令和1年度版登録販売者試験 過去問題集
(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)
令和1年度より関西広域連合として実施
徳島県は、令和1年度より関西広域連合として実施
第3章 主な医薬品とその作用
問 1 かぜ(感冒)の発症や症状に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | かぜの約8割は細菌の感染が原因であるが、それ以外にウイルスの感染などがある。 |
---|---|
b | 急激な発熱を伴う場合や、症状が4日以上続くとき、又は症状が重篤なときは、かぜではない可能性が高い。 |
c | かぜとよく似た症状が現れる疾患に、 喘息、アレルギー性鼻炎、リウマチ熱、関節リウマチ、肺炎、肺結核、髄膜炎、急性肝炎、尿路感染症等がある。 |
a b c | |
1 | 正 正 正 |
2 | 誤 正 誤 |
3 | 誤 誤 正 |
4 | 正 誤 誤 |
5 | 誤 正 正 |
【正解5】
a×
かぜの約8割はウイルスの感染が原因であるが、それ以外に細菌の感染や、まれに冷気や乾燥、アレルギーのような非感染性の要因による場合もある。
b○
c○
問 2 かぜ薬(総合感冒薬)の配合成分とその配合目的の組合せのうち、正しいものの組合せはどれか。
a | サリチルアミド ーーーーー痰の切れを良くする |
---|---|
b | トラネキサム酸 ーーーーー炎症による腫れを和らげる |
c | クレマスチンフマル酸塩 ー発熱を鎮め、痛みを和らげる |
d | クロペラスチン塩酸塩ーー 咳を抑える |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
- 5(c、d)
【正解4】
a×
サリチルアミドは、発熱を鎮め、痛みを和らげる。
b○
c×
クレマスチンフマルは、くしゃみや鼻汁を抑える。
d○
問 3 解熱鎮痛薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | アセトアミノフェンは、主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できない。 |
---|---|
b | エテンザミドは、他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが強く、予期せぬ作用の増幅が懸念されることから、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合してはならないとされている。 |
c | ボウイは、フトミミズ科の Pheretima aspergillum Perrier 又はその近縁動物の内部を除いたものを基原とする生薬で、古くから「熱さまし」として用いられてきた。 |
d | 現在では、イソプロピルアンチピリンが一般用医薬品で唯一のピリン系解熱鎮痛成分となっている。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 誤 正 |
2 | 誤 正 誤 誤 |
3 | 誤 誤 正 誤 |
4 | 誤 正 正 正 |
5 | 正 誤 正 誤 |
【正解1】
a○
b×
エテンザミドは、作用の仕組みの違いによる相乗効果を期待して、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合されることが多い。
c×
記載は、ジリュウの内容。
ボウイは、ツヅラフジ科のオオツヅラフジの蔓性の茎及び根茎を、通例、横切したものを基原とする生薬で、鎮痛、尿量増加(利尿)等の作用を期待して用いられる。
d○
問 4 鎮痛の目的で用いられる漢方処方製剤に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a | 芍薬甘草湯は、体力に関わらず、 筋肉の急激な痙攣を伴う痛みのあるもののこむらがえり、筋肉の痙攣、腹痛、腰痛に適すとされ、比較的長期間(1ヶ月位)服用されることが望ましい。 |
---|---|
b | 薏苡仁湯は、体力中等度なものの関節や筋肉のはれや痛みがあるものの関節痛、筋肉痛、神経痛に適すとされ、構成生薬としてカンゾウとマオウを含む。 |
c | 疎経活血湯は、体力中等度で痛みがあり、ときにしびれがあるものの関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛に適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。 |
d | 呉茱萸湯は、体力虚弱で、汗が出、手足が冷えてこわばり、ときに尿量が少ないものの関節痛、神経痛に適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
- 5(c、d)
【正解3】
a×
症状があるときのみの服用にとどめ、連用は避ける。
b○
c○
d×
記載は、桂枝加朮附湯の内容。
呉茱萸湯は、体力中等度以下で手足が冷えて肩がこり、ときにみぞおちが膨満するものの頭痛、頭痛に伴う吐きけ・嘔吐、しゃっくりに適すとされ、カンゾウを含まない。
問 5 眠気を促す薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a | 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人を対象としている。 |
---|---|
b | チョウトウコウは、クロウメモドキ科のサネブトナツメの種子を基原とする生薬で、神経の興奮・緊張緩和を期待して用いられる。 |
c | 小児及び若年者では、抗ヒスタミン成分により眠気とは反対の神経過敏や中枢興奮などが現れることがある。 |
d | 抑肝散は、体力中等度をめやすとして、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症、歯ぎしり、更年期障害、血の道症に適すとされる。 |
- 1(a、b)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
- 5(c、d)
【正解5】
a×
抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静剤薬は、睡眠改善薬として一時的な睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い)の緩和に用いられるものであり、慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人を対象とするものではない。
