登録販売者試験情報
島根県の登録販売者試験情報【令和6年】
試験に関するご質問は、以下記載の「担当部署」へご連絡ください。
島根県の最新試験情報傾向と対策を見る |
|
---|---|
試験日時 |
令和6年11月13日(水) 午前10時 ~ 午後3時30分 |
会場 |
松江市内 ※詳細な試験の実施場所は令和6年9月30日(月)までに、受験通知書により個別に通知します。 |
受験申請書受付期間 |
令和6年8月2日(金)~ 令和6年8月16日(金) ※郵送・持参 |
受験手数料 |
14,000円 |
合格発表 |
令和6年12月20日(金) |
島根県の試験情報 問い合わせ先 |
|
---|---|
担当部署 | 島根県 健康福祉部 薬事衛生課 |
電話番号 | 0852-22-5259 |
ホーム ページ |
https://www.pref.shimane.lg.jp/medical/yakuji/yakuji/yakuji_info/toroku_hanbaisha/tourokuhanbaisyasiken.html |
島根県の試験情報 合格率推移 |
|||
---|---|---|---|
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
令和5年度合格情報 | 227 | 64 | 28.2% |
令和4年度合格情報 | 373 | 126 | 33.8% |
令和3年度合格情報 | 338 | 194 | 57.4% |
令和2年度合格情報 | 280 | 140 | 50.0% |
令和元年度合格情報 | 245 | 97 | 39.6% |
平成30年度合格情報 | 265 | 81 | 30.6% |
平成29年度合格情報 | 265 | 83 | 31.3% |
平成28年度合格情報 | 204 | 55 | 27.0% |
平成27年度合格情報 | 230 | 70 | 30.4% |
平成26年度合格情報 | 164 | 67 | 40.9% |
平成25年度合格情報 | 137 | 66 | 48.2% |
平成24年度合格情報 | 162 | 55 | 34.0% |
平成23年度合格情報 | 177 | 91 | 51.4% |
平成22年度合格情報 | 177 | 105 | 59.3% |
平成21年度合格情報 | 225 | 122 | 54.2% |
平成20年度合格情報 | 318 | 213 | 67.0% |
令和1年度登録販売者試験島根県の傾向と対策
●表中の「難易度」は、☆の数でその目安を示しています。
・基本問題は☆
・選択肢のいくつかが基本を超える問題は ☆☆
・発展的な内容で解答するのが難しい問題は ☆☆☆
【第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識】
問題 | 出題のテーマ | 難易度 |
---|---|---|
問1 | 医薬品の本質 | ☆ |
問2 | 医薬品のリスク評価 | ☆ |
問3 | 健康食品及びセルフメディケーション | ☆ |
問4 | 世界保健機関による副作用の定義 | ☆ |
問5 | 医薬品の副作用 | ☆☆ |
問6 | 医薬品の副作用 | ☆ |
問7 | 医薬品の不適正な使用と有害事象 | ☆ |
問8 | 医薬品等の相互作用 | ☆ |
問9 | 小児への医薬品の使用 | ☆ |
問10 | 妊婦又は妊娠していると思われる女性への医薬品の使用 | ☆ |
問11 | 医療機関で治療を受けている人等への医薬品の使用 | ☆ |
問12 | 医薬品の品質 | ☆ |
問13 | プラセボ効果 | ☆ |
問14 | 一般用医薬品で対処可能な症状等の範囲 | ☆ |
問15 | 一般用医薬品の定義 | ☆☆ |
問16 | 販売等に従事する専門家が購入者から確認しておきたい事項 | ☆ |
問17 | CJD訴訟を契機に国が講じた措置 | ☆☆ |
問18 | HIV訴訟 | ☆ |
問19 | サリドマイド及びサリドマイド訴訟 | ☆ |
問20 | ヒト免疫不全ウイルス(HIV)及びHIV訴訟 | ☆ |
第1章の出題傾向
