- ワンポイントレッスン
今日のテーマは、浸透圧について。
さあ、理科室に集まれ、っていうのは無理だった。
いつも通り教室での講義でがまんしてください。
水は通すけど、そこに溶けている粒子は通さないという性質を持つ膜を半透膜といいます。
セロハンもそうだし、生物の細胞膜などもそう。
ここにひとつの容器(金魚バチみたいなものを想像してください)があります。真ん中を半透膜で仕切ります。そして、左側には水を、右側には塩水を同じ高さになるように入れます。
いいかい。右側だけに塩が溶けているんだよ。
このような状態のとき、左右の塩分の濃さが均一になろうとします。半透膜がなかったら、かんたん。右にある塩の粒子が左に拡がっていけばよい。でも膜があるので、塩の粒子は移動できない。
そのため、びっくり。水が右側へ移動していきます。そして塩分の濃さを薄めようとするんだ。しばらくしてから見てごらん。水面の高さが左側より右側の方が高くなってくる。これは左側の水が、半透膜を通り抜けて右側に侵入したってことなんだ。水がドンドン入りこんでくるのを防ぐには、右側にエイッて力を加えなければならないよね。この力のことを浸透圧といいます。
ユキエ「膜のために、塩の粒子が移動できないというのがポイントですね。そのために水が移動していく」
サブロウ「でもそれって、登録販売の試験とどんな関係が…」
ユキエ「胃腸薬だと思います」
サブロウ「胃腸薬?」
ユキエ「胃腸薬の瀉下成分として無機塩類があった」
サブロウ「無機塩類?」
ユキエ「腸内の浸透圧を高めて、水分量を増やすっていう働きをする酸化マグネシウムとか、硫酸ナトリウム」
サブロウ「あっ、そういうことか。腸壁が半透膜で、塩の粒子がマグネシウムとナトリウムと考えればいいのですね」
ユキエ「気づくのおそいー」