用等によるものと疑われる健康被害の発生、その使用によるものと疑われる感染症の発生等を知ったときは、その旨を20日以内に厚生労働大臣に報告することが義務づけられている。
b製造販売業者には、医療用医薬品で使用されていた有効成分を一般用医薬品で初めて配合したものについては、承認後一律で5年間、安全性に関する調査及び調査結果の国への報告が求められている。
c医薬品・医療機器等安全性情報報告制度は、医薬品の使用、販売等に携わり、副作用等が疑われる事例に直接に接する医薬関係者からの情報を広く収集することによって、医薬品の安全対策のより着実な実施を図ることを目的としている。
d登録販売者は、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に基づく報告を行う医薬関係者として位置づけられている。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解4】
a×
20日以内ではなく、「定められた期限まで」である。
具体的な報告期限は症例等により異なり、15日以内、30日以内、定期報告となる。
b×
一律で5年間ではなく、「一定期間(概ね3年)」である。
c〇
d〇

問 8 医薬品副作用被害救済制度に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a遺族一時金は、生計維持者が医薬品の副作用により死亡した場合、遺族の生活の立て直し等を目的として給付されるもので、最高10年間を限度とする。
b障害年金は、医薬品の副作用によって一定程度の障害の状態にある18歳以上の人の生活補償等を目的に給付され、請求期限はない。
c医薬品を適正に使用して生じた健康被害であれば、医療機関での治療を要さずに寛解したような軽度なものについても給付対象となる。
d一般用検査薬、殺虫剤による健康被害は、救済制度の対象とならない。
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解3】
a×
記述は、「遺族年金」の内容。
遺族一時金は、生計維持者以外の人が医薬品の副作用により死亡した場合に、その遺族に対する見舞等を目的として給付されるものである。
b〇
c×
医薬品を適正に使用して生じた健康被害であっても、特に医療機関での治療を要さずに寛解したような軽度のものについては「給付対象に含まれない」。
d〇

問 9 医薬品副作用被害救済制度に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a一般用医薬品が原因とみられる健康被害の救済給付の請求にあたっては、医師の診断書があれば、その医薬品を販売等した薬局開設者、医薬品の販売業者が作成した販売証明書等は不要である。
b製品不良など、製薬企業に損害賠償責任がある場合や、無承認無許可医薬品 (いわゆる健康食品として販売されたもののほか、個人輸入により入手された医薬品を含む。)の使用による健康被害について、救済給付した場合は、被害者への給付金相当額を国が加害企業へ求償する。
c生物由来製品を適正に使用したにもかかわらず、それを介して生じた感染等による疾病、障害又は死亡について、医療費等の給付を行う制度を生物由来製品感染等被害救済制度という。
d都道府県知事が判定した結果に基づいて、医療費、障害年金、遺族年金等の各種給付が行われる。
a b c d
1誤 誤 正 誤
2正 誤 正 正
3誤 正 誤 誤
4誤 正 正 正
5正 正 誤 誤

【正解1】
a×
医師の診断書、要した医療費を証明する書類(受診証明書)「などのほか」、その医薬品を販売等した薬局開設者、医薬品の販売業者が作成した販売証明書等が「必要」となる。
b×
製品不良など、製薬企業に損害賠償責任がある場合や、無承認無許可医薬品の使用による健康被害については、「救済制度の対象から除外されている」。
c〇
d×
「厚生労働大臣」が判定した結果に基づいて、医療費、障害年金、遺族年金等の各種給付が行われる。

問 10 独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されている情報のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a医薬品等の製品回収に関する情報
b医薬品製造販売業許可業者名一覧
c医薬品の承認情報
d登録販売者名簿
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解2】
a〇
b×
c〇
d×
*a、cのほか、以下の情報が掲載されている。
・厚生労働省が製造販売業者等に指示した緊急安全性情報、「使用上の注意」の改訂情報
・製造販売業者等や医療機関等から報告された、医薬品による副作用が疑われる症例情報
・一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書情報
・患者向医薬品ガイド
・その他、厚生労働省が医薬品等の安全性について発表した資料

問 11 医薬品等に係る安全性情報等に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a緊急安全性情報は、A4サイズの黄色地の印刷物で、イエローレターとも呼ばれる。
b安全性速報は、医薬品、医療機器又は再生医療等製品について緊急かつ重大な注意喚起や使用制限に係る対策が必要な状況にある場合に作成される。
c緊急安全性情報は、医療用医薬品や医家向け医療機器についての情報伝達に限られており、一般用医薬品は対象外である。
d安全性速報は、厚生労働省からの命令、指示に基づき作成されるもので、製造販売業者の自主決定に基づき作成されることはない。
a b c d
1誤 誤 正 誤
2正 誤 誤 誤
3誤 正 誤 誤
4誤 正 正 正
5正 正 誤 正