b×
記載は、サンソウニンの内容。
チョウトウコウは、アカネ科のカギカズラ、ウンカリア・シネンシス又はウンカリア・マクロフィラの通例とげを基原とする生薬。
c○
d○
問 6 眠気防止薬の主な有効成分として配合されるカフェインに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | 心筋を興奮させる作用があり、副作用として動悸が現れることがある。 |
---|---|
b | カフェインの血中濃度が最高血中濃度の半分に低減するのに要する時間は、通常の成人が約3.5時間であるのに対して、乳児では約80時間と非常に長い。 |
c | 吸収されて循環血液中に移行したカフェインの一部は、血液-胎盤関門を通過して胎児に到達することが知られている。 |
d | 安全使用の観点から留意すべき作用に、胃液の分泌を抑える作用がある。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 正 |
2 | 正 正 正 誤 |
3 | 正 誤 誤 正 |
4 | 誤 正 誤 誤 |
5 | 誤 誤 正 正 |
【正解2】
a○
b○
c○
d×
胃液の分泌を「亢進」させる作用がある。
問 7 鎮暈薬(乗物酔い防止薬)の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a | ジフェニドール塩酸塩 は、排尿困難の症状がある人では、その症状を悪化させるおそれがある。 |
---|---|
b | スコポラミン臭化水素酸塩 水和物は、乗物酔い防止に古くから用いられている抗ヒスタミン成分である。 |
c | ジプロフィリン は、脳への抑制作用により、平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させることを目的として、配合されている。 |
d | メクリジン塩酸塩(塩酸メクリジン) は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が現れるのが遅く持続時間が長い。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(a、d)
- 4(b、c)
- 5(c、d)
【正解3】
a○
b×
スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、乗物酔い防止に古くから用いられている「抗コリン成分」である。
c×
ジプロフィリンは、脳に軽い興奮を起こさせて平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させることを目的として、配合される。
d○
問 8 小児の疳、小児鎮静薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | 身体的な問題がなく生じる夜泣き、ひきつけ、疳の虫等の症状については、成長に伴って自然に治まるのが通常である。 |
---|---|
b | 桂枝加竜骨牡蛎湯を小児の夜泣きに用いる場合、作用が比較的緩和なため、長期間(1ヶ月間位)服用して様子をみることが望ましい。 |
c | レイヨウカクは、ウシ科のサイカレイヨウ(高鼻レイヨウ)等の角を基原とする生薬で、緊張や興奮を鎮める作用等を期待して用いられる。 |
d | 鎮静と中枢刺激のように相反する作用を期待する生薬成分が配合されている場合もあるが、身体の状態によってそれらに対する反応が異なり、総じて効果がもたらされると考えられている。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 正 |
2 | 誤 正 誤 正 |
3 | 誤 誤 正 誤 |
4 | 正 誤 正 正 |
5 | 正 誤 誤 誤 |
【正解4】
a○
b×
小児の夜泣きに用いる場合、1週間位服用しても症状の改善がみられないときには、いったん服用を中止して、専門家に相談する等、その漢方処方製剤の使用が適しているかどうか見直すなどの対応が必要である。
c○
d○
問 9 鎮咳去痰薬に配合される生薬成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | カンゾウ は、 柴朴湯、麦門冬湯、五虎湯、麻杏甘石湯、神秘湯に構成生薬として含まれる。 |
---|---|
b | シャゼンソウ は、ユリ科のジャノヒゲの根の膨大部を基原とする生薬で、鎮咳、去痰、滋養強壮等の作用を期待して用いられる。 |
c | セキサン は、バラ科のヤマザクラ又はその他近縁植物の、通例、周皮を除いた樹皮を基原とする生薬で、去痰作用を期待して用いられる。 |
d | ナンテンジツ は、ヒメハギ科のイトヒメハギの根を基原とする生薬で、去痰作用を期待して用いられる。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 誤 誤 |
2 | 正 正 誤 正 |
3 | 正 誤 正 誤 |
4 | 誤 誤 正 正 |
5 | 誤 正 正 誤 |
【正解1】
a○
b×
記載は、バクモンドウの内容。
シャゼンソウは、オオバコ科のオオバコの花期の全草を基原とする生薬で、種子のみを用いたものはシャゼンシと呼ばれる。去痰作用を期待して用いられる。
c×
記載は、オウヒの内容。
セキサンは、ヒガンバナ科のヒガンバナ鱗茎を基原とする生薬で、去痰作用を期待して用いられる。
d×
記載は、オンジの内容。
ナンテンジツは、メギ科のシロミナンテン(シロナンテン)又はナンテンの果実を基原とする生薬で、知覚神経・末梢運動神経に作用して咳止めに効果があるとされる。
問 10 鎮咳去痰薬に配合される成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a | カルボシステインは、 痰の中の粘性タンパク質を溶解・低分子化して粘性を減少させるとともに、粘液成分の含量比を調整することにより、 痰の切れを良くすることを目的として配合される。 |
---|---|
b | デキストロメトルファン臭化水素酸塩 は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。 |
c | メトキシフェナミン塩酸塩 は、心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人では、症状を悪化させるおそれがある。 |
d | トリメトキノール塩酸塩 は、抗炎症作用のほか、気道粘膜からの粘液の分泌を促進することを目的として用いられる。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