第1章全体からもれなく基本問題が出題されている。注意したい問題肢としては、問2「無作用量とは、薬物の効果が発現し、有害反応が発現しない最大の投与量のことである。」この説明は治療量上限についてのものなので×。問53「 習慣性とは、物質が有する明確な依存を形成する性質のことであり、依存形成性ともいう。」これは習慣性でなく依存性の特徴なのでまるので×。依存性と習慣性の違いを確認しておきたい。また、問10では「一般用医薬品においても、多くの場合、妊婦が使用した場合における( )に関する評価が困難である」とあり、( )に入れる用語として安全性か有効性のどちらが正しいかを考えさせるものになっている。どちらもあてはまるような選択肢だが、ここでは省いているが問10の文章全体の流れから判断して正解は安全性になる。こういった盲点になりやすい点にも注意しながら、基本を固める学習で十分対応できる。
ポイント1
次のような、薬害訴訟を契機に講じられた措置に関する問題は頻出だ。
- 問17 クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)訴訟を契機に国が講じた措置に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
- a 医薬品を迅速に供給するための「緊急輸入」制度の創設
- b 独立行政法人医薬品医療機器総合機構による生物由来製品による感染等被害救済制度の創設
- c 2002年に行われた薬事法改正に伴う、生物由来製品の安全対策強化
- d 医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るための、医薬品副作用被害救済制度の創設
【第2章 人体の働きと医薬品】
問題 | 出題のテーマ | 難易度 |
---|---|---|
問21 | 消化器系 | ☆ |
問22 | 消化酵素 | ☆☆ |
問23 | 消化器系とビタミン | ☆☆ |
問24 | 呼吸器系 | ☆ |
問25 | 心臓及び血管系 | ☆ |
問26 | 赤血球及び白血球 | ☆ |
問27 | リンパ系 | ☆☆ |
問28 | 泌尿器系 | ☆ |
問29 | 目 | ☆ |
問30 | 鼻及び耳 | ☆ |
問31 | 外皮系 | ☆☆ |
問32 | 骨の機能とその説明 | ☆☆ |
問33 | 脳や神経系 | ☆☆ |
問34 | 交感神経系が活発になっているときに効果器に及ぼす作用 | ☆☆ |
問35 | 医薬品の吸収 | ☆ |
問36 | 医薬品の代謝及び排泄 | ☆ |
問37 | 医薬品の剤形 | ☆ |
問38 | ショック(アナフィラキシー) | ☆ |
問39 | 偽アルドステロン症 | ☆☆ |
問40 | 目に現れる医薬品の副作用 | ☆ |
第2章の出題傾向
「人体の構造と働き」から14題ある。この中では消化器系と循環器系が特に重要で、それぞれ3題であった。問23は、消化系とビタミンの関連性を問うもので、切り口が新しい。「症状から見た主な副作用」については、ショック(アナフィラキシー)、偽アルドステロン症、そして目に現れる副作用という3項目に的を絞って、空欄補充形式で症状、発症機序、注意が必要な人を問うものになっている。第2章全体を通しての難易度は、基本を身につけていれば解くことができるものがほとんどで、奇を衒うものはなく、重要度が高い内容から出題されている。ひとつひとつのテーマに対して、深く確実な知識を身につけることが求められる。
ポイント1
つぎは、骨の機能を4つあげその説明の正誤をきくもので、あまり見られない出題。基本中の基本だが、このような知識の土台をまず固める学習が大切だ。
- 問32 骨の機能とその説明の組み合わせとして、誤っているものはどれか。
-
【機 能】 【説 明】 1 臓器保護機能 骨格内に臓器を収め、保護する。 2 運動機能 平滑筋の収縮を効果的に体躯の運動に転換する。 3 造血機能 骨髄で産生される造血幹細胞から赤血球、白血球、
血小板に分化することにより体内に供給する。4 貯蔵機能 カルシウムやリン等の無機質を蓄える。
【第3章 主な医薬品とその作用】
問題 | 出題のテーマ | 難易度 |
---|---|---|
問1 | かぜ(感冒)及びかぜ薬 | ☆ |
問2 | かぜ薬の配合成分とその配合目的 | ☆ |
問3 | かぜ薬の配合成分 | ☆ |
問4 | かぜ薬に配合される成分のうち依存性のあるもの | ☆ |
問5 | かぜの症状緩和に用いられる漢方処方製剤 | ☆☆ |
問6 | 解熱鎮痛薬 | ☆ |
問7 | 解熱鎮痛成分 | ☆ |
問8 | 眠気を促す薬とその配合成分 | ☆ |
問9 | カフェイン及びカフェインを含む医薬品 | ☆☆ |
問10 | 鎮暈薬(乗物酔い防止薬)の配合成分 | ☆☆ |
問11 | 咳や痰及び鎮咳去痰薬 | ☆ |
問12 | 鎮咳去痰薬の配合成分 | ☆ |
問13 | 咳止めや痰を出しやすくする漢方でマオウを含むもの | ☆☆ |
問14 | 口腔咽喉薬及びうがい薬 | ☆ |
問15 | ヨウ素系殺菌消毒成分が配合されたうがい薬 | ☆ |
問16 | 胃の薬とその配合成分 | ☆ |
問17 | 胃の薬の配合成分とその配合目的 | ☆ |
問18 | 止瀉薬の配合成分 | ☆☆ |
問19 | 瀉下薬の配合成分 | ☆☆ |
問20 | 瀉下薬に配合される生薬とその基原 | ☆☆☆ |
問21 | 胃腸鎮痛鎮痙薬の配合成分 | ☆☆ |
問22 | 浣腸薬 | ☆ |
問23 | 強心薬の配合成分 | ☆☆ |
問24 | 血中コレステロールと高コレステロール改善薬 | ☆ |
問25 | 貧血用薬 | ☆ |
問26 | 痔について | ☆ |
問27 | 外用痔疾用薬の配合成分 | ☆ |
問28 | 婦人薬として用いられる漢方処方製剤 | ☆☆☆ |
問29 | アレルギー及びアレルギー用薬 | ☆ |
問30 | 眼科用薬 | ☆ |
問31 | 眼科用薬の配合成分 | ☆☆ |
問32 | 外皮用薬 | ☆ |
問33 | 外皮用薬に用いられるステロイド性抗炎症成分 | ☆ |
問34 | 外皮用薬の配合成分 | ☆☆ |
問35 | 歯痛・歯槽膿漏薬及び口内炎用薬 | ☆ |
問36 | ニコチン及び禁煙補助剤(咀嚼剤) | ☆☆ |
問37 | ビタミン成分 | ☆ |
問38 | 漢方の特徴・漢方薬使用における基本的な考え方 | ☆ |
問39 | 殺虫剤 | ☆☆ |
問40 | 一般用検査薬 | ☆ |
第3章の出題傾向
第3章についいても、基本知識が確実に身についているかどうかを確かめるものが多い。絶対に押さえておきたいポイントがずらりと並んでいるという感じ。漢方からの出題も4題あったが、麻黄湯・葛根湯・小柴胡湯・柴胡桂枝湯といった代表的なものや、婦人薬からの出題で、基本をおさえていれば対応できるものだった。また他のエリアでは、生薬成分の問題が増加して難易度も上がっている特徴があるが、中国エリアについてはそのような傾向はなく例年通りの難易度だった。細部を問うものとして、問3「 セミアルカリプロティナーゼには、フィブリノゲンを分解する作用はない」(正解×)、問6「 通常、体温が38℃以下であればひきつけや著しい体力消耗等のおそれはなく、平熱になるまで解熱鎮痛薬を用いる必要はない」(正解〇)、問32 「一般的に、みずむしのじゅくじゅくと湿潤している患部には液剤が、皮膚が厚く角質化している部分には軟膏又はクリームが適している」(正解×)などいくつかあり、出題頻度は低いものの、重要ポイントと並行してこのような細部にも目を通しておきたい。
ポイント1
殺菌消毒成分、非ステロイド性抗炎症成分、抗真菌成分、毛髪用薬という複数の項目が1題の中で扱われている総合問題になっている。設問のひとつひとつを見ると基本だが、総合的に問われることで、覚えたはずなのに混乱してしまうケースもあるのでは。知識が本当に身についているかどうかがためされている。
- 問34 クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)訴訟を契機に国が講じた措置に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
- a アクリノールは、黄色の色素で、一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)に対する殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がない。
- b ブテナフィン塩酸塩が配合された外皮用薬を使用している間及び使用後も当分の間は、天候にかかわらず、戸外活動を避けるとともに、日常の外出時に、紫外線に当たるのを避ける必要がある。
- c オキシコナゾール硝酸塩は、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げたり、細胞膜の透過性を変化させることにより、その増殖を抑える。
- d 毛髪用薬には、女性ホルモンによる脱毛抑制効果を期待して、女性ホルモン成分の一種であるエストラジオール安息香酸エステルが配合されている場合がある。
【第4章 薬事に関する法規と制度】
問題 | 出題のテーマ | 難易度 |
---|---|---|
問41 | 医薬品医療機器等法の目的 | ☆ |
問42 | 日本薬局方について | ☆☆ |
問43 | 要指導医薬品 | ☆ |
問44 | 一般用医薬品のリスク区分 | ☆ |
問45 | 容器、外箱及び添付文書等への記載事項 | ☆☆ |
問46 | 医薬部外品 | ☆☆ |
問47 | 保健機能食品等の食品 | ☆☆ |
問48 | 医薬品の販売業 | ☆ |
問49 | 医薬品の販売業の許可行為の範囲 | ☆ |
問50 | 薬局 | ☆ |
問51 | 店舗販売業 | ☆ |
問52 | 配置販売業 | ☆ |
問53 | 医薬品のリスク区分に応じた情報提供 | ☆ |
問54 | 掲示板で掲示しなければならない事項 | ☆☆ |
問55 | 特定販売 | ☆☆ |
問56 | 遵守すべき事項 | ☆ |
問57 | 医薬品の広告 | ☆☆ |
問58 | 医薬品の販売方法 | ☆ |
問59 | 医薬品等適正広告基準 | ☆ |
問60 | 行政庁が行う監視指導及び処分 | ☆ |
第4章の出題傾向
第4章は、標準問題が中心ではあるが、ところどころに高レベルな問題が挟み込まれているという作問になっている。出題範囲を見ると、医薬品の販売業について薬局を含めて5題、適正な広告・販売方法・販売業者の遵守事項について5題と、「医薬品販売業」に関するものが半数を占めていることが特徴的である。問50にある設問「薬局として開設の許可を受けていないものは、どのような場所であっても薬局の名称を付してはならない」は間違いやすい。病院などの調剤所は薬局の名称を付けられるので、正解は×になる。また、問52「 配置販売業の許可は、要指導医薬品又は一般用医薬品を配置により販売する業務について、配置しようとする区域の都道府県知事が与える」という設問はひっかけ問題になっている。配置販売業では、要指導医薬品は販売できないのでこれも正解は×になることに注意しよう。
ポイント1
次の問題では、日本薬局方についてまるまる1問で扱われている。日本薬局方という用語は医薬品の定義(法2条1項)に出てくるので、受験生として身につけなければならないキーワードの一つだが、ここでは、成立の背景と内容まで問うものになっている。
- 問42 日本薬局方に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
- a 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第41条第1項の規定に基づいて、厚生労働大臣が医薬品の性状及び品質の適正を図るため、都道府県知事の意見を聴いて定めたものである。
- b 一般用医薬品として販売されている、又は一般用医薬品の中に配合されているものは収載されていない。
- c 保健医療上重要な医薬品について、必要な規格・基準及び標準的試験法等を定めたものである。
- d 日本薬局方に収められている物は、医薬品である。
【第5章 医薬品の適正使用・安全対策】
問題 | 出題のテーマ | 難易度 |
---|---|---|
問41 | 一般用医薬品の添付文書 | ☆ |
問42 | 一般用医薬品の添付文書 | ☆ |
問43 | 15歳未満の小児は使用しないこととされる医薬品成分 | ☆☆☆ |
問44 | 妊娠していると思われる人は使用しないこととされる成分 | ☆☆☆ |
問45 | 授乳中の人は使用しないこととされる成分 | ☆☆ |
問46 | 医薬品成分と使用上の注意の記載 | ☆☆ |
問47 | 医薬品成分と使用上の注意の記載 | ☆☆ |
問48 | 医薬品成分と使用上の注意の記載 | ☆☆ |
問49 | 一般用検査薬の添付文書の記載 | ☆☆ |
問50 | 一般用医薬品の保管及び取り扱い上の注意 | ☆ |
問51 | 一般用医薬品の製品表示 | ☆ |
問52 | 安全性情報 | ☆ |
問53 | 医薬品の副作用情報等の収集、評価及び措置 | ☆☆ |
問54 | 医薬品副作用被害救済制度 | ☆☆ |
問55 | 医薬品副作用被害救済制度の給付のうち給付額が定額でないもの | ☆☆ |
問56 | 医薬品副作用被害救済制度の給付について | ☆☆ |
問57 | 医薬品PLセンター | ☆☆ |
問58 | 一般用医薬品の安全対策 | ☆ |
問59 | 一般用医薬品の安全対策 | ☆☆ |
問60 | 医薬品の適正使用のための啓発活動 | ☆ |
第5章の出題傾向
別表5-1と別表5-2にある「主な使用上の注意の記載とその対象成分」からは6問で、どれもレベルが高かった。出題が稀なアミノフィリン、サリチル酸ナトリウム、ピペラジン、硫酸ナトリウムなどが医薬品成分として扱われている上に、それぞれの問題で一つのテーマが扱われるのではなく、ぜんそくと腎臓病、貧血と緑内障、肝臓病と目のかすみというように、複数の項目が混合して出題されていることで難易度を上げている。対象成分以外では、医薬品副作用被害救済制度についての3題も難易度が高い。給付額が実費か定額か、請求期限の有無、給付請求をする者などが論点となっている。また、「医薬品PLセンター」、「一般用医薬品の安全対策」の問題が空欄補充形式になっていて、これらも答えにくいものになっている。今年度については、他の章が比較的やりやすかったのに対して、第5章はそのバランスをとるかのように難易度を上げた作問になっている傾向が見て取れる。
ポイント1
次の問題は製品表示について。平易なはずなのに、法律の名称が入り込むことで難しい問題という印象に変わる。
- 問51 一般用医薬品の製品表示に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- a 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)の規定により、その一般用医薬品が分類されたリスク区分を示す識別表示等の法定表示事項が記載されている。
- b 適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品においては、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)上、使用期限の表示義務はない。
- c エアゾール製品には、高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)に基づく注意事項として、「高温に注意」と記載されているものがある。
平成30年度登録販売者試験
島根県の傾向と対策
●表中の「難易度」は、☆の数でその目安を示しています。
・基本問題は☆
・選択肢のいくつかが基本を超える問題は ☆☆
・発展的な内容で解答するのが難しい問題は ☆☆☆
●2018年3月に改訂された「試験問題の作成に関する手引き」からの出題については、
表中の「出題のテーマ」に をつけています。
【第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識】
問題 | 出題のテーマ | 難易度 |
---|---|---|
問1 | 医薬品の本質 | ☆ |
問2 | 医薬品のリスク評価 | ☆ |
問3 | 医薬品のリスク評価 | ☆ |
問4 | 健康食品 | ☆ |
問5 | 医薬品の副作用 | ☆ |
問6 | アレルギー(過敏反応) | ☆ |
問7 | 医薬品の不適正な使用と有害事象 | ☆ |
問8 | 医薬品と食品の相互作用 | ☆ |
問9 | 使用上の注意における年齢区分 | ☆ |
問10 | 小児等の医薬品使用 | ☆ |
問11 | 高齢者の医薬品使用 | ☆ |
問12 | 妊婦又は妊娠していると思われる女性の医薬品使用 | ☆ |
問13 | プラセボ効果 | ☆ |
問14 | 医薬品の品質 | ☆ |
問15 | 一般用医薬品の定義 | ☆☆ |
問16 | 一般用医薬品の選択及びセルフメディケーション | ☆ |
問17 | サリドマイド及びサリドマイド訴訟 | ☆ |
問18 | スモン訴訟 | ☆ |
問19 | HIV訴訟 | ☆ |
問20 | CJD訴訟 | ☆☆ |
第1章の出題傾向
基本的な問題が、第1章全体からもれなく出題されている。注意したいものとしては、「医薬品のリスク評価」の項目から2問出題があり、その中の選択肢のひとつに「医薬品毒性試験」の種類についての記述がある点。また「薬害」についても4問の出題があったが、原因となった薬剤が何を目的として使われていたものかがその中で問われているのが目立っている。
ポイント1
「一般用医薬品の役割」については頻出事項であるが、今年度の中国ブロックでは、次のように役割に代わり,一般用医薬品の定義が、条文の穴埋め補充問題として出題されている。第1章としてこのような形式で出題されるのは珍しい。cの空欄に入る医薬品の種類に迷った受験生が多いのではないだろうか。
- 問15 一般用医薬品に関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
- 一般用医薬品は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 (昭和35年法律第145号)において「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が( a )ものであって、 薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく( b )の選択により使用されることが目的とされているもの( ( c ) を除く。)」と定義されている。
-
a b c 1 緩和な 専門家 要指導医薬品 2 著しくない 需要者 医療用医薬品 3 緩和な 専門家 医療用医薬品 4 著しくない 需要者 要指導医薬品 5 緩和な 需要者 要指導医薬品
【第2章 人体の働きと医薬品】
問題 | 出題のテーマ | 難易度 |
---|---|---|
問21 | 小腸 | ☆ |
問22 | 膵液 | ☆ |
問23 | 胆嚢及び肝臓 | ☆ |
問24 | 心臓及び血管系 | ☆ |
問25 | 血漿 | ☆ |
問26 | 白血球 | ☆ |
問27 | 脾臓 | ☆ |
問28 | 腎臓 | ☆☆ |
問29 | 目 | ☆ |
問30 | 鼻及び耳 | ☆ |
問31 | 皮膚の機能 | ☆ |
問32 | 毛 | ☆☆ |
問33 | 中枢神経 | ☆☆ |
問34 | 末梢神経 | ☆ |
問35 | 薬が働く仕組み | ☆ |
問36 | 全身的に現れる医薬品の副作用 | ☆ |
問37 | 精神神経系に現れる医薬品の副作用 | ☆ |
問38 | 医薬品の副作用として現れる間質性肺炎 | ☆☆ |
問39 | 泌尿器系に現れる医薬品の副作用 | ☆ |
問40 | 薬疹 | ☆ |
第2章の傾向と対策
「人体の構造と働き」から14問あり、他のブロックに比べて出題数の多さが目立っている。循環器系について4問(問24~問27)あるのも注目に値する。「症状から見た主な副作用」からも5問で、全身的に現れる副作用から薬疹まで幅広く出題されている。その分「薬が働く仕組み」からはわずか1問だけであった。
難易度は、基本を身につけていれば解くことができるものがほとんどであるが、幅広いだけでなく、ひとつひとつのテーマに対して、深く確実な知識を問うものが多い印象である。
ポイント1
次の、皮膚の機能に関する問題もそのうちのひとつ。たしかに正解自体は簡単に導き出されるが、基本こそ大切だという出題の意図が感じられる内容になっている。
- 問31 皮膚の機能に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- a 体表面を包み、体の形を維持し、保護するとともに、細菌等の異物の体内への侵入を防いでいる。
- b 体の水分が体外に蒸発しないよう、又は、逆に水分が体内に浸透しないよう遮断している。
- c 外界と体内の熱のやり取りをし、体温を一定に保つため重要な役割を担っている。
- d 触覚、圧覚、痛覚、温度感覚等の皮膚感覚を得る感覚器としての機能を有している。
【第3章 主な医薬品とその作用】
問題 | 出題のテーマ | 難易度 |
---|---|---|
問1 | かぜ(感冒)について | ☆ |
問2 | かぜ薬の配合成分とその配合目的 | ☆ |
問3 | かぜ薬の配合成分 | ☆ |
問4 | かぜの症状緩和に用いられる漢方処方製剤 | ☆☆ |
問5 | 解熱鎮痛成分 | ☆ |
問6 | 眠気を促す薬及びその配合成分 | ☆ |
問7 | カフェイン | ☆ |
問8 | 鎮暈薬(乗物酔い防止薬)の配合成分 | ☆☆ |
問9 | 小児の疳を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤 | ☆☆ |
問10 | 鎮咳去痰薬の配合成分とその配合目的 | ☆ |
問11 | 記述にあてはまる漢方処方製剤 | ☆☆ |
問12 | 口腔咽喉薬・うがい薬及びその配合成分 | ☆ |
問13 | 胃の薬及びその配合成分 | ☆☆ |
問14 | 胃の薬の配合成分 | ☆☆ |
問15 | 止瀉薬の配合成分 | ☆☆ |
問16 | 腸の不調を改善する漢方処方製剤 | ☆☆☆ |
問17 | 胃腸鎮痛鎮痙薬の配合成分 | ☆☆ |
問18 | 浣腸薬及びその配合成分 | ☆☆ |
問19 | 駆虫薬及びその配合成分 | ☆☆☆ |
問20 | 強心薬の配合成分 | ☆☆ |
問21 | 血中コレステロール及び高コレステロール改善薬 | ☆ |
問22 | 貧血及び貧血用薬 | ☆ |
問23 | 循環器用薬及びその配合成分 | ☆☆ |
問24 | 痔及び痔疾用薬 | ☆ |
問25 | 痔疾用薬の配合成分 | ☆☆ |
問26 | 泌尿器用薬として使用される漢方処方製剤 | ☆☆☆ |
問27 | 婦人薬及びその配合成分 | ☆ |
問28 | アレルギー及び内服アレルギー用薬 | ☆ |
問29 | 鼻に用いる薬及びその配合成分 | ☆ |
問30 | 眼科用薬及びその配合成分 | ☆ |
問31 | 外皮用薬の配合成分 | ☆☆ |
問32 | 外皮用薬に用いられる殺菌消毒成分 | ☆ |
問33 | 口内炎及び口内炎用薬 | ☆☆ |
問34 | 歯痛・歯槽膿漏薬の配合成分 | ☆☆ |
問35 | ニコチン及び禁煙補助剤 | ☆ |
問36 | 滋養強壮保健薬及びその配合成分 | ☆ |
問37 | 記述にあてはまる漢方処方製剤 | ☆☆ |
問38 | 感染症の防止と消毒薬 | ☆ |
問39 | 有機リン系殺虫成分 | ☆☆☆ |
問40 | 一般用検査薬 | ☆ |
第3章の出題傾向
皮膚に用いる薬の中の数項目(肌の角質軟化・保湿成分、抗菌成分、抗真菌成分、毛髪用薬)を除いて、全範囲からもれなく出題があった。駆虫薬(問19)、有機リン系殺虫成分(問39)は難問であるが、これら以外はほぼ標準的な難易度であり、身につけておきたい知識をそのまま真正面から問いかけてくるものが多い。漢方処方製剤については、「茵蔯蒿湯は、口内炎等に用いられる漢方処方製剤であるが、体が虚弱な人、胃腸が弱く下痢しやすい人では不向きとされる」(問33のⅽ)、とか「泌尿器用薬として使用される漢方処方製剤のうち、体力に関わらず、排尿異常がある場合に適すとされるものはどれか」(問26)など、適す人の体力をきくものが目立った。また他のブロックでは、今年は、生薬成分の問題が増加して難易度も上がっている特徴があるが、中国ブロックについてはそのような傾向はみられない。生薬については例年通りである。
ポイント1
次の強心薬に配合される生薬についてもよく出題される基本事項であるが、各成分について、基原だけではなく、作用についての知識も必要とされていることには注意しておきたい。
- 問20 強心薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
- a ジンコウは、ヒキガエル科のシナヒキガエル等の毒腺の分泌物を集めたものを基原とする生薬で、微量で強い強心作用を示す。
- b ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、 末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされる。
- c シンジュは、シカ科のマンシュウアカジカ又はマンシュウジカの雄のまだ角化していない、若しくは、わずかに角化した幼角を基原とする生薬で、強心作用のほか、強壮、 血行促進等の作用があるとされる。
- d リュウノウは、中枢神経系の刺激作用による気つけの効果を期待して用いられる。
【第4章 薬事に関する法規と制度】
問題 | 出題のテーマ | 難易度 |
---|---|---|
問41 | 医薬品医療機器法第1条 | ☆ |
問42 | 医薬品 | ☆☆ |
問43 | 一般用医薬品 | ☆ |
問44 | 毒薬又は劇薬 | ☆☆ |
問45 | 一般用医薬品のリスク区分 | ☆ |
問46 | 直接の容器又は被包の記載 | ☆ |
問47 | 医薬部外品に表示することができる効能効果 | ☆☆☆ |
問48 | 医薬品又は化粧品 | ☆☆ |
問49 | 食品 | ☆ |
問50 | 薬局 | ☆☆ |
問51 | 店舗販売業 | ☆☆ |
問52 | 配置販売業 | ☆☆ |
問53 | リスク区分に応じた情報提供 | ☆☆ |
問54 | 店舗販売業が飼育動物診療施設に販売したときの書面記載 | ☆☆☆ |
問55 | 医薬品の陳列 | ☆☆ |
問56 | 掲示板で掲示しなければならない事項 | ☆☆ |
問57 | 特定販売 | ☆ |
問58 | 濫用等のおそれのある医薬品の販売方法 | ☆☆ |
問59 | 医薬品の広告 | ☆☆ |
問60 | 薬事監視員に行わせることができる行為 | ☆ |
第4章のポイント
第4章は、標準問題から高レベルな問題まで難易度の振れが大きく、受験生の得点差が激しく出てしまう結果を生んだのではないだろうか。
出題範囲では、薬局と医薬品販売業について、情報提供、陳列方法、掲示や書面記載など、登録販売者として実務につくときに必要とされる知識に直結する項目からの出題が半数を占めていることが特徴的である。
問47にある医薬部外品に表示・標榜することが認められている効能効果については、別表4-1を見ておく必要がある。手引き改訂によって新しく加わった、「医薬品の購入等に関する記録」からも1問出されている(問54)がレベルは相当高い。
ポイント1
次の問題では、内容はどれも基本である。しかし長文になっているため正誤の見極めが難化している。たとえば問題肢bでは、配置販売品目基準に目を奪われてしまうと、配置販売では要指導医薬品は扱うことができないという論点を見落としてしまいがちである。
- 問52 配置販売業に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- a 配置販売業において、医薬品を先用後利によらず現金売りを行うことは、認められていない。
- b 要指導医薬品及び一般用医薬品のうち経年変化が起こりにくいこと等の基準(配置販売品目基準(平成21年厚生労働省告示第26号))に適合するものを販売することができる。
- c 配置販売業者又はその配置員は、配置販売に従事しようとする区域の都道府県知事が発行する身分証明書の交付を受け、かつ、これを携帯しなければ、医薬品の配置販売に従事してはならない。
- d 配置販売業者又はその配置員は、医薬品の配置販売に従事しようとするときは、配置販売業者の氏名及び住所、配置販売に従事する者の氏名及び住所並びに区域及びその期間を、あらかじめ、配置販売に従事しようとする区域の都道府県知事に届け出なければならない。
【第5章 医薬品の適正使用・安全対策】
問題 | 出題のテーマ | 難易度 |
---|---|---|
問41 | 医薬品の適正使用情報 | ☆ |
問42 | 一般用医薬品の添付文書 | ☆ |
問43 | 添付文書に記載される「使用上の注意」 | ☆ |
問44 | 「前立腺肥大による排尿困難の人は使用しないこと」と記載される成分 | ☆ |
問45 | 「牛乳によるアレルギー症状を起こしたことのある人は使用しないこと」と記載される成分 | ☆ |
問46 | 「出産予定日12週以内の妊婦は使用しないこと」と記載される成分 | ☆ |
問47 | 「乗物、機械類の運転操作をしないこと」と記載される成分と、それにより懸念される症状 | ☆☆☆ |
問48 | 「使用上の注意」の記載 | ☆☆ |
問49 | 「使用上の注意」の記載 | ☆☆ |
問50 | 一般用医薬品の添付文書 | ☆ |
問51 | 安全性情報 | ☆☆ |
問52 | 添付文書情報及び製品表示情報の活用 | ☆☆ |
問53 | 医薬品の安全対策 | ☆ |
問54 | 医薬関係者に義務付けられている副作用報告 | ☆ |
問55 | 医薬品副作用被害救済制度 | ☆ |
問56 | 医薬品副作用被害救済制度 | ☆ |
問57 | 医薬品副作用被害救済制度における給付の請求期限 | ☆☆☆ |
問58 | 一般用医薬品の安全対策 | ☆ |
問59 | 一般用医薬品の安全対策 | ☆ |
問60 | 医薬品の適正使用のための啓発活動 | ☆ |
第5章の出題傾向
添付文書の総論から基本的な出題が3問ある。別表5-1と別表5-2にある「主な使用上の注意の記載とその対象成分」からは6問で、問47を除いては、よく出題される内容であり、標準的な問題であるといえる。その他の項目からは、安全性情報、副作用の報告制度、被害救済制度など、第5章全体から例年通り基本的なものが出題されている。
ポイント1
難問として問47がある。乗物等の運転操作をしないことと記載される対象成分の問題であるが、その理由について、「眠気」なのか「目のかすみ、異常な眩しさ」なのかを問うものである。ここまで分類をして身につけている受験生はあまりいないのではないだろうか。
- 問47 一般用医薬品の添付文書の「使用上の注意」において、「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」と記載しなければならない主な成分と、それにより懸念される症状の組み合わせとして誤っているものはどれか。
-
<主な成分> <懸念される症状> 1 ジフェンヒドラミン塩酸塩 眠気等 2 ブロモバレリル尿素 眠気等 3 ロペラミド塩酸塩 目のかすみ、異常なまぶしさを生じることがある 4 ピレンゼピン塩酸塩水和物 目のかすみ、異常なまぶしさを生じることがある 5 ロートエキス 眠気等
ポイント2
次の問題は、医薬品副作用被害救済制度の請求期限についてである。期限の有無だけではなく、いつから期限を起算してそこから何年なのかがポイントになっていて、難問である。
- 問57 医薬品副作用被害救済制度における給付に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- 1 障害年金には請求期限がない。
- 2 医療費は、支給の対象となる費用の支払いが行われたときから3年以内が請求の期限となっている。
- 3 遺族年金には請求期限がない。
- 4 医療手当は、請求に係る医療が行われた日の属する月の翌月の初日から7年以内が請求の期限となっている。