【正解2】
a〇
b×
記述は、「緊急安全性情報」の内容。
安全性速報は、医薬品、医療機器又は再生医療等製品について一般的な使用上の注意の改訂情報よりも迅速な注意喚起や適正使用のための対応の注意喚起が必要な状況にある場合に作成される。
c×
医療用医薬品や医家向け医療機器についての情報伝達「である場合が多いが、一般用医薬品にも関係する緊急安全性情報が発出されたこともある」。
d×
厚生労働省からの命令、指示、「製造販売業者の自主決定等に基づいて作成される」。

問 12 次の記述は、一般用医薬品の安全対策に関するものである。(  )にあてはまる字句として、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。なお、同じ記号の(  )には同じ字句が入る。

 ( a )による間質性肺炎については、1991年4月以降、使用上の注意に記載されていたが、その後、( a )と( b )の併用例による間質性肺炎が報告されたことから、1994年1月、( b )との併用を禁忌とする旨の使用上の注意の改訂がなされた。しかし、それ以降も慢性肝炎患者が( a )を使用して間質性肺炎が発症し、死亡を含む重篤な転帰に至った例もあったことから、1996年3月、厚生省(当時)より関係製薬企業に対して( c )が指示された。

1a小青竜湯  bアミノピリン  c医薬品・医療機器等安全性情報の配布
2a小柴胡湯  bプソイドエフェドリン塩酸塩  c緊急安全性情報の配布
3a小青竜湯  bインターフェロン製剤  c製品の回収
4a小柴胡湯  bアミノピリン  c医薬品・医療機器等安全性情報の配布
5a小柴胡湯  bインターフェロン製剤  c緊急安全性情報の配布

【正解5】
 ( a小柴胡湯 )による間質性肺炎については、1991年4月以降、使用上の注意に記載されていたが、その後、( a小柴胡湯 )と( bインターフェロン製剤 )の併用例による間質性肺炎が報告されたことから、1994年1月、( bインターフェロン製剤 )との併用を禁忌とする旨の使用上の注意の改訂がなされた。しかし、それ以降も慢性肝炎患者が( a小柴胡湯 )を使用して間質性肺炎が発症し、死亡を含む重篤な転帰に至った例もあったことから、1996年3月、厚生省(当時)より関係製薬企業に対して( c緊急安全性情報の配布 )が指示された。

問 13 医薬品の適正使用及び薬物乱用防止のための啓発活動に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a登録販売者は、適切なセルフメディケーションの普及定着、医薬品の適正使用の推進のため、啓発活動に積極的に参加、協力することが期待されている。
b薬物依存は、違法薬物(麻薬、覚醒剤、大麻等)により生じるものであり、一般用医薬品によって生じることはない。
c薬物乱用は、乱用者自身の健康を害するが、社会的な弊害を生じることはない。
d要指導医薬品又は一般用医薬品の乱用をきっかけとして、違法な薬物の乱用につながることもあるため、医薬品の適正使用の重要性等に関して、小中学生のうちからの啓発が重要である。
a b c d
1正 誤 誤 正
2誤 正 誤 正
3誤 誤 正 誤
4正 誤 正 誤
5正 正 誤 正

【正解1】
a〇
b×
薬物依存は、違法薬物によるもの「ばかりでなく、一般用医薬品によっても生じ得る」。
c×
薬物乱用は、乱用者自身の健康を害する「だけでなく、社会的な弊害を生じるおそれが大きい」。
d〇

問 14 医薬品PLセンターに関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a日本製薬団体連合会において、製造物責任法(平成6年法律第85号)の施行と同時に開設された。
b医薬品及び医療機器に関する苦情の申立ての相談を受け付けている。
c健康被害以外の損害に関する申立ての相談は受け付けていない。
d裁判において迅速な解決に導くことを目的としている。
a b c d
1正 誤 誤 誤
2誤 誤 誤 正
3誤 正 正 正
4正 誤 正 誤
5正 正 誤 正

【正解1】
a〇
b×
医薬品又は「医薬部外品」に関する苦情の申立ての相談を受け付けている。
c×
健康被害以外の損害に関する申立ての相談も「受け付けている」。
d×
「裁判によらずに」迅速な解決に導くことを目的としている。

問 15 一般用医薬品の添付文書の「してはいけないこと」の項目中の「連用に関する注意」に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a解熱鎮痛薬は、一定期間又は一定回数使用しても症状の改善がみられない場合は、ほかに原因がある可能性があるため、「長期連用しないこと」と記載されている。
b浣腸薬は、感受性の低下(いわゆる ” 慣れ ”)が生じて、習慣的に使用される傾向があるため、「連用しないこと」と記載されている。
c柴胡桂枝湯は、うっ血性心不全の副作用が現れることがあるため、「症状があるときのみの服用にとどめ、連用しないこと」と記載されている。
d駆虫薬は、海外において、長期連用した場合に精神神経症状が現れたとの報告があるため、「1週間以上継続して服用しないこと」と記載されている。
a b c d
1正 正 誤 誤
2誤 誤 誤 正
3誤 正 正 正
4正 誤 正 誤
5正 正 誤 正

【正解1】
a〇
b〇
c×
柴胡桂枝湯ではなく、「芍薬甘草湯」の内容。
d×
駆虫薬ではなく、「次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス等のビスマスを含む成分」の内容。

問 16 一般用医薬品の添付文書における使用上の注意に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

aプソイドエフェドリン塩酸塩が配合された医薬品は、尿の貯留・尿閉を生じるおそれがあるため、「前立腺肥大による排尿困難の症状がある人」は使用(服用)しないこととされている。
bセンノシドが配合された医薬品は、腸管粘膜への刺激が大きくなり、腸管粘膜に炎症を生じるおそれがあるため、「大量に使用(服用)しないこと」とされている。
cイブプロフェンが配合された医薬品は、アスピリン喘息を誘発するおそれがあるため、「本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を使用(服用)して喘息を起こしたことがある人」は使用(服用)しないこととされている。
dピレンゼピン塩酸塩水和物が配合された医薬品は、眠気を生じることがあるため、「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」とされている。
a b c d
1正 正 正 誤
2誤 誤 誤 正
3誤 正 正 正
4正 誤 正 誤
5正 正 誤 正

【正解1】
a〇
b〇
c〇
d×
ピレンゼピン塩酸塩水和物が配合された医薬品は、「目のかすみ、異常なまぶしさ」を生じることがあるため、『服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと』とされている。

問 17 次の成分・薬効群のうち、一般用医薬品の添付文書の「してはいけないこと」の項目中に、「次の人は使用(服用)しないこと」として、「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」と記載されているものを1つ選びなさい。

1小柴胡湯が配合されたかぜ薬
2水酸化アルミニウムゲルが配合された胃腸鎮痛鎮痙薬
3ジフェンヒドラミン塩酸塩が配合された内服薬
4ブロモバレリル尿素が配合された解熱鎮痛薬

【正解3】
乳児に昏睡を起こすおそれがあるため、ジフェンヒドラミン塩酸塩等のジフェンヒドラミンを含む成分が配合された内服薬等に記載されている。

問 18 一般用医薬品の添付文書の「してはいけないこと」の項目中に、「次の診断を受けた人」と記載される基礎疾患等と主な成分・薬効群等の組み合わせについて、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a糖尿病     ― カフェインを主薬とする眠気防止剤
b心臓病     ― 芍薬甘草湯
c甲状腺機能障害 ― 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬
d高血圧     ― プソイドエフェドリン塩酸塩
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解3】
a×
糖尿病 ― 「プソイドエフェドリン塩酸塩」
b〇
c×
甲状腺機能障害 ― 「プソイドエフェドリン塩酸塩」
d〇

問 19 一般用医薬品の添付文書の「相談すること」の項目中に、「次の診断を受けた人」と記載される基礎疾患等と主な成分・薬効群等の組み合わせについて、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a心臓病 ― スコポラミン臭化水素酸塩水和物
b腎臓病 ― 酸化マグネシウム
c貧血  ―エテンザミドが配合されたかぜ薬
d高血圧 ― アスピリン
  • 1(a、b)
  • 2(a、c)
  • 3(b、d)
  • 4(c、d)

【正解1】
a〇
b〇
c×
貧血 ― 「ピペラジンリン酸塩等のピペラジンを含む成分」
d×
高血圧 ― 「メチルエフェドリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分、マオウ、グリチルリチン酸を含む成分」

問 20 次の一般用医薬品の漢方処方製剤のうち、添付文書の「相談すること」の項目中に「次の症状がある人」として「排尿困難」と記載されているものを1つ選びなさい。

1桂枝湯
2防風通聖散
3小柴胡湯
4十味敗毒湯
5麦門冬湯

【正解2】
構成生薬としてマオウを含む漢方処方製剤に記載されている。
選択肢の中でマオウを含むのは、「防風通聖散」である。

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