- 5(c、d)
【正解2】
a○
b×
記載は、アドレナリン作動成分の内容。
デキストロメトルファン臭化水素酸塩は、中枢神経系に作用して咳を抑える鎮咳成分。
c○
d×
記載は、去痰成分(グアイフェネシン等)の内容。
トリメトキノールは、気管支を拡張させる作用のあるアドレナリン作動成分。
問 11 口腔咽喉薬・うがい薬(含嗽薬)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | トローチ剤は、有効成分が口腔内や咽頭部に速やかに行き渡るよう、 噛み砕いて使用されることが望ましい。 |
---|---|
b | 噴射式の液剤では、息を吐いたり、声を出しながら噴射すると、有効成分が口腔内や咽頭部に行き渡らないおそれがあるため、息を吸いながら噴射することが望ましい。 |
c | 含嗽薬は、水で用時希釈又は溶解して使用するものが多いが、調製した濃度が高いほど十分な効果が得られるとされる。 |
d | 白虎加人参湯は、体力中等度以上で、熱感と口渇が強いものの喉の渇き、ほてり、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみに適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸虚弱で冷え症の人では、食欲不振、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。 |
a b c d | |
1 | 誤 誤 誤 正 |
2 | 正 正 誤 正 |
3 | 誤 正 正 誤 |
4 | 正 誤 正 誤 |
5 | 誤 誤 誤 誤 |
【正解1】
a×
トローチ剤は、口中に含み、噛まずにゆっくり溶かすようにして使用されることが重要。
b×
噴射式の液剤では、息を吸いながら噴射すると気管支や肺に入ってしまうおそれがあるため、軽く息を吐いたり、声を出しながら噴射することが望ましい。
c×
含嗽薬は、調製した濃度が濃すぎても薄すぎても効果が十分得られない。
d○
問 12 胃の薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a | リュウタンは、クマ科のヒグマその他近縁動物の胆汁を乾燥したものを基原とする生薬で、苦味による健胃作用を期待して用いられる。 |
---|---|
b | センブリは、味覚を刺激して反射的な唾液や胃液の分泌を促すことにより、弱った胃の働きを高めることを目的として、配合されている。 |
c | デヒドロコール酸は、胆汁の分泌を促す作用(利胆作用)があるとされ、消化を助ける効果を期待して用いられる。 |
d | ロートエキス は、吸収された成分の一部が母乳中に移行して乳児の脈が遅くなるおそれがある。 |
- 1(a、b)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
- 5(c、d)
【正解3】
a×
記載は、ユウタンの内容。
リュウタンは、リンドウ科のトウリンドウ等の根及び根茎を基原とする生薬で、苦味による健胃作用を期待して用いられる。
b○
c○
d×
ロートエキスは、吸収された成分の一部が乳汁中に移行して乳児の脈が速くなる(頻脈)おそれがある。
問 13 腸の薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | トリメブチンマレイン酸塩は、消化管(胃及び腸)の平滑筋に直接作用して、消化管の運動を調整する作用があるとされている。 |
---|---|
b | 収斂成分を主体とする止瀉薬は、細菌性の下痢や食中毒のときに使用して腸の運動を鎮めると、かえって状態を悪化させるおそれがある。 |
c | ゴバイシは、ミカン科のキハダ又はフェロデンドロン・キネンセの周皮を除いた樹皮を基原とし、腸管内の異常発酵等によって生じた有害な物質を吸着させることを目的として用いられる。 |
d | ベルベリン塩化物、タンニン酸ベルベリンに含まれる ベルベリンは、生薬のオウバクやオウレンの中に存在する物質のひとつであり、抗菌作用のほか、抗炎症作用も併せ持つとされる。 |
a b c d | |
1 | 誤 正 正 正 |
2 | 誤 誤 誤 正 |
3 | 正 正 正 誤 |
4 | 正 誤 正 誤 |
5 | 正 正 誤 正 |
【正解5】
a○
b○
c×
ゴバイシは、ウルシ科のヌルデの若芽や葉上にアブラムシ科のヌルデシロアブラムシが寄生し、その刺激によって葉上に生成したのう状虫こぶを基原とする生薬で、収斂成分。
ミカン科のキハダ又はフェロデンドロン・キネンセの周皮を除いた樹皮を基原とする生薬は、オウバクで、苦味による健胃作用。
吸着成分には、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、カオリン、薬用炭等がある。
d○
問 14 腸の薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a | ヒマシ油は、ヒマシ(トウダイグサ科のトウゴマの種子)を圧搾して得られた油を用いた生薬で、 大腸を刺激して排便を促すことを目的として用いられる。 |
---|---|
b | ケンゴシは、ヒルガオ科のアサガオの種子を基原とする生薬で、大腸刺激による瀉下作用を期待して配合されている。 |
c | プランタゴ・オバタの種子又は種皮は、腸管内で水分を吸収して腸内容物に浸透し、糞便のかさを増すとともに糞便を柔らかくすることによる瀉下作用を期待して用いられる。 |
d | マルツエキスは、細菌感染による下痢の症状を鎮めることを目的として用いられる。 |
- 1(a、b)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
- 5(c、d)
【正解3】
a×
ヒマシ油は、「小腸」を刺激することで瀉下作用をもたらす。
b○
c○
d×
記載は、腸内殺菌成分(ベルベリン、アクリノール等)の内容。
マルツエキスは、主に乳幼児の便秘に用いられる瀉下薬。
問 15 胃腸鎮痛鎮痙薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a | パパベリン塩酸塩は、胃液分泌を抑える目的で使用される。 |
---|---|
b | オキセサゼインは、局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるとされ、胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方の目的で使用される。 |
c | エンゴサク は、ナス科のハシリドコロの根茎及び根を基原とし、鎮痛鎮痙作用を期待して配合されている。 |
d | 胃腸鎮痛鎮痙薬に配合されている成分は、胃腸以外に対する作用も示すものがほとんどであり、複数の胃腸鎮痛鎮痙薬が併用された場合、泌尿器系や循環器系、精神神経系などに対する作用(副作用)が現れやすくなる。 |
- 1(a、b)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
- 5(c、d)
【正解4】
a×
パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示す。抗コリン成分と異なり、胃液分泌を抑える作用は見出されない。
b○
c×
記載は、ロートコンの内容。
エンゴサクは、ケシ科のエンゴサクの塊茎を基原とする生薬。
d○
問 16 駆虫薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a | 駆除した虫体や腸管内に残留する駆虫成分の排出を促すため、 瀉下薬であるヒマシ油が併用される。 |
---|---|
b | 消化管から吸収 されたサントニンは主に肝臓で代謝されるが、肝臓病の診断を受けた人では、肝障害を悪化させるおそれがある。 |
c | マクリは、フジマツモ科のマクリの全藻を基原とする生薬で、回虫に痙攣を起こさせる作用を示し、虫体を排便とともに排出させることを目的として用いられる。 |
d | パモ酸ピルビニウムは、アセチルコリン伝達を妨げて、回虫及び蟯虫の運動筋を麻痺させる作用を示し、虫体を排便とともに排出させることを目的として用いられる。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
- 5(c、d)
【正解3】
a×
ヒマシ油を使用すると腸管内で駆虫成分が吸収されやすくなり、副作用を生じる危険性が高まるため、ヒマシ油との併用は避ける必要がある。
b○
c○
d×
記載は、ピペラジンリン酸塩の内容。
パモ酸ピルビニウムは、蟯虫の呼吸や栄養分の代謝を抑えて殺虫作用を示す。
問 17 心臓などの器官や血液に作用する薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | ゴオウ は、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされる。 |
---|---|
b | シンジュ は、ウグイスガイ科のアコヤガイ、シンジュガイ又はクロチョウガイ等の外套膜組成中に病的に形成された顆粒状物質を基原とする生薬で、鎮静作用等を期待して用いられる。 |
c | 苓桂朮甘湯は、強心作用と尿量増加(利尿)作用により、水毒(漢方の考え方で、体の水分が停滞したり偏在して、その循環が悪いことを意味する。)の排出を促す。 |
a b c | |
1 | 誤 誤 正 |
2 | 誤 正 正 |
3 | 正 誤 誤 |
4 | 正 正 誤 |
5 | 正 正 正 |
【正解4】
a○
b○
c×
苓桂朮甘湯は、主に尿量増加(利尿)作用により水毒の排出を促すが、強心作用が期待される生薬は含まれない。
問 18 コレステロール及びリポタンパク質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | コレステロールは水に溶けやすい物質であるため、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在する。 |
---|---|
b | コレステロールは、胆汁酸や副腎皮質ホルモン等の生理活性物質の産生に重要な物質であり、コレステロールの産生及び代謝は、主として膵臓で行われる。 |
c | 血液中の低密度リポタンパク質(LDL)が多く、高密度リポタンパク質(HDL)が少ないと、心臓病や肥満、動脈硬化症等の生活習慣病につながる危険性が高くなる。 |
d | 血漿中のリポタンパク質のバランスの乱れは、生活習慣病を生じる以前の段階では自覚症状を伴わないことが多い。 |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 正 |
2 | 正 誤 誤 誤 |
3 | 誤 正 正 誤 |
4 | 誤 正 誤 正 |
5 | 誤 誤 正 正 |
【正解5】
a×
コレステロールは、水に溶けにくい物質である。
b×
コレステロールの産生及び代謝は、主として「肝臓」で行われる。
c○
d○
問 19 高コレステロール改善薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | 高コレステロール改善薬は、ウエスト周囲径(腹囲)を減少させるなどの痩身効果を目的とする医薬品ではない。 |
---|---|
b | リボフラビンの摂取によって尿が黄色くなった場合は、使用を中止する必要がある。 |
c | ビタミンEは、コレステロールの生合成抑制と排泄・異化促進作用、過酸化脂質分解作用を有すると言われている。 |
d | リノール酸 は、腸管におけるコレステロールの吸収を抑える効果を期待して用いられる。 |
a b c d | |
1 | 正 正 誤 正 |
2 | 誤 正 正 誤 |
3 | 正 誤 正 正 |
4 | 誤 誤 正 正 |
5 | 正 誤 誤 誤 |
【正解5】
a○
b×
リボフラビンの摂取によって尿が黄色くなることがあるが、これは使用の中止を要する副作用等の異常ではない。
c×
記載は、ビタミンB2(リボフラビン酪酸エステル等)の内容。
ビタミンEは、コレステロールからの過酸化脂質の生成を抑えるほか、末梢血管における血行を促進する作用がある。
d×
記載は、大豆油不鹸化物(ソイステロール)の内容。
リノール酸は、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して用いられる。
問 20 貧血用薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a | 鉄製剤 は、服用の前後30分にコーヒーを飲むと、鉄の吸収が悪くなることがある。 |
---|---|
b | 葉酸は、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として配合されている。 |
c | コバルト は、赤血球ができる過程で必要不可欠なビタミンB12の構成成分であり、硫酸コバルトは、骨髄での造血機能を高める目的で配合されている。 |
d | 鉄欠乏性貧血を予防するため、貧血の症状がみられる以前から継続的に鉄製剤を使用することが適当である。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
- 5(c、d)
【正解2】
a○
b×
記載は、ビタミンCの内容。
葉酸は、正常な赤血球の形成に働く。
c○
d×
貧血の症状がみられる以前から予防的に貧血用薬(鉄製剤)を使用することは適当でない。
問 21 循環器用薬に配合されるユビデカレノンに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | 肝臓や心臓などの臓器に多く存在し、エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける成分である。 |
---|---|
b | 摂取された栄養素からエネルギーが産生される際にビタミンB群とともに働く。 |
c | 副作用として、胃部不快感、食欲減退、吐きけ 、下痢、発疹・痒みが現れることがある。 |
d | ニコチン酸が遊離し、そのニコチン酸の働きによって末梢の血液循環を改善する作用を示すとされる。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 誤 |
2 | 正 正 正 正 |
3 | 誤 誤 正 正 |
4 | 正 誤 誤 正 |
5 | 誤 正 誤 誤 |
【正解1】
a○
b○
c○
d×
記載は、ヘプロニカート、イノシトールヘキサ二コチネートの内容。
問 22 外用痔疾用薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | ジブカイン塩酸塩が配合された坐剤及び注入軟膏では、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。 |
---|---|
b | 痔による肛門部の創傷の治癒を促す効果を期待して、アラントインが用いられる。 |
c | ステロイド性抗炎症成分が配合された坐剤及び注入軟膏では、その含有量によらず長期連用を避ける必要がある。 |
d | シコンはシソ科のコガネバナの根を基原とする生薬で、止血効果を期待して用いられる。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 正 |
2 | 誤 正 誤 誤 |
3 | 誤 誤 正 正 |
4 | 正 誤 誤 正 |
5 | 正 正 正 誤 |
【正解5】
a○
b○
c○
d×
シコンは、ムラサキ科のムラサキの根を基原とする生薬で、新陳代謝促進、殺菌、抗炎症等の作用を期待して用いられる。
シソ科のコガネバナの周皮を除いた根を基原とする生薬は、オウゴンであり、内用痔疾用薬として主に抗炎症作用を期待して用いられる。
問 23 次の記述にあてはまる漢方処方製剤として、最も適切なものはどれか。
体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿でときに口渇があるものの下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、 痒み、排尿困難、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、尿漏れに適すとされるが、胃腸の弱い人、下痢しやすい人では、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢の副作用が現れるおそれがあるため使用を避ける必要があり、また、のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人では、のぼせ、動悸等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
1 | 牛車腎気丸 |
---|---|
2 | 八味地黄丸 |
3 | 六味丸 |
4 | 猪苓湯 |
5 | 竜胆瀉肝湯 |
【正解2】
八味地黄丸(「疲れやすくて四肢が冷えやすい、尿漏れ」が特徴的)
問 24 婦人薬及びその適用対象となる体質・症状に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | 月経の約10~3日前に現れ、月経開始と共に消失する腹部膨満感、頭痛、乳房痛などの身体症状や感情の不安定、抑鬱などの精神症状を主体とするものを、月経前症候群という。 |
---|---|
b | 妊娠中の女性ホルモン成分の摂取によって胎児の先天性異常の発生が報告されており、妊婦又は妊娠していると思われる女性では、エストラジオ ールを含有する医薬品の使用を避ける必要がある。 |
c | 桂枝茯苓丸は、体力中等度又はやや虚弱で冷えがあるものの胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害、感冒に適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。 |
d | 当帰芍薬散は、体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔疾、打撲症に適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。 |
a b c d | |
1 | 正 正 誤 誤 |
2 | 正 正 誤 正 |
3 | 正 誤 正 誤 |
4 | 誤 正 正 正 |
5 | 誤 誤 誤 正 |
【正解1】
a○
b○
c×
記載は、五積散の内容。「冷え、感冒」が特徴的で、カンゾウ・マオウを含む。
d×
記載は、桃核承気湯の内容。「のぼせて便秘しがち、痔疾」が特徴的で、カンゾウ・ダイオウを含む。
問 25 アレルギー(過敏反応)、内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a | ジフェンヒドラミン塩酸塩は、吸収されたジフェンヒドラミンの一部が乳汁に移行して乳児に昏睡を生じるおそれがあるため、母乳を与える女性は使用を避けるか、使用する場合には授乳を避ける必要がある。 |
---|---|
b | アレルゲン(抗原)が皮膚や粘膜から体内に入り込むと、その物質を特異的に認識したヒスタミンによって脂肪細胞が刺激され、細胞間の刺激の伝達を担う生理活性物質である免疫グロブリン(抗体)が遊離する。 |
c | 辛夷清肺湯は、体力中等度以上で、濃い鼻汁が出て、ときに熱感を伴うものの鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症に適するとされている。 |
d | ケイガイは、ハクモクレン等の蕾を基原とする生薬で、鎮静、鎮痛の作用を期待して用いられる。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(a、d)
- 4(b、c)
- 5(b、d)
【正解2】
a○
b×
アレルゲンが皮膚や粘膜から体内に入り込むと、その物質を特異的に認識した「免疫グロブリン(抗体)」によって肥満細胞が刺激され、細胞間の刺激の伝達を担う生理活性物質である「ヒスタミン」やプロスタグランジン等の物質が遊離する。
c○
d×
記載は、シンイの内容。
ケイガイは、シソ科のケイガイの花穂を基原とする生薬で、発汗、解熱、鎮痛等の作用を有するとされ、鼻閉への効果を期待して用いられる。
問 26 鼻炎用点鼻薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a | テトラヒドロゾリン塩酸塩は、交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として用いられる。 |
---|---|
b | クロモグリク酸ナトリウムは、アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対して有効である。 |
c | セチル ピリジニウム塩化物は、ヒスタミンの働きを抑える作用を期待して用いられる。 |
d | リドカインは、鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として配合されている。 |
- 1(a、c)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
- 5(c、d)
【正解2】
a○
b×
クロモグリク酸ナトリウムは、アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しては「無効」である。
c×
セチルピリジニウム塩化物は、鼻粘膜を清潔に保ち、細菌による二次感染を防止することを目的とする殺菌消毒成分。
ヒスタミンの働きを抑えるのは、抗ヒスタミン成分であり、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェン等がある。
d○
問 27 眼科用薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a | プラノプロフェンは、炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促すことを目的として用いられる。 |
---|---|
b | ネオスチグミンメチル硫酸塩は、コリンエステラーゼの働きを抑える作用を示し、毛様体におけるアセチルコリンの働きを助けることで、目の調節機能を改善する効果を目的として用いられる。 |
c | ヒアルロン酸ナトリウムは、眼粘膜のタンパク質と結合して皮膜を形成することで、外部の刺激から保護することを目的として用いられる。 |
d | サルファ剤は、細菌感染(ブドウ球菌や連鎖球菌)による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善を目的として用いられる。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(a、d)
- 4(b、d)
- 5(c、d)
【正解4】
a×
記載は、アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)、アラントインの内容。
プラノプロフェンは、非ステロイド性抗炎症成分であり、炎症の原因となる物質の生成を抑える作用を示し、目の炎症を改善する効果を期待して用いられる。
b○
c×
記載は、硫酸亜鉛水和物の内容。
ヒアルロン酸ナトリウムは、添加物(粘稠化剤)として用いられ、コンドロイチン硫酸ナトリウムと結合することにより、その粘稠性を高める。
d○
問 28 外皮用薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | ヘパリン類似物質は、創傷面に浸透して、その部位を通っている血管を収縮させることによる止血効果を期待して用いられる。 |
---|---|
b | 酸化亜鉛は、患部のタンパク質と結合して皮膜を形成し、皮膚を保護する作用を示すため、患部が浸潤又は化膿している場合に用いられる。 |
c | 尿素は、皮膚の角質層を構成するケラチンを変質させることによる角質軟化作用を期待して用いられる。 |
d | カンフルは、軽い炎症を起こして反射的な血管の拡張による患部の血行を促す効果を期待して、また、知覚神経を麻痺させることによる鎮痛・鎮痒の効果を期待して用いられる。 |
a b c d | |
1 | 正 正 誤 正 |
2 | 正 誤 正 誤 |
3 | 誤 正 誤 誤 |
4 | 誤 正 正 正 |
5 | 誤 誤 誤 正 |
【正解5】
a×
記載は、ナファゾリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分の内容。
ヘパリン類似物質は、患部局所の血行を促すことを目的として用いられ、抗炎症作用や保湿作用も期待される。
b×
酸化亜鉛は、患部が浸潤又は化膿している場合、傷が深いときなどには、表面だけを乾燥させてかえって症状を悪化させるおそれがあり、使用を避けることとされている。
c×
記載は、イオウの内容。
尿素は、角質層の水分保持量を高め、皮膚の乾燥を改善することを目的として用いられる。
d○
問 29 外皮用薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a | インドメタシンは、皮膚の下層にある骨格筋や関節部まで浸透してプロスタグランジンの産生を促す作用を示す。 |
---|---|
b | ウフェナマートは、炎症を生じた組織に働いて、細胞膜の安定化、活性酸素の生成抑制などの作用により、抗炎症作用を示すと考えられている。 |
c | ステロイド性抗炎症成分は、体の一部分に生じた湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも、虫さされ等の一時的な皮膚症状(ほてり・腫れ・痒み等)の緩和を目的として用いられる。 |
d | フェルビナクには、殺菌作用があり、皮膚感染症に効果があるため、みずむし、たむし等又は化膿している患部への使用が適している。 |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
- 5(c、d)
【正解3】
a×
インドメタシンは、皮膚の下層にある骨格筋や関節部まで浸透してプロスタグランジンの産生を「抑える」作用を示す。
b○
c○
d×
フェルビナクには、殺菌作用はないため、皮膚感染症に対しては効果がなく、痛みや腫れを鎮めることでかえって皮膚感染が自覚されにくくなるおそれがあるため、みずむし、たむし等又は化膿している患部への使用は避ける必要がある。
問 30 抗真菌作用を有する外皮用薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a | 一般的に、じゅくじゅくと湿潤している患部には、軟膏又はクリームが適すとされる。 |
---|---|
b | 液剤は、有効成分の浸透性が低いため、患部に対する刺激が弱い。 |
c | 湿疹か皮膚糸状菌による皮膚感染かはっきりしない場合、抗真菌成分が配合された医薬品を使用することが適当である。 |
d | シクロピロクスオラミンは、皮膚糸状菌の細胞膜に作用して、その増殖・生存に必要な物質の輸送機能を妨げ、その増殖を抑える。 |
- 1(a、b)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
- 5(c、d)
【正解2】
a○
b×
液剤は、有効成分の浸透性が高いが、患部に対する刺激が強い。
c×
湿疹か皮膚糸状菌による皮膚感染かはっきりしない場合に、抗真菌成分が配合された医薬品を使用することは適当でない。
d○
問 31 毛髪用薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | ヒノキチオールは、ヒノキ科のタイワンヒノキ、ヒバ等から得られた精油成分で、抗菌、抗炎症などの作用を期待して用いられる。 |
---|---|
b | カルプロニウム塩化物は、末梢組織において抗コリン作用を示し、頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられる。 |
c | カシュウは、ウコギ科の生薬で、血行促進、抗炎症などの作用を期待して用いられる。 |
a b c | |
1 | 正 正 正 |
2 | 誤 正 正 |
3 | 正 正 誤 |
4 | 正 誤 誤 |
5 | 誤 誤 正 |
【正解4】
a○
b×
カルプロニウム塩化物は、末梢組織においてアセチルコリンに類似した「コリン作用」を示す。
c×
記載は、チクセツニンジンの内容。
カシュウは、タデ科のツルドクダミの塊根を基原とする生薬で、頭皮における脂質代謝を高めて、余分な皮脂を取り除く作用を期待して用いられる。
問 32 歯痛・歯槽膿漏薬の配合成分とその配合目的の組合せの正誤について、正しい組合せはどれか。
a | イソプロピルメチルフェノールーー歯肉溝での細菌の繁殖を抑える |
---|---|
b | チモールーーーーーーーーーーーー歯の齲蝕(むし歯)により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮める |
c | カルバゾクロムーーーーーーーーー炎症を起こした歯周組織からの出血を抑える |
d | グリチルリチン酸二カリウムーーー歯周組織の炎症を和らげる |
a b c d | |
1 | 正 誤 正 誤 |
2 | 正 正 誤 正 |
3 | 正 誤 正 正 |
4 | 誤 正 正 誤 |
5 | 誤 誤 誤 正 |
【正解3】
a○
b×
チモールは、歯肉溝での細菌の繁殖を抑える殺菌消毒成分。
齲蝕により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮めるのは、アミノ安息香酸エチル等の局所麻酔成分。
c○
d○
問 33 咀嚼剤である禁煙補助剤及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | 噛むことにより放出されたニコチンは、主に口腔粘膜から吸収されて循環血液中に移行する。 |
---|---|
b | 口腔内を酸性にする食品を摂取した後は、しばらくは使用を避けることとされている。 |
c | ニコチンは、アドレナリン作動成分が配合された医薬品との併用により、その作用を減弱させるおそれがある。 |
d | ニコチンは、インスリンの血糖降下作用を促進して 、効果を増強させるおそれがある。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 正 |
2 | 正 正 誤 誤 |
3 | 正 誤 誤 正 |
4 | 誤 誤 正 誤 |
5 | 誤 正 誤 正 |
【正解2】
a○
b○
c×
ニコチンは、交感神経系を興奮させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品との併用により、その作用を「増強」させるおそれがある。
d×
ニコチンがインスリンの血糖降下作用に「拮抗」して、効果を「妨げる」おそれがある。
問 34 ビタミン主薬製剤の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | ビタミンB1は、下垂体や副腎系に作用してホルモン分泌の調節に関与するとされている。 |
---|---|
b | ビタミンB6は、タンパク質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持に重要な栄養素である。 |
c | ビタミンDは、腸管でのカルシウム吸収及び尿細管でのカルシウム再吸収を促して、骨の形成を助ける栄養素である。 |
a b c | |
1 | 誤 正 正 |
2 | 誤 誤 正 |
3 | 正 正 正 |
4 | 正 正 誤 |
5 | 正 誤 誤 |
【正解1】
a×
記載は、ビタミンEの内容。
ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素で、神経の正常な働きを維持する作用がある。
b○
c○
問 35 滋養強壮保健薬の配合成分とその配合目的の組合せのうち、正しいものの組合せはどれか。
a | システインーーーーーーーーーーーーーー肝臓においてアルコールを分解する酵素の働きを助け、アセトアルデヒドの代謝を促す |
---|---|
b | アミノエチ ルスルホン酸(タウリン)ーー骨格筋の疲労の原因となる乳酸の分解を促す |
c | アスパラギン酸ナトリウムーーーーーーー虚弱体質、腺病質における骨歯の発育促進、妊娠・授乳期の骨歯の脆弱予防に用いられる |
d | ヘスペリジンーーーーーーーーーーーーービタミンCの吸収を助ける |
- 1(a、b)
- 2(a、c)
- 3(a、d)
- 4(b、c)
- 5(b、d)
【正解3】
a○
b×
アミノエチルスルホン酸(タウリン)は、肝臓機能を改善する。
c×
アスパラギン酸ナトリウムは、骨格筋の疲労の原因となる乳酸の分解を促す。
虚弱体質、腺病質における骨歯の発育促進、妊婦・授乳期の骨歯の脆弱予防に用いられるのは、カルシウム。
d○
問 36 漢方処方製剤及び生薬製剤に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a | 漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合には、生後3ヶ月未満の乳児にも使用することができる。 |
---|---|
b | 漢方医学は古来に中国から伝わったもので、現代中国で利用されている中医学に基づく薬剤を漢方処方製剤として使用している。 |
c | 漢方薬を使用する場合、漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが、有効性及び安全性を確保するために重要であり、病態認識には虚実、陰陽、気血水、五臓などがある。 |
d | 生薬製剤に使用される生薬は、薬用部位とその他の部位、又は類似した基原植物を取り違えると、人体に有害な作用を引き起こすことがある。 |
- 1(a、b)
- 2(a、d)
- 3(b、c)
- 4(b、d)
- 5(c、d)
【正解5】
a×
適用年齢の下限が設けられていない場合であっても、生後3ヶ月未満の乳児には「使用しないこと」とされている。
b×
現代中国で利用されている中医学に基づく薬剤は、漢方薬ではなく「中薬」と呼ばれ、漢方薬とは明らかに別物である。
c○
d○
問 37 生薬成分に関する次の記述のうち、 誤っているものはどれか。
1 | サンシュユは、ヤマノイモ科のヤマノイモ又はナガイモの周皮を除いた根茎(担根体)を基原とする生薬で、主に強壮作用を期待して用いられる。 |
---|---|
2 | ヨクイニンは、イネ科のハトムギの種皮を除いた種子を基原とする生薬で、肌荒れやいぼに用いられる。 |
3 | モクツウは、アケビ科のアケビ又はミツバアケビの蔓性の茎を、通例、横切りしたものを基原とする生薬で、尿量増加(利尿)作用を期待して用いられる。 |
4 | カッコンは、マメ科のクズの周皮を除いた根を基原とする生薬で、解熱、鎮痙等の作用を期待して用いられる。 |
5 | ブクリョウは、サルノコシカケ 科のマツホドの菌核で、通例、外層をほとんど除いたものを基原とする生薬で、利尿、健胃、鎮静等の作用を期待して用いられる。 |
【正解1】
記載は、サンヤクの内容。
サンシュユは、ミズキ科のサンシュユの偽果の果肉を基原とする生薬で、主に強壮作用を期待して用いられる。
問 38 殺菌・消毒、消毒薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | 殺菌・消毒は物質中のすべての微生物を殺滅又は除去することである。 |
---|---|
b | 次亜塩素酸ナトリウムは、皮膚刺激性が弱いため、手指の消毒に適している。 |
c | ジクロルイソシアヌル酸ナトリウム(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)は塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられており、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多い。 |
d | 日本薬局方に収載されているクレゾール石鹸液(クレゾール石ケン液)は、原液を水で希釈して用いられるが、刺激性が強いため、原液が直接皮膚に付着しないようにする必要がある。 |
a b c d | |
1 | 誤 正 誤 誤 |
2 | 正 正 誤 誤 |
3 | 誤 誤 正 正 |
4 | 正 正 正 正 |
5 | 誤 誤 正 誤 |
【正解3】
a×
記載は、滅菌の内容。
殺菌・消毒は、存在する微生物の数を減らすために行われる処置。
b×
次亜塩素酸ナトリウムは、皮膚刺激性が強いため、通常人体の消毒には用いられない。
c○
d○
問 39 殺虫剤の配合成分に関する次の記述のうち、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。
プロポクスルは、代表的な(a )系殺虫成分であり、殺虫作用はアセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と( b )に結合してその働きを阻害することによる。一般に有機リン系殺虫成分に比べて毒性は(c )。
1 | aカーバメイト b不可逆的 c高い |
---|---|
2 | aカーバメイト b可逆的 c低い |
3 | aカーバメイト b不可逆的 c低い |
4 | aピレスロイド b不可逆的 c低い |
5 | aピレスロイド b可逆的 c高い |
【正解2】
プロポクスルは、代表的な(aカーバメイト )系殺虫成分であり、殺虫作用はアセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と(b可逆的 )に結合してその働きを阻害することによる。一般に有機リン系殺虫成分に比べて毒性は(c低い )。
問 40 一般用検査薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a | 一般用検査薬には、悪性腫瘍の検査が可能なものがあり、薬局で購入することができる。 |
---|---|
b | 対象とする生体物質を特異的に検出するように設計されていることから、正しい方法で検体を採取し、一般用検査薬を正しく使用すれば、 偽陰性・擬陽性を完全に排除することができる。 |
c | 尿タンパク検査の場合、原則として早朝尿(起床直後の尿)を検体とする。 |
d | 妊娠検査薬は、尿中のエストラジオールの有無を調べるものである。 |
a b c d | |
1 | 正 正 正 正 |
2 | 正 正 誤 誤 |
3 | 誤 誤 誤 正 |
4 | 誤 誤 正 誤 |
5 | 正 誤 正 誤 |
【正解4】
a×
悪性腫瘍、心筋梗塞や遺伝性疾患など重大な疾患の診断に関係するものは一般用検査薬の対象外である。
b×
生体から採取された検体には予期しない妨害物質や化学構造がよく似た物質が混在することがあり、いかなる検査薬においても偽陰性・擬陽性を完全に排除することは困難である。
c○
d×
妊娠検査薬は、尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)の有無を調べるものである。