- 登録販売者コラム
登録販売者試験は、独学でも合格を目指せる資格です。
ただし、出題範囲が広いため、勉強方法や教材の選び方、各章の学習の進め方を理解しておくことが大切です。
このページでは、独学で一発合格を目指すための勉強時間の目安や教材の選び方、各章攻略のコツをわかりやすく解説します。
目次
登録販売者試験は独学でも合格できる?
結論からいうと、登録販売者試験は独学でも合格を目指せます。
独学でも合格を目指しやすい理由は、次の4つです。
①受験資格に制限がない
登録販売者試験は、学歴や年齢、実務経験などの受験資格に制限がなく、誰でも受験できます。
専門学校や大学などで指定のカリキュラムを修了する必要はないため、仕事や家事と両立しながら独学で学習を進めることも可能です。
もちろん、計画的な学習は欠かせませんが、自分のペースで勉強し、試験に合格すれば登録販売者への第一歩を踏み出せます。
②出題範囲が公表されている
登録販売者試験は、厚生労働省が公表している「試験問題の作成に関する手引き」に基づいて出題されます。そのため、どの範囲から出題されるのかが明確で、独学でも学習計画を立てやすい試験です。
とはいえ、「試験問題の作成に関する手引き」は約400ページにも及ぶため、未経験者が手引きだけを頼りに学習を進めるのは簡単ではありません。まずは、市販のテキストを利用し、頻出箇所を中心に学習を進めるのがおすすめです。テキストで出題範囲を体系的に学びながら、同時に手引きも確認する習慣をつけることで、より網羅的な試験対策につながります。
③択一式で実施される
登録販売者試験は5つの選択肢から正解を選ぶ択一式です。記述問題ではないため、医薬品成分や生薬・漢方などの難しい名称を一字一句間違えずに書く必要はありません。
まずは基本的な知識を身につけ、過去問題を繰り返し解きながら、選択肢から正解を判断する力を養うことが大切です。
④条件が合えば同一年内に複数回受験できる
登録販売者試験は地域によって試験日が異なるため、条件が合えば同一年内に複数回受験することが可能です。一発勝負ではないため、万が一思うような結果にならなくても再挑戦できる可能性があり、心理的な負担を軽減しながら試験に臨めます。
独学が向いている人とは?メリット・デメリットを解説
登録販売者試験は独学でも合格を目指せますが、人によって向き・不向きがあります。自分に合った学習方法を選ぶためにも、独学が向いている人の特徴やメリット・デメリットを確認しておきましょう。
まずは、ご自身が独学にあっているか確かめよう
登録販売者試験の独学に向いている人の特徴をチェックリスト形式でまとめました。当てはまる項目が多いほど、独学でも学習を進めやすいタイプといえます。

独学のメリットとデメリット
独学には、費用を抑えられる、自分のペースで学習できるといったメリットがある一方で、注意すべき点もあります。学習を始める前に、メリットとデメリットの両方を確認しておきましょう。
- 講座を受講するより費用を抑えられる
- 自分のペースで学習を進められる
- 教材を自由に選べる
- 自分で学習計画を立てる必要がある
- 質問できる相手がいない
- モチベーションを維持しにくい
独学で合格するために必要な学習時間と教材
独学で登録販売者試験の合格を目指すには、試験の内容を把握したうえで、必要な学習時間を確保し、自分に合った教材を選ぶことが大切です。ここでは、試験の概要や学習開始時期の考え方、独学に必要な教材について解説します。
まずは登録販売者試験の概要を確認しよう
学習計画を立てる前に、まずは登録販売者試験の出題内容を確認しましょう。試験は全5章、120問で構成され、試験時間は合計240分です。なかでも第3章は40問と出題数が多いため、十分な学習時間を確保する必要があります。
| 試験項目 | 出題数 | 試験時間 |
|---|---|---|
| 第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20問 | 40分 |
| 第2章 人体の働きと医薬品 | 20問 | 40分 |
| 第3章 主な医薬品とその作用 | 40問 | 80分 |
| 第4章 薬事関係法規・制度 | 20問 | 40分 |
| 第5章 医薬品の適正使用・安全対策 | 20問 | 40分 |
| 合計 | 120問 | 240分 |
登録販売者試験の合格基準は、各章で35~40%以上(都道府県によって異なる)、全体で70%以上の正答率が目安です。
全体で70%(84問)以上の正答率を満たしていても、基準を下回る章が1つでもあると不合格になるので注意が必要です。そのため、1章から5章までバランスよく学習し、苦手な章を作らないことが合格のポイントです。

独学に必要な勉強時間はどのくらい?
登録販売者試験に独学で合格するために必要な勉強時間は、一般的に200~400時間程度が目安とされています。ただし、医薬品に関する前提知識の有無や、理解・暗記の得意不得意などによって個人差があります。
特に、医薬品について初めて学ぶ方が独学で勉強する場合は、勉強のコツをつかむまでに時間がかかるほか、分からないことは自分で調べて解決する必要があります。そのため、余裕を持った学習時間を確保することが大切です。
また、1日に確保できる勉強時間によって、必要な学習期間も変わります。
ここでは、医薬品について初めて学ぶ方が独学で勉強するケースを想定し、400時間の学習時間を確保する場合の学習期間の目安を紹介します。
| 1週間の学習時間 | 400時間に必要な学習期間 |
|---|---|
| 週30時間(1日平均4~5時間程度) | 約3~4か月 |
| 週20時間(1日平均3時間程度) | 約5か月 |
| 週10時間(1日平均1.5時間程度) | 約9~10か月 |
勉強はいつから始める?
登録販売者試験の実施時期は、都道府県によって異なります。受験予定地域の例年の試験時期と、1週間に確保できる学習時間をもとに、いつから勉強を始めればよいか確認してみましょう。
下の表では、400時間の学習時間を確保する場合の学習開始時期の目安をまとめています。
| 受験エリア | 例年の 試験時期 |
週30時間 学習する場合 |
週20時間 学習する場合 |
週10時間 学習する場合 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道・東北 | 8月後半 | 5月頃 | 3月頃 | 前年11月頃 |
| 北関東・甲信越 | 8月後半 | 5月頃 | 3月頃 | 前年11月頃 |
| 関西広域 | 8月後半 | 5月頃 | 3月頃 | 前年11月頃 |
| 東海・北陸 | 9月上旬 | 5~6月頃 | 4月頃 | 前年11~12月頃 |
| 首都圏 | 9月上旬 | 5~6月頃 | 4月頃 | 前年11~12月頃 |
| 中国・四国 | 10月上旬 | 6~7月頃 | 5月頃 | 12~1月頃 |
| 九州・沖縄 | 12月後半 | 9月頃 | 7月頃 | 3月頃 |
※試験時期は令和8年度(2026年度)を参考にした目安です。試験日は年度や都道府県によって異なるため、受験予定の都道府県が公表する最新の試験情報をご確認ください。
独学に必要な教材をそろえよう
独学で登録販売者試験の合格を目指す場合は、基本となる「テキスト」「問題集」「過去問」の3つを用意しましょう。
教材をたくさんそろえるのではなく、自分に合ったものを選び、繰り返し学習することが大切です。
① テキスト
試験範囲を体系的に学ぶために使用します。登録販売者試験は「試験問題の作成に関する手引き」をもとに出題されるため、最新の手引きに対応したテキストを選びましょう。
初めて医薬品について学ぶ方は、図表やイラストが多いもの、用語の解説が分かりやすいものなど、実際に中身を確認して自分が理解しやすいテキストを選ぶのがおすすめです。
② 問題集
テキストで学んだ内容を理解できているか確認するために使用します。章ごとに問題が分かれているものなら、学習した範囲をすぐに問題演習でき、知識の定着にも役立ちます。
一度解いて終わりにせず、間違えた問題や迷った問題を繰り返し解くことが大切です。
③ 過去問
過去問は、テキストや問題集で身につけた知識を使って、本試験に向けた実践力を身につけるために活用します。
過去問を解くことで、実際に出題された問題や出題傾向を確認できます。また、本試験と同じ120問を時間を計って解けば、時間配分の練習や現在の実力を確認することもできます。
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登録販売者試験 各章攻略のコツ
登録販売者試験は全5章で構成されており、章によって難易度や覚え方のポイントが異なります。それぞれの特徴を押さえて、効率よく学習を進めることが合格への近道です。
ここでは、各章の特徴と攻略のコツを解説します。
| 章 | 学習時間配分の目安 |
|---|---|
| 第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 5% |
| 第2章 人体の働きと医薬品 | 30% |
| 第3章 主な医薬品とその作用 | 50% |
| 第4章 薬事関係法規・制度 | 10% |
| 第5章 医薬品の適正使用・安全対策 | 5% |
特に第2章・第3章は、理解や暗記に時間がかかるため、学習時間を多めに確保するのがおすすめです。
※学習時間の配分は、三幸医療カレッジが推奨する目安です。得意・不得意に応じて調整してください。
第1章「医薬品に共通する特性と基本的な知識」
第1章では、医薬品の基本的な性質や副作用、医薬品を使用する際の注意点、薬害の歴史など、医薬品に関する基礎知識が問われます。
例年、基本的な問題が中心で、独学でも比較的理解しやすい章です。学習に時間をかけすぎず、基本的な内容を確実に押さえて満点を目指しましょう。
一方で、注意したいのが「薬害の歴史」です。ほかの項目と比べて覚える内容が多いため、4つの訴訟について「問題となった薬剤」「使用用途」「副作用」「国の対応」などを整理して覚えるのがポイントです。
また、「プラセボ効果」や「小児・高齢者等への配慮」なども押さえておきたい項目です。用語だけを暗記するのではなく、内容を理解したうえで問題演習を繰り返し、ケアレスミスによる取りこぼしを防ぎましょう。
第2章「人体の働きと医薬品」
第2章では、人体の構造と働き、薬が体内で働く仕組み、医薬品による主な副作用について問われます。第1章と比べて専門的な用語や学習ボリュームが一気に増えるため、難しくなったと感じやすい章です。
攻略のポイントは、文章だけで覚えようとせず、図やイラストを使って人体の構造や働きをイメージしながら理解することです。特に消化器系や循環器系では、臓器の位置や働き、それぞれの関係を図と一緒に整理すると理解しやすくなります。
また、「吸収・分布・代謝・排泄」といった薬が働く仕組みや、「交感神経・副交感神経」の働きは、第3章を理解するうえでも重要です。第2章でしっかり理解しておくと、第3章の医薬品の作用や副作用も覚えやすくなります。
副作用では、出題頻度の高い皮膚疾患などを中心に、それぞれの症状や特徴、違いを整理して覚えましょう。
第3章「主な医薬品とその作用」
第3章では、市販薬に使用される有効成分の作用や副作用、漢方処方製剤・生薬などについて問われます。全120問のうち40問が出題され、覚える内容も多いため、登録販売者試験の中で最も学習時間をかけたい章です。
特に多くの方が苦戦するのが、数多く登場する医薬品の成分名です。すべてを一度に覚えようとせず、まずは出題頻度の高い成分から覚えていくと、知識を整理しやすくなります。また、成分名だけを丸暗記するのではなく、「どのような薬に使われるのか」「どのような作用があるのか」「どのような副作用や注意点があるのか」を関連づけながら覚えることも大切です。
成分名には共通する特徴があるものもあります。例えば、ステロイド性抗炎症薬には「~ゾン」「~ゾロン」が付くものがあるなど、名称の特徴をまとめて覚えるのも効果的です。覚えにくい成分は、語呂合わせを活用するのもよいでしょう。
また、漢方・生薬は近年多く出題されているため、苦手でも避けて通ることはできません。漢方は効能・効果や適する人など覚える内容が多いため、症状や体力などの特徴からキーワードを絞り、関連づけながら覚えることがポイントです。
第3章は短期間で一気に覚えようとせず、十分な学習時間を確保し、問題演習を繰り返しながら少しずつ知識を定着させていきましょう。
第4章「薬事関係法規・制度」
第4章では、医薬品の分類や販売方法、販売業の許可、広告、行政による監視指導など、医薬品に関する法律や制度について問われます。法律特有の表現や似た用語が多いため、得意・不得意が分かれやすく、受講生の中には第4章を最も苦手とする方もいます。
第4章の攻略ポイントは、法律の文章をすべて覚えようとするのではなく、問題を解きながら間違えやすいポイントを把握することです。例えば、「製造販売業者」と「製造業者」、「都道府県知事」と「厚生労働大臣」など、混同しやすい言葉を入れ替えた問題も出題されます。それぞれの違いを整理して覚えましょう。
また、「医療用医薬品・要指導医薬品・一般用医薬品」や「薬局・店舗販売業・配置販売業」など、混同しやすい制度や用語は比較しながら整理すると理解しやすくなります。
テキストを読むだけで理解しようとせず、問題演習を繰り返し、間違えた問題はテキストや手引きに戻って確認するのがおすすめです。出題パターンに慣れることで、ひっかかりすいポイントも見つけやすくなります。
第5章「医薬品の適正使用・安全対策」
第5章では、医薬品の添付文書の読み方や副作用情報、医薬品副作用被害救済制度などについて問われます。比較的取り組みやすく、毎年似た傾向の問題も出題されるため、第1章と同様に高得点を狙いたい章です。
攻略のポイントは、添付文書の記載ルールや各制度の違いを整理して覚えることです。「してはいけないこと」「相談すること」といった使用上の注意や、「緊急安全性情報」「安全性速報」など、混同しやすい項目は比較しながら違いを押さえましょう。
また、第5章は第3章との関連が深く、手引きの別表では、第3章で学習した成分と「使用上の注意」を結びつけて覚える必要があります。第3章で学んだ成分の作用や副作用を復習しながら学習すると、効率よく理解を深められます。
第5章は学習に時間をかけすぎず、過去問を繰り返して出題パターンをつかみ、確実に得点できるようにしましょう。
独学でつまずきやすいポイントと対策
独学で学習を進めていると、どうしても克服できない苦手分野が出てきたり、過去問題を解いても点数が伸びないことがあります。そんなときは、つまずいている原因に合った対策を取り入れることが大切です。
生薬・漢方の苦手を克服できない
生薬・漢方は、名称だけでなく、作用や効能・効果など覚える内容が多く、独学では知識を整理しにくい分野です。また、似た作用を持つ生薬や漢方もあるため、丸暗記だけで覚えようとすると混乱しやすくなります。
苦手を克服するには、生薬名と作用、漢方名と効能・効果を関連づけ、共通点や違いを整理しながら覚えることがポイントです。
三幸医療カレッジの「生薬・漢方攻略セミナー」では、出題傾向を踏まえた学習方法に加え、作用・効能効果別に整理した教材や、覚えるための記憶術・整理法を紹介しています。独学で生薬・漢方の点数が伸び悩んでいる方は、苦手克服に活用してみましょう。
過去問を繰り返しても点数が伸びない
過去問を繰り返し解いているのに点数が伸びない場合は、問題と答えをセットで覚えるだけの、理解を伴わない丸暗記になっていないか確認してみましょう。登録販売者試験では、同じ知識を問う問題でも、選択肢の表現や問われ方が変わることがあります。
間違えた問題は答えを覚えるだけでなく、なぜその答えになるのかを理解し、関連する知識まで確認することが大切です。また、自分が間違えやすいポイントやひっかけ問題のパターンを整理しておくと、初めて見る問題にも対応しやすくなります。
三幸医療カレッジの「直前対策セミナー」では、本試験の出題パターンやひっかけ問題の注意点、重要語句の覚え方などを学びながら、自分の苦手項目を確認できます。試験直前の総復習として、これまで学んだ知識を整理したい方にもおすすめです。
本試験で緊張しないか不安
独学では、自宅でテキストや過去問を使った学習が中心になるため、本試験の雰囲気に慣れる機会がありません。「緊張して実力を発揮できるか不安」「時間内に全問解けるか心配」という方は、本番を想定した環境で一度練習しておくと安心です。
三幸医療カレッジの「全国公開模擬試験」は、本試験と同じ120問・240分で実施します。前年度の出題傾向をもとに作成したオリジナル問題で、時間配分や解答のペース、最後まで集中して解き切れるかを確認できます。
自宅受験と会場受験がありますが、受験可能な地域にお住まいの方には会場受験がおすすめです。多くの受験者がいる会場で制限時間内に受験することで、本番に近い緊張感を経験できます。受講生からも、「最初は緊張していても次第に落ち着いて解答できた」「時間に余裕を持って解き終えることができた」といった声があります。
また、受験後には全国順位や苦手項目へのアドバイスが記載された個人成績表で、現在の実力や試験までに対策すべきポイントを確認できます。
まとめ
登録販売者試験は、独学でも合格を目指すことができます。ただし、試験範囲が広く、特に第3章では覚える内容も多いため、試験日から逆算して学習計画を立て、テキストや問題集、過去問を活用しながら計画的に学習を進めることが大切です。
また、5つの章にはそれぞれ特徴があります。すべてを同じように勉強するのではなく、出題傾向や自分の得意・不得意に合わせて、学習時間や勉強方法を工夫しましょう。
独学で学習を進める中で、「生薬・漢方を克服できない」「「過去問を解いても点数が伸びない」「本試験への不安」などの懸念がある方は、セミナーや模擬試験を必要に応じて活用するのも一つの方法です。
自分に合った学習方法で着実に知識を身につけ、登録販売者試験の合格を目指しましょう